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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.592【定期号】2008.11.17 ◆
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◆ News & Views vol.592 です
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本号では、2008年10月26日から30日まで、アラブ首長国連邦のドバイで開催さ
れた、第57回RIPEミーティングのレポートをお届けします。
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◆ 目次
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【 1 】特集 「第57回RIPEミーティング報告」
【 2 】News & Views Column
「新しいWebサービス使ってますか?」
日本UNIXユーザ会 山田幸志氏
【 3 】インターネット用語1分解説
「NAT(Network Address Translation)/
NAPT(Network Address and Port Translation)とは」
【 4 】統計資料
1. JPドメイン名
2. IPアドレス
3. 会員数
4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー
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【 1 】特集 「第57回RIPEミーティング報告」
JPNIC 技術部/インターネット推進部 木村泰司
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本稿では、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれた、第57回RIPEミーティ
ングの様子を報告します。
経済発展で知られるドバイは、インドの人をよく見かける国際的な都市です。
道路工事やビルの建設が至るところで行われており、夜も電気がついている工
事中のビルの間を、スピードを出したタクシーで走り抜けると、急成長する都
市特有の、静かな熱気のようなものを感じます。
RIPEでは、割り振り済みのPAアドレスに対するリソース証明書のポリシーにつ
いての議論が始まりました。仮にIPアドレスの移転が行われるようになって
も、正しいIPアドレスの情報をレジストリが担保することが、インターネット
の運用に不可欠であるという考え方が背景にあります。この提案は、これまで
に何度か活動を紹介した、RIPE NCC CA Task Force(CA-TF)によるものです。
◆ミーティングの概要
第57回RIPEミーティングは、2008年10月26日(日)~30日(木)に行われました。
ドバイでは金曜日と土曜日が週末であるため、1日繰り上げたスケジュールに
なっています。
参加登録者数は380名でした。最も多かったのがアラブ首長国連邦からで、55
名(15%)でした。次いでドイツが39名(10%)、アメリカが37名(10%)で、日本か
らは9名(2%)でした。RIPE NCCでは、できるだけさまざまな地域でミーティン
グを開くようにしており、アムステルダムに来ることができない人でも、ミー
ティングに参加しやすいようにしているそうです。オランダのアムステルダム
にはRIPE NCCのオフィスがあり、毎年5月のRIPEミーティングが開催されてい
ます。
開催地からの参加者は、通常よりも多い傾向があることから、RIPE NCCの配慮
はある程度功を奏しているように思われます。ただし、2位以降は割合の構成
が似ており、参加を検討する側には、"国内で開催されれば参加できるが、距
離が離れていない隣の国であっても、国外だと参加できない"という状況があ
りそうです。
週の前半は参加者全員が集まるPlenaryで、火曜日を中心にAddress Policy WG
が行われました。後半はEIXやDNS、DatabaseといったWGが、二つの会場で並行
して開かれました。
□ミーティングプラン
http://www.ripe.net/ripe/meetings/ripe-57/meeting-plan.html
◆Plenary
Plenaryでは、ローカルホスト企業からのプレゼンテーションや、各RIRの最新
状況についての紹介、IETF等でのIPアドレスやAS番号に関連した議論の紹介な
どが行われます。
今回のローカルホスト企業は、アラブ首長国連邦の通信会社であるEtisalat社
で、タイやニューヨークにBGPのピアが張られているバックボーンの状況や、
特定のSNSのトラフィックが1.5Gbpsを超えており、トラフィックシェイピング
を検討していることなどが紹介されました。また、UAEで結成されているIPv6
Task Forceに参加し、政府や通信事業者と連携を図っていることなどについて
プレゼンテーションが行われました。
興味深かったのは、最終日のPlenaryで行われた、Google社のLorenzo Colitti
氏によるプレゼンテーションです。Googleの検索結果のページにIPv6のサーバ
にもアクセスする仕掛けを設け、クライアント側のIPv6の利用状況を調査しま
した。主な結果を以下に示します。
・全ユーザー中の0.238%にIPv6の到達性がある
・IPv6の利用方法としては、6to4が最も多く、全体の67.9%を占める
・アメリカとカナダでは95%が6to4を利用しており、逆にフランスで
は95%がnative接続である
・IPv6の到達性がある中で、使われているOSはMacOSが最も多く、
次にLinux、Windows Vista、Windows Server 2003の順である
クライアント側のIPv6の利用状況を具体的に調査した事例が少ないことから、
