IPアドレスおよびドメイン名の割り当てについての調査報告
(1995年11月申請分)
調査協力:株式会社リクルートリサーチ
I. 調査概要
【調査目的】 1995年11月にIPアドレス、ドメイン名の取得申請を行った組織に対して申請業務全般についてのアンケート調査を行い、その結果か
ら今後のJPNICのサービスを 改善するヒントを得ること
【実施時期】 1996年12月5日〜1997年1月6日
【実査方法】 電子メイル(一部郵送)によるアンケート調査
【調査対象数】 IPアドレス申請 59組織 ドメイン申請 448組織
【回収数】 IPアドレス申請 14組織 ドメイン申請 157組織
II. アンケート概要
回収率について94年と比較するとIPアドレス申請では23.7%(94年は55.3%)ドメイン申請では35.0%(94年は64.3%)と減少している。調査は申請手続きをしてから1年以上経過をしてから行なわれている。
第1章 ドメイン申請者について
今回が初めての申請であった組織は全体の15.9%(94年:24.7%)で残りの84.1%(94年:74.1%)の組織は以前に申請をしたことがあると回答している。94年に比べて初めて申請した組織の割合は少なくなっている。
第1節 初めて申請をした組織のみを対象とした質問について
・インターネット接続のために、IPアドレスおよびドメイン名の取得が必要であることを何から知ったかという質問に対して、「雑誌・新聞」(32.0%)という回答が一番多く、その次に「人から聞いて」(24.0%)、「書籍」(20.0%)と続いている。
・インターネットに関して分からないことがある時、どのようにして調べたかという質問に対しては、「書籍」(68.0%)、「人に聞く」(56.0%)、「雑誌・新聞」(44.0%)、「WWW, FTP 等インターネット」(40.0%)と続いている。94年の結果もほぼ同様であるが、95年はパソコン通信の割合が若干下がっている(35.0%→12.0%)。
・JPNICの存在をどのように知ったかという質問に対しては「雑誌・新聞」(32.0%)、「人から聞いて」(24.0%)、「書籍」(16.0%)、「インターネットプロバイダーから」(12.0%)と続いている。94年の結果では、「書籍」(55.0%)、「人から聞いて」(40.0%)の2つが主であった。
・JPNICの活動内容について知っているものはどれかという質問に対しては、全体的によく知られていたが、「ネットワーク情報の収集・管理・提供」(32.0%)、「インターネットに関する社会的課題の検討」(36.0%)、「APNIC活動との協調」(36.0%)についての認知が低かった。
・申請に必要な情報の取得方法はすぐ分かったかという質問に対して、「よくわかった」を5、「わからなかった」を1として平均を計算すると3.5となり94年の3.9に比べ若干ではあるが、わかりやすさの評価が下がった。
・申請に必要な情報(申請書式など)はどこから取得したかいう質問に対しては、「JPNICから mail server で」という回答が4割強を占め一番多かった。
・申請に関して全体的にはわかりやすかったかという質問で、「わかりにくかった」という組織はなかった。「わかりやすかった」を5、「わかりにくかった」を1して平均を計算すると3.0となり、平均的である。ちなみに同様の計算を94年の結果で行うと4.2となり、わかりやすさの評価が下がっている。
・このような申請業務を煩雑と感じたかという質問に対して、「煩雑に感じた」という組織は1件のみであった。「煩雑と感じた」を1、「煩雑とは感じなかった」を5として平均をとると3.2で、平均的である。
第2節 すべての組織を対象とした質問について
・申請方法は、やはり「電子メイル」がほとんどで、97.5%に達し、94年の91.4%という結果よりも増えている。また「郵送」は1.9%であり、94年の8.6%よりも減っている。
・申請してから最終通知を受け取るまで何日程度かかったかという質問に対しては、平均で8.7日であり、これは94年の24日に比べ大幅に短縮している。
・これらの期間は申請組織にとってなんらかの影響を及ぼしたかという質問に対しては、「大幅な支障を来した」と「支障を来した」を合計すると5.1%となり、94年の同じ値である7.4%よりも減っている。
・希望したドメイン名は取得できたかという質問に対しては、91.7%の組織が取得できたと回答しており、94年の93.8%よりも若干減っている。
・取得できなかった理由としては、「既に同じドメイン名があった」、「地域ドメイン名の書き方を間違えていた」等のコメントがあった。
・手続きは申請から最終通知(割当、却下、手続き完了の通知)まで順調に進んだかという質問に対して、「そう思う」を5、「そう思わない」を1として平均をとると4.4という結果になった。この結果は94年の4.0という数字よりも良い。
・申請に対するJPNICの対応が親切であったかどうかという質問で、「不親切であった」という回答はなかった。「親切だった」を5、「不親切だった」を1として平均をとると3.3という結果になった。
