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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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http://www.nic.ad.jp/ja/doc/validity.html

文書管理情報
文書番号 JPNIC-00931
文書名 JPNICにおけるアドレス空間管理ポリシー
発効日 2001/4/1
最終更新日 2004/3/15
有効期限 2004/8/17
この文書によって無効となった文書 JPNIC-00921
この文書を無効とする文書 JPNIC-00939
                  JPNICにおけるアドレス空間管理ポリシー

              社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター


*本文書について*


        本文書は、JPNICにおけるIPアドレスの割り振りや割り当てに関するポリ
        シーをまとめたものです。

        まず本文書をご一読のうえ、他のアドレス割り当てに関する一連のJPNIC
        文書をお読みください。


*目次*

第1部   背景、定義、目標、環境

  0. 本文書について
    0.1. 本文書の構成
  1. はじめに
  2. 本文書が対象とする範囲
  3. アドレス空間分配の階層構造
  4. 定義
    4.1. インターネットレジストリ(IR)
      4.1.1. 地域インターネットレジストリ(RIR)
      4.1.2. 国別インターネットレジストリ(NIR)
      4.1.3. ローカルインターネットレジストリ(LIR)
    4.2. インターネットエクスチェンジポイント
4.3. IPアドレス管理指定事業者
4.4. 特殊用途用プロバイダ非依存アドレス被割り当て者
4.5. アドレス空間
   4.6. 割り振られた/割り当てられたアドレス空間
      4.6.1. 割り振り
      4.6.2. 割り当て
  5. アドレス空間管理の目標
    5.1 目標
      5.1.1. 一意性
      5.1.2. 登録
      5.1.3. 経路の集成
      5.1.4. アドレスの節約
      5.1.5. 公平性
    5.2 目標の衝突
  6. ポリシーを取り巻く環境
    6.1. ルータビリティ(経路制御可能性)
    6.2. インターネットの成長率
    6.3. 責任の共有
    6.4. 公平性
    6.5. 専門知識のさまざまなレベル
    6.6. アドレスの所有
    6.7. アドレスを蓄積すること
    6.8. 効率的技術にもとづいた評価
    6.9. プライベートアドレス空間
    6.10. 最小割り振りサイズ
    6.11. 根拠資料
    6.12. 機密性

第2部  アドレス空間管理のポリシー

  7. 一般的なポリシーのフレームワーク
    7.1. 首尾一貫したアドレス管理ポリシーの採用
  8. アドレス申請
    8.1. 正確な申請書にもとづく申請処理
    8.2. 安全性と機密性
    8.3. 公平な申請処理
    8.4. 割り振りの一般的要件
    8.5. 複数のIRにアドレス空間を申請する組織
9.      アドレスの割り振り
  9.1. アドレス空間のライセンス
    9.2. 最初の割り振りのスロースタート
      9.2.1. スロースタートの例外
    9.3.初回割り振りの基準
9.4. 追加割り振りの基準
      9.4.1. 連続した割り振りは保証されない
    9.5. 割り振りを全て使用したIPアドレス管理指定事業者
      9.5.1. 特殊な状況・大きな割り当て
    9.6. 予約は割り当てとみなされない
    9.7. アドレスの集成
9.8. 割り振りと割り当ての有効性
9.9.アドレス空間の譲渡
10.     IPアドレス管理指定事業者によるアドレス管理
  10.1. IPアドレス管理指定事業者のためのアサインメントウィンドウ
    10.2. 割り当てアドレスの使用見積り
    10.3. 登録の必要性
      10.3.1. 登録情報の更新
      10.3.2. 連絡担当者の登録
    10.4. in-addr.arpa資源レコード維持の責任
11.割り当てと経路集成を促進するためのリナンバリング
11.1. 小規模マルチホーム割り当て
11.2 . インターネットエクスチェンジポイント
11.3 . クリティカルインフラストラクチャー
11.4. 経路集成を促進するためのリナンバリング
  12. IPアドレス管理指定事業者の合併、買収、および継承
    12.1.登録情報の更新
    12.2.IPアドレス管理指定事業者契約に対する影響
    12.3. IPアドレス管理指定事業者の合併、買収の割り振りへの影響
    12.4. IPアドレス割り当て管理業務の停止
  13.申請審議ガイドライン
  14. 謝辞


0. 本文書について

        本文書は、JPNICにおけるIPアドレス(以下「アドレス」)の割り振りや割
        り当てに関するポリシーをまとめたものです。

        まず本文書をご一読のうえ、他のアドレス割り当てに関する一連のJPNIC
        文書をお読みください。

        本文書では、具体的なアドレス割り当ての申請手続きについては一切述
        べていません。これについては以下で提示される文書に詳しい解説がな
        されていますので、それらの文書を参照してください。

    『IPアドレス割り振り/返却申請手続きについて』

    『IPアドレス割り当て報告申請について(IPアドレス管理指定事業者ネットワーク
用)』

    『IPアドレス割り当て報告申請について(ユーザネットワーク用)』

    『IPアドレス割り当てにおけるJPNIC審議申請について』

    『IPアドレスリナンバ申請について(IPアドレス管理指定事業者ネットワーク用)』

    『IPアドレスリナンバ申請について(ユーザネットワーク用)』

    『割り当て済みIPアドレスの返却申請について』

    『/15を超えるアドレスの割り振り申請について』

    『特殊用途用プロバイダ非依存アドレス割り当て/変更/返却申請手続きについて』


  0.1. この文書の構成

        本文書の構成は以下の通りです。

          ・ 第1節「はじめに」
              このJPNICポリシーの目的についての解説

          ・ 第2節「本文書が対象とする範囲」
              本文書で解説する範囲に関する解説

          ・ 第3節「アドレス空間分配の階層構造」
              インターネットコミュニティにおけるアドレス空間分解の階層
              構造に関する解説

