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ニュースレターNo.42/2009年7月発行

APNICにおけるシステムの動向

APRICOT/APNICミーティングの概要

APRICOTは、“Asia Pacific Regional Internet Conference on Operational Technologies”の略称で、環太平洋地域のインターネット運用技術者が一堂に会し、最新の問題についての議論や入門技術者に勉強の場を提供することが主目的となっています。APRICOTは1996年のシンガポールでスタートし、毎年環太平洋地域の主要都市で開催されています。日本では、2005年2月に京都で開催されました。例年、冬期開催のAPNICミーティングと共催の形をとっています。

APRICOT Opening Receptionでの一コマ
■APRICOT Opening Receptionでの一コマ

なお、APRICOTは年に1回の開催ですが、APNICミーティングは8月下旬から9月にも開催され、年に2回の開催となっています。

今回の開催地はフィリピンのマニラで、前回のAPRICOT1998以来、11年ぶりのフィリピンでの開催となりました。日本ではまだまだ寒さが残る季節ですが、フィリピンでは連日最高気温が摂氏30度前後となっており、現地到着時には気候の違いに驚きました。

ミーティングの参加者は473名で、世界で開催されるRIRのミーティングやxNOGイベントと同様に盛況な状況です。また、延べ2,500人を超えるリモートからの参加者があったと、ミーティング運営側から報告がありました。今回、一部のプログラムでは、チャットや音声を提供するだけではなく、遠隔地用に別の参加会場を準備し、双方向の議論ができる環境が用意されていました。現地マニラまで行くことができない参加者へも手厚い配慮がなされていました。

開催概要

今回のAPRICOT2009/APNIC27ミーティングでは、IPv6への移行やIPv4アドレス在庫枯渇に関する対応、ポリシーの議論が中心となっており、Plenaryやライトニングトークの内容はほとんどIPv6に関する内容でした。

Plenaryでは、IPv6を使った運用技術の将来動向やIPv4アドレス在庫枯渇期における対策について発表と議論が行われました。当日のプログラムと議論のログ、動画は以下のURLから参照可能です。興味のある方はぜひご参照ください。

□APRICOT2009プログラムと事後資料
http://apricot2009.net/index.php?option=com_content&task=view&id=98&Itemid=60


□APNIC27 Meeting Report
http://meetings.apnic.net/report/
http://meetings.apnic.net/program/

会場の来場者用ネットワーク

最近このようなイベントでは、来場者へIPv4の接続性を提供することは当然になっており、今回のミーティングでも、日本国内との通信に支障の無い接続性のあるネットワークが提供されていました。

また、IPv6への移行やIPv4在庫枯渇問題が議論の中心となるだけあり、会場のネットワークは3種類のネットワークが提供され、参加者が自分で選択できる状態となっていました。

私はIPv4/IPv6デュアルスタックネットワークを利用していましたが、APNIC27ミーティングのWebページを閲覧していると、ジープのアイコンがIPv6アドレスを表示しており、気がつかないうちにIPv6を利用して通信していました。小さなことですが、徐々にIPv6利用環境の整備が進んでいることを感じました。

図

会場ではIPv6でのネットワーク接続が提供されていました。
■会場ではIPv6でのネットワーク接続が提供されていました。

NIR Technicalワークショップ

NIRとはNational Internet Registryの略で、国別インターネットレジストリを指します。NIRはAsia Pacific地域に6組織存在しており、APNICと連携しながらIPアドレスの管理を行っています。APRICOTやAPNICミーティングでは、毎回NIRとAPNICの技術者間で情報交換が行われており、IPアドレス管理システムの動向や、各NIRの技術実装の方向性について議論されています。本稿では、IPアドレス管理に必要な技術を議論するNIR-Technicalワークショップについてお伝えします。

今回のNIR-Technicalワークショップは、会期中の半ばにあたる、2009年2月24日の午後に実施されました。参加者はAPNICの技術陣に加えて、CNNIC、VNNIC、KRNIC、TWNIC、そしてJPNICの担当者が出席しました。通常のNIR-Technicalワークショップでは各NIRがプレゼンテーションを行い、APNIC技術陣を交えた議論を行うことが多かったのですが、今回はAPNICからの相談と周知が主な内容でした。また、ミーティングの後半では、JPNICの木村がAPNICと各NIRに対し、リソース証明書に関するヒアリングを実施しました。

IPv6 in 3Dセッションの様子
■IPv6 in 3Dセッションの様子

APNICのテクニカルエリアマネージャーのByron Ellacott氏からは、APNICの最新技術動向が発表されました。2008年の主な成果と2009年の目標を以下の通りとしています。

[2008年の主な成果]

[2009年の目標]

APNICでは、2008年には基本的なサービスのIPv6化は達成されており、2009年以降は主に、システムの地域分散化やリソース証明書の対応に力を入れていくことがわかります。IPv4アドレス在庫枯渇?IPv6への移行、共存時期のインターネットレジストリとして必要なものは確実に整備するという強い意志を感じました。

一方で、JPNIC技術部の一員としては、日本国内のIPアドレス管理指定事業者やエンドユーザーだけでなく、世界のインターネットに影響する、逆引きDNSの反映障害の対応が後手に回っているのではないかと感じました。その点を別のミーティングにおいてAPNIC技術陣と情報共有することができました。以前ほど逆引きDNSに関するトラブルは発生しておりませんが、今後の改善を期待します。

終わりに/次回のAPNIC28北京ミーティングについて

IPアドレスレジストリ間の情報共有、また直接顔をあわせての議論ができるこうした場には継続して参加する必要を感じます。今後もJPNIC技術チームから継続した参加を予定しております。

次回のAPNIC28北京ミーティングの紹介ビデオは、動画共有サイトのYouTubeで閲覧することができます。YouTubeには“apnicmultimedia”というチャネルが存在し、その他にも複数の動画を閲覧することが可能です。

□YouTube apnicmultimedia
http://www.youtube.com/user/apnicmultimedia

□APNIC28北京紹介ビデオ
http://www.youtube.com/watch?v=uNaFa-8rA9A&feature=channel_page

(JPNIC 技術部 岡田雅之)



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