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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.321【臨時号】 2005.12.21 ◆
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◆ News & Views vol.321 です
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今年最後のICANN会議は、11月30日から12月4日にかけてカナダ・バンクーバー
で開催されました。世界各地で開催されるICANN会議ですが、今年は、4月のア
ルゼンチン・マルデルプラタ、7月のルクセンブルグ、そして12月のバンクー
バーと毎回その開催地の多様性についても楽しみのひとつです。
本号では、現在連載しております「Internet Week 2005 レポート」を一休み
して、ICANNバンクーバーの報告をお届けします。
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◆ ICANNバンクーバー会議報告
JPNIC インターネット政策部 穂坂俊之
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2006年11月30日から12月4日まで、時折小雪舞い散るカナダ・バンクーバーに
てICANN会議が開催されました。時節柄、会場となったホテルのロビーにはク
リスマスツリーが並べられ、クリスマス休暇が近づいている雰囲気を醸し出し
ていました。
以下に、今回の会議の主要トピックをいくつかご紹介します。
◇ ◇ ◇
◆VeriSignとの和解の合意に関する議論
今回の会議ではVeriSignとの和解案に関する議論に相当の時間を費やしました。
一般参加者が直接マイクの前に立って意見を述べることのできるパブリック
フォーラムでは発言を求める参加者が列をなし、1人4分の制限時間を設けざる
を得ない状況となりました。
大勢としては、「和解自体はICANN運営の安定化につながるので歓迎はするが、
契約内容にはまだ問題が多く残されており、さらなるレビューが必要」という
ものでした。また、これとは別にAtLarge諮問委員会、ccNSO理事会、GNSO理事
会からも公式にコメントがなされましたが、全て今回の会議での承認を見送る
よう求めるものでした。
具体的に懸念が示されたのは、主に以下の点についてです。
- 和解と.comレジストリ契約の2012年までの延長がひも付きになっているこ
と。
- 今回の.comレジストリ契約の延長が、他gTLDドメイン名レジストリ契約の
承認プロセスと同一ではないこと。
- ICANNの収入源が、VeriSign一社に大きく依存してしまう状況が今後も継続
してしまうこと。
- ドメイン名登録にかかる料金として、毎年最高7%までの値上げを認めてい
ること。
結局、今回の理事会ではVeriSignとの和解案に関する決議は行われませんでし
た。理事会の中で議長のVint Cerf氏は「12月7日まで、書面によるコメントは
全て受け付け、その後12月11日までにそれらのコメントをまとめ、分析したレ
ポートを公開するようICANNスタッフに求める」と発言しました。
これを受け、既にICANNのホームページ上にコメントの要約、および分析レポー
トが公開されています(*1)。
◆WSISチュニス会合の報告
WSIS準備会合議長のJanis Karklins氏、WGIG事務局長のMarcus Kummer氏を迎
え、WSISチュニス会合の報告が行われました。Karklins氏からは、「関係者の
利害が複雑に絡む中、よく合意にこぎつけられたと思う。結果には満足するべ
きではあるが、代償としては最終文書が解釈の大きく分かれうるものとなって
しまった」との自己評価が聞かれました。
WSISの最終文書内で設立されることが決まったインターネットガバナンスフォー
ラム(IGF)については、2006年早々にも担当事務局が作られ、3月には第1回
の準備会合、6月を目処にIGF本会合が行われるだろうとの見通しが聞かれまし
た。
◆.asiaドメイン名
最終日の理事会で、アジア太平洋地域のコミュニティを対象とするsTLDである
.asiaドメイン名に関する商業的・技術的条件交渉に入ることが承認されまし
た。同ドメイン名は最終承認に向け、最終段階に入ることとなります。
なお、政府諮問委員会(GAC)からは.asiaドメイン名に関し、国の名称その他
地理的名称を含むドメイン名がどういう取り扱いを受けるかについて懸念があ
ることが表明され、交渉の際には考慮して欲しいという申し入れがありました。
◆.xxxドメイン名
既に商業的・技術的条件交渉に入っているアダルトサイト用のsTLDである.xxx
ドメイン名ですが、今回の理事会でも議題に上らず、最終承認を見送っていま
す。GACから理事会に対し、評価プロセスに関するレポートおよび本sTLDに関
し、商業的・技術的条件に入る承認を行った理由の開示等が要求されており、
これらの情報は2006年1月末までにGACに対して提供される見込みとなっていま
す。従い、最終承認は少なくともそれより後ということになりそうです。
◆年次総会 - 人事について
指名委員会選出理事であったThomas Niles氏の任期満了に伴い、
Susan Crawford氏が新たに理事に就任しました。任期は2008年年次総会終了時
までとなります。同氏は米国出身であり、ニューヨークのロースクールでサイ
バー法の教鞭を執っておられるそうです。(*2)
なお、理事会の議長は引き続きVint Cerf氏が務めることになりました。
◆その他
以上に挙げたトピックの他、最終日の理事会ではGACと理事会との相互協力を
推進するためのワーキンググループの設置や、IANAの運営およびそのパフォー
マンスに関して理事会に助言を行う委員会の設置等が決議されています。
(*1)VeriSignとの和解案についてのコメント・分析レポート等
http://www.icann.org/topics/verisign-settlement.htm
(*2)Crawford氏のプロフィール
http://www.icann.org/biog/crawford.htm
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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