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文書管理情報
文書番号 JPNIC-00312
文書名 JPドメイン名登録管理業務の移管およびICANNとの契約について
発効日
最終更新日 2001/11/16
この文書によって無効となった文書 なし
この文書を無効とする文書 なし

JPドメイン名登録管理業務の移管およびICANNとの契約について

2001年11月16日
社団法人 日本ネットワーク
インフォメーションセンター

目次

1. はじめに
2. 「JPドメイン名登録管理業務移管契約」について
3. 「ccTLDスポンサ契約」について
4. 移管完了までに必要な手続き
5. 契約文書等の概要
5.1 覚書(JPNIC <-> JPRS)
5.2 再委任および契約手続き開始要請文書(JPRS -> ICANN)
5.3 ccTLDスポンサ契約(JPRS <-> ICANN)
5.4 JPドメイン名登録管理業務移管契約(JPNIC <-> JPRS)
6. 移管にともなう登録者、指定事業者の位置づけの変更
7. スケジュール(予定)

1. はじめに

(社)日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は、昨年12月の第11回総会の決議を受け、JPドメイン名の登録管理を行う会社である株式会社日本レジストリサービス(JPRS)を設立し、業務移管に向けた作業を漸次進めてきております。

この業務移管のために、JPNICとJPRS間における「JPドメイン名登録管理業務移管契約」、並びに、JPRSとICANN間における「ccTLDスポンサ契約」の締結を行う予定です。

この度、JPNICとJPRSは、これら2つの契約を結ぶにあたって、業務移管の基本的事項に合意し、「JPドメイン名登録管理業務の移管に関する覚書(以下「覚書」)」を締結いたしました。

今後、この覚書の内容を基本として、JPRS、ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)および関係者(政府、JPNIC会員、国内インターネット・コミュニティ、JPNIC/JPRS各指定事業者、JPドメイン名登録者など)と連係をとりながら作業を進めて参ります。

現在、JPNICはIANA(Internet Assigned Numbers Authority、現在はICANNの一機能)からの委任によりJPドメイン名の登録管理業務を行っています。「JPドメイン名登録管理業務移管契約」は、JPNICが行っているJPドメイン名登録管理業務をJPRSに移管するための条件を明確に規定するものです。また「ccTLDスポンサ契約」は、この登録管理業務の責任をICANNがJPRSに対して委任することについて明確に規定するものです。

今回の一連の契約の締結によって、JPRSへのJPドメイン名登録管理業務の移管が完了するとともに、JPRSはICANNからJPドメインのccTLDスポンサ組織としての承認を正式に受けることになります。

2. 「JPドメイン名登録管理業務移管契約」について

2000年12月22日の第11回総会では、次の事項が決定されました。(*1)

  • 汎用JPドメイン名の登録管理業務を行う新会社を設立し、汎用JPドメイン名の登録管理業務を移管する。
  • JPNIC会員制度・会費制度を改めた上、新会社に属性型(組織種別型)・地域型ドメイン名登録管理業務を移管する。

この背景には、JPドメイン名ユーザーの利便性を向上させることを大きな目標と位置づけ、汎用JPドメイン名を導入するとともに、予測される登録者の増加に対応できる信頼性の高い登録管理業務体制を作る必要性があったということがあげられます。

JPNICは、上記の総会決議をうけ、同年12月、JPRSを設立しました。本年2月より導入された汎用JPドメイン名は、その方針策定機能をJPNICに置きながらも、登録開始当初より登録管理業務はJPRSがJPNICの代行をするという形をとっております。また、属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名についても、JPNICからJPRSへの業務移管を見据えて、方針策定機能および登録料・維持料徴収機能を除く登録管理業務の大きな部分をJPNICがJPRSに業務委託するという形をとっております。

この状況は、上に示した総会決議を具体的に実現するための措置と位置づけられますが、これを法的な観点から有効なものとするのが、JPNICとJPRS間で締結される「JPドメイン名登録管理業務移管契約」ということになります。

「JPドメイン名登録管理業務移管契約」は、JPドメイン名登録管理業務をJPNICからJPRSへ移管するための契約であり、移管にあたっての条件や移管後のJPドメイン名の公共性を担保するための両当事者の責任などを規定するものです。

なお、JPNICがこれまで担ってきた「JPドメイン名紛争処理方針(JP-DRP)」の策定、および、JPドメイン名紛争処理機関の認定の役割は、今後も引き続きJPNICが責任をもって維持していく方針でおります。他方、JPRSは、自らが登録管理するJPドメイン名登録者に紛争が発生した場合、JP-DRPによる紛争処理の裁定結果に基づきドメイン名移転等の処理を行うという位置づけになります。

