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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.135【臨時号】2003.11.25 ◆
_/NIC
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◆ News & Views vol.135 です
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ARINとは、北米、カリブ海周辺の一部地域、サハラ以南のアフリカ大陸を受け
持つ地域インターネットレジストリ(以下、RIR)です。2003年10月22日〜24
日に、米国・シカゴで開催された「ARIN XII」ミーティングにおける、IPアド
レス関連最新動向をお届けします。
□ARIN(American Registry for Internet Numbers)
http://www.arin.net/
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◆ ARIN XIIレポート
JPNIC IP事業部 奥谷泉
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2003年10月22日〜24日までシカゴで開催されたARIN XIIに参加してきました。
このミーティングの特徴を表すと「議論が非常に活発である」の一言につきま
す。本当に議論が好きなコミュニティらしく、APNICミーティングの倍の数の
スタンドマイクが設置されていました。そして、誰かの発言に共感を覚えると
すぐに拍手でそれを表明するため、ちょっとしたことで結構盛り上がってしま
います。また、参加者同士で気軽に会話を交わす雰囲気があり、ミーティング
に出席しているだけで、近くに座っている人からなにかと話しかけられました。
ミーティングの内容としてはIPv6割り振り基準の変更、IPv4アドレスにおける
マルチホームネットワーク用アドレス、そしてHD-ratio(*1)の適用についての
提案が、アジア太平洋(以下、AP)地域でも検討に値するトピックスとして挙
げられます。以下に、ミーティングの特徴およびこれらのトピックスについて
ご紹介します。
◆ARIN地域におけるポリシー策定プロセス
APNICのミーティングでは、提案に対する参加者による挙手の後、チェアがそ
の場でコンセンサス(*2)の確認を行います。
しかし、ARIN地域ではミーティングの場ではコンセサスの確認は行わず、チェ
アが挙手数を数えることにとどめています。そしてAdvisory Council(AC)
がこの挙手数と、メーリングリスト(以下、ML)での意見をあわせてコンセン
サスの判断を行い、後日ML上で正式に発表します。その内容がコミュニティの
コンセンサスとしてARINの理事会(Board of Trustees)により承認された場
合に、提案はポリシーに反映されます。
◆ARINコミュニティ
他のRIRと大きく異なる点としてはコンセンサスの形成にあたり、ACの役割が
大きいことが挙げられます。ACはコミュニティの代表者として、コミュニティ
の意図を汲んだポリシー提案をARINの理事に対して行い、承認を求める役割を
担っています。また、単純に決定事項を文書化するだけではなく、ポリシーの
全体的なバランスを考えたり、ポリシーへの具体的な実装案の提示も行ってい
るようです。
このように資源管理の知識を持っている代表者が議論をまとめることは、充分
な検討を行わずにその場の勢いで決定したことがそのままポリシーに反映され
るという暴走を防ぐ、バランスメカニズムの役割を果たしているのかもしれま
せん。
◆IPv6アドレスポリシーについて
AP地域でも検討に値するトピックスの一つとして、まずIPv6アドレスポリシー
の変更が挙げられます。
ARIN地域では、IPv6ネットワークの運用面はまだまだこれからのようですが、
IPv6アドレスポリシーについてはコミュニティとして大きな関心を持っている
ことを感じました。そして、割り振り件数を全RIR地域における国別で見た場
合、実はアメリカ合衆国がこの秋、日本を越して1位にランクインしています。
そして、IPv6割り振り基準の緩和については多いに議論が盛り上がりました。
これは前回のARINミーティングで、ARIN地域におけるIPv6普及のために割り振
り基準の緩和等を提案したことがきっかけとなっています。今回のミーティン
グでは、IPv6ポリシーはグローバルに調整が必要なため、まずはグローバル
IPv6 MLで議論を行うことが提案されました。
割り振り要件の緩和推奨派からは、現在の割り振り基準がハードルが高すぎる
ため、IPv6ネットワークの運用と普及の妨げになっているという意見がありま
した。具体的には、割り振りを受けるにあたり、2年間で200の/48の割当てを
行う計画があることを必要要件としている点です。
ミーティング後に参加者の一人と別途話し合ったところ、いくら計画を提出す
ればよく、実行の有無に対して罰則はないと言われても、2年間で200の/48の
割り当てを実際に行えることが現実味を帯びていない状態で申請を行うことに
罪悪感を感じるということです。そして、この要件が割り振り申請を行ううえ
での心理的なバリアになっているとの意見でした。
