ネット環境下の著作権と公正利用(フエア・ユース)

弁護士　藤本英介

目次

1 はじめに

2 著作権はなぜ存在するか 　－歴史的視点からみた著作権法の目的

• 出版特許制度 　－独占確保と言論統制(暗黒面)
• 最初の近代的著作権法(英国アン女王法) －学術の奨励(インセンティブ論)
• 英国出版社の紛争 　－自然権論の興隆とその敗訴
• 米合衆国憲法の著作権条項 　－インセンティブ論
• ヨーロッパの状況 　－自然権論が強い？
• 日本その他の世界 　－貿易問題とリンク－著作権の南北問題

3 著作権法が前提としていた流通構造

4 ネットワーク環境での流通構造

5 ネットワーク環境下での著作権の問題点

• 著作権の内容・種類に関して
• 著作物に関して
• 著作者に関して
• 利用に関して

6 著作権強化の動き

• 権利の内容・種類　　→強化の方向ほぼ定着
• 著作物? 　　　　　　　　→強化の方向で議論
• 著作者 　　　　　　　 　→まだ明確な動きはない

7 フェアユースとは何か

• 米国などでの概念
• 理論的説明
• 歴史的説明 　　判例・立法
• フェアユースが曖昧なことで害はないか

8 フェアユースに関する主要な米国判例

• Sonny v. Unibersal
• Campbell v. Acuff-Rose Music

9 CONFU(CONference on Fair Use)

• CONFUとは何か 　－グリーン・ペーパー、ホワイト・ペーパーとの関係
• 1996年12月の暫定報告書と諸ガイドライン案
• 暫定報告書をめぐる諸団体の動き －ガイドラインを支持をしない団体が多数
• 1997年9月の第１フェーズの報告書
• 来年度の予定

10 CONFUでの検討事項

11 日本法でフェアユースは認められるか

• 現行著作権法 　(昭和４５年法)第１条
• 判例 　東京高裁H6.10.27 東京地裁H7.12.28
• 著作権制限規定の類推解釈は許されるか
• 権利濫用
• その他 　実質的違法性　推定的承諾

12 新たな著作権利用形態と日本法

• 視覚障害者のための利用
• 学習研究などのためのその場限りの利用
• ブラウジング 　　－情報選択の基礎を得る権利