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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1096【臨時号】2013.6.14 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1096 です
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2013年5月14日(火)~16日(木)にわたり、スイスのジュネーブにて第5回世界
電気通信/ICT政策フォーラムが開催されました。

本号では、電気通信に関する国際標準の策定を行う国連組織である国際電気
通信連合(ITU)の、インターネットガバナンスへの関与に注目が集まる中で行
われたこの会議についての報告をお届けします。

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◆ 第5回世界電気通信/ICT政策フォーラム報告
                                   JPNIC インターネット推進部 前村昌紀
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2012年12月の世界国際電気通信会議(WCIT)をめぐるさまざまな動きとともに、
国際電気通信連合(ITU)の諸会議体におけるインターネットガバナンスの動き
に注目が集まっています。私はAPNIC理事としての活動の一環として、2013年
5月14日(火)から同16日(木)までスイスのジュネーブで開催された、第5回世
界電気通信/ICT政策フォーラム(World Telecommunication/ICT Policy Forum,
WTPF、今回は2013年開催のためWTPF-13と呼ぶ)に出席する機会を得ました。
 
WTPFは、ITUの加盟国、セクターメンバーなどによって、その時々の国際電気
通信における公共政策的な課題を話し合うフォーラムです。1994年に京都で
開催されたITU全権委員会議(4年に1度の全加盟国代表による会議)において継
続的な開催が決議され、今回のWTPF-13で5回目を数えます。今回のWTPFの議
論テーマは「国際的なインターネット関連の公共政策」です。WTPFでは、会
議参加者の総意を「オピニオン」という形でまとめることになっています。
今回のWTPF本会議に向けては、2012年6月には準備検討を行うInformal Expert
Group (IEG)が、加盟国だけでなく民間企業などからなるセクターメンバーや
民間の専門家を含む形で組成され、3回の準備会合を経て、以下の六つの項目
に関するオピニオン案(Draft Opinion)がまとめられていました。
 
オピニオン1:IXPsの促進
オピニオン2:ブロードバンド接続拡大のための環境育成
オピニオン3:IPv6導入の能力開発
オピニオン4:IPv6対応・移行支援
オピニオン5:インターネットガバナンスにおけるマルチステークホルダー方
             式の推進
オピニオン6:拡大協力(*1)プロセスの具現化推進

(*1) enhanced cooperation。政府が、インターネットに関する国際的な公共
     政策に対して責務を遂行できるようにするための踏み込んだ協力体制と
     して、チュニスアジェンダ(後述)で言及されたもの。

このような準備プロセスを経て、本会議は上述の日程で、ジュネーブ国際会
議場(Centre International de Conferences Geneve, CICG)で開催されまし
た。CICGはITU本部に程近い一角にあります。本会議場はルーム1という、
900人近くを収容するオーディトリアム(座席がステージに対してひな壇状に
配置される)形式の部屋で、同時通訳設備も完備され、会議では国連公用6ヶ
国語による同時通訳が提供されていました。

本会議は一貫してルーム1のみを利用するシングルトラックで進みましたが、
3日間にわたる会期のセッションは、プレナリ(全体会合)以外に、WG1、WG2、
WG3の三つの作業部会セッションに区切られました。それぞれの作業部会に
は、参加者から議長と副議長があらかじめ選出され、以下の通り二つずつの
オピニオンを議論しました。

WG1:オピニオン1、2 - インターネット接続性の拡大関連
WG2:オピニオン3、4 - IPv6関連
WG3:オピニオン5、6 - インターネットガバナンス関連

各WGでは、事前に寄書を提出した参加者による寄書の口頭説明を行い、その
後オピニオン採択に向けた議論が行われる形式が採られました。

オピニオン案は、IEGが1年間を費やして議論を積み重ね、その中で慎重にバ
ランスを取ってきた成果だということで、すべてのオピニオン案をそのまま
オピニオンとして採択したいという意向が大勢を占めていたようです。

WG1とWG2は波乱もなく円滑に議事が進行しました。両WGで扱われたオピニオ
ン案はいずれも、インターネット発展に必要な方策を奨励する内容で、参加
者が同意しやすいものだったことがその理由に挙げられると思います。オピ
ニオン案2に対する軽微な修正を除き、すべてオピニオン案の通りコンセンサ
スに至り、予定されていた時間よりも早く終了しました。
 
