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L3 DNSのメッセージサイズについて考える~ランチのおともにDNS~

日時 2013年11月28日(木) 11:45~13:00
場所 5階 アキバホール
提供 株式会社日本レジストリサービス
参加料金 無料
講師
写真:森下氏

株式会社日本レジストリサービス 広報宣伝室 技術広報担当 森下 泰宏
http://森下泰宏.jp/

1988年 ディジタルコンピュータ株式会社(現、横河ディジタルコンピュータ)入社
1990年よりWIDE Projectメンバーとして、 日本のインターネット構築に黎明期より参加。
1993年 学校法人東京理科大学情報処理センター 着任
キャンパスネットワークおよび教育用システムの設計、 構築、運用を行う。
1998年 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター 着任
JPドメイン名登録システムおよびJP DNSの管理運用に従事。
2001年 株式会社日本レジストリサービスに転籍
DNSの技術研究を中心に活動。 2007年より同社技術広報担当として、 DNSおよびドメイン名関連技術に関する各種プロモーションを中心に活動中(現職)。
写真:堀氏

株式会社日本レジストリサービス システム部 堀 五月

2012年 株式会社日本レジストリサービス入社
システム部にて、 JPドメイン名の登録申請システムおよびJP DNSの設計、 構築、運用に関する業務に従事。
内容

伝統的なDNSプロトコルでは、 UDPで取り扱い可能なメッセージサイズ(UDPメッセージサイズ)を512バイト以下に制限しています。 この制限は1999年に標準化されたEDNS0(RFC 2671)で拡張・緩和され、 2005年に標準化されたDNSSEC(RFC 4033-4035)では「EDNS0によって少なくとも1220バイトをサポートしなければならず、 4000バイトをサポートすべき」と定められています。

DNSでは主な通信プロトコルとしてUDPを採用することで、 応答速度の向上や名前解決にかかるコスト・負荷の軽減を図っています。 また、ルートサーバーなどに導入されているIP Anycastは、 主な通信プロトコルがUDPであることが導入の前提条件となっています。

しかし、 UDPは送信元を詐称したパケットによる攻撃が比較的容易であり、 近年それを悪用した「DNSリフレクター攻撃(DNS Amp攻撃)」の増加が、 大きな問題となってきています。 この背景の一つとして、 EDNS0の普及による取り扱い可能なUDPメッセージサイズの増大が挙げられています。

また、 UDPメッセージサイズの増大はIPフラグメンテーションの発生につながります。 IPフラグメンテーションはパフォーマンス上・セキュリティ上の観点において有害(harmful)であると以前から指摘されており、 特に最近のIETFで議論されているIPv6におけるIPフラグメンテーションの廃止への対応や、 最近発表されたDNSに対する新たな攻撃手法である「第一フラグメント便乗攻撃(1st-fragment piggybacking attacks)」への対策などから、 DNSのUDPメッセージサイズの最大値を、 IPフラグメンテーションが発生しない程度に縮小すべきなのではないかという提案・議論も行われています。

今年のランチセミナーでは「DNSのメッセージサイズについて考える」と題し、 DNSのUDPメッセージサイズが512バイト以下に制限された理由、 DNSのメッセージサイズに関する標準化や検討の歴史などについて振り返るとともに、 最近の検討状況や今後の展望などについて解説します。

対象者
  • インターネット技術者、特に実際にDNSサーバーを管理運用されている方歓迎
※時間割、内容、講演者等につきましては、 予告なく変更になる場合がございます。 あらかじめご了承ください。