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2000年9月27日

インターネット標準化過程

『標準化過程(Standards Track)』とはインターネット標準を形成するプロセスである。 RFCの分類で説明したように標準化過程の発展段階は以下のようなRFCの分類の遷移によって表現される。

これらのRFCがどのような基準で遷移していくのかを示すために、標準化過程について簡単に紹介しよう。
ここではまず各標準化状態について説明していく。

標準への提唱(PS)段階

標準化過程の最初に公開されるRFCは"標準への提唱(PS)"として公開される。
名前は『提唱』であるが、この段階のRFCであっても、まったく考えられていないわけでは無い。既にRFCの前段階の文書であるインターネットドラフトによって十分に議論された仕様となっている。
対象となるインターネットドラフトは IESG(Internet Engineering Steering Group)による承認を経てRFCとなる。

標準への提唱(PS)段階の仕様として要求されるのは、

である。仕様の実装や運用実験は必須ではない。

この段階の仕様に関する制約事項として

などがある。

標準への草稿(DS)段階

標準化過程の次の段階に進んだRFCは"標準への草稿(DS)"として公開される。
"標準への草稿(DS)"となった仕様として要求されるのは

である。この事実を証明するための条件として

ということ、つまり、その仕様が成熟し有用であると確信できるようになっている必要がある。 そのため、前の段階である標準への提案(PS)段階 からこの段階に進むためには、

の条件を満たさなければならない。 この段階の仕様が次の標準化過程の段階である 標準(STD)段階に移行するためにはさらに大規模な運用実験による問題検出が必要な場合があるが、一般的にはこの段階の仕様が最終的だと見なされる。したがって、特別な場合を除いて変更されることはめったになく、安心して実運用実装に用いて良い。

標準(STD)段階

インターネット標準として認定されたRFCは"標準(STD)"として公開される。 "標準(STD)"は標準化過程の最終段階で、 RFC番号に加えてSTDシリーズ番号が割り当てられる。
この段階に達することができるのは重要な実装と十分な運用実績が得られた仕様のみである。この段階のプロトコル仕様は技術的に成熟しており、インターネットコミュニティにとって重要なプロトコルまたはサービスを提供する。

"標準(STD)"段階の仕様は

の2種類に分類される。
"標準(STD)"段階に達した後にもまだ仕様が発展する可能性はあるが、この場合は標準化過程での昇格ではなく、新しいRFCでの置換という形をとることになる。

標準化過程の流れ
続いて『標準化過程の遷移』に着目する。
標準化過程内では

の3つの動きがある。
これらの動きについて簡単に説明していこう。

IESGと標準化過程

標準化過程におけるすべての決定はIESGによっておこなわれる。
そのための客観的基準は多数存在しているが、単純にその基準を満たせば良いわけではない。 IESGの経験に基づいた判断も重要視される要素となっている。

標準化過程への提出

仕様は標準になることを目的として標準化過程に『提出』される。提出される仕様は以下の3段階を経ることになる。

これらの段階での手続きを以下に示す。
標準化過程への提出
標準化過程へ提出される仕様は、通常インターネット・ドラフト(ID)として公開されている。新しいIDとして公開された場合は、一般の目にさらして検討してもらうために、少なくとも2週間公開していなければならないことになっている。 仕様の標準化過程への提出は、

のいずれかの方法でおこなわれる。
仕様の検討と認可
仕様が提出されると、 IESGは

について検討する。場合によってはIESG以外の外部機関に技術的な検討を委託する場合もある。
検討が終了すると、IESGはIETFに対し、 IETF通知用メーリングリストへの電子メールなどで「最終告知(Last-Call)」の通知を送る。これはインターネットコミュニティ全体による最終的な検討をうながすもので、広くコメントを求めるものである。
最終告知期間は、IETF分科会によって提出された仕様の場合は2週間以上、それ以外の場合は4週間以上である。 IESGによってさらに時間が必要だとみなされた場合にはさらに長い期間が設定されることもある。
最終告知期間満了後、IESGは適宜その仕様に対する処置を決定し、その決定をIETF通知メーリングリストへの電子メールを通してIETFに通知する。
公開
仕様の標準化過程への受け入れが決まると、 RFCエディターにRFCとしての公開を指示する通知が送られ、この仕様はIDディレクトリから削除される。
場合によっては標準化過程としてではなく実験(Experimental)なRFCとして採録される場合がある。その場合は必要に応じて提出からやり直さなければならない。

標準化過程内での状態の遷移

仕様がRFC標準化過程で発展する際にも上記の流れに従った処理が適用される。段階が遷移すると、ほとんどの場合仕様は再度RFCとして公開されることになる。
各段階に仕様を据え置く期間は以下のように設定されている。

標準化過程にある仕様が非常に大きく変更された場合には、 IESGは別の文書として再度はじめから標準化過程を経るように勧告する。
また、インターネット標準(STD)段階に達する以前に仕様が同一段階に24ヶ月以上ある場合などは、IESGによって

に関して検討される。検討の結果によって

が決定される。この決定はIETF通知メーリングリストで公示される。

標準化過程からの除外

標準化過程のRFCは場合によって、標準化過程からはずれて歴史(Historic)に移行する場合がある。
これは主に

で、既にいくつかのRFCが歴史RFCに改訂されている。

より詳しく?

標準化過程に関してより詳細な情報が必要な場合は RFC2026(BCP9)『The Internet Standards Process -- Revision 3』を読んでいただきたい。



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