          ・ 第4節「定義」
              本文書を読むにあたっての言葉の定義についての解説

          ・ 第5節「アドレス空間管理の目標」
              アドレス空間を管理することの目的についての解説

          ・ 第6節「ポリシーを取り巻く環境」
              このJPNICポリシーの策定にあたって要因となるさまざまな環境に
              ついての解説

          ・ 第7節「一般的なポリシーのフレームワーク」
              ポリシーのフレームワークについての解説

          ・ 第8節「アドレス申請」
              IPアドレス申請処理についての解説

          ・ 第9節「アドレスの割り振り」
              JPNICにおけるアドレスの割り振りと割り当てに関するポリシーについ
              ての解説

          ・ 第10節「IPアドレス管理指定事業者によるアドレス管理」
              IPアドレス管理指定事業者によるアドレス管理についての解説

          ・ 第11節「割り当てと経路集成を促進するためのリナンバリング」
              特殊用途用プロバイダ非依存アドレス割り当てと経路集成を促進するた
              めのリナンバリングについての解説

          ・ 第12節「IPアドレス管理指定事業者の合併、買収、および継承」
              IPアドレス管理指定事業者の管理業務の継承等についての解説

          ・ 第13節「申請審議のガイドライン」
              JPNICにおける申請審議のガイドラインについての解説


第1部  背景、定義、目標、環境

1. はじめに

        日本ネットワークインフォメーションセンター(以下「JPNIC」)は、
        APNIC(Asia Pacific Network Information Centre)のコンフェデレーシ
        ョンメンバーとして日本国内で機能している、非営利の国別インターネ
        ットレジストリである。

        JPNICはパブリックなインターネットアドレス空間を分配し、この分配を
        管理するためのポリシーを立案・実施している。

        本文書に記述されているポリシーは、JPNICをはじめとする、日本国内で機
        能している全てのインターネットレジストリが実施するものとして、ア
        ジア太平洋地域および日本国内のインターネットコミュニティが作って
        きたものである。

        本文書は、APNICが発行している以下の文書を参考に記述されている。こ
        のAPNIC文書はJPNICやJPNICが指定するIPアドレス管理指定事業者を含む
        全てのインターネットレジストリが従うべき、アジア太平洋地域全体
        におけるアドレス空間管理ポリシーについて記述されており、本文書の上
        位文書にあたる。従ってAPNIC文書が将来的に変更された場合には、
        本文書もそれにともなって変更されることになる。

          『Policies for address space management in the Asia Pacific region』

        本文書に記載されているポリシーは基本的にAPNICポリシーとの一貫性、
        透明性を旨として策定されるため内容的にほとんどの部分が同一であり、
        文書の体裁や構造も同一のものを採用している。

        ただし、これはJPNICポリシーがAPNICポリシーと同一のものであるとい
        う意味ではない。地域インターネットレジストリと国別インターネット
        レジストリという立場の違いによる内容の差異も存在するが、ポリシー
        の内容に関してもAPNICにおいて許容される範囲でローカルポリシーを策
        定する可能性は残されている。


2. 本文書が対象とする範囲

        本文書は、JPNICおよびそのIPアドレス管理指定事業者および特殊用途用
        プロバイダ非依存アドレス被割り当て者のために、グローバルでパブリック
        なIPv4アドレス空間の責任ある管理を行うことを目標としたポリシーを記述
        している。

        特に、本文書はアドレス空間の割り振りと割り当てに関する目標、仮定、
        ポリシーに焦点を当てている。

        本文書はIPv6アドレス空間、マルチキャストアドレス空間、プライベー
        トアドレス空間、AS番号のポリシーについては記述していない。


3. アドレス空間分配の階層構造

        IPアドレスはRFC2050に記述された階層的構造にもとづいて分配されて
        いる。その構造は図1の通りである。


                            +--------+
                            | ICANN  |
                            +--------+
                                 |
         +-----------+-----------+-----------+.................+
         |           |           |           :                 :
    +--------+  +--------+  +--------+  +--------+  +.....................+
    |  ARIN  |  |RIPE NCC|  |  APNIC |  | LACNIC |  :Potential future RIRs:
    +--------+  +--------+  +--------+  +--------+  +.....................+
                                 |
                  +-----------+--+--------+
                  |           |           |
              +------+    +-------+       |
              |  NIR |    | JPNIC |       | National Internet
              +------+    +-------+       |    Registries
                  |           | (NIR)     |
           +------+--+        |           |
           |         |        |           |
       +------+      |     +------+    +------+  Local Internet
       | LIR  |      |     | LIR  |    | LIR  |    Registries
       +------+      |     +------+    +------+
           |         |        |           |
     +-----+         |        |           |
     |     |         |        |           |
     |     |         |        |           |
  +----+ +----+   +----+    +----+     +----+
  | EU | | EU |   | EU |    | EU |     | EU |    End-users
  +----+ +----+   +----+    +----+     +----+

                              図 1

        この階層構造では、ICANN(Internet Corporation For Assigned Names
        and Numbers)/IANA(Internet Assigned Numbers Authority)はアジア太
        平洋地域への再分配用としてAPNICにアドレス空間を割り振り、APNICは
        NIRの一つであるJPNICに対し、日本国内のアドレス管理を委任している。

        そして、JPNICは日本国内のローカルインターネットレジストリ(LIR)に
        アドレス空間を割り振り、同時にそのLIRがエンドユーザに対して割り当
        てを行う権限の委任も行う。JPNICがエンドユーザに割り当てを行
        う場合もある。


        LIRはJPNICの指導のもとで、本文書に書かれたポリシーや手続きに従い、
        自分のメンバーや顧客にアドレス空間を割り当てる。


4. 定義

        本文書で使用される用語の定義を行う。


  4.1. インターネットレジストリ(IR)

        インターネットレジストリ(IR)はIPアドレス空間をメンバーまたは顧客
        に分配し、その分配を登録する責任を持つ。IRは図1の階層構造の中で、
        主要な機能と地域的担当範囲にもとづき分類される。

