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一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター

ICANN通常理事会(2023年3月16日開催)決議概要

1. RSSACの委員の任命

ICANN理事会は、 RIPE Network Coordination Centre代表のHans Petter Holen氏およびDISA代表のJohn Augenstein氏をRSSAC委員に任命しました。 任期はそれぞれ、2023年12月31日までと2025年12月31日までです。

2. ストレージエリアネットワーク機器の交換

理事会は、 ICANN暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者が新たなストレージシステムのための一定金額以内の支払いと契約を行うことを承認しました。 なお、契約の相手や契約の上限額については交渉事項にあたるため、非開示とします。

なお、この決議のうち特定の項目については、 ICANN付定款第3条第3.5項(b)の定めに従い事務総長またはその指名する者が開示を決定するまでは公開しないことが承認されました。

3. 次期新gTLD募集に向けたポリシー策定に関する最終報告書

理事会は次期新gTLD募集に向けた最終報告書のスコアカードをすべて承認しました。 スコアカードのSection Aは理事会が承認したものを示しています。 Section Bは理事会が判断保留としたものを、 Section Cは理事会が速やかに解決していくとしたものを示しています。

理事会はICANN暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 スコアカードのSection Aの内容をすべて進めることとし、 四つの実装領域に着手し、 次期新gTLDを成功裏に適切な時期に開始するために必要な財源を確保するよう、 指示しました。

理事会はICANN暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 IRTに参加するボランティアの募集開始をできるだけ早くに行うよう、 指示しました。

また理事会はICANN暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して第77回ICANN会議の最終日までにプログラムの設計、 インフラストラクチャの開発、 運用化完了に必要な作業に関する情報について報告するよう、 指示しました。

さらに理事会はICANNの暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に2023年8月1日までに実施計画を提示するよう指示しました。 実施計画をタイムリーに提出するためには以下の四つのことが第77回ICANN会議の最終日(2023年6月15日)までに完了している必要があります、

  • ICANN理事会およびGNSO評議会間で合意済みの、スコアカードのSection Bに含まれるすべての内容の検討と結論のための計画とスケジュール
  • ICANN事務局とGNSO評議会間で合意済みの、作業方法とIRTの作業計画とスケジュール
  • 次期新gTLDのラウンドでのクローズドジェネリックに関するポリシー策定作業あるいは代替手段に関するGNSOの作業計画とスケジュール
  • 次の申請ガイドブックに影響を及ぼす可能性のあるチャーターのすべての検討事項をカバーしているGNSOによる国際化ドメイン名(IDN)に関する迅速ポリシー策定プロセス(EPDP)作業部会(WG)のプロジェクト計画および、(先の2019年3月14日付理事会決議(2019.03.14.09)に従い)IDN異体字ccTLDに関するccNSO4と結論を揃えるための検討を行うこと、さらに、IDN EPDP作業部会が勧告をGNSO評議会に提出する期限

理事会はGNSO評議会に、 第77回ICANN会議の最終日(2023年6月15日)までに先の項目に記載の計画を提出するよう、 要請します。

理事会は、次期新gTLDのラウンドの開始までに四つの実装領域がきちんと完了しているためには、 かなりの資源とICANN理事会、ICANNコミュニティ、 およびICANN事務局による努力が必要となることを強調します。 理事会は、すべての当事者が期限までに協力して効率的に作業することを奨励します。

理事会はICANNの暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 2023年10月31日までの間の実施作業のために最大900万ドルを支出することを承認しました。 この資金投入の財源は2012年の新gTLDラウンドの残りの資金です。

理事会はICANNの暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 2023年10月31日より後の資金投入の実施の要請は適宜BFC(理事会財務委員会)に提出するよう指示しました。 これによって、委員会が勧告を提出できるので、 第78回ICANN公開会議において理事会が検討することができます。

