IW2019

実行委員長からのご挨拶

Internet Weekについて、 今年も皆さまにご案内できる時期となりました。 今年のInternet Weekは、 東京・浅草橋の「ヒューリックホール&ヒューリックカンファレンス」にて、 2019年11月26日(火)から29日(金)までの開催です。

今年のテーマは「新陳代謝」です。 まずはじめに、皆さまに誤解しないでいただきたいことがあります。 この「新陳代謝」という言葉、 「新しいものが古いものに取って代わる」すなわち「Internet Weekに関わる層を世代交代させたい」、 という意味では決してありません。 万が一にもそうであるならば、 この業界に数十年いる私が、 誰よりも先に実行委員長から退かなければなりません(笑)。

Internet Weekのテーマは、毎年4月に開催する実行委員会で検討します。 今年の検討の場で、 出席者の1人からふと挙がった言葉が「新陳代謝」です。 はじめに耳にした際に、 先に述べたような誤解をされやすい点は承知の上で、 全員一致で今年のテーマに選びました。

30年以上にわたって進化しながらも動き続けているインターネットと、 「新陳代謝」という言葉。 どこか通じるものがあるように思えるのは私だけでしょうか。

土台となるコアな部分をしっかりと残しながらも、 古くなった技術は潔く捨て、新しい技術は積極的に取り入れていく。 昔からあるものと新しいものが良いバランスで共存していること、 そして、少しずつ生まれ変わりながら成長し続けてきたことが、 インターネットが今日まで発展してきた理由の一つだと私は考えます。 これが「新陳代謝」を選んだ意図です。

これに関連して、今年のプログラム委員長の松本智さんが、 Internet Weekの特色について、興味深いことを言っていました。 「Internet Weekは紅白歌合戦に似ている」と。 Internet Weekのプログラムには、 「攻め」の部分と「守り」の部分があります。 そして攻めも守りも大切に、 どちらかに偏ることなく、 バランス良く取り上げています。

「攻め」の部分は、 いま話題の最新技術や時事ネタを扱ったセッションです。 紅白歌合戦では、最新のヒット曲と言えるでしょう。 Internet Weekプログラム委員会の良いところは、 多少尖っているように思えるネタでも、 それを受け入れる土壌があることです。 毎年8月のプログラム委員会で、 各委員が今年やりたいプログラムを提案するのですが、 「え?それできるの?」「講演者のあては?」「集客は大丈夫?」という議論を経て、 そのようなプログラムが毎年いくつかは必ず採用されています。 そして、そのようなプログラムが、 蓋を開けてみたら結果的に満席の人気プログラムになった、 ということも決して珍しくはありません。

一方の「守り」の部分は、紅白歌合戦で言うならば、 老若男女誰もが知っている名曲。 1年の終わりに必ず聞きたくなります。 Internet Weekで言えば、 定番のプログラムや講演、 あるいは普遍的な部分を取り上げたチュートリアルが、 これに該当するでしょう。 たとえば、 IP MeetingやDNS DAYの前半にあるその1年のアップデートの部分、 最近ではすっかりInternet Weekの定番となったサイバー攻撃の傾向と対策を扱った講演や、 ログ解析のハンズオンなどが、「守り」のプログラムと言えます。

今年のInternet Weekは、 この「攻め」と「守り」をより明確に打ち出そうと考えています。 「守り」のプログラムでしっかりと基礎を固め、 「攻め」のプログラムで新しいものを取り入れる。 Internet Week 2019にご参加いただくお一人お一人の「新陳代謝」を、 さらに促進できるようなプログラムをお届けしたいと思います。 そして、Internet Week 2019の最後を飾るプログラムである懇親会で、 今年は「新陳代謝」された皆さまとともに「蛍の光」を歌うことができましたら(!)、 これほど嬉しいことはありません。 皆さまのお越しをお待ちしています。