        本文書で用いられるIRという用語にはAPNICとその他の地域インターネッ
        トレジストリ(RIR)、JPNICなどの国別インターネットレジストリ(NIR)、
        ローカルインターネットレジストリ(LIR)を含んでいる。


    4.1.1. 地域インターネットレジストリ(RIR)

        地域インターネットレジストリ(RIR)はICANNの認可で設立され、大きな地
        域にサービス提供し、その地域を代表する。

        RIRの主な役割は、それぞれが担当する各地域内でアドレス空間を分配、
        管理することである。

        現在RIRとしては、APNIC、RIPE NCC、ARIN、LACNICの4つがある。将来は
        さらに他のRIRが設立される可能性がある。


    4.1.2. 国別インターネットレジストリ(NIR)

        国別インターネットレジストリ(NIR)は、主として、LIRであるメンバー
        にアドレスを割り振りするIRであり、一般的にNIRのメンバーは、国レベ
        ルで組織されたインターネットサービスプロバイダ(ISP)である。

        NIRはISPで構成されるが、それ自体はISPとしては機能しない。NIRは自
        らを構成しているISPの利益に関して中立を維持することが期待される。

        JPNICはこのNIRにあたる。


    4.1.3. ローカルインターネットレジストリ(LIR)

        ローカルインターネットレジストリ(LIR)は、主として自分が提供するネ
        ットワークサービスのユーザにアドレス空間を割り当てるIRである。LIR
        は一般にISPのことであり、その顧客は主としてエンドユーザであるが、
        その顧客が別のISPである場合もある。

        IPアドレス管理指定事業者はこのLIRにあたる。

  4.2. インターネットエクスチェンジポイント

        インターネットエクスチェンジポイント(IXP)は、物理的なネットワークイ
        ンフラストラクチャーであり、独立したISP間でのインターネットトラフィ
        ックの交換を円滑化するために運用される。IXPに接続されるISP数は最低で
        も3つあるべきで、他のISPが参加するための明確でオープンなポリシーがな
        ければならない。IXPは一般的にはIRでなく、アドレス空間のエンドユーザ
       であるとみなされる。

  4.3. IPアドレス管理指定事業者

        IPアドレス管理指定事業者(以下「IP指定事業者」)とは、JPNICとの間に
        取り交わしたIPアドレス管理指定事業者契約書を保持しているネットワ
        ークサービス事業者を示す。

  4.4. 特殊用途用プロバイダ非依存アドレス被割り当て者

        特殊用途用プロバイダ非依存アドレス被割り当て者(以下「特殊用途用IPア
        ドレス被割り当て者」)とは、JPNICとの間に取り交わした特殊用途用プロバ
        イダ非依存アドレス割り当てサービス契約書を保持している組織を示す。

  4.5. アドレス空間

        本ドキュメントでは、アドレス空間はパブリックなIPv4アドレスレンジ
        を意味し、マルチキャストアドレスやRFC1918で定義されているプライベ
        ートアドレスは含めない。


  4.6. 割り振られた/割り当てられたアドレス空間

        JPNICのアドレスポリシーを理解するためには、「割り振り」と「割り当
        て」という用語の区別を明確にしておくことが重要である。


    4.6.1. 割り振り

        割り振りとは、再分配用としてアドレス空間をIRに分配することである。


    4.6.2. 割り当て

        割り当てとは、IRがエンドユーザに対し、割り振られたアドレス空間の
        一部または全部を、エンドユーザのネットワークで利用するために分配
        することである。また、IRが内部のネットワーク用として使うときも、
        そのアドレス空間は割り当てられたアドレス空間と呼ばれる。

        割り当てられたアドレス空間は、エンドユーザが申告した特定の目的の
        ためにのみ使用されるものであり、さらに割り振りや割り当てされるも
        のではない。


5. アドレス空間管理の目標

  5.1 目標

        ここに記述されるアドレス空間管理の目標は、インターネットコミュニ
        ティにより形成されてきたもので、インターネットが最大限に機能し成
        長できることを保証し、このコミュニティ全メンバー相互の利益を反映
        するものである。

        日本国内におけるこれらの目標の達成を保証するのが、公共資源の管理
        者たるJPNICの第一の義務である。JPNICは、IP指定事業者が責任を持っ
        てポリシーを策定・実現し、実践していくにあたり、リーダシップを発揮
        してその方向付けを行っていきたいと考えている。

        全てのIP指定事業者は各々の活動範囲において、責任を持ってこれらの
        目標を達成できるよう努めなければならない。


    5.1.1. 一意性

        各割り当ておよび割り振られたアドレス空間は、世界にただひとつしか
        ないことを保証しなければならない。

        これはインターネット上のそれぞれのパブリックなホストが一意に識別
        されるための絶対的要件である。


    5.1.2. 登録

        インターネットアドレス空間の割り当てと割り振りは、インターネット
        コミュニティの全メンバーがアクセス可能な、公開されているレジスト
        リデータベースに登録されなければならない。

        これは、インターネットアドレスの一意性を保証するためであり、また、
        RIRをはじめとする全てのIRやエンドユーザなど、インターネットを利用
        するあらゆるレベルの人が遭遇するインターネット上のトラブルを解決
        するための、参照情報として利用できるようにするためである。

        さらに、アドレス空間のように公共の資源を利用する全ての人が、その
        資源の状態等を確認可能であるべきとする、インターネットコミュニテ
        ィの考え方を反映するものでもある。


    5.1.3. 経路の集成

        アドレス空間は、ネットワークインフラストラクチャーのトポロジに沿
        って、可能な限り階層的に分配されなければならない。

        これは、経路情報を集成し経路表の増大を抑えるために必要なことであ
        る。


    5.1.4. アドレスの節約

        インターネットアドレス空間という限られた資源の寿命を最大限に延ば
        すために、アドレス空間は、実際の使用量に応じて当面本当に必要とな
        る数だけが分配されるべきである。

