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	JPNICレポート15
	岡敦子、後藤滋樹
	第1回 APNIC Meeting 参加報告


	はじめに

  1月16日~17日の2日間、第1回 APNIC(Asia Pacific Network Information
Center) Meeting がタイの首都バンコクのチュラロンコン大学で開催されまし
た。日中の気温が約30度と日本の真夏並みの気候ですが、この時期のタイは乾
期とあって、朝夕はたいへんすがすがしく、会場の冷房もよく効いており、快
適な環境で議論を交わすことができました。APNICが独自の会合を開くのは初
めてで、どの程度の出席者が集まるか懸念されましたが、15ヶ国から約80人も
の参加がありました(図1)。


	APNICとは?

  APNICは、その名の示すとおり、アジア太平洋地域におけるNICです。現在の
国際的なNICの関係を図2に示します。一番上のIANA(Internet Assigned
Numbers Authority)はISOC(Internet Society)の委員会であり、IPアドレ
スだけでなくインターネットで使われる各種の番号やキーワードの割当て調整
をおこなっています。IANAの次の段には、ヨーロッパのRIPE NCC(Reseaux IP
Europeenne Network Coordination Center)、アジア太平洋地域のAPNIC、 北
米のInterNICというRegional NICが位置します。南米を含むその他の地域につ
いては、InterNICがカバーしています。
  APNICの下にはJPNIC(Japan NIC)、KRNIC(Korea NIC)、AUNIC
(Australia NIC)の3つのCountry NICがあります。アジア太平洋地域で
Country NICが成立しているのはこの3ヶ国だけで、その他の国々のIPアドレス
の割当てはAPNICが直接おこなっています。

  各組織との国際的な関係については、1994年3月号の本欄
”国際的なNIC活動との関係”も参照してください。


図2 国際的なNICの関係
----------------------------------------------------------
			IANA
		       /  |  \
		      /   |   \
		     /    |    \
		    /     |     \
	     RIPENCC	APNIC	 InterNIC
    (ヨーロッパ) (アジア太平洋)  (北米ほか)
		       / | \    \
		      /  |  \    \
		     /   |   \    \
	         AUNIC KRNIC JPNIC アジア太平洋地域の
				   その他の国々
-----------------------------------------------------------


	各国NICの活動の紹介

  今回のミーティングでは、各国におけるNICの活動が紹介されました。

●台湾:現在、政府のパイロット・プロジェクトとして活動が進められており、
台湾内のNSP(Network Service Provider)がスタッフとなって作業にあたっ
ています。このプロジェクトによるアドレス割当ての状況とGopherサービス
(gopher://gopher.twnic.net/)の現状が紹介されました 。

●シンガポール:現在、シンガポール国内NSP間でJoint Task Forceを通じて
調整をおこなっています。

●日本:JPNIC発足の経緯、1995年度より実施する手数料徴収制度、IPアドレ
スおよびドメインの割り当て状況、地理的ドメイン名のパイロット・プロジェ
クトなどについて報告しました。なお、JPNICではAPNICに対してJPNIC運営資
金の10%を上限として、資金・資源を供与することにしています。


	APNIC の現状報告

  David R. Conrad氏(APNIC Interim Directorate)より、APNICの活動報告
がありました。とくに、IPアドレスの割り当て状況については、1994年5月以
来、300以上の申請に対してすでに1,000を越えるクラスCネットワークを各組
織に割り当てています。(表1)
  APNICはアジア太平洋地域のためのアドレス空間として、クラスA×2個ぶん
(202.0.0.0~203.255.255.255)のクラスCアドレスの割当てを任されていま
すが、そのうち23%がすでに割り当てられています。

表1 APNICによるIPアドレス割当て実績
|-----------------------------------------|
| 年 月   受付申請数   割当ネットワーク数 |
|1994.5           46                  142 |
|     6           41                   68 |
|     7           33                   67 |
|     8           31                  217 |
|     9           34                   92 |
|    10           33                  105 |
|    11           42                  221 |
|    12           51                  170 |
|-----------------------------------------|
| 合計            311               1,082 |
|-----------------------------------------|

※この表には、前記の3カ国のNICに割り当てられたアドレスブロックは含まれ
ていません。


	Funding Proposal

  現在、APNICの活動は、JPNICの作業部会であるAPNIC-WGメンバーをはじめ、
韓国、オーストラリアなどの各国NICの作業スタッフにより分担されています。
具体的な役割分担は、以下のようになっています。

●JPNIC:IPアドレスの割り当て
●KRNIC:情報サービス(WWWなど)
●AUNIC:APNICのDNSの管理、HTMLによるIPアドレスの申請フォームの整備

  しかし、今後APNICが自立して活動していくためには、技術や会計を担当す
る専任スタッフや常設の事務所が必要です。これは世界の他の地域のNIC、あ
るいは各国のNICにおいても同様です。そこで、JPNICだけでなく世界各地でア
ドレス割当て作業などに対する課金の導入が検討されています。APNICでも、
アドレスの割当て時に手数料を利用者が負担するという原案が提出されました。
  ただし、アジア太平洋地域でいきなり手数料を徴収するのは時期尚早との慎
重論を唱える国もあり、議論を尽くした結果、今後半年間は手数料ではなく、
各国や各組織の自主的な判断にもとづくdonation(直訳すれば”寄付”ですが、
各NICからは分担金と捉えることができます)により維持することにしました。
この結果をみて、半年後の第2回Meetingで再検討する予定です。

  この運営資金のためのFunding Proposalとして、以下の3つが提案されまし
た(括弧内は提案した組織)。

●韓国政府による2年間の寄付(KRNIC)
●各種の資金をISOCを経由してAPNICに集める(JPNIC)
●小数の企業(キャリアなど)による寄付(Hong kong Supernet)

  今後は、この課金や資金問題を検討するためのWGを設けて、電子メールを用
いて論議を続けることになりました。


	今後の検討課題

  さきのFundingに関する議論が長引いたため、今後の検討課題を仔細に論じ
ることはできず、項目をリストアップするにとどまりました。たとえば、現在
実施されているクラスCアドレスの割当ての最小単位はクラスC×1個ですが、
さらに細分化する必要があるのではないかといった手続き上の問題や、統一的
なNICハンドルの付与方法、クラスBアドレスおよびAS番号の割当ての実施といっ
た今後新たに検討すべき課題などが挙げられました。


	おわりに

  第1回APNIC Meetingは盛況のうちに閉会しました。今後は、主として電子メー
ルを用いて議論を深めていく予定です。INET95(ホノルル)と併催される第2
回Meetingでは、さらに踏み込んだ議論がおこなわれると思います。
  今回、多くの国々から、課金の問題、地理的ドメイン名の運用などに関する
質問を受けました。JPNICがほかの地域に先行するかたちで数々の問題に直面
し、検討を重ねている経緯があればこそでしょう。JPNICでは、今後ともこれ
らの経験を活かし、他地域でのCountry NIC設立に協力していくつもりです。
				(おか・あつこ、ごとう・しげき  NTT)



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