ドメイン名のしくみ
郵便で手紙を送る時に住所が必要であるのと同様に、インターネットでは、電子メールを送ったりウェブサイトを見たりするために、相手がインターネット上のどこにいるのかを特定する必要があります。ドメイン名は、言ってみれば「インターネット上の住所」にあたるものです。
ドメイン名の構成
ドメイン名は、以下のように表示されます。(下線の部分がドメイン名)
- 電子メールアドレスの場合
taro@example.co.jp - ウェブアドレスの場合
www.example.co.jp
ピリオド(.)で区切られた部分は「ラベル」と呼ばれます。1つのラベルの長さは63文字以下、ドメイン名全体の長さは、ピリオドを含めて255文字以下でなければなりません。ラベルには、英字(A〜Z)、数字(0〜9)、ハイフン( - )が使用できます(ラベルの先頭と末尾の文字をハイフンとするのは不可)。ラベル中では大文字・小文字の区別はなく、同じ文字とみなされます。
ただし、「ジェーピーニック.jp」などの日本語ドメイン名の場合は、上記に加えて全角ひらがな、カタカナ、漢字なども使用できます。また、1つのラベルの長さは15文字以下となります。
ドメイン名を構成する最も右側のラベルを「トップレベルドメイン」と呼び、以下左へ順に「第2レベルドメイン」、「第3レベルドメイン」、……と呼びます。
DNSとは
実は、インターネット上のコンピュータ同士が通信する際には、「123.45.67.89」といった数字をピリオドでつないだ「IPアドレス」と呼ばれる番号によって通信相手を特定しているのですが、このような数字の羅列を人間が識別するのは非常に困難です。そこで、人間が覚えやすいように「jpnic.jp」といった文字列からなるドメイン名が利用されているわけです。
ドメイン名を使ってインターネット上でやりとりを行うためには、これをコンピュータ同士が通信するために必要なIPアドレスに変換させなければなりません。このドメイン名とIPアドレスを対応づけるしくみがドメインネームシステム(DNS)であり、「インターネットの住所録」にあたります。
DNSの構造
下の図はDNSの構造を表したもので、ドメイン名空間と呼ばれます。これは、木をさかさまにした形となっており、一番上の「ルート(root)」と呼ばれる部分(「“ ”」で表現される)を頂点にして、下の階層へと空間が広がっていきます。ルートの下には「com」「net」「jp」などのトップレベルドメインが配置され、そのさらに下に第2レベルドメイン、第3レベルドメイン……と続きます。
あるドメインの下の階層に複数のドメインを新設する場合は、必ず異なるラベルをつけるようにしなければなりません。これによって、ドメイン名空間を構成するすべてのドメイン名は、必ず一意性が保証されるようになっています。
それぞれの階層の各ドメインには「ネームサーバー」と呼ばれるデータベース機能が配置され、その空間にある名前の管理を行っています。ネームサーバーは、基本的にはその配下にあるドメイン名とIPアドレスの対応関係を管理するものですが、そのさらに下の階層のドメイン(サブドメイン)を管理しているネームサーバーの位置を示す役割も担っています。
ドメイン名空間の最上位にあるネームサーバーは「ルートサーバー」と呼ばれます。このルートサーバーが管理している「ルートゾーン」には、「jp」や「com」といったトップレベルドメインのネームサーバー(のホスト名とIPアドレス)が記述されており、ルートサーバーはそれらのネームサーバーがどこに位置しているのかを把握しているというわけです。
DNSが誕生した理由
現在のインターネットの前身であるARPANETでは、「HOSTS.TXT」(JPNIC Newsletter No.22のインターネット10分講座を参照 )というテキストファイルを使用して名前の管理を一元的に行っていました。しかし、ARPANETの規模拡大とともに、HOSTS.TXTによる集中管理は破綻をきたすことになります。HOSTS.TXTの更新が週1、2回であったということもあり、ローカルサイトのホスト情報が変わっても、それがHOSTS.TXTに反映されるまでに時間がかかるという問題がありました。また、ネットワークに接続するホスト数の増加に伴い、HOSTS.TXTが巨大なファイルとなり、これをダウンロードするトラフィックがネットワークの大きな負荷となってしまうという問題も発生しました。
そこで、こうした問題を解決するための新たな仕組みとしてDNSが考案されました。DNSは、上の図に示したような階層構造を持つことによって、データを分散管理することが可能になっています。これにより、DNSではローカルに管理されているネームサーバーでホスト情報を更新することができるようになり、その更新結果がネットワーク全体に反映される仕組みとなっています。
DNSにおける名前解決の方法
DNSを使って、あるドメイン名からそれに対応するIPアドレスを引き出すことを「名前解決」と呼びます。以下の図は、ユーザーが「www.example.co.jp」のウェブサイトにアクセスしようとした場合に、実際にどのようにして名前解決が行われるかを示しています。
ネームサーバーはユーザーの目に触れることはありませんが、 それが止まってしまうとドメイン名を利用しているインターネットのあらゆる機能が使えなくなってしまいます。 このため、 各ドメイン毎に配置されるネームサーバーは最低2台運用するという慣行になっていて、 1台が止まってももう1台がバックアップするという形になっています。 上位の階層のドメインのネームサーバーほど止まった時の影響が大きく、 最上位のルートサーバーは全世界に13組配置されています。
| ルート サーバー |
運用組織 | 所在地 |
|---|---|---|
| A | VeriSign, Inc. | 米国バージニア州 |
| B | 南カリフォルニア大学情報科学研究所(ISI) | 米国カリフォルニア州 |
| C | Cogent Communications | 米国バージニア州 |
| D | メリーランド大学 | 米国メリーランド州 |
| E | 米航空宇宙局(NASA)エイムズ研究所 | 米国カリフォルニア州 |
| F | Internet Systems Consortium, Inc.(ISC) | 米国カリフォルニア州 |
| G | 米国防総省ネットワークインフォメーションセンター | 米国バージニア州 |
| H | 米陸軍研究所 | 米国メリーランド州 |
| I | Autonomica | ストックホルム |
| J | VeriSign, Inc. | 米国バージニア州 |
| K | Reseaux IP Europeens -Network Coordination Centre(RIPE NCC) | ロンドン |
| L | Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN) | 米国カリフォルニア州 |
| M | WIDEプロジェクト | 東京 |