        従ってアドレス空間を使用せずに蓄積したり、顧客のために予約した
        りすることは避けなければならない。

        節約するということはまた同時に、効率的に使用すべきというというこ
        とも意味しており、全てのインターネット利用者は、「可変長サブネッ
        トマスク(VLSM)」等の技術の他、効率的なアドレス空間の利用を実現す
        る技術をできるだけ採用するべきである。


    5.1.5. 公平性

        アドレス空間の使用に関する全てのポリシーは、現在および未来にわたる
        全てのインターネットコミュニティの構成員に対し、場所、国籍、規模
        その他いかなる要因にも左右されることなく公平に適用され実践される
        べきである。


  5.2 目標の衝突

        アドレス空間の節約と経路集成という目標はしばしば衝突する。

        さらに、[5.1 目標]で述べたことは、時として個々のIRおよびエンドユ
        ーザの利益と衝突することがある。

        アドレス空間の割り振りと割り当ての申請を審査する全てのIRは、それ
        に関連する全ての事柄を注意深く分析し、インターネットコミュニティ
        全体のニーズと申請者のニーズのバランスを取らなければならない。

        本文書に記述されているポリシーは、NIRであるJPNICを含む日本国内の全
        てのIRが、首尾一貫した平等な方法でこれらニーズのバランスを取るの
        を助けるためのものである。これには、意思決定過程の明文化と透明性
        維持も必要になる。


6. ポリシーを取り巻く環境

        [5. アドレス空間管理の目標]にある目標の他、インターネットコミュニ
        ティの期待、現行の管理構造、技術的制限などの要因全てを考慮して、
        JPNICポリシーは策定される。

        環境の変化は突然おこることもあり、それをまったく予測できないこと
        もある。

        IP指定事業者の代表たるJPNICの重要な役割は、この環境変化を監視し、そ
        の環境変化がJPNICポリシーに対してどのような意味を持つかをIP指定事業
        者に通知していくことである。

        この節では、今現在の環境でJPNICポリシーの策定に最も重要な意味を持っ
        ている要因を記述している。


  6.1. ルータビリティ(経路制御可能性)

        アドレス空間のルータビリティ(経路制御可能性)は保証できるようなも
        のではない。

        それは、グローバルに広告された経路数を減らすために、ISPは、プリフ
        ィックス長にもとづく経路フィルタリングを実施する場合があるからで
        ある。

        この観点からみると、プロバイダ非依存アドレスはインターネット上で、
        ルータビリティ(経路制御可能性)が最も低くなる可能性をはらんでいる。

        以上の理由から、JPNICポリシーでは、ユーザは直接JPNICやAPNICに対し
        てプロバイダ非依存アドレスの割り当てを申請するのではなく、接続す
        るプロバイダに対してプロバイダ集成可能アドレス申請を行うべきであ
        るとしている。


  6.2. インターネットの成長率

        アドレス空間分配における初期の戦略は、インターネットの爆発的成長
        と利用できるアドレス空間の大きさ、経路制御に関して、成長の結果生
        じる規模拡大への対応性の問題を予測したものではなかった。

        アドレス管理ポリシーおよび手続きの策定に際しては、過去の経験を考慮
        し、将来起こりうる問題を予測する努力をしなければならない。


  6.3. 責任の共有

        JPNICは、管理可能で規模が拡大しても対応可能なインターネットの成長
        を確保することに対し、IP指定事業者およびその顧客、そして特殊用途用
        IPアドレス被割り当て者と共に、その責任の一端を担っていると認識して
        いる。

        JPNICはIP指定事業者および特殊用途用IPアドレス被割り当て者に対し、
        アドレス空間管理のポリシー策定とその実行、[5. アドレス空間管理の目
        標]にある目標と合致した意志決定の推奨や支援に、主要な役割を担わなけ
        ればならない。

        JPNICとIP指定事業者および特殊用途用IPアドレス被割り当て者との関係は、
        提示される情報やネットワークプラン等の根拠書類が、虚偽なく正確なもの
        であるという信頼関係にもとづいて成立している。


  6.4. 公平性

        JPNICはインターネットコミュニティ全体、特に日本のインターネットコ
        ミュニティ全体の利益を代表している。

        JPNICはポリシーを公平、平等に全IP指定事業者および特殊用途用IPアドレ
        ス被割り当て者に適用し、対象組織の規模や地理的場所、その他の要因によ
        って左右されることはない。


  6.5. 専門知識のさまざまなレベル

        IRスタッフとエンドユーザが持つ経験と専門知識のレベルはさまざまに
        異なる。

        JPNICは、日本のインターネットコミュニティ全体のアドレス空間管理が、
        首尾一貫して実施されることを保証することに適した、さまざまなレベ
        ルの支援や指導を行っていく。


  6.6.アドレスの所有

        JPNICポリシーは、アドレス空間は希少な共有資源であり、その分配は必
        要な数だけを責任を持って行われるべきであると、インターネットコミ
        ュニティ全体に働きかけるものである。

        アドレス空間を使用するISPやその他の組織、および個人は、資源の「所
        有者」ではなく、「管理者」とみなされる。

        アドレスの残数がさらに少なくなると、アドレス空間管理ポリシーはコ
        ミュニティにより修正される場合がある。


  6.7アドレスを蓄積すること

        アドレスを使用せずに蓄積しておくことは、節約と公平性の目標に反する。

        JPNICポリシーは、蓄積するのではなく、すぐ使用するものとして具体的
        に示された必要性にもとづき、効率的にアドレスを分配するべきである
        としている。


  6.8. 効率的技術にもとづいた評価

        特定の状況において、効率的・階層的なアドレス分配が可能になる適切
        な技術がある場合、エンドユーザはその時々に最も推奨される技術を採
        用するべきである。

