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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.46【臨時号】2002.11.19 ◆
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【 1 】ICANN上海会議報告 ~ICANN改革~
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◇【 1 】ICANN上海会議報告 ~ICANN改革~
今回は、去る2002年10月27~31日に開催されたICANN上海会議での主要テーマ
であったICANN改革についてお伝えします。
ICANN改革については、ICANNの発展と改革に関する委員会(ERC)がコミュニ
ティからの意見を広く収集しながら、検討結果を報告書という形で順次発表し
てきたわけですが、10月2日の「改革実施に関する最終報告書」では、改革後
のICANNの姿を規定した新付属定款(New Bylaws)案が報告書の添付資料とし
て発表されました。
その後10月23日には修正版付属定款案が発表され、上海会議ではその修正版に
ついての議論を行った結果、さらに変更を加えられたものが最終日の理事会で
採択されました。ただし、採択された新付属定款は改革後の新たな体制につい
て規定しているものであり、現在から新体制への移行期間についての詳細は、
12月中旬のICANN年次総会で決定されることになります。また、移行条項以外
にも未決定部分がいくつか含まれているため、この新付属定款には「移行条項
が採択された後に初めて有効となる」という条件がついています。
以下では、新付属定款の内容とそれに伴うこれまでの議論について、いくつか
のポイントに絞ってご紹介していきます。
◆理事会の構成
理事会の構成については、2002年6月に採択された「改革に向けての青写真」
からの変更はなく、指名委員会選出理事8名、支持組織選出理事6名、ICANN事
務総長の計15名となります(現在はAt-Large理事9名、支持組織選出理事9名、
ICANN事務総長の計19名)。新付属定款には、これらの理事の任期開始/終了時
が詳細に規定されています。
これらの議決権を持つメンバーの他に、諮問委員会等から議決権を持たないリ
エゾンが加わりますが、「青写真」後の変更点としては、新たに設置が決まっ
たAt-Large諮問委員会からの代表1名が加わり、計6名のリエゾンメンバーを置
くことになりました。
上海での理事会では、「ICANN事務総長には議決権を持たせるべきではない」
とする提案が理事の中から出ましたが、この件については今後の検討に持ち越
されることとなりました。
◆支持組織の構造
支持組織についても「青写真」からの変更はなく、アドレス支持組織(ASO)、
国コードドメイン名支持組織(ccNSO)、分野別ドメイン名支持組織(GNSO)
の三つとなります。
ただし、ASOとccNSOについては、活動内容や組織構成などを引き続き検討する
必要があり、新付属定款にもその旨が言及されています。ASOについては、10
月初旬に四つの地域IPアドレスレジストリ(RIR)からIPアドレス管理に関す
る改革案が発表されたため、今後ICANNとRIRとの間で協議のうえ、新たな提案
が出される見込みです。
ccNSOについては、現在支援グループが検討を行っており、検討項目別に順次
報告書を発表し、一般からのコメントを反映させたうえで12月中旬のICANN年
次総会までに最終提案を行うことになっています。
◆指名委員会の構成
理事会と支持組織内評議会のメンバーを選出する指名委員会は、広範な組織・
分野の代表からなる多様性を反映させた構成となっており、議決権を持つメン
バー17名と議決権を持たないメンバー5名の計22名となっています。
「青写真」後の変更点としては、「外部公益関係者」代表4名と「個人ドメイ
ン名所有者」代表1名の代わりに「At-Large諮問委員会」代表5名が議決権を持
つメンバーに含まれること、現職チェアの他に前年度のチェアも議決権を持た
ないメンバーに含まれること、政府諮問委員会(GAC)からのリエゾンが議決
権を持つメンバーから議決権を持たないメンバーに変更されたことが挙げられ
ます。
◆諮問委員会
各立場から理事会への勧告を行う諮問委員会は、政府諮問委員会(GAC)、セ
キュリティおよび安定性に関する諮問委員会(SAC)、ルートサーバシステム
諮問委員会(RSSAC)、At-Large諮問委員会(ALAC)の四つとなります。(今
後さらに追加することも可能)
「青写真」で提案されていた技術諮問委員会(TAC)は「技術リエゾングルー
プ」に名称変更され、その他の諮問メカニズムの一つとして位置づけられるこ
とになります。
・政府諮問委員会(GAC)の役割
各諮問委員会は理事会へのリエゾン1名(議決権なし)を任命しますが、それ
に加えてGACは、適切かつ有益と判断する範囲内で、各支持組織内評議会と他
の諮問委員会へも同様のリエゾンを派遣することができます。これらは、GAC
とICANN構成組織との協力関係を促進させることを目的としています。
新付属定款には、理事会決議の前日に行われた一般討論会でGACから発表され
た提案がそのまま反映されています。提案を受けて追加された主な条項は以下
のとおりです。
- ICANNの活動が公共ポリシー問題に影響を与える恐れのある場合には、GAC
はICANNに対し勧告を行うべきである
- GACは理事会に直接問題提起を行うことができる
- ICANNがポリシーを策定・実施する際には、GACからの公共ポリシー問題に
関する助言を正当に考慮する
- 理事会がGACからの助言に一致しない措置を取る場合には、GACに対しその
理由を説明する
理事会では、上記GACからの提案のうち、理事会がGACからの助言に従わない場
合には説明責任を負うという規定について、これがICANNを拘束することにな
るのではないかと懸念する意見が出ましたが、この問題についてはERCでの検
討に委ねることとなりました。
・At-Large諮問委員会(ALAC)の役割
新付属定款には、改革後、ICANNが安定期に入った時点でのALACに関する条項
が盛り込まれています。それによると、世界5地域それぞれに地域別At-Large
組織(RALO)を設置し、ALACへの代表を2名ずつ選出することになります。
RALOは当該地域内の個人インターネットユーザーが参加する複数の自主組織に
より構成され、メインフォーラムとしての役割とICANNへ意見提供を行う際の
調整ポイントの役割を果たします。
◇ ◇ ◇
上記内容を含む、ICANN上海会議の報告会を11月21日(木)10:00~13:00、日本
教育会館にて開催いたします。ドメイン名、IPアドレス管理に関する最新動向
説明や、ICANN理事を囲んでの懇親会もありますので、ご興味のある方はぜひ
お気軽に参加してみてはいかがでしょうか? (参加費無料)
詳細・申込はこちら
→ http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2002/20021111-02.html
※報告会参加締切は本日夕方までとなっております。お早めにお申込ください。
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