□ 関連文書

(*1) 第11回総会の資料と議事録
http://www.nic.ad.jp/jp/materials/general-meeting/20001211/index.html

3. 「ccTLDスポンサ契約」について

現在、IANAの機能を継承しているICANNは、ルートサーバ(ルートゾーン)を管理する機関として、ccTLDを含むすべてのTLDのオーソリティとなっています。各ccTLDを管理するスポンサ組織は、IANAの承認によりそのccTLDの委任を受け、ルートゾーンに必要な情報が登録される形となっています。ccTLDスポンサ組織は、ccTLDの登録管理とそのDNS運用の責任を持ちます。

これまで、IANAのccTLD委任は、地域コミュニティの合意とそれに基づく安定的な業務運用を基本に実現されてきましたが、ICANNはこの関係を公式な契約という形にすることを目標としており、各ccTLDに対して、「ccTLDスポンサ契約」の締結をすることを推進しています(*2)。この契約により、ICANNそして各ccTLDスポンサ組織の責務と権限が明確になります。

現在JPNICは、IANAからの委任により、JPドメイン名の登録管理業務を行っています (*3) が、業務移管をするという総会決定に伴い、ICANNとの「ccTLDスポンサ契約」は、移管先であるJPRSが締結するものとの方針でいます。これを実現するためには、IANAに対する再委任(redelegation)の要請も合わせて行う必要があります。

これまで、ccTLDの委任やスポンサ組織の役割については、RFC1591 (*4) やICP-1 (*5) などで示されるように、その国や地域のインターネット・コミュニティの合意と利益を基本に検討が行われてきました。他方、インターネットの社会基盤としての責任が増すにしたがい、政府が担う役割の明確化が求められています。そのような中、ICANN政府諮問委員会(GAC:Governmental Advisory Committee)は、「政府諮問委員会(GAC)の提案によるccTLDの委任と管理のための原則」(*6) を2000年2月に発表しました。GACの権能はICANN理事会への勧告ということになっていますが、本年9月にICANNから公開された「モデルccTLDスポンサ契約書」(*7) は、GACの原則を基本として構成される形となっています。

JPNICは、従来のインターネット・コミュニティの伝統を尊重しつつ、その中で政府の役割と位置付けを明確にした「ccTLDスポンサ契約」の策定を進めるという方針でいます。

この契約を締結することで、文書によって、JPドメインのccTLDスポンサ組織としての責任と権限が明確になります。また、ルートサーバのJPドメインに関する情報管理、安定したルートサーバの運用に努めるICANNの責務が明確になります。安定的なJPドメイン名の登録管理業務のためには、このICANNとの契約が不可欠です。

なお、「ccTLDスポンサ契約」が発効するためには、JPNICとJPRS間の「JPドメイン名登録管理業務移管契約」の締結が必要条件となります。

□ 関連文書

(*2) ccTLD契約についての最新情報(2001年9月20日更新)
原文: http://www.icann.org/montevideo/cctld-update-topic.htm
和訳: http://www.nic.ad.jp/jp/intl/organization/icann/20010920-cctld-update.html

(*3) IANA ccTLDデータベースにおけるJPの情報
http://www.iana.org/root-whois/jp.htm

(*4) RFC1591: ドメインネームシステムの構造と権限の委任
原文: http://www.ietf.org/rfc/rfc1591.txt
和訳: http://www.nic.ad.jp/new-org/rfc1591-j.html

(*5) ICP-1: インターネットドメインネームシステムの構造と権限の委任
原文: http://www.icann.org/icp/icp-1.htm
和訳: http://www.nic.ad.jp/new-org/icp-1.pdf

(*6) 政府諮問委員会(GAC)の提案によるccTLDの委任と管理のための原則
原文: http://www.icann.org/committees/gac/gac-cctldprinciples-23feb00.htm
和訳: http://www.nic.ad.jp/jp/intl/organization/GAC/20000223-cctldp.html
要旨: http://www.nic.ad.jp/jp/intl/organization/GAC/20011114-cctldp-sum.html

(*7) モデルccTLDスポンサ契約書 -三者間関係-
原文: http://www.icann.org/cctlds/model-tscsa-02sep01.htm
和訳: http://www.nic.ad.jp/jp/intl/organization/icann/20010902-model-tscsa.html

4. 移管完了までに必要な手続き

ここでは移管に必要な手続きの流れについてステップごとに説明します。

1) ICANNへの意思の通知(JPNIC -> ICANN)