        JPNICはIP指定事業者やさらに広い範囲のインターネットコミュニティと
        協力し、インターネットアドレスに関するその時々に推奨される方法を
        定義し、発展させていく。


 6.9. プライベートアドレス空間


        プライベートアドレス空間は、ファイアウォールを経由してインターネ
        ットに接続しているネットワークや、技術的にパブリックなアドレス空
        間を利用する必要のないネットワークでのアドレス利用に適している場
        合がある。

        一般的には、プライベートアドレス空間は、インターネットに接続され
        ないネットワークに使用されるべきである。


 6.10. 最小割り振りサイズ

        経路集成とアドレス空間の節約という2つの目標はしばしば衝突する。

        このためアドレス空間割り振りに関しては、アドレス空間の節約という
        観点からは最小限で、経路集成という観点からは実用的な、バランスの
        取れたサイズを設定する必要がある。

        現在グローバルインターネットで実用的だと考えられるアドレス空間の
        大きさは /20 (4,096アドレス分) であるため、JPNICにおいても、最
        小割り振りサイズを/20とする。


  6.11. 根拠資料

        アドレス申請を適切に審議するために、IP指定事業者および特殊用途用
        IPアドレス申請者には該当するネットワークに関する詳細な資料の提出
        が要求される。

        この資料にはネットワークエンジニアリング計画、サブネット計画、ネ
        ットワークトポロジ、経路制御計画、機器の請求書と発注書、その他関
        連書類などの説明が含まれる。

        この資料は首尾一貫した基準にもとづいている必要があり、ここに含ま
        れる見積もりや予測は全て現実的でかつ根拠あるものになっていなけれ
        ばならない。


  6.12. 機密性

        アドレス空間申請をサポートする資料には、組織や個人に関係する非常
        に高い機密性が要求される可能性のある情報が含まれている。

        従って、JPNICはIP指定事業者およびその顧客のビジネスおよび個人、
        そして特殊用途用IPアドレス被割り当て者に関する機密情報を保護する
        手段を適用・強化し、それらの組織や顧客の信頼に足るサービスを提供する。


第2部  アドレス空間管理ポリシー

7. 一般的ポリシーのフレームワーク

  7.1. 首尾一貫したアドレス管理ポリシーの採用

        IP指定事業者および特殊用途用IPアドレス被割り当て者は、本文書で示
        される、インターネットコミュニティで形成されたポリシーに沿った方針
        で運用するべきである。IP指定事業者は、[9.1アドレス空間のライセンス]
        の条件に従った契約に基づいてのみ、それぞれの責任下にあるアドレス空間
        の割り当てを行わなければならない。


8.アドレス申請

  8.1. 正確な申請書にもとづく申請処理

        JPNICは、完全かつ適切に文書化されている申請書を処理する。

        申請書に間違いや抜けがある場合、JPNICは申請者にできるだけ速やかに
        通知する。また、JPNICは提出された申請書の中の不明確な部分に関して、
        さらに詳細な情報や説明を求めることがある。

        申請者がこのJPNICの疑問を十分解消する解答を行った場合、できるだけ
        速やかに処理を進める。申請書に間違いや抜けが無かった場合も同様で
        ある。

        JPNICは申請処理に関して一貫した信頼に足るレベルのサービスを維持す
        るために、可能な限り努力する。


  8.2.  安全性と機密性

        JPNICは、IP指定事業者およびその顧客、そして特殊用途用IPアドレス
        被割り当て者のビジネス上/インフラ上の運用に関する情報の機密性を保
        護するシステムや手段を維持する。JPNICのスタッフまたは代理業者は全
        て明文化された機密性保持の条件にもとづき雇用されている。

        JPNICはデータベースへのアクセスコントロールメカニズムを提供してい
        る。このようなメカニズムを利用していくのは、各IP指定事業者やエン
        ドユーザ、特殊用途用IPアドレス被割り当て者の責任である。


  8.3. 公平な申請処理

        JPNICは、適切な申請書を受け取った順番に公平な方法に則って申請を扱
        う。

        全ての申請者は平等に扱われなければならないため、JPNICは地理的条
        件、規模その他いかなる理由にも左右されず、どのような状況において
        も申請処理の通常の順番から特別扱いをしたり例外を作ったりすること
        はない。

        JPNICは、効率的な管理のため申請チケットシステムを構築し維持する。
        これを用いて一定の期間内に申請を処理するよう努める。


  8.4. 割り振りの一般的要件

        アドレス空間の割り振り申請は全て、申請しているIP指定事業者のネッ
        トワークインフラストラクチャー、申請しているアドレス空間の用途を
        説明した根拠情報を提出しなければならない。

        JPNICはその根拠情報とともに、そのIP指定事業者が現在保持している全
        てのアドレス空間と過去の割り当て履歴を考慮して申請を処理する。

        この一般要件に加え、より詳細な根拠資料の提出が求められる場合があ
        る。(9.2、9.3、9.4を参照のこと)


  8.5. 複数のIRにアドレス空間を申請する組織

        JPNICポリシーのもとでは、組織は一度にただ1つのIRからのみアドレス空
        間を取得しなければならない。

        複数のIRにアドレス空間を申請する場合、申請組織は現在保有している
        アドレス空間を、どこから割り当てを受けたかにかかわらず全て申告し
        なければならない。

        さらに、複数のIRに同時に申請している組織はその全ての申請の詳細を
        申告しなければならない。

        しかし、特定の状況(例:組織がマルチホームしている場合)では強力な
        技術的理由により1つ以上のプロバイダからアドレス空間を受け取るのが
        適切なこともある。

        このため、親組織とその傘下組織は一般に単一の組織とみなされる。

        組織の一部が別個の法人で完全に独立したネットワークインフラストラ
        クチャーを維持していて、それぞれ異なるAS番号のもとに経路制御され
        ている場合、あるいは複数のIRからアドレス空間を取得する必要がある
        ことをその根拠とともに示せる場合は例外となる。