これに対して、2012年12月のWCIT-12をはじめとして、近年大きな議論を呼ん
でいるインターネットガバナンスを取り扱ったWG3は、WG1、2が空けた時間を
すべて費やしての議論となりました。

ブラジルは、「インターネットガバナンスにおけるマルチステークホルダー
による枠組みでの政府の役割」というタイトルで、オピニオン案の体裁の寄
書を事前に提出し、オピニオンとしての採択をめざしていました。ロシアは、
ITU事務総長レポートに対するコメントの形で、ITUオピニオン案5に関連する
寄書を提出していました。これらはいずれも、インターネットガバナンスに
関するITUの積極関与など、今までにこの2国が打ち出していたポジションに
沿ったものでした。

WG3の冒頭では、議長から、ブラジルの寄書が新たなオピニオン案としてWG3
の時間の最後に議論されることが示され、オピニオン案6から議論が始まりま
した。オピニオン案に修正を求める寄書がいくつかあったものの、2005年の
世界情報社会サミット(WSIS; World Summit on the Information Society)
チュニス会合で採択された、いわゆるチュニスアジェンダからの引用部分を
中心に小規模な修正が加えられたに留まりました。ロシアはオピニオン案5に
対する語句追加を提案していましたが、ブラジルの新オピニオン案に委ねる
形としました。

 (*2) チュニスアジェンダ
      http://www.itu.int/wsis/documents/doc_multi.asp?lang=en&id=2267|0(原文)
      http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/997626/www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2005/pdf/051119_1_2.pdf(総務省参考訳)

WG3は会期の2日目と3日目にわたり、3日目のセッションはブラジルの寄書(新
オピニオン案)の議論に充てられました。これにあたってブラジルは、事前に
提出した寄書をベースに、さらに他の参加者とそれを調整し、改版したもの
を当日に再提出したため、セッションは開始冒頭に休憩となり、新たな案を
検討する時間が取られました。休憩明けの議論では、新オピニオン案標題の、
政府が果たす役割の重要性へ共感を示しながらも、限られた時間で結論を出
すのは困難だとする意見が相次ぎました。結果的にブラジルは、コンセンサ
スが得られないことを認め、この新オピニオン案を取り下げました。これを
受けWG3議長は、ブラジルの問題意識自体には多くの支持が得られたとして、
参加者に今後も議論を継続することを呼びかけるとともに、ブラジルには検
討の成果を今後開催される会議体に提供することを奨励しました。

WG3の後にはプレナリセッションが持たれ、各WGの議論が報告されるととも
に、各WGでコンセンサスに至ったオピニオン案が採択されました。

WTPF-13では、会議の透明性が重要視され、すべての会議文書、Webキャスト
と速記録のアーカイブがWebで公開されています。議長レポートには、会議全
体の的確な要約も含まれています。

Fifth World Telecommunication/ICT Policy Forum
http://www.itu.int/en/wtpf-13/

Report by the Chairman of the 5th World Telecommunication Policy/ICT Forum
http://www.itu.int/md/S13-WTPF13-C-0016/en

WTPF-13は、私が初めて参加したITU会議体でした。採択文書案の語句レベル
での修正提案に対して各国・会員が真剣に意見を交わすため、加盟国、セク
ターメンバーは休憩時間も相互の意見調整などに忙しく、気が抜けません。
時間内の収束に向け、時には意見を取り下げることもありますが、意見を取
り下げた参加者に対する大きな讃辞には、ITUがコンセンサスの精神に基づい
ていることを実感できました。

インターネットガバナンスに関する議論は、立場を異にする国の政府と共通
認識に至りにくく、なかなか進展しない難しさがあります。WTPF-13の結果
も、妥協を求める一方で今後の会議体での議論を示唆する、先送り感が強い
ものに終わりましたので、この難しさを現場で実感する結果となりました。

2015年の国連総会は、現在のインターガバナンス議論の原点とも言える、
WSISチュニス会合から10年の節目に当たり、WSIS後の活動に関する全体レ
ビューが行われます。このため、今後もインターネットに影響を及ぼしかね
ない重要な局面が続くと思われ、目が離せません。


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 JPNIC News & Views vol.1096 【臨時号】

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