ICANN上海会議:DNSO 総会(GA)
日時:2002年10月29日(火)8:30~10:50 会場:Shanghai International Convention Center(中国・上海) 司会:GAチェア 出席者:約20~30名 内容:1.WHOISタスクフォースからの報告 2.ドメイン名抹消にまつわる問題について 3.IANAゾーンファイルアクセスについて ------------------------------------------------------------------------------- <詳細記録> ■1. WHOISタスクフォースからの報告 ●活動の経緯 - WHOISに関するアンケート調査を実施。3035件の回答 - 6月のブカレスト会議で最終報告ドラフトを発表した後、10/14に中間報告書を発表。 11/8までコメント募集中。 ●調査結果と勧告 (#調査結果については、ブカレスト会議での報告と同じ。 http://www.nic.ad.jp/ja/icann/memo/20020626-01.html 参照) ○WHOISデータの正確性 勧告: - レジストラ、リセラ等に対し、現行義務の遵守強化と教育を行う - 登録者情報の更新状況を改善する方法の決定、他 ○統一性と一貫性 - データ要素がgTLDとccTLDで統一されていない 勧告: - WHOISクエリーは同一のフォーマットで同一のデータ要素を返すようにすべき - インターネットコミュニティは標準作成に参加・協力すべき(IETFのCross Registry Information Service Protocol(CRISP)を含む)、他 ○WHOISの検索能力 勧告: - WHOISへの中央集中型パブリックアクセスが必要(gTLD)、もしくはポータル アプローチ ○マーケティング、転売(Resale)、大量アクセス 結論: - レジストラ認定契約の大量アクセスに関する規定を評価検討し、ポリシー変更の 是非やデータ利用の制限などについて判断することが必要 勧告: - データの商業利用を防止するには、レジストラによる商業利用/転売の見直しが 必要 ●今後の活動 - ccTLDでの状況を知るためのワークショップ開催 - IETFからのインプット(12月のICANN会合?)、他 [質問/意見] - 個人情報をWHOISに掲載することは極めて危険 ------------------------------------------------------------------------------- ■2.ドメイン名抹消にまつわる問題について(by Bruce Tonkin) (#http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20021016.html 参照) ●背景 gTLDで現在行われている抹消プロセスに関係する様々な問題が存在 ●4つの問題 - 登録期限切れ後のレジストラによる抹消プロセスの均一化 - WHOISの正確性に関する苦情を受けた後の削除 (抹消後WHOISデータを更新できていない状況が多々ある) - レジストリによる抹消プロセス - 更新処理の取り消しをする際の問題 11/5までコメント募集中。現時点ではまだ報告できる提案はない ------------------------------------------------------------------------------- ■3. IANAゾーンファイルアクセスについて - ゾーンファイルの説明 - Names Councilは、ccTLD、DNSセキュリティ委員会(SAC)、IANAが合同でDNSデータ の改善についての手続き作成を行うべきと勧告 ●3.1 IANAがゾーンファイルへのアクセスを要求する理由(by Louis Touton) - ゾーンファイルにはドメイン名リスト、ネームサーバのIPアドレスなどが載っている が、登録者情報は含んでいない!! - ゾーンファイル情報は公共の情報 - TLDゾーンファイルは歴史的に誰でもアクセス可能だった - キャッシングなど正当なアクセス目的がある ○問題の発生 - 90年代前半にはアクセス超過の問題が発生 - 90年代後半には不正なデータマイニングが発生 ○ゾーンファイル調査 - これまで、ネームサーバ変更要請を処理する際にゾーンファイルの調査を行ってきた - 技術能力、相互運用性などをチェックするのが目的 ○ネームサーバ変更のプロセス ○技術能力 - ゾーンファイルの調査なしにはチェックできない問題もある ○ゾーンファイル調査の歴史 - RFC1591について - 2002年5月のKPNQwest破綻に伴い大量のネームサーバ変更要請が行われたことを契機 に、DNSデータのクオリティ改善提案が起きる ●3.2 ccTLDゾーンファイルアクセスに関するCENTRの見解 ○技術的正当性 - セカンドレベルにおける2ネームサーバチェック要求はICANNの範囲外 - マスタファイルがSTD13フォーマットに準拠しているかをチェックすることが インターネットの安定性維持に重要ということを証明できていない ○法的問題 - ICANNが行っているデータエスクローはローカルな問題と考える - データ保護法は特定のデータの公表を禁じている ○ICANNの問題 ICANNは技術的調整を行う機関であり、ルートゾーンファイルの修正/追加/削除 等の権限は持たない [コメント] - セキュリティ面からのコメント(Steve Clocker) - IANAによるゾーンファイルチェックのプロセスは不要。IANAがDNS運用の安定性& 安全性を重視するのであれば、ccTLDにチェックの手順/方法を提供すべき(LACTLD) - ccTLDと協力して事態の改善に取り組みたい(Louis Touton) - ブカレスト会議でのccTLDコミュニケの紹介(Elizabeth, ccTLD) -------------------------------------------------------------------------------