また、ARIN地域では他の地域と比較するとIPv6の運用が進んでいないため、こ
の基準を満たすことがより難しく、また逆にIPv6アドレスを取得することがで
きないために運用が進んでいないとの考えを表明する参加者もいました。一部
ではARIN地域のみでも要件を緩和するべきとの声もありましたが、ACが持ち帰っ
て検討を行うとの結論に落ち着きました。
IPv6アドレスポリシーに関する決定は、日本を含め他の地域にも大きな影響を
及ぼすものであるため、今後も動向を把握し、日本のコミュニティの皆様と共
有していきたいと考えています。
JPNICとしては、現時点では、割り振り要件のハードルが高いと感じられる問
題は、ポリシーの意図が十分に理解されていないことが大きな要因であると考
えています。よって、IPv6アドレスポリシーに関するガイドライン文書の策定
を通してこういったポリシーの正確な理解を促進して参ります。
そして、日本のコミュニティのニーズをグローバルコミュニティと調整を行い
ながらポリシーに反映させていきたいと考えておりますので、JPNICの進め方
を含め、IPv6ポリシーについてご意見がありましたら是非お聞かせください。
◆その他ミーティングでの主な議論
その他、上述のIPv6アドレスポリシーの変更以外に、AP地域でも検討に値する
と思われるトピックスについてご紹介します。
・マルチホームネットワークへの割り振り/割り当て
(Micro-assignments for Multi-homed Networks)
マルチホームネットワークであれば、/22のアドレス空間をPI(*3)の割
り当て、または割り振りとして受けることができる、とする提案。
[挙手結果]
賛成53名 、反対5名
[その後のML状況]
ACによりコンセンサスと判断されました。
[AP地域への影響]
APNICはこの決定を重く受け止めており、APNICでも最小割り振りサイズ
の変更を検討していると聞いています。
・IPv4アドレスの割り振りにおけるHD-ratioの適用
(Apply the HD Ratio to all Future IPv4 Allocations)
前回のAPNICミーティングでAPNICより紹介されたものと同じ内容を提案。
IPv6同様、追加割り振りに必要な利用率を一律とせず、割り振りを受け
ているサイズが大きければ、追加申請に必要な利用率がより小さくなる
モデル。ただし、具体的なratioの値(利用率の算出に必要)は提示さ
れていません。
[挙手結果]
賛成43名 、反対19名
[その後のML状況]
ACによりコンセンサスとは判断されませんでした。
[AP地域への影響]
ARIN地域でも関心を呼んでいるということで次回のAPNICミーティング
でAPNICより提案される可能性が高いと思われます。
・クローズドネットワークへの割り振りについて
フリーディスカッションの時間に、JPNICより、IPv6におけるクローズ
ドネットワーク(グローバルインターネットへ接続していない)への割
り振りも認めるべきかなのか、この場で意見交換を行いたいと発言しま
した。
[挙手結果]
賛成70名、反対2名
[その他]
IPv4アドレスも含めて、クローズドネットワークへの割り振りは今後定
義していく必要があるという意見が会場から出ました。
[AP地域への影響]
APNICは一部の事例においてはクローズドネットワークへの割り振りを
既に認めているので直接の影響はありません。ただし、ポリシーが実装
された場合、APとARIN地域での運用の統一につながります。
これらの検討事項について、ACによるコンセンサスの判断は11月19日に
ppml@arin.netのMLで発表されました。これらがコミュニティのコンセンサス
としてARINの理事会(Board of Trustees)により承認された場合、ポリシー
に反映されます。
ミーティングでは上記を含めて、14点のポリシーに関する提案/発表が行われ
ました。詳細はこちらから参照可能です。
□ARIN XII Public Policy Meeting Minutes
http://www.arin.net/library/minutes/ARIN_XII/ppm.html
◆所感
ARINコミュニティの主要な方々との交流、議事録上では読み取りきれない参加
者の発言の背後にある考えに触れる機会があったことは当然大きな収穫でした
が、RIPE NCCやLANIC等、他のRIRのスタッフとも交流を持てたことも予想外の
収穫でした。これはミーティング全体が気さくな雰囲気なため参加者同士が話
しやすいとことが大きな理由であった気がします。
今後もこのようなネットワーキングを通じてグローバルなポリシー提案が必要
になった場合に備えた地盤固めを進めていきたいと考えていますのでよろしく
お願いいたします。
(*1) HD-ratio:IPv6アドレスの追加割り振りに必要とする利用率を算出する
ための計算式。この算出方法では、割り振りを受けたサイズ
が大きいほど、追加割り振りに必要とする利用率が低くなる
(*2) コンセンサス:ポリシー提案に対するコミュニティによる賛同
(*3) PI:プロバイダ非依存アドレス(Provider Independent Address)
LIRを介さず、アドレス利用者が直接RIR/NIRより委譲されるアドレ
スをさす。
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