ICANNの歴史
ICANN設立の経緯
2005年10月版
ICANNが設立される以前は、 南カリフォルニア大学のジョン・ポステル氏を中心に、 米国政府の援助も受けつつも基本的に技術者や研究者のボランティアで運営されていた IANA(Internet Assigned Numbers Authority) がインターネット資源管理の責任を担っていました。 1993年からは米国政府機関である全米科学財団 (NSF)がIANAの活動の一部に対して資金援助を行い、 拡大し続けるインターネットに対応しようとしました。 この資金援助は、 インターネットレジストリ機能などの登録管理と情報提供業務を請け負う業者をNSFが公募し、 選定された業者に対してNSFが委託料を支払うという形態を取り、 レジストリ機能についてはネットワークソリューションズ社(NSI)が選定されました。
.JPなどの国別ドメイン名(ccTLD: Country Code Top Level Domain)については、 IANAが各国・地域のTLD運用者に管理を委任していました。 .JPの委任を受けたのはJPNIC理事 村井純(JPNIC前理事長)です。 また、IPアドレスについては、 IANA機能・権限を代理していた InterNICが管理を行っていました。 当初はIPアドレスを必要とするエンドユーザー組織が直接 InterNICからIPアドレスの委任を受けていましたが、 その後地域インターネットレジストリ(RIR:Regional Internet Registry)が設立されると、 RIRがInterNICからブロック単位で委任を受ける、という方法に変わっていきました。
1990年代後半になると、
- .comドメイン名の登録数の爆発的増加に象徴的に見られるようにインターネットが社会へ急速に浸透したこと
- 当時NSFからの委託を受けて.comドメイン等の管理を行っていたNSIに対し、独占だとの批判が高まったこと
- gTLDをもっと増やすべきだとの意見が強まったこと
- サイバースクワッティングへの対策が強く求められていたこと
などの複合的な要因から、 今後、 インターネット資源の世界規模での調整をどのように行えばよいかが問題となりました。 これを受け、 当時インターネットに深い関心を持ちその運営にも深くかかわっていた各界の識者へ ISOCが依頼して結成したIAHC (International Ad Hoc Committee)での議論をはじめ、 関係者による活発な議論が行われました。 そして、IAHCはそれらの意見を参考にした上で最終報告書をまとめます。 この報告書の中には新gTLD承認のプロセス等を規定したgTLD-MoUの提案が含まれており、 ISPやレジストリ等へこのgTLD-MoUへの署名が呼びかけられ、 実際に100団体を超える多数の賛同を得て、 提案された組織の設立への具体的な動きも始まります。
しかしこの動きは、 1998年1月に米国政府が発表した 「インターネットの名前およびアドレスの技術的管理の改善についての提案」 (通称グリーンペーパー) によって、一旦ストップがかけられます。 この文書は、 インターネットの重要部分は米国政府機関との契約に基づいて運営されていると強調するもので、 当時のインターネット関係者からは相当な反発がありました。
この後、このグリーンペーパーに対するさまざまなコメントを反映させ、 米政府が1998年6月に 「インターネットの名前およびアドレスの管理」 (通称ホワイトペーパー)を発表します。 この文書では、 インターネットが米政府による投資の下成立したという主張は曲げなかったものの、 それまでのインターネットの伝統であった民間主導、 ボトムアップのプロセスは評価、尊重する内容となっていました。 これにより議論は新しい非営利法人を設立する方針へと収束し、 結果1998年10月のICANN 設立につながっていきました。
過去の資料
組織に関する資料
- 理事会メンバー(2004年12月~2005年1月)
- 理事会メンバー(2004年5月~12月)
- 理事会メンバー(2003年10月~2004年5月)
- 初期の新理事会メンバー(2003年6月~10月)
- 移行期の理事会メンバー(2002年12月~2003年6月)
- 2002年10月時点の理事会メンバー(2002年10月)
- ICANN改革(2002年)
- 政府諮問委員会(GAC)日本語情報(2001年11月)
- 過去の組織構成図(1999年7月時点)
- ICANNの運営
- 最近の批判とICANNの対応について(1999年10月)
一般会員制度(At-Large Membership)に関する資料
- ICANNカイロ会議トピック:一般会員制度及び理事選出方法(2000年2月22日)
- 一般会員速報など(2000年8~10月)
- 「一般会員制度の再検討」(At Large Study)実施にあたってのICANNスタッフの勧告(2000年11月15日)
- 一般会員制度研究委員会 最終報告書(2001年11月5日)
「.org」レジストリ移管に関する資料
- ICANNアクラ会議議題:.orgトップレベルドメイン(TLD)の再委任(2002年2月26日)
- .org 提案募集要項のスケジュールと費用(2002年4月22日)
- .org 再委任: 提案書提出依頼書式案(2002年5月1日)
- .orgトップレベルドメイン再委任:提案の評価基準(2002年5月20日)
- .org再委任:受け付けた応募(2002年6月18日)
- .org再委任に関する最新情報(2002年7月25日)
- .org再委任に関する最新情報(第2報)(2002年8月4日)
- ICANN理事会に報告書(案)提出:.orgはISOCが後継運用者か?(2002年8月19日)
- .org 再委任に関する最新情報(第3報)(2002年8月21日)
- .org再委任提案の評価報告書(案)に対する応募者のコメント(2002年8月30日)
- .org再委任に関する最新情報(第4報)(2002年9月4日)
- .org再委任に関する最新情報(第5報)(2002年9月5日)
- .org再委任に関する最新情報(第6報)(2002年9月13日)
- .org再委任に関する最新情報(第7報)(2002年9月23日)
第一次 新gTLD導入(.info/.biz/.name/.pro/.aero/.coop/.museum)に関する資料
- ICANN横浜会議議題:新トップレベルドメインの導入(2000年6月13日)(原文・和訳)
- DNSO(著名商標についての)検討部会B(WG-B)による報告書(2000年4月17日)(原文・和訳)
- JPNIC有志による「WG-B 報告書」へのコメント ver. 0.2 (2000年4月11日)
- DNSO(新gTLDについての)検討部会C(WG-C)による暫定報告書(1999年10月23日)(原文・和訳)
- JPNIC有志による「WG-C 暫定報告書」へのコメント(2000年1月10日提出)
- JPNIC有志による「WG-C 報告書」へのコメント ver. 0.3 (2000年4月)