・申請に対するJPNICの職員の知識に関してどう思ったかという質問でも、「不十分だった」という回答はなかった。 ・問い合わせに対する最初の回答はどれくらいできたかという質問では、そもそも「問い合わせをしなかった」という回答が6割をしめたが、問い合わせをした中では「24時間以内に来た」(12.1%)、「3〜6日で来た」(10.2%)という回答が多かった。
・対応に関するフリーコメントでは、以下のようなものがあった。
良かった点
申請不備の指摘のメイルが事務的でなく親しみやすかった。
催促してからの対応は早かったと思う
スムーズに運んだので特にコメントすべき点はない
すばやい対応でうれしい
いつも的確な対応をいただいている
www.jpnic.jpでの情報交換を可能にした事は大変良い
悪かった点
申請料の請求書の要求の仕方等がよくわからず苦労した。メールを色々な所に出しやっとその内の一つから回答があった。自分の所に尋ねるべきではないという旨の返事くらい欲しかった。同じ事を再申請時にも経験した。
申請に必要なものがそろっていない旨の通知が申請してから4・5日たってから届いた。もっと早く欲しかった
手数料の請求書がすぐに発行されなかった
一度質問を忘れられ二度目にきつく要求してはじめてお詫びと回答が来た
ドメインネームの発行まで時間がかかった
2つの手続き例えば、IPとドメイン等に両方に跨る問題が発生した場合、連絡がうまく行かない
・改善すべき点についてのフリーコメントでは、以下のようなものがあった。
連絡先のE−mailアドレスを変更したいがよくわからない
問い合わせをしたら受理したってメールくらい出してほしい
組織種別欄の該当例を日本語だけでなく英語でも示して欲しい 各種申請で電子メール受付の到着を通知するものとしないものがある 完了までに時間を要するものはすべて通知して欲しい
自動メールなどで複数にまたがる場合の調整役
最近はWeb等で照会し易くなっているがドメイン名に応じた取得具体例を豊富にすると良い
限られた人数で運営するため難しいだろうが電話対応も考えて欲しいと思う E−MAILだけだと直接会話が出来ない為、受理されたのかどうか確認も出来ず状況が把握できないし、不備の場合そこから抜け出せない
パーソナル情報(WHOIS)で個人情報を公開されるのはどうかと
ドメイン申請手数料を支払った場合の領収書、請求書を発行していただきたい
ドメイン申請のやりとりの際はCc:などの情報を保存してやりとりして欲しい
ドメインネームの発行まで時間がかかった
ドキュメントの整理、整備、読みやすさ、告知方法に改善をお願いしたい ドキュメントの読みさすさと正確さはトレードオフだと思うので初心者向けガイドとルールブックを分けたら良いと思う
ドキュメントが読みにくい、最新がわかりにくい、ftpだとどれがどれかわからないのでwwwを有効活用してわかりやすい情報提供をお願いしたい
インターネットができないとよいサービスが受けられない
whoisデータベースなど自動応答が時々できない場合があるようだ 出来る限り円滑な動作を期待する
whoisサーバの改善 whois dbサーバの二重化やミラーサーバーの設置
JPNIC会員で有れば手数料情報を記入しなくても良いはずだが当社からの申請者がuuser@foo.ad.jp 以外の者ではダメな理由を知りたい
IPアドレス、ドメイン名申請の迅速化
IPアドレス、ドメイン名に関しての割当ルールに関して、ドキュメント等の整備をして欲しい(特にIPアドレスの譲渡に関して)
INTERNICと同様Web経由で申請、変更できるともっと便利
・また今後どのようなことを期待するかについてのフリーコメントでは、以下のようなものがあった。
例えば私の申請でも会員扱いで受け付けて欲しい
本来の目的から外れるかもしれないがwhoisデータベースなどの情報サービスの充実に期待する できる限りOPENな組織であってほしい
忙しいとは思うが申請から割り当てまでの期間がマチマチなのでもし審議に入っているのであればその旨を連絡してほしい(最近はそうなっているのなら無視して下さい)
適切なドメインネームの発行・管理
申請料の値下げ、JPNICにINTERNICの申請情報だけでも参考の為、和文で載せてもらいたい
最近はアクセスしていないのであまりよく解らないがドメインをリストで公開するだけでなく希望するドメインを入力したら未使用かどうかを検索してくれるようなサービスがあっても良いと思う
今後いろいろな問題を改善していく中で国の機関からの独立性を保って欲しい
国内の企業や組織が次々とCOMドメインを所得する現状をもっとJPドメインにする様に啓蒙できると良いと思う
ドメイン名の商標法等との兼ね合いの上での法的保護の検討
ドメイン売買の禁止などは手がけてはいるが裏ではどうだかわからない 仕組みで避けて欲しい
インターネットの継ぎに訪れるであろう新ネットワークへの早期対応
JPNICの申請に関するホームページの充実
JPNICニュ−スなどをメール送信サービスして見てはいかがだろうか?
