メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です
文字サイズ:

UDRPとは

 UDRP(Uniform Domain Name Dispute Resolution Policy:統一ドメイン名紛争処理方針)とは、 .comや.net、.bizといったgTLDドメイン名に適用される紛争処理方針です。

 ドメイン名を先取りして、 商標権を持つ人に対して高額で転売しようとする行為などを、 権利者の申立に基づいて速やかに取消または移転をしようとするもので、 ICANN理事会が1999年8月26日に採択しました。

UDRPの構造

紛争処理に関する規則

 UDRPは、次の二つの文書から成っています。

(1) 統一ドメイン名紛争処理方針
.com 等の gTLD の登録を希望する者は、 ICANN より認定されたレジストラに対して申請を行います。 申請者は申請にあたって、 レジストラが定めたドメイン名登録合意書に合意することになります。 この登録合意書にはドメイン名紛争に関する条項があり、 また、統一ドメイン名紛争処理方針においては 「登録合意書からの参照により、それと一体となる」と規定されています。 つまり、登録合意書に合意してドメイン名登録を受けた登録者は、 第三者からUDRPに基づく申立があった場合には、 紛争処理機関の行う紛争処理手続きに参加し、 裁定結果に従わなければならないことになります。
(2) 統一ドメイン名紛争処理方針のための手続規則
統一ドメイン名紛争処理方針のための手続規則は、 紛争処理手続きを行う際の規則を定めたものです。 ICANNの認定した紛争処理機関は、 この手続規則に基づいて紛争処理を行います。

UDRPの対象となる紛争

(1) UDRPの特徴

 UDRP は、ミニマル・アプローチという特徴をもっています。 これは、ドメイン名を巡る登録者と第三者との間における紛争のうち、 UDRPの対象となるのは、 「ドメイン名の不正の目的による登録・使用」のみであり、 正当な権利者間の紛争は従来の裁判や仲裁等で扱ってもらうというものです。

(2) 対象となるドメイン名

 UDRPの運用が始まった段階では、 .com/.net/.org という三つのgTLDに関する紛争が対象でした。 その後、これらのgTLDに加えて、 .info や.biz 等の新gTLD や一部のccTLDに関する紛争も UDRPの対象となりました。

 2012年6月現在、UDRPの対象となっているドメインは次の通りです。

gTLD .aero .asia .biz .cat .com .coop .info .jobs .mobi .museum .name .net .org .pro .tel .travel .xxx

(3) UDRP申立のための要件

 UDRPの申立に際し、 申立人は次の 3項目 を申立書において立証しなければいけません。

  • 申立の対象となっているドメイン名が、申立人の有する商標と同一または混同を引き起こすほど類似していること
  • 登録者が、そのドメイン名登録について権利または正当な理由がないこと
  • 登録者のドメイン名が悪意で登録かつ使用されていること

 また、どのような行為が、 ドメイン名の不正の目的による登録・使用に該当するかは、 処理方針 に次のように規定されています。 なお、これらは例示であるため、他の場合を排除するものではありません。

  • 実費金額を越える対価で転売することを目的として登録しているとき
  • 商標権者によるドメイン名の使用を妨害するために登録し、そのような妨害行為が複数回行われているとき
  • 競業者の事業を混乱させることを目的に、登録しているとき
  • ユーザーの誤認混同をねらって、第三者の商標をドメイン名として登録・使用しているとき

パネルによる審理

 UDRPに基づく審理・裁定は、 紛争処理機関によって指名されたパネリストで構成されるパネルにより行われます。 パネリスト候補者は、世界各国の弁護士や弁理士、 大学教授等の有識者から構成されており、 その一覧はそれぞれの紛争処理機関のウェブサイトで公表されています。 パネルを構成するパネリストの人数は、1名または3名で、 その数は両当事者によって決定されます。 具体的には、 両当事者がともに1名構成のパネルを希望した場合には1名構成のパネルとなり、 いずれかの当事者が3名構成のパネルを希望した場合には3名構成のパネルとなります。 3名構成のパネルとなった場合、裁定は多数決により決定されます。