会場ではこの調査と結果の公表に対して、拍手が送られていました。
また、日本からはインターネットマルチフィード株式会社の外山勝保氏が、日
本におけるIPv6トラフィックの量について紹介しており、こちらも「日本にお
けるIPv6の現状を正確に伝えているプレゼンテーションである」として評価を
受けていました。
◆リソース証明書に関するポリシーとデモ
リソース証明書については、Address Policy WGとNCC Services WGで議論が
行われました。
Address Policy WGでは、リソース証明書の発行に関する初めてのポリシー提
案があり、リソース証明書の失効が意味する「IPアドレスの返却」などについ
て議論されました。
□Initial Certification Policy for Provider Aggregatable
Address Space Holders
http://www.ripe.net/ripe/policies/proposals/2008-08.html
提案は、PAアドレスに対するリソース証明書の発行です。RIPE NCCにおけるメ
ンバーの契約に紐づく有効性を持っており、LIRの契約が切れると発行済みの
リソース証明書が失効します。また、有効期限は18ヶ月とされており、更新さ
れなければ無効になります。つまりIPアドレスに有効期限ができるということ
です。IPアドレスが自動的に返却されるような仕組みとして考えることができ
ますが、この議論は分けた方がいい、という意見が出ていました。
一方、NCC Services WGは、RIPE NCCのサービスに関するWGです。RIPE NCCで
は、リソース証明書とROA(Route Origination Authorization)の管理を体験で
きるデモプログラムを開発し、Webアプリケーションとして公開しています。
NCC Services WGでは、このデモプログラムの紹介が行われました。
このデモプログラムは、RIPE NCCから割り振られているPAアドレスを含めたリ
ソース証明書を発行することができます。RIPEのメンバーでないユーザーに
は、試験用のIPアドレスが用意されており、簡単な登録で利用できます。
さらにこのデモプログラムは、IPアドレスとOriginASの番号が入ったROAを生
成することができ、それらを鍵ペアと連携させて管理する機能も持っていま
す。例えば、鍵ペアを更新した後に、ROAを全て発行しなおすことができま
す。
□RIPE NCC Resource Certification
https://certtest.ripe.net/
RIPE NCCのTim Bruinzeels氏は、リソース証明書とROAのメリットとして、以
下の二つを挙げていました。
・ISPが経路広告の要望を顧客から受けたときに、その顧客が
正しくIPアドレスの割り当てを受けているかどうかを確認
できる。
・WHOISの登録情報はRIR毎に異なるが、リソース証明書はグロー
バルスタンダードである
会場では、以下の三点について議論されていました。
・リソース証明書の失効
・国ごとの法律の違いによる問題
・Webアプリケーションであるために生じる鍵ペアの安全性
リソース証明書の実験提供は始まったばかりですが、デモプログラムや、紹介
ビデオによって参加者の関心が集まり、具体的に論点が挙がり始めたかたちと
なりました。
◆IRRにおける4バイトAS番号対応
Routing WGでは、元RIPE NCCで、現在はISCに所属するShane Kerr氏によっ
て、IRRToolSetの近況が紹介されました。
4バイトAS番号については、パッチの存在は確認されているものの、本体への
組み込みはまだされていないそうです。コミュニティを構成して開発している
ため、作業してくださる方を募集している、とのことでした。
□IRRToolSet
http://irrtoolset.isc.org/
◇ ◇ ◇
ドバイの街中でインターネットカフェを何軒か見かけました。オランダのアム
ステルダムでインターネットカフェというと、電飾のついた暗めの電気屋さん
といった雰囲気なのですが、ドバイで見たインターネットカフェは、立派で小
さなオフィスのようでした。
革張りの椅子が並んでいて、店内の照明は落ち着いた暖色です。日本の少し高
級なインターネットカフェに似たところがありますが、店内にポスター等は張
られておらず、やや厳かな雰囲気です。これは宗教上の理由かもしれません。
街中のインターネット環境に、ドバイらしさを見つけた気がしました。
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【 2 】News & Views Column
「新しいWebサービス使ってますか?」
日本UNIXユーザ会 山田幸志
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現在はさまざまなWebサービスが溢れており、次々に新しいWebサービスが誕生
しています。Webはまだまだ進化し続けているということでしょう。
さて、小生も若いエンジニアから新しいおススメのWebサービスを教えてもら
い、使ってみました。しかし、今までのツール群の使い方や概念に引きずられ
たり、このサービスはどうやって楽しむの?というものなどもあり、なかなか
使いこなせないのが現状でした。
一方、彼ら若いエンジニアたちは器用に新しいツールを使いこなしています。
彼らに言わせれば、それら新しいWebサービスやツールは、彼らの考え方にあ
ったものであるため抵抗無く使えるということらしいです。
このような考え方の差は、単純に年齢やレイヤ間の考え方の差ではないと思い
ます。もう少し大きな変化の足音ではないかと小生は考えます。例えば、幼少
時から、インターネットやコンピュータなどのデジタル技術に慣れ親しんで成
長してきたDigital Nativesの登場のような。
我々熟年ネット世代も、新しいWebサービスに対して、基本原理は既知のもの
と同じだからとか、既存のもので事足りると遠くから静観するのではなく、
一度使ってみて、使い方や概念が異なることを実感してみてはいかがでしょう
か?