さらに理事会は最終報告書に記載されている通り、 新gTLD (ASCIIとIDNの両方を含む)のドメイン名空間への導入をめざして、 「サービスが十分に提供されていない、 または過小評価されている地域」の申請予定者の取り込みの促進に重点を置きつつ、 新gTLD申請予定者へのプログラムのプロモーションのためにICANN事務局によるアウトリーチとコミュニケーション戦略に関する作業を継続するよう、 ICANN事務局に指示します。

理事会はICANNの暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 次期新gTLDプログラムの申請受付開始までの間、 第77回ICANN公開会議から始めて各ICANN公開会議の2週間前までに進捗状況に関する報告書を公開するよう、 指示しました。

理事会は現在実施作業が進められている勧告の作成に大変な時間と資源を投じたコミュニティに深く感謝しています。 特にコミュニティのリーダー、 次期新gTLD手続きのためのポリシー策定プロセス作業部会(SubPro PDP WG)のメンバー、SubPro PDP WGをサポートしたICANN事務局スタッフ、 ODA(運用設計フェーズ)へとつながった大変な尽力に謝意を表明します。 これらの努力によって理事会は今日、重要な一歩を踏み出すことになります。 理事会はさらに、 全体的なコミットメントが実施段階を通じて継続されることが重要であると認識しています。

4. 指名委員会の第2回組織評価(NomCom 2 Review)結果の受け入れ - 最終実施報告書の承認と付属定款改正の手続き

ICANN理事会は、指名委員会の効率性、透明性、 アカウンタビリティの改善を目的とする指名委員会 勧告実施作業部会(NomCom RI WG)による実施作業を認識しています。 同作業は独立の評価者からの意見と勧告およびその後の詳細な実施計画に沿うものです。 理事会は指名委員会勧告実施作業部会によって報告されたNomCom 2 Reivewの結果の勧告の実施状況を承認しました。

ICANN理事会は、ICANN暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 NomCom 2 Reivewの四つの勧告(勧告7、勧告9、 勧告24および勧告27)を実施するために意見募集を開始し、 ICANNの付属定款の基本的条項と通常条項両方の第7条および第8条の改正のための作業に着手するよう、 指示します。 この改正は、ICANN理事会の構成や指名委員会の任期、 指名委員会に関する常設委員会の設立に関連しています。 理事会はまた、ICANNの暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 RSSACに関連するICANN付属定款の第12条の改正のためのプロセスを開始するよう、 指示しました。

ICANNにおけるガバナンスへの重大な影響を考慮し、 ICANN理事会はICANN暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 意見募集手続きの中で常設委員会のチャーターの案やコミュニティ外理事(注)の定義の見解案を公開し、 理事会による承認よりも前にICANNコミュニティが意見提出の機会を設けるよう、 指示しました。

(注)コミュニティ外理事とは、 SOやACなどICANNの活動に関与したことがないことを条件とする理事のことで、 Unaffiliated Directorの訳語として用いています。

NomCom 2 Reivewの勧告10が「指名委員会における代表方法は直ちに見直し、 その後も5年ごとに評価が行われるべきである」としている点について指名委員会評価実施作業グループ(NomComRIWG)が現時点での実施は現実的ではないと考えていることを理事会は認識しており、 今回はこれは棄却されました。 指名委員会におけるバランスの見直しを検討する重要な責務が理事会やICANN事務局とともにICANNコミュニティにもあることを理事会は認識しています。 指名委員会におけるバランスの見直しや作業を進めるのは誰になるのか、 支持組織や諮問委員会が計画を立てる中でこの作業にどのような優先順位を割り当てるべきかに関してコミュニティから意見を求める作業を進め、 理事会をサポートするよう、 理事会はICANN暫定事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して指示しました。 理事会はICANN事務局に、 この決定から6ヶ月以内に支持組織/諮問委員会と理事会との調整の結果に関する最新情報をICANN事務局に提供するよう、 求めました。

他の決議事項を含めた詳しい内容は、以下の原文をご覧ください。
Approved Resolutions | Regular Meeting of the ICANN Board | 16 March 2023

以上

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