9. アドレスの割り振り

9.1. アドレス空間のライセンス

        JPNICは、「ライセンス」という考え方にもとづいて、IPアドレスの割り振り
        を行う。このライセンスの期限は、通常1年間という限定された期間である。

        ライセンスの条件は、ライセンスの交付時または更新時に適用される。
        これらは資源の割り振りと割り当てに関するJPNICポリシーに従ったもの
        である。ライセンス更新は可能であり、その条件は以下の2点を満たして
        いることである。

            (a) 割り振り当初の根拠が更新時点でまだ有効である
            (b) その割り振りに関する登録要件が更新時点で満たされている

        ライセンスが更新される時、更新後のライセンス条件は、更新時点の資
        源割り振りポリシーとライセンス更新ポリシーが適用される。

        ライセンスの条件の変更は、IP指定事業者および特殊用途用IPアドレ
        ス被割り当て者の総意により認められた例外を除き、規定されている一
        定の通知期間を経るものとする。

        個々のライセンスを再検討するのは、関連のIRが、既存のライセンスの
        条件が守られていないと信ずるに足る理由がある場合のみとする。IRは、
        既存のライセンスの再検討のために、適切と思われる独自の手順を実施
        することができる。


9.2. 最初の割り振りのスロースタート

        JPNICは新規のIP指定事業者全てにスロースタートのメカニズムを適用す
        る。

        JPNICで適用される1回目の割り振りは、[6.10. 最小割り振りサイズ]に示
        されるサイズとなる。

        スロースタートはJPNICのほかにも多くのIRが採用している方法であり、
        RIRおよびNIRから割り振りされた大きなアドレスブロックが割り当てさ
        れないまま残ってしまうことを防止するためである。

    9.2.1. スロースタートの例外

        例外的に、IP指定事業者は規定より大きいサイズの割り振りを最初に受
        け取ることもある。これはIP指定事業者がすぐに必要とするネットワー
        クアドレスが、標準的なスロースタート割り振りの大きさを上回ること
        を示す、十分に詳細で具体的な根拠情報を提供できる場合においてであ
        る。

        そのような根拠情報の例としては、設備購入の領収書、発注書、署名入
        りプロジェクト契約等のように、IP指定事業者が目下ネットワーク用に
        アドレスを必要としていることを示す書類があげられる。


  9.3.  初回割り振りの基準

        初期割り振りを受ける資格のため、IP指定事業者は以下の基準を満たさ
        なければならない。

        - 割り当て済みのアドレスについて、ポリシーに従ったアドレスの運用
          を行っている
        - 上位のプロバイダから、すでに/22を割り当てられ使用している、また
          は直後に/22を使用することを証明できる
        - 1年以内に/21を使うことを証明できる詳細な計画を提示できる
        - 1年以内にそれまで使用していたアドレスから、新たに割り振られるア
          ドレスにリナンバする


  9.4. 追加割り振りの基準

        IP指定事業者は、最初の割り振りを受けた後も、必要に応じて追加の割
        り振りを申請することができる。

        追加割り振りは、IP指定事業者の過去の割り振り実績、アドレス空間利
        用計画、割り当て実績と割り当て率を確認し、IP指定事業者がどの程度
        JPNICポリシーに準拠しているかにより決定される。

        ここでいう割り当て率とは、指定事業者が過去に受けた割り振り中の、
        実際に割り当てを行った空間の割合のことである。

        JPNICはこれらを審査し、IP指定事業者に対してアドレス空間の追加割り
        振りをする。

        この時割り振られるアドレス空間のサイズは、IP指定事業者の過去の割
        り当て実績を考慮して決定される。

        これらの要因にもとづき、JPNICは、最高1年までの期間で、IP指定事業
        者が見積もった割り当て需要を満たすのに十分なアドレス空間を割り振
        るものとする。

        JPNICが1年未満の期間で割り振りを行う場合、JPNICはその割り振り期間、
        およびその期間を選んだ理由をIP指定事業者に伝えねばならない。


 9.4.1. 連続した割り振りは保証されない

        JPNICは前回の割り振りと連続したアドレス空間を追加で割り振るよう努
        力する。

        しかし、アドレスの予約ができないため、JPNICは連続した空間の割り振
        りができるとは保証できない。


  9.5. 割り振りを全て使用したIPアドレス管理指定事業者

        IP指定事業者が保持する全割り振りの80%を超える空間がその時点で割り
        当てされていなければ、JPNICはそのIP指定事業者に割り振りを行わない。


    9.5.1. 特殊な状況・大きな割り当て

        IP指定事業者が保持する全割り振りの80%を超える空間がその時点で割り
        当てされていない場合でも、残っている空間よりも大きいサイズの割り
        当てを行う必要がある場合、その指定事業者はJPNICに追加割り振りを申
        請できる。


  9.6. 予約は割り当てとみなされない

        IP指定事業者が顧客に割り当てる際には、必ず現在保有しているアドレ
        ス空間から割り当てをしなければならない。JPNICは割り振り申請を評価
        するときに、IP指定事業者によって他の顧客用に予約された空間を未割
        り当て空間とみなす。


  9.7. アドレスの集成

        全ての割り振りにおいて、割り振られたアドレス空間のIP指定事業者に
        よる経路広告が最少の数になるように(1が望ましい)集成されるべきで
        ある。経路集成という目標を達成するために、エンドユーザはそのIP指
        定事業者の顧客である間だけアドレス割り当てを保持するということを、
        ユーザとIP指定事業者間で合意しておくことが要求される。

        合意事項には、そのIP指定事業者がアドレスを使用する際のライセンス
        の条件とも一貫している必要がある。


  9.8. 割り振りと割り当ての有効性

        アドレス空間の割り振り、割り当ては全て、割り振られたまたは割り当
        てられたときに適用された基準が効力を持つ間のみ有効となる。

        特定の目的のために割り振りまたは割り当てが行われても、その目的がな
        くなった場合は割り振りもしくは割り当ても有効ではなくなる。

        割り振りまたは割り当ては、虚偽もしくは不完全な情報にもとづいて行
        われたことが判明した場合無効になる。このときアドレスは適切なIRに
        返却されるべきである。