救済方法

 UDRPにおける救済は、 ドメイン名登録の移転および取消に限定されています。 損害賠償請求は認められていません。 これは、損害賠償請求を認めると、 その審理および判断に時間と労力が必要となり、 簡易・迅速といったUDRPのめざす目標にそぐわなくなってしまうからです。 認定紛争処理機関で出された移転または取消の裁定結果は、 レジストラへ通知され、そこで裁定結果の実施が行われます。

裁判との関係

 当事者は、UDRPの手続き開始前、 係属中または終結後のいずれの段階においても、 ドメイン名の登録に関して裁判所へ提訴することができます。 裁判所への提訴が、UDRPの手続き開始前である場合には、 当事者は申立書および答弁書にその旨を示し、 UDRPの係属中に行われた場合には、紛争処理機関等へその旨を通知しなければなりません。 そして、これらの場合には、パネルはその裁量により、 手続きの続行または停止もしくは終了を決定します。

 また、UDRP終結後、被申立人(登録者)が裁定に不服 (ドメイン名の取消・移転という裁定に不服)で、 裁定結果通知後の10日間の間に裁判所へ出訴した場合には、 この間に登録者から出訴した旨の文書の正本の提出があれば、 裁定結果の実施は見送られることになります。 なお、裁定後の出訴における「合意裁判管轄」については、 レジストラの主たる事務所の所在地またはドメイン名登録者の住所における管轄裁判所となっています。

紛争処理手続き

 UDRPに基づく紛争処理の流れは次のようになっています。

紛争処理機関へ申立
 ↓
方式審査
 ↓
料金の支払 申立書受領後10日以内
 ↓
申立書を登録者へ送付 料金受領後3日以内/送付日が手続開始日
 ↓
答弁書提出 手続開始日から20日以内
 ↓
パネリストの指名 答弁書受領から5日以内
 ↓
パネルによる審理
 ↓
裁定 パネリストの指名から14日以内
 ↓
レジストラによる裁定実施 裁定通知日から10日以内に出訴があれば裁定実施保留

手続きの特徴

 処理手続きの特徴は、 簡易(審問は原則としてなく、審理は提出書類のみに基づいて行われる)、 迅速(申立から最大でも55日以内に裁定が下される)、 低費用(例えば、WIPOでは、1ドメイン名について1名パネルの審理の場合、 申立費用はUS$1500)、 非拘束(仲裁と異なり、裁定結果に不服の場合には裁判所へ提訴が可能) という点にあります。

申立書の提出

 申立人は、 申立に際し申立書および関係書類を紛争処理機関へ提出すると同時に、 登録者に対しても送付します。 申立書には、申立の根拠や求める救済の種類、 指名パネリスト候補者の氏名等を記載する必要があります。

答弁書の提出

 紛争処理機関および申立人より申立書の送付を受けた登録者は、 ドメイン名登録が不正の目的で行われたものではないこと等を主張した答弁書を、 紛争処理機関に提出するとともに、申立人に対しても送付します。

手続言語

 申立書の提出や答弁書の提出等の手続における言語は、 原則として登録合意書の言語となっています。 ただし、当事者間で特段の合意がある場合やパネルの裁量により、 その他の言語で手続を行うことも可能です。

パネリストの選出

 パネリストの数は1名または3名となっており、 両当事者によって決定されます。 パネリストが1名の場合は、 紛争処理機関自らが維持管理しているパネリスト候補者名簿から1名を選出します。 パネリストが3名の場合は、申立人と登録者の双方が、 パネリスト3名のうちの各1名を指名するための候補者3名を選出し、 紛争処理機関が両当事者の選出した候補者リストの中から各1名のパネリストを指名します。 さらに、残り3番目のパネリストについては、 紛争処理機関が両当事者に対して候補者5名を提示し、 両当事者の意向を踏まえて1名を指名するという形になっています。

裁定結果

 パネルによる審理の結果、移転、取消、 または登録維持の裁定が下されます。 この裁定結果は、レジストラへ通知され、 レジストラにより裁定結果の実施が行われます。 ただし、裁定通知から10日間の間は、 移転または取消の裁定結果の実施は保留され、 この期間内に登録者から裁判所への出訴に関する連絡がなければ裁定結果を実施し、 連絡があれば裁定結果実施を見送ります。

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

このフォームをご利用した場合、ご連絡先の記入がないと、 回答を差し上げられません。 回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

▲頁先頭へ