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                                                  公開  2000年10月10日
                                              最終更新  2000年11月10日

                                            社団法人  日本ネットワーク
                                            インフォメーションセンター

      汎用 JP ドメイン名における日本語ドメイン名に関する技術方針

■はじめに

本資料は 10月10日に公表の「汎用 JP ドメイン名導入に関する方針」<01>に
述べられている「日本語ドメイン名の導入」について、技術的な観点から補足、
説明するものです。

■標準化の現状

日本語ドメイン名の導入にあたっての条件は「多言語ドメイン名に対する
JPNIC の取り組み(案)」<02> でご説明した通りで、現在も変更はありませ
ん。

上記案を公表してから現在までに、IETF で多言語ドメイン名の標準化 <03>
についての議論が進み、多言語ドメイン名を既存のドメイン名システムと整合
性の取れる形式で採用する方式がいくつか提案されています。まだ、どの方式
が標準になるかは決定されていませんが、以下の方式が有力な候補です。

・文字セットは Unicode <04>(ISO/IEC 10646)の Universal Multiple-
  Octet Coded Character Set(以後 UCS と略記)を使う。
・IAB <05> が発行した RFC2825 <06>、RFC2826 <07> の方針に従い、既存の
  DNS との互換性を維持するため、現在ドメイン名として使用が許されている
  文字(ASCII 文字)のみで多言語ドメイン名を表現する ASCII Compatible
  Encoding 方式(以後 ACE と略記)を使用する。

ただし、IETF での標準化の議論は DNS プロトコル上での文字エンコーディン
グ方式を中心に行われており、利用者とアプリケーションプログラムの間でど
のような文字コードや文字エンコーディングを使用するかについての議論はま
だ始まったばかりで方向性は定まっていません。

本資料は、それと同様に DNS プロトコル上での文字エンコーディングについ
ての技術方針について述べ、利用者とアプリケーションプログラムの間での文
字コードや文字エンコーディングについては規定しておりません。あらかじめ
ご承知おきください。

■実施方針

JPNIC では、IETF における提案をもとに、多言語ドメイン名の評価キット <08>
を開発、評価しています。これまでの評価結果から、以下の方針で日本語ドメ
イン名サービスの運用試験実施を検討しています。

・IETF IDN WG の方針に従う。
・多言語ドメイン名を実現する方式として、利用者からは隠蔽される特別なトッ
  プレベルドメイン名(利用者からは見えない、という意味で Zero Level
  Domain と呼ばれる。以後 ZLD と略記)を必要とする方式は採用しない。こ
  れは、当該方式がドメイン名空間の分断を招く恐れがあるからである。
・既存の DNS およびアプリケーションに与える影響を最小限にするため、DNS
  プロトコル上での文字エンコーディングとして ACE を採用する。ただし、
  通常の ASCII 文字列と区別がつかず、ZLD を必要とする ACE は採用しない。
・運用試験期間中の ACE としては、RACE(Row-based ACE)<09> を採用する。
・JP ゾーンのネームサーバに、日本語ドメイン名を設定するリソースレコー
  ドは NS とする。

JP ゾーンにおける使用可能な文字等の条件については、以下の方針での試験
実施を検討しています。

・使用可能な文字
  JIS X 0208 で規定された漢字、平仮名、片仮名、一部記号、および ASCII
  の英数字、ハイフンとする。
  (ただしハイフンはドメイン名の先頭および末尾の文字として使うことは不
    可)<10>
  ドメイン名が ASCII のみで表現される場合は、本資料で説明する日本語ド
  メイン名とはみなさない。
・文字正規化
  表記もしくは意味的に同一の文字が異なる文字として区別されないよう統一
  するために行う。
・使用可能文字数
  最大 15文字とする。

また、運用試験は以下に示す 2段階での実施を検討しています。

・フェーズ1: JP ゾーンのネームサーバに JPNIC が実験用に予約した日本語
             ドメイン名を設定し、既存システムとの相互運用性確認試験を
             行う。このフェーズでは、多言語ドメイン名システムへのアク
             セスを先行して評価するための試験環境を提供する。このフェー
             ズは、2000年11月 6日から開始する。
・フェーズ2: 汎用 JP ドメイン名として利用者から登録された日本語ドメイ
             ン名を JP ゾーンのネームサーバに設定し、総合運用試験を行
             う。このフェーズでは、多言語ドメイン名システムを参照する
             各種アプリケーションの対応や、多言語ドメイン名の普及を促
             進する。このフェーズは、2001年 5月 7日から開始する。この
             フェーズは IETF で多言語ドメイン名の文字エンコーディング
             標準化(Proposed Standard RFC化)が終了するまで継続する。

フェーズ2 で登録された日本語ドメイン名の文字列は、実験が終了し本運用に
移行したときも引き続き登録が有効であることを原則的には保証いたします。
ただし、以下の理由により変更が必要となる可能性があります。

・使用可能な文字種の増減
・使用可能な文字数の増減
・文字の正規化ルールの変更
・その他、別途 JPNIC が定める「日本語ドメイン名登録等に関する技術細則」
  の変更

また、フェーズ2は標準が決まるまでの運用試験であるため、以下の点につい
ては運用試験中、および本運用移行時の一貫性は一切保証いたしかねますので、
あらかじめご了承ください。