IPv6への以降がスムーズに行われること
domain nameをもっと自由に使えるようにしてほしい internicほど自由にしていいかどうかはわからないが 日本でcomを付ける組織が増えるのは今の制度の下ではやむなしと思う
domain nameの自由化とdomainn nameを投機の対象としないためのルール作り
第3節 総合評価とその他の指標の関係
・また、今回新たに申請業務におけるJPNICの総合的な評価を5段階で聞いてみた。その結果、「良くなかった」という組織はなく、約4割が「良かった」と回答している。「良かった」を5、「良くなかった」を1として平均をとると4.0となり、概ね良い評価であったと言える。
・今回「良くなかった5」という組織はなかったので、全体を「1」と回答した組織(これを便宜上「良かったグループ」と名付ける)と、「2」「3」「4」と回答した組織(こちらを「まあ良かったグループと名付ける)の2つのグループにわけて、『申請のわかりやすさ』、『申請業務の煩雑さ』、『手続きの順調さ』、『JPNICの対応』、『職員の知識』、『レスポンス』についての評価違いを見てみると、下の図の通りとなった。
・この図から「良かったグループ」と「まあ良かったグループ」で評価が大きく異なるのは、『申請業務の煩雑さ』と『レスポンス』であり、評価があまり変わらないのが『職員の知識』、『申請のわかりやすさ』、『JPNICの対応』であるということわかる。つまり言い換えれば、総合満足に大きく影響を与える要素は、まず『申請業務の煩雑さ』であり、次に『レスポンス』で、この2項目の評価を上げることが、総合評価を上げることのポイントである(逆に言えば、『職員の知識』、『申請のわかりやすさ』、『JPNICの対応』の評価を上げることは総合評価を上げることにはつながりにくい)。

図1 総合評価が「良かったグループ」と「まあ良かったグループ」の項目別評価
注:なおレスポンスについては「問い合わせはしなかった」の除いて、「即座に来た」を5、「一週間以上してから来た」を1として平均を取っている。
第4節 業務委任グループと非業務委任グループの評価の相違
・「業務委任グループ」と「非業務委任グループ」にわけて、『申請のわかりやすさ』、『手続きの順調さ』、『レスポンス』、『総合評価』についての評価違いを見てみると、下の図の通りとなった。
・サンプル数がそれほど多くないので、この図から全てを語るのは危険である。評価の差も誤差の範囲と考えることも出来るが、あえて細かくみてみると、「業務委任グループ」と「非業務委任グループ」で評価が異なるのが『申請のわかりやすさ』、『手続きの順調さ』、『総合評価』であり、いずれの項目も「業務委任グループ」の方が若干高い評価を得ていることがわかる。ただし『レスポンス』については、評価は変わらない。

図2「業務委任グループ」と「非業務委任グループ」の項目別評価
第2章 IPアドレス申請者について
IPアドレス申請者については、もともと回収が14票しかなく、初めて申請した組織も4つのみであった。(94年の回収数は52票で、初めての申請は18組織)
第1節 初めて申請をした組織のみを対象とした質問について
・インターネットに関して分からないことがある時、どのようにして調べたかという質問に対して、回答のあった4つの組織ともが「書籍」を回答している。94年に多かった「人に聞く」は1組織のみであった。
・JPNICの活動内容について知っているものはどれかという質問に対しては、94年に少なかった「データベース管理」と「ネットワーク情報の収集・管理・提供」についての認知は上がっており、またドメイン申請組織と同様に「APNIC活動との協調」についての認知が低かった。
・申請に必要な情報の取得方法はすぐ分かったかという質問については、3以下の回答はなかった。
・申請に関して全体的にはわかりやすかったかという質問についても、3以下の回答はなかった。
・あなたはこのような申請業務を煩雑と感じたかという質問についても、「煩雑と感じた」という回答はなかった。
第2節 すべての組織を対象とした質問について
・申請方法は、やはり「電子メイル」が85.7%と多く「郵送」は7.1%となっている。(ちなみに94年は「電子メイル」67.3%、「郵送」32.7%)
・申請してから受付通知を受け取るまで何日程度かかったかという質問に対しては、平均で2.6日間で94年の7.5日間に比べるとやはり大幅に短縮されている。