JPNICは、JPドメイン名の登録管理業務をJPRSへ移管すること、並びに、JPRSとICANNとの契約を進める意思があることをICANNに対して通知しました。(2001年2月1日)
参照URL: http://www.nic.ad.jp/new-org/20011116-LOI.pdf

2) 覚書の締結(JPNIC <-> JPRS)

今後の契約の基本的事項を合意するために、JPNICとJPRS間で「JPドメイン名登録管理業務の移管に関する覚書」を締結しました。(2001年11月9日)

3) 覚書締結の報告(JPNIC/JPRS -> 政府)

JPNICとJPRSは、政府に対して、JPNICとJPRS間で前項の覚書を締結した旨の報告をしました。(2001年11月12日)

4) 再委任およびccTLDスポンサ契約締結手続き開始要請(JPRS -> ICANN)

JPRSはICANNに対して、JPNICからJPRSへのJPドメインの再委任の承認と、ccTLDスポンサ契約締結にむけての手続き開始を要請します。(2001年11月予定)

5) 政府への確認(ICANN -> 政府)

ICANNは前項の要請を受け、政府(ICANN政府諮問委員会日本代表)に対して、その事実確認を行います。

6) 政府のエンドースメント(政府 -> ICANN)

政府は、前項のICANNの要請を受け、事実確認をした上、JPRSへの委任およびccTLD契約の締結のエンドースメント(支持)をICANNに対して表明します。

7) エンドースした旨の通知(政府 -> JPNIC/JPRS)

政府は、JPNICおよびJPRSに対して、前項のエンドースメントの表明をした旨の通知を行います。

8) ccTLDスポンサ契約の締結(JPRS <-> ICANN)

JPRSとICANNとの協議に基づき、JPドメイン名に関するccTLDスポンサ契約の締結を行います。(2001年12月予定)

9) JPドメイン名登録管理業務移管契約の締結(JPNIC <-> JPRS)

JPNICとJPRSとの協議に基づき、JPドメイン名登録管理業務に関する移管契約の締結を行います。あわせて、JPRSは、データエスクロウ・エージェントとの間でデータエスクロウ契約を締結します。(2002年1月予定)

10) 移管完了通知(JPNIC -> 政府、JPRS -> ICANN)

JPNIC、JPRSは、それぞれ政府およびICANNに対して、移管の完了を通知することにより移管作業が終了します。(2002年4月予定)

上記手続きを図示すると次のようになります:

       JPNIC    JPRS      ICANN     政府

       │        │        │        │
       ├────────→│        │  1) ICANNへの意思の通知
       │        │        │        │
       │←──→│        │        │  2) 覚書の締結
       │        │        │        │
       ├─────────────→│  3) 覚書締結の報告
       │        ├────────→│
       │        │        │        │
       │        ├───→│        │  4) 再委任/契約締結手続き開始依頼
       │        │        │        │
       │        │        ├───→│  5) 政府への確認
       │        │        │        │
       │        │        │←───┤  6) 政府のエンドースメント
       │        │        │        │
       │←─────────────┤  7) エンドースした旨の通知
       │        │←────────┤
       │        │        │        │
       │        │←──→│        │  8) ccTLDスポンサ契約の締結
       │        │        │        │
       │←──→│        │        │  9) JPドメイン名登録管理業務移管
       │        │        │        │     契約の締結
       │        │        │        │
       │        ├───→│        │  10) 移管完了通知
       ├─────────────→│
       │        │        │        │
            

5. 契約文書等の概要

ここでは一連の文書の概要を説明します。覚書以外の文書は、契約交渉過程において内容が変更となる可能性があります。

5.1 覚書(JPNIC <-> JPRS)

参照URL:
http://www.nic.ad.jp/new-org/20011116-MOU.pdf
http://www.nic.ad.jp/new-org/20011116-MOU.html

「JPドメイン名登録管理業務の移管に関する覚書」です。

「ccTLDスポンサ契約」および「JPドメイン名登録管理業務移管契約」を締結するにあたって、あらかじめ関係者間で基本的事項の合意内容を確認するもので、以下のような項目が記述されています。

  • 移管の目的
  • スケジュール
  • 移管対象
  • JPRSの責任
  • JPドメイン名の公共性の担保

日本のインターネット・コミュニティおよび全世界のインターネット・コミュニティの利益に適うようにJPドメイン名の登録管理業務を運用するという原則が明記されています。また、JPNICが政府と協調して、JPRSの業務が適切に行われているかを監視し適切でない場合には改善勧告や再移管ができること、JPRSがその責任を果たさない場合や破産・支払不能になった場合、新たな移管先を選択することも明記されています。

5.2 再委任および契約手続き開始要請文書(JPRS -> ICANN)

