ネットワークワーキンググループ
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BCP: 14
分類: ベストカレントプラクティス
S. Bradner
Harvard大学
1997年3月

English

RFCにおいて要請の程度を示すために用いるキーワード
(Key words for use in RFCs to Indicate Requirement Levels)

このメモの位置付け

このメモは、 インターネットコミュニティのためにベストカレントプラクティス(現時点における最善の実践)について規定するものであり、 改善のための議論や提案を求めております。 このメモの配布に制限はありません。

要旨

多くの標準化過程の文書において、いくつかの語句が、 当該仕様の要請の程度を示すために使われています。 これらの語句は、よく大文字になっています。 この文書では、 これらの語句がIETFの文書においてどのように解釈されるべきであるか、 について規定します。 これらのガイドラインに従うRFCの著者は、 自身の文書の冒頭付近に下記のフレーズを含む必要があります。

この文書における次の各キーワード「しなければならない(MUST)」、 「してはならない(MUST NOT)」、「要求されている(REQUIRED)」、 「することになる(SHALL)」、「することはない(SHALL NOT)」、 「する必要がある(SHOULD)」、「しないほうがよい(SHOULD NOT)」、 「推奨される(RECOMMENDED)」、「してもよい(MAY)」、 「選択できる(OPTIONAL)」は、 RFC 2119で述べられているように解釈されるべきものです。

ただし、これらの語句の強さの度合は、 語句が使用されている文書の要請レベルに応じて適宜修正されることをご認識ください。

1. 「しなければならない(MUST)」 English

この語句、もしくは「要求されている(REQUIRED)」および「することになる(SHALL)」は、 その規定が当該仕様の絶対的な要請事項であることを意味します。

2. 「してはならない(MUST NOT)」 English

この語句、もしくは「することはない(SHALL NOT)」は、 その規定が当該仕様の絶対的な禁止事項であることを意味します。

3. 「する必要がある(SHOULD)」 English

この語句もしくは「推奨される(RECOMMENDED)」という形容表現は、 特定の状況下では、 特定の項目を無視する正当な理由が存在するかもしれませんが、 異なる選択をする前に、当該項目の示唆するところを十分に理解し、 慎重に重要性を判断しなければならない、ということを意味します。

4. 「しないほうがよい(SHOULD NOT)」 English

この語句もしくは「推奨されない(NOT RECOMENDED)」という形容表現は、 特定の動作が容認できる、ないし、非常に有用である、 というような特定の状況下では、正当な理由が存在するかもしれませんが、 このレベルの動作を実装する前に、 当該項目の示唆するところを十分に理解し、 慎重に重要性を判断しなければならない、ということを意味します。

5. 「してもよい(MAY)」 English

この語句、もしくは「選択できる(OPTIONAL)」という形容表現は、 ある要素が、まさに選択的であることを意味します。 その要素を求めている特定の市場があるから、あるいは、 他のベンダーはその要素を提供しないだろうが、 その製品機能を拡張すると察知して、 その要素を含む選択をするベンダーがあるかもしれません。 特定の選択事項(オプション)を含まない実装は、 おそらく機能的には劣ることになるでしょうが、 そのオプションを含む他の実装との相互運用に備えなければなりません(MUST)。 同様に、特定のオプションを含む実装は、 そのオプションを含まない実装との相互運用に備えなければなりません(MUST)。
(当然ながら、そのオプションが提供する機能は除かれます。)

6. これらの命令的語句(Imperatives)の使用に関する手引き English

このメモにおいて用法の定義をした命令的語句(Imperatives)は、 注意して使用し、使いすぎないようにしなければなりません。 特に、それらの語句は、相互運用性確保のために不可欠である場合や、 有害である可能性がある動作を制限するために限って、 使用されるべき(MUST)です。 (例:再送の制限) 例えば、相互運用性の確保のために特定の手法が要求されない限り、 その方法を実装者に強制するために、 これらの語句が用いられることがあってはなりません。

7. セキュリティについての考慮事項 English

これらの語句は、 よくセキュリティの実装を行う行為を規定するために使用されます。 「しなければならない(MUST)」「する必要がある(SHOULD)」となっている事項を実装しないことや、 仕様が、 「してはならない(MUST NOT)」もしくは「しないほうがよい(SHOULD NOT)」 としている事項を実装してしまうことがもたらすセキュリティへの影響は、 非常に微妙で分かりにくいものとなるでしょう。 文書を作成する人は、 推奨事項や要請事項に従わなかった場合のセキュリティの影響を熟考するのに時間をかける必要があります。 それは、大部分の実装を行う人は、 その仕様を策定する素地となった経験や議論の恩恵を受けてこなかったであろうからです。

8. 謝辞 English

これらの語句の定義は、 たくさんのRFCから抜粋した定義の得られた混合物です。 それらに加え、Robert Ullmann氏、Thomas Narten氏、 Neal McBurnett氏、Robert Elz氏を含む、 多くの人々からの提言が取り入れられています。

9. 著者のアドレス

Scott Bradner
Harvard University
1350 Mass. Ave.
Cambridge, MA 02138

電話 - +1 617 495 3864

email - sob@harvard.edu


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