・採用する ACE の方式
・利用者アプリケーションの対応
・日本語ドメイン名を設定するリソースレコードの種類

なお、本運用開始後も、UCS 規格、IETF による各種標準の変更に伴い、登録
可能文字列や文字エンコーディング方式等に変更が生じる可能性があります。
これらについても、あらかじめご了承をお願いいたします。

■利用イメージ

JPNIC では個々のアプリケーションプログラムの多言語ドメイン名対応は行い
ませんが、多言語ドメイン名評価キットの一部として、アプリケーションとネー
ムサーバの間で行われるドメイン名問い合わせの通信に介在し、文字コードや
文字エンコーディングを変換するツールを用意しています。それにより、利用
者の Web ブラウザから、URL に日本語ドメイン名が使用されたページへアク
セスできるようになります。必要に応じてご利用ください。ただし、当該ツー
ルを利用することで、すべての利用者アプリケーションプログラムが多言語に
対応するわけではありません。以下に対応できないものの例を示します。

・メールクライアントソフト
・メールサーバ
・Web サーバのドメイン名ベースの仮想ホスト機能
・透過型 Web Proxy

以下に、利用者が一般的なネットワークアプリケーションを使う場合のイメー
ジを示します。

一般的なネットワークアプリケーションを使う場合のイメージ
多言語ドメイン名評価キットが提供するツールは、上記イメージ中の、リゾル バ、およびリゾルバとネームサーバの間での文字コードや文字エンコーディン グ変換を行うものです。多言語ドメイン名評価キットを使って、利用者の Web ブラウザを多言語ドメイン名対応にする場合の具体的方式を以下に示します。 ・DNS プロキシサーバ(dnsproxy)を使う dnsproxy はドメイン名の文字エンコーディング変換機能をもつネームサー バのプロキシサーバです。クライアントから受信した DNS メッセージ中 の日本語ドメイン名をクライアントのローカルエンコーディングからネー ムサーバが使用する DNS プロトコル上の文字エンコーディングへと変換 してネームサーバに送信します。またネームサーバから返された DNS 応 答メッセージ中の日本語ドメイン名をクライアントのローカルエンコーディ ングに戻してクライアントに返します。 DNS Proxy サーバを使う場合のイメージ
・UNIX アプリケーションに多言語ドメイン名対応機能を動的に追加するコマ ンド(runmdn)を使う runmdn は UNIX の通常のアプリケーションで多言語ドメイン名を取り扱 うために、特別なライブラリ(libmdnres)を動的にリンクするためのコ マンドです。 UNIXで runmdn を使う場合のイメージ
・Windows アプリケーション用の winsock ラッパーを使う winsock ラッパーは WINSOCK の名前解決機能に対するラッパー DLL です。 Windows 上では、名前解決の要求は、WINSOCK DLL を通して行われます。 そこで、これを日本語ドメイン名用の WINSOCK DLL(winsock ラッパー) に置き換えることで、従来の Windows アプリケーションでも日本語ドメ イン名対応機能を使用できるようにします。 (winsock ラッパーのインストーラーは多言語ドメイン名評価キットの正 式リリース時に提供予定です。) Windowsで winsock ラッパーを使う場合のイメージ
多言語ドメイン名評価キットのより詳しい使用方法については、付属のオンラ インマニュアル、別途用意されるドキュメントおよび FAQ をご参照ください。 ■スケジュール 2000年10月18日 多言語ドメイン名評価キット正式リリース 2000年11月 6日 日本語ドメイン名運用試験(フェーズ1)開始 2001年 2月22日 日本語ドメイン名優先登録申請開始 2001年 4月 2日 日本語ドメイン名同時登録申請開始 2001年 5月 7日 日本語ドメイン名先願登録開始 2001年 5月 7日 日本語ドメイン名運用試験(フェーズ2)開始 2001年 7月上旬 日本語ドメイン名運用正式サービス開始予定 (IETF IDN WG の進行状況に依存する) ■関連組織 JPNIC では、中国、韓国などの NIC(Network Information Center)と連携し、 上記試験を行う予定です。 また、MINC <11>(Multilingual Internet Names Consortium)のテストベッ ドとも、標準化推進の観点から技術的に可能な限り連携していく予定です。 ■その他 本技術方針に基づいて詳細化された、日本語ドメイン名として使用可能な文字 や文字の正規化ルールについては、ドメイン名に日本語を使う際のガイドライ ンとして、IETF に Internet Draft として提案します。 以上 ----------------------------------------------------------------------- 変更履歴 (2000年10月10日版→2000年11月10日版への変更) ・2000年11月2日開催の JPNIC 総会の結果をうけてスケジュール変更。 ・スケジュール変更に伴う日付の変更。 ◆参照 <01> http://www.nic.ad.jp/dotjp/doc/policy.html <02> http://www.nic.ad.jp/jp/topics/archive/20000225-01.html <03> http://www.ietf.org/html.charters/idn-charter.html <04> http://www.unicode.org/ <05> http://www.iab.org/ <06> http://www.ietf.org/rfc/rfc2825.txt <07> http://www.ietf.org/rfc/rfc2826.txt <08> http://www.nic.ad.jp/jp/research/idn/index.html#mdnkit <09> http://www.nic.ad.jp/jp/research/idn/reference/index.html#translation <10> http://www.ietf.org/rfc/rfc0952.txt <11> http://www.minc.org/

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