  9.9. アドレス空間の譲渡

        アドレス空間の売買や無許可の譲渡は認められない。そのような譲渡は
        無効である。

        そのような譲渡によるアドレスを保持する組織は、そのアドレスを適切
        なIRに返却しなければならない。


10.  IPアドレス管理指定事業者によるアドレス管理

        以下の規定に従い、IP指定事業者は顧客に対してアドレス空間の割り当て
        を行うことができる。


  10.1. IPアドレス管理指定事業者のためのアサインメントウィンドウ

        IP指定事業者が、JPNICポリシーと[5. アドレス空間管理の目標]を理解し、
        それに準拠した活動を行うために、JPNICはアサインメントウィンドウと
        いうメカニズムを採用する。

        アサインメントウィンドウとは、IP指定事業者がJPNICに割り当て審議申
        請を行わずに割り当てができる最大のアドレス数のことである。指定事
        業者がアサインメントウィンドウを超える割り当てを行うことを希望す
        る場合は、IP指定事業者は割り当てを行う前にまず割り当て審議申請を
        JPNICに提出しなければならない。

        新規にIP指定事業者になったときIP指定事業者の最初のアサインメント
        ウィンドウはゼロである。つまり、この段階では全ての割り当てはまず
        JPNICに承認されなければならない。JPNICは定期的にIP指定事業者のス
        タッフが割り当てや割り当て審議の申請を効率的に行っているかを査定
        し、アサインメントウィンドウのサイズを再検討する。IP指定事業者の
        スタッフの業務熟達度が上がれば、JPNICはアサインメントウィンドウの
        サイズを拡大する。

        IP指定事業者のアサインメントウィンドウの最大サイズは/19(8,192アド
        レス分)である。

        新人スタッフのトレーニングその他関連する事情により、IP指定事業者
        のスタッフの業務熟達度がJPNICの基準を満たさなくなると、JPNICは一
        時的にそのIP指定事業者のアサインメントウィンドウのサイズを縮小す
        ることがある。


 10.2. 割り当てアドレスの使用見積り

        割り当て申請は、割り当てしてすぐ発生する必要性と将来予想される必
        要性にもとづいた使用見積りによって裏付けされなければならない。そ
        の見積りは非常に信頼できる水準で証明できていなければならない。見
        積りは3ヵ月以内、半年以内、1年以内のものを提出する。

        アドレス割り当ての直後にアドレス空間の25%、1年以内に50%が使用され
        るという見積りにもとづいて割り当てが行われる。


 10.3. 登録の必要性

        アドレス割り当ての際、IP指定事業者はJPNIC データベースにその割り
        当てに関する全ての情報を以下に従い登録しなければならない。

        - /30より大きいネットワークへの割り当ては登録されなければならない
        - /30、または/30より小さいネットワークの割り当てに関しては、IP指
          定事業者とネットワーク管理者の裁量により上位組織のインフラストラ
          クチャーとして登録してもよい
        - ホストへの割り当てはIP指定事業者とエンドユーザの裁量により上位
          組織のインフラストラクチャーとして登録してもよい

        また割り振り時には、JPNICは上位組織であるAPNICのデータベースに割
        り振りに関する全ての情報を登録する。

        データベースの情報はインターネット上のトラブルを解決するときに必
        要なものであり、かつインターネットコミュニティ全体の利益となる、
        情報の信頼性と透明性の維持に役立っている。


    10.3.1. 登録情報の更新

        IP指定事業者は、エンドユーザの登録情報を含み、IP指定事業者が登録した
        全ての情報に何らかの変更があった場合にJPNIC データベースを更新しな
        ければならない。
        特殊用途用IPアドレス被割り当て者においても、自ら登録した情報に
        何らかの変更があった場合に、JPNICデータベースを更新しなければな
        らない。


    10.3.2. 連絡担当者の登録
        連絡担当者の登録は責任あるアドレス空間管理の重要な部分である。

        運用責任者は、その組織を代表する人物でなければならない。

        技術連絡担当者は、ネットワークの所在地に必ずしも物理的に居る必要
        はないが、そのネットワークの日常的な運用に責任を持つ人物でなけれ
        ばならない。


  10.4. in-addr.arpa資源レコード維持の責任

        /24よりも小さな割り当てに関しては、IP指定事業者は顧客のネットワー
        クに関するin-addr.arpa資源レコードを維持しなければならない。


11.割り当てと経路集成を促進するためのリナンバリング

  11.1. 小規模マルチホーム割り当て

        組織がマルチホームのためのプロバイダ非依存アドレスの割り当てを受
        ける資格を有するのは次の場合である。

        - 現在割り当てられたアドレスでマルチホームをしている、あるいは
          3ヶ月以内にマルチホームをする計画があることを実証する
        - それまでに割り当てを受けていたアドレス空間のリナンバに同意する

        組織がマルチホームをしているとみなされるのは、その組織のネットワーク
        が複数のISPから常時接続をうけ、そのISPのうち最低2つが、1つ以上の
        ルーティングプリフィクスを広告している場合である。

        この条件下でプロバイダ非依存アドレスの割り当てを申請する組織は、
        申請する割り当てのうち25%を直後(割り当て後3ヶ月以内)に、50%を1年
        以内に使用することを実証しなくてはならない。

        これらの条件の下で行われるJPNICによるプロバイダ非依存アドレスの割
        り当ては、割り当て後1年以内に/24から/21未満を使用する計画を証明で
        きる場合である。