■ 著者略歴
山田幸志 (やまだ こうじ)
中堅ISPやCATV統括会社でネットワーク構築からサーバ構築までを経験。日本
UNIXユーザ会幹事、Internet Week 2008プログラム委員、JANOG22実行委員長な
ど各種コミュニティ活動に参加している。
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【 3 】インターネット用語1分解説
「NAT(Network Address Translation)/
NAPT(Network Address and Port Translation)とは」
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NAT(Network Address Translation)とは、ある範囲のIPアドレスを別の範囲の
IPアドレスと対応付け、送受信するIPパケットのヘッダ部のIPアドレスを、対
応付けられた範囲で変換する技術です。NATは、プライベートアドレス(*1)と
グローバルアドレス(*2)を相互に変換する用途によく使用されます。
具体的には、IPパケットのヘッダ部の送信元アドレスがプライベートアドレス
である場合に、その送信元アドレスをグローバルアドレスに書き換えます。
また、該当グローバルアドレスを宛先アドレスとする応答パケットについて、
宛先アドレスをプライベートアドレスに変換します。
NAPT(Network Address and Port Translation)では、IPアドレスに加えてTCP/
UDPのポート番号も変換されます。これにより、一つのグローバルアドレスを
用いて、複数のノードにプライベートアドレスを対応させることができます。
今日では単にNATという場合に、このNAPTのことも含めている場合が多くあり
ます。
IPv4アドレスの在庫枯渇時期が近づく情勢の中で関心を持たれている技術とし
て、キャリアグレードNATがあります。これは、通信事業者(キャリア)が設置
するNAT装置によって、顧客向けネットワークのアドレスと、キャリア網外部
向けのアドレスを変換する技術です。現在(2008年11月時点)、技術の詳細およ
び標準化について検討が行われています。
(*1) http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ha.html#16-puraibe-toIPadoresu
(*2) http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ka.html#12-guro-baruIPadoresu
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【 4 】統計資料
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1.JPドメイン名
o 登録ドメイン数(2008年6月~2008年11月)
--------------------------------------------------------------------------------
日付| AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------
6/1| 279 3460 320209 896 24019 17334 8196 4447 2016 3054 500402 142766 1027078
7/1| 277 3457 321160 902 24088 17344 8176 4465 1973 3045 506890 141635 1033412
8/1| 274 3464 322107 898 24160 17345 8146 4474 1960 3036 512992 140560 1039416
9/1| 274 3469 322664 893 24235 17337 8123 4480 1946 3026 517963 139103 1043513
10/1| 274 3471 323334 893 24259 17356 8133 4499 1946 3015 523694 138609 1049483
11/1| 274 3475 324353 887 24345 17371 8136 4504 1946 3004 529757 136304 1054356
--------------------------------------------------------------------------------
GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
GJ:汎用ドメイン名 日本語
2.IPアドレス
o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2008年5月~2008年10月)
------------------------------------------
月 | 割振 | 返却 | 現在の総量
------------------------------------------
5 | 18432 | 0 | 50373566
6 | 3512320 | 19456 | 53866430
7 | 679936 | 0 | 54546366
8 | 430080 | 5120 | 54971326
9 | 126976 | 0 | 55098302
10 | 817152 | 0 | 55915454
------------------------------------------
□統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/
3.会員数 ※2008年10月16日 現在
---------------------
会員分類 | 会員数 |
---------------------
S会員 | 3 |
A会員 | 2 |
B会員 | 4 |
C会員 | 5 |
D会員 | 134 |
非営利会員| 12 |
個人推薦 | 39 |
賛助会員 | 34 |
---------------------
合計 | 233 |
---------------------
□会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
4.指定事業者数 ※2008年11月13日 現在
IPアドレス管理指定事業者数 378
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【 5 】イベントカレンダー
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2008.11.16(日)~21(金) 73rd IETF(Minneapolis, MN, USA)
2008.11.25(火)~11.28(金) Internet Week 2008
(東京、秋葉原コンベンションホール)
--------------------------------------------------------------------
2008.12.3(水)~6(土) Internet Governance Forum(IGF 2008)
(Hyderabad, India)
--------------------------------------------------------------------
2009.1.15(木)~22(木) SANOG 13(Lahore, Pakistan)
2009.1.25(日)~28(水) NANOG 45
(Santo Domingo, Dominican Republic)
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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