QCONVは多言語ドメイン名を支援するコード変換ツールです。
クリップボードの文字列を多言語ドメイン名で使われる正規化や各種の エンコーディングにしたがったコード変換を行い、変換結果をウィンド ウに表示させることが出来ます。
QCONV は Windows のタスクトレイに常駐し、簡単な操作ですぐに変換結 果を見ることが出来ます。基本的には多言語ドメイン名をサポートする ツールですが、iconv ライブラリでサポートしている文字コードの変換 ツールとしても便利です。
QCONV は次のような機能を持っています。
ここでは QCONV の操作方法について簡単に説明します。QCONV は設定内 容によって操作方法を変える事も出来ますが、ここでは初期設定状態での 操作について説明しています。目的に応じた使い方については 便利な使い方 を参照してください。
スタートメニューから、「プログラム」−「QCONV」−「QCONV」を選択し てください。QCONV が起動し、タスクトレイに常駐します。「Q」の文字の アイコンが QCONV です。
QCONV は、このタスクトレイのアイコンをマウスの左ボタンでクリックする ことによってクリップボードの文字列のコード変換が行われます。 また、このアイコンを右クリックすると、次のメインメニュー が表示されます。
また、初期状態では次のような変換結果ウィンドウ が表示されます。このウィンドウにはコード変換を行った結果や、各種のエ ラーメッセージが表示されます。QCONV のメインウィンドウともいうべきも のですが、後述するようにこのウィンドウを隠してしまい、キーボード操作 だけでコード変換を行うことも可能です。
まず、変換したい文字列をクリップボードにコピーします。テキストエディタ、ワー プロなどテキストとして扱えるデータを持つアプリケーションで行ってください。
次に変換結果ウィンドウの変換ボタンをクリックします。 QCONV はクリップボード中の文字列を RACE などのエンコーディングに変換し、変換 結果を変換結果ウィンドウに表示します。 デフォルトの設定ではクリップボードの内容を変更することはありません。(変換結 果をクリップボードにコピーするモードもあります。)
変換結果ウィンドウは通常のテキストボックスなので、変 換後の文字列をブラウザやエディタなどに CUT & PASTE したり、変換ウィンドウの中 に文字列を入力することも出来ます。
以下では、変換結果ウィンドウの各ボタンについて解説します。
以下では、メインメニューで指定可能な各項目について解説します。
UTF-8 は変換結果ウィンドウ上では文字化けして見えます。(というより、Shift JIS 用のテキストボックスに無理やり貼り付けているので表示が乱れます。)後述 する設定ダイアログで16進ダンプ出力を指定するか、 クリップボードにコピーし他のアプリケーションに貼り付けて使用することを お勧めします。
このオプションは、QCONV が必要以上にメモリや CPU を占有しないように考えた ものです。クリップボードの更新を監視するモードでは、QCONV はほおっておい ても次から次へと文字列を変換していきます。上限値を設けないとバッファが大 きくなるにつれて CPU やメモリを食いつぶしていきます。通常はあまり大きな データを扱う必要はあまりないでしょうから、バッファサイズは小さめにしてお きましょう。
一方、大量のテキストを一気に処理したいときには、一時的にこのパラメータを 0にして、一気にいってしまって下さい。一応、5 MBytes 位のテキストデータ なら問題なく動いています。
正規化スキーム設定ダイアログでは、使用したい正規化方法のチェックボックス をチェックしてください。
ここでは、QCONV のソースパッケージを入手して、コンパイルを行う際の注意 点を書きます。コンパイル済みバイナリパッケージを使用する場合にはこの項 目は読み飛ばして下さって結構です。
なお、ここでの手順については、Microsoft Visual C++ 6.0 がインストールさ れていることを前提としています。他の処理系をお使いの場合は適宜お使いの 処理系に合わせて手順を変更してください。
QCONV をコンパイルするには、 多言語ドメイン名評価キット (mDNkit) バージョン1.2.1 のソースが必要です。任意のディレクトリを作成し、そこに qconv10_src.zip と mDNKit のソースを展開してください。mDNKit のソースは mdnkit-<バージョン番号>-src という名前で提供されますが、ここでは mdnkit-src という名前に変更してください。
例:
C:\work\qconv\mdnkit-src mDNKit 1.2.1 のソースツリー C:\work\qconv\qconv-1.0-src qconv 1.0 のソースツリー
DOS 窓からカレントディレクトリ mdnkit-src で次のコマンドを実行して ください。
freewrap という Windows 用の Tcl コンパイラがインストールされていない 場合は、ディレクトリ wsock\config でエラーが発生しますが、これは無視し てしまってかまいません。
DOS 窓からカレントディレクトリ qconv-1.0-src で次のコマンドを実行して ください。
もちろん、Developper Studio を用いてプロジェクト・ワークスペース (qconv.dsw)を開き、コンパイルを行なうこともできます。
mdnconv のかわりとしてQCONVの機能を見た場合、以下のような機能が不足 していますが、一時的な使用ではほとんど問題にならないと思います。
多言語ドメインに対応していないブラウザで表示させたコンテンツに多言語ド メイン名のリンクが含まれていたとき、リンクの URL をクリップボードにコ ピーし、QCONV で変換し、URL を入力すればいいわけです。
ある漢字の EUC での漢字コードが知りたいとき、その漢字の変換とコードの16 進数表示が簡単に出来ます。コードから文字を調べるときには使えませんが、、、
出力エンコーディングを Shift-JIS にし、任意の正規化スキームを設定して おくことで正規化後の文字列をチェックすることが出来ます。
出力エンコーディングを Shift-JIS にし、正規化方法のチェックボックスを すべて OFF にしておくと、クリップボードの内容がそのまま変換結果ウィンドウ にコピーされます。ちょっとしたメモを書き込んでおいたり、クリップボードの 履歴代わりにも使えます。もちろん、専用のメモパッドなどのソフトウェアには かないませんが。
mDNKit についての詳細は、こちらを参照してください。
QCONV に添付した iconv.dll は以下で公開されています。