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ニュースレターNo.44/2010年3月発行

第9回 江崎 浩のISOC便り

執筆者近影
JPNIC副理事長/ISOC理事
江崎 浩

今回の会合は、理事のスケジュールを調整した結果、IETFおよびICANNとは独立して開催することになりました。開催場所は、オランダのアムステルダムで、2009年12月4日(金)〜5日(土)の日程で行われました。アムステルダムでの会合場所の近くには、前ISOC議長(Daniel Karrenberg氏)が所属する、RIPE NCC(Reseaux IP Europeans Network CoordinationCentre)のオフィスもあります。ちなみに、PTT(Staatsbedrijfder Posterijen, Telegrafie en Telefonie: オランダ電信電話局、現KPN社)のメインオフィスだったビルの隣にあり、夕食のレストランに向かう途中に通りがかることから、いろいろな説明をしてもらいました。

今回の会合の重要な議題は、以下の二つでした。

(1) W3Cへの財政的支援に関して

既にプレス報道が行われていますが、ISOCは、W3C※1と標準化活動などに関して戦略的な協調関係を構築することとし、そのために、ISOCからW3Cに対して、財政的な支援を行うことになりました。会合にはWWWの産みの親でもある、W3Cの代表であるTim Berners-Lee氏(米国MIT教授)が出席しました。氏から理事会に対して今回の提案に関する説明と、それに続いて質疑応答が行われました。W3CがIETFのように、オープンな標準化活動を推進することが可能な組織なのか、どのような協調が可能なのか、さらに、財政を健全化するためにどのような組織改革が計画されているかなどが、議論されました。議論の結果として、3年間をめどに財政的な支援をISOCがW3Cに対して行うことになったわけですが、その内容に関してはきちんと監査・評価を行い、W3Cが機敏で包括的かつ柔軟性に富んだ組織機構を展開しない場合には、3年間の確約は行わないことがコンセンサスとなりました。

(2) ISOCの財政の強化に関して

ISOCの収入の大部分がPIR※2からの寄与に依存していることは、常に、改善すべき課題であるとの認識があります。今回の会合では、2010年度の予算計画だけではなく、今後3年間の予算計画も議論されました。戦略的にPIR以外からの収入の増加が提案されていましたが、理事会としては、『根本的な改善案になっていない』との結論に至り、急遽、2010年1月中に電話会議を開催し、運営スタッフ側からの再提案を審議することとなりました。

本会合では、IETFの開催状況に関する報告もIAOCから行われます。2009年11月に広島で開催された、第76回IETF会合に関しての報告も行われ、ほとんどすべての会合参加者から、広島会合の成功とその努力に対する感謝と敬意が表されました。あらためまして、関係各位のご尽力とご努力に深く感謝申し上げます。2010年秋の開催が、中国(北京、ホストは清華大学)に決定したとの報告も行われ、当然のことながら、コンテンツフィルタリング(Great Firewall)への懸念などの議論が行われました。ナ

次回の会合は、IETFが開催される米国カリフォルニア州アナハイムで、2010年3月27日から28日の開催となります。

IETF76のWebサイト
■IETF76のWebサイト


※1 W3C(World Wide Web Consortium)
WWWで用いられる技術の標準化、相互運用性の確保を目的とする団体です。HTML、URI、XML等の技術もW3Cで標準化されました。
※2 PIR(Public Interest Registry)
PIRは、ISOCによって2002年に設立された非営利企業です。PIRは.ORGトップレベルドメイン(TLD:Top Level Domain)を管理する役割を担っており、我が国における「.JP」を管理している株式会社日本レジストリサービス(JPRS)に似た組織です。


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