JPドメインの委任当初から今回の再委任の要請に至るまでの背景と経過を説明し、現在JPNICに委任されているものをJPRSへ再委任することをICANNに対して要請するとともに、あわせてJPRSとICANNとの「ccTLDスポンサ契約」の手続きの開始を要請するための文書です。これを受けてICANNは関係者のヒアリングを行い再委任の妥当性を検証するとともに、政府に対してエンドース(支持)する意思があるかどうかの確認をとることになります。この要請が正当であるとICANNが判断した場合、再委任が承認されるとともに、「ccTLDスポンサ契約」の手続きが進められることになります。

5.3 ccTLDスポンサ契約(JPRS <-> ICANN)

JPRSとICANNとの間で取り交わすもので、JPRSとICANNそれぞれの責務と権限が規定されます。今回の契約は、ICANNが公開している「モデルccTLDスポンサ契約書」(前出の (*7) )がベースとなりますが、モデル契約書で示されているような三者間関係(ccTLDスポンサ組織 (JPRS)、ICANN、政府当局)を規定するだけではなく、この中でJPNICの役割・責任も明確に規定する方針でいます。具体的には、覚書の第七条で示されている「JPドメイン名の公共性の担保」を政府とJPNICが協調しながら実現していくという方針で契約書(JPRS-ICANN間)の作成が進められることになります。

主なポイントは次の通りです。

  • ICANNの責務
    • JPRSをJPドメインのccTLDスポンサ組織として承認する
    • ルートサーバシステムの安定的な運用
    • ネームサーバ情報を含むJPドメインに関する情報の更新
  • JPRSの責務
    • 安定的かつ安全なネームサービスの提供
    • 登録情報の第三者機関への預託(データエスクロウ)
    • ICANNポリシーの遵守
  • 契約終了の条件
    • 契約条件に違反したとき
    • JPNICと取り決めた遵守事項に違反したとき

5.4 JPドメイン名登録管理業務移管契約(JPNIC <-> JPRS)

JPNICがJPRSに対してJPドメイン名の登録管理業務を移管するための契約書です。

この契約書には、業務移管に関する基本的な事項のほかに、覚書に記載された「JPRSの責任(第六条)」や「JPドメイン名の公共性の担保(第七条)」などの内容が盛り込まれます。他方、紛争処理方針の策定や紛争処理機関の認定など移管後のJPNICの役割も記載されます。

また、移管に伴う資産の譲渡については、固定資産の価格は簿価を原則として、JPNIC-JPRS間の合意によって定めるものとなります。なお、JPドメイン名の登録管理業務は公共からの付託に基づいて実施されるものであり、JPドメインそれ自体に関する財産権については、JPRSは主張しないという方針で移管契約が進められることになります。

6. 移管にともなう登録者、指定事業者の位置づけの変更

JPNICと登録者の関係、並びに、JPNICと指定事業者の関係は、今回の移管とともに変更されることになります。これに伴い、これらの関係を規定している以下の文書を見直し、必要な改訂を実施することになります。

  • 属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名登録等に関する規則
  • 属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名登録申請等の取次に関する規則
  • 属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名登録申請等の取次に関する業務委託契約書
  • 汎用JPドメイン名登録等に関する規則
  • 汎用JPドメイン名登録申請等の取次に関する規則
  • 汎用JPドメイン名登録申請等の取次に関する業務委託契約書
  • JPドメイン名紛争処理方針
  • JPドメイン名紛争処理のための手続規則

JPドメイン名登録者は、移管後のスポンサ組織であるJPRSが制定する方針・規則に準拠する位置づけとなります。また、申請窓口、お問い合わせ窓口および登録料・維持料の支払口座などが、JPNICからJPRSへ変更となります。

登録申請等の取次をする指定事業者は、現在契約対象が2つに分かれております(属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名の取次契約はJPNIC、汎用JPドメイン名の取次契約はJPRS)が、これはJPRSに集約されることになります。

一連の改訂作業は、移管作業の一環として今後進められます。

7. スケジュール(予定)

一連の移管作業は次のようなスケジュールで進めることを計画しております。

2001年11月9日 覚書締結
2001年11月16日 「JPドメイン名登録管理業務の移管およびICANNとの契約について」ご意見募集開始
2001年11月30日 ご意見募集の終了
2001年12月6日 JPNIC総会
- 移管計画の承認
2001年12月 ICANN・JPRS間のccTLDスポンサ契約締結
2002年1月 移管契約締結
2002年3月

JPNIC総会
- 移管契約締結についての報告
- ccTLDスポンサ契約締結と業務移管についての報告

2002年4月1日 業務移管の実施

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