・申請してから最終通知を受け取るまで何日程度かかったかという質問に対しては、平均で10.8日間で94年の23日間に比べるとこれも大幅に短縮されている。
・これらの期間は申請組織にとってなんらかの影響を及ぼしたかという質問に対しては、「特になかった」が7割でもっとも多かった。
・希望したアドレスの個数を全て取得できたかという質問に対しては、71.4%の組織が「取得できた」と回答している。
・手続きは申請から最終通知(割当、却下、手続き完了の通知)まで順調に進んだかという質問に対して、「そう思う」を5、「そう思わない」を1として平均をとると3.2という結果になった。
・申請に対するJPNICの対応が親切であったかどうかという質問で、「不親切であった」という回答はなかった。「親切だった」を5、「不親切だった」を1として平均をとると3.4という結果になった。
・申請に対するJPNICの職員の知識に関してどう思ったかという質問でも、「不十分だった」という回答はなかった。 ・問い合わせに対する最初の回答はどれくらいできたかという質問では、そもそも「問い合わせをしなかった」という回答が4割をしめたが、問い合わせをした中では「24時間以内に来た」という回答が多く約3割をしめていた。
・JPNICに対するフリーコメントでは、以下のようなものがあった。
問い合わせしたら受理したってメールくらい出して欲しい 却下されたのにお金をこちらから再々催促するまで返してくれなかった これって大問題 お金取ってIPくれなくて、お金はこちらが催促しないと返さないなんて
IPアドレスやドメイン名の割り当ての指針が安定していないように思う インターネットの急激な拡大の為いろいろ変更が必要になっているがこの経験を活かしてできるだけ長期間通用するやり方は出来ないのか
申請するための質問に対してサポートが不十分である
JPNIC申請要領をインターネット以外で公表して欲しい
JPNICの活動内容をもっと一般に公表して欲しい
III. まとめ
今回の調査は、手続き申請後1年強を経過していたので、回収が順調に進むか、申請者の記憶が残っているか等の危惧があった。結果IPアドレス申請組織の方はわずかに14票しか回収できなかったが、ドメイン名申請組織の方は157票回収でき、申請後1年経過しているにしては、まずまずの回収であったと言えるだろう。記入率もそれほど悪くはなかったが、5段階評価(JPNICの対応、JPNICの職員の知識等)では、回答が3に集中する傾向が見られた。
94年と比較した場合、大きく4つのことが言える。
1つめは調査実施前から明白なことではあるが、1カ月の間のドメイン名申請組織の数が、大幅に増加していることである。
そして2つめは申請組織数が増加しているにも関らず、JPNIC側の対応の平均のスピードは速くなっているということである。具体的には、申請から最終通知までの日数が、ドメイン名申請で24日から8.6日と約3分の1に、IPアドレス申請では23日から10.8日へと約2分の1になっている。
一方で3つめのポイントは、わずかな変化ではあるが、申請情報の取得方法、申請に関するファイル名の理解、申請全体の理解、が悪くなっていることである。この理由はこの調査からは明らかには出来ないが、94年の申請者の方が様々な知識に長けていたと考えることも可能であるが、改良できるのであれば検討に値する課題であろう。
4つめのポイントは、「活動内容の認知」の点で94年の結果と大きな差が見られなかったことである。94年の調査結果レポートでもJPNICのより積極的な対外活動の必要性が指摘されているが、あまり徹底されなかったようである。
以上から考えられる事は、対応の平均のスピードは順調なので、この調子を維持していくことを心掛けると共に、前述の通り「申請業務の煩雑さ」は総合評価に大きな影響を与えているので、申請書類や申請業務そのものを、より分かりやすく改良し、また分かりやすい広報を行っていくことが重要であるということである。
また、94年との比較からでは言えないが、フリーコメント等に目を通すと、どうもJPNIC側の対応にムラがあり、問題がない所は問題なく進むが、場合によっては対応が大きくおくれたり、あるいはなかったりするケースもあったようである。対応にムラがなくなるようにすることも大切なポイントであると考えられる。
IV. 回答結果



以上