  11.2. インターネットエクスチェンジポイント

        インターネットエクスチェンジポイントは、自己のIXPトランジットLAN上
        で使用する目的のために、JPNICからプロバイダ非依存アドレスの割り当て
        を受ける資格を有する。
        インターネットエクスチェンジポイント(IXP)は、物理的なネットワークイ
        ンフラストラクチャーであり、独立したISP間でのインターネットトラフィ
        ックの交換を円滑化するために運用される。IXPに接続されるISP数は最低で
        も3つあるべきで、他のISPが参加するための明確でオープンなポリシーがな
        ければならない。IXPは一般的にはIRではなく、アドレス空間のエンドユー
        ザであるとみなされる。

        この条件下で行われたすべての割り当てにおける特別な制約として、そのIXP
        はグローバルなインターネット経路表に、そのアドレスを広告してはならな
        い。

        この条件下で行われる最小割り当ては/24である。

  11.3. クリティカルインフラストラクチャー

        日本地域において、以下のクリティカルインフラストラクチャーを運用する組
        織は、JPNICからプロバイダ非依存アドレスの割り当てを受ける資格を有する。

        - ルートドメインネームシステム(DNS)サーバ
        - gTLDネームサーバ
        - ccTLDs ネームサーバ

        クリティカルインフラストラクチャーへの割り当ては、それらの機能のために実
        際に運用されるネットワークのみが可能である。実際にハウジングをしているな
        どして実際にネットワークを運用していないレジストラは、このポリシーのもと
        では割り当てを受けることができない。

        この条件下で行われる最小割り当ては/24である。

  11.4. 割り当てと経路集成を促進するためのリナンバリング

        複数の集成されないプリフィクスを保有するエンドユーザは、単一の集
        成可能なプリフィクスと付け替え、そのアドレスを返却することが望ま
        しい。


12. IPアドレス管理指定事業者の合併、買収、および継承

  12.1. 登録情報の更新

        IP指定事業者としての権利が(合併、買収、継承などにより)変更された
        場合は、新しい組織は、そのネットワークに関する情報および連絡担当
        者に関する情報を変更しなければならない。権利所有者の変更の結果、
        IPアドレス管理指定事業者の組織名が変更した場合は、そのIP指定事業
        者は、組織名変更の裏付けとなる法的書類をJPNICに提出しなければなら
        ない。


  12.2. IPアドレス管理指定事業者契約に対する影響

        IP指定事業者の権利の所有者を変更した場合は、新しい組織は変更を
        JPNICに通知すべきである。IP指定事業者の権利は、譲渡することはでき
        ない。


  12.3. IPアドレス管理指定事業者の合併、買収の割り振りへの影響

        IP指定事業者の合併、売却、買収の後、JPNICは新組織(複数ある場合は
        それら該当する複数組織)の保有する全割り振りがどのような状態にある
        かを確認する。また、これに伴い、当該組織のインフラストラクチャー
        に対する実際的な影響も顧慮する。

        合併、売却、買収の実際的影響として2つ以上のIP指定事業者のインフラ
        ストラクチャーが合併された場合、JPNICは両方のネットワークにそれぞ
        れ継続してアドレスを割り振ることはない。この場合包含されるIP指定
        事業者のIPアドレス管理指定事業者契約は無効となる。

        このケースにおいてJPNICは割り振りの状態を確認する際に、該当する全
        IP指定事業者が保持するアドレス空間の完全な情報開示を求める。この
        ような開示が行われない場合は、割り振りは無効とみなされ、JPNICはそ
        のアドレスの返却を求める。


  12.4. IPアドレス割り当て管理業務の停止

        IP指定事業者がIRとして機能しなくなると、そのIRの未割り当てアドレ
        スは全てJPNICに返却されるべきである。さらに、そのIP指定事業者(ま
        たはIP指定事業者の事業整理のため指名されたIP指定事業者の清算人、
        管財人)は全顧客にIPアドレス割り当て管理業務停止の旨を通知し、別の
        IP指定事業者のアドレス空間へのリナンバリングに向けた調整を進める
        責任がある。
        廃業したIP指定事業者の事業やインフラストラクチャーを、新しく別の
        IP指定事業者が引き継ぐ場合、既存のアドレス空間を新IP指定事業者へ
        移管してもよい。ただし、そのような移管はJPNICによる再審査の対象と
        なり、また新規のアドレス申請処理として扱われる場合もある。


13.    申請審議のガイドライン

        本文書では、JPNICによる申請審議や、特定の技術についての詳細は述べ
        ない。そのような詳細は技術の進歩に左右され、また頻繁に変わる可能
        性があるためである。従って、JPNICは必要に応じて特定の技術や技法に
        関し、ガイドラインとなる文書を別に策定する。

        そのようなガイドラインには以下のような内容が含まれる場合がある。

        - アドレス空間申請の特定のタイプで使用される審議方法についての説明
        - アドレス空間を申請する組織が、ネットワーク計画において一般的に
          実装するだろうと思われる現行の最善の実施策の概要
        - 組織がアドレス空間申請を行う際に役立つ可能性のあるその他の情報

        発行されたガイドラインはいずれも、本文書で述べた目標とポリシーに
        首尾一貫したものとなる。


14. 謝辞

        本文書作成にあたり、貴重なコメントをしていただいたAPNICに感謝する。


以上

*関連文書*

「IPアドレス割り振り/返却申請手続きについて」

「IPアドレス割り当て報告申請について(IPアドレス管理指定事業者ネットワーク用)」

「IPアドレス割り当て報告申請について(ユーザネットワーク用)」

「IPアドレス割り当てにおけるJPNIC審議申請について」

「IPアドレスリナンバ申請について(IPアドレス管理指定事業者ネットワーク用)」

「IPアドレスリナンバ申請について(ユーザネットワーク用)」

「割り当て済みIPアドレスの返却申請について」

「/15を超えるアドレスの割り振り申請について」

「特殊用途用プロバイダ非依存アドレス割り当て/変更/返却申請手続きについて」

「Policies for address space management in the Asia Pacific region」
            

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