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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1333【臨時号】2015.8.19 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1333 です
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2015年7月下旬にチェコ共和国のプラハで、第93回IETFミーティングが開催さ
れました。この会議の様子を、本号より連載でお届けします。

連載の第1弾となる本号では、全体会議報告をお送りします。次号以降では、
セキュリティ関連WGと、IPv6関連WGの報告をお届けする予定です。

なお、本連載に加えて、オンサイトでの報告会も来週8月27日(木)に開催いた
します。8月26日の17時まで参加申し込みを受け付けておりますので、こちら
にもぜひご参加ください。当日のプログラムと参加申し込み方法は、下記の
URLからご確認いただけます。

    IETF報告会(93rdプラハ)プログラムのご案内
    https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2015/20150818-02.html

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◆ 第93回IETF報告 [第1弾] 全体会議報告
                               アラクサラネットワークス株式会社 新善文
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日本が猛暑に見舞われていた2015年7月18日(土)から24日(金)にかけて、チェ
コ共和国のプラハで、第93回IETFミーティングが開催されました。プラハで
のIETFミーティングの開催は2007年、2011年についで3回目ですが、来るたび
に街はきれいに、より賑やかになってきています。街並みの美しさと、物価
の安さやビールと料理の美味しさにより、チェコには世界各地から観光客が
押し寄せています。また、治安もよくなってきています。タクシーも、以前
は白タクでルーレットのようにメーターが回ることもあり、ホテルのタクシー
サービスを安全のために利用するように言われていましたが、最近は安心し
て乗れるタクシー会社ができ、ぼったくられることもなく、さらにクレジッ
トカードも利用できるようになっていました。

さて、ここでは7月21日(火)の午前に開催された「Technical Plenary」と、
7月23日(木)午前の「IETF Operation and Administration Plenary」の両方
の様子について、感想を交えて報告します。今回は、両方ともに日を変えて、
午前中に「Technical Plenary」、「Operation and Administration
Plenary」を行うスケジュールとなっていました。午前中に開催されたため、
どちらのプレナリーも、いつも以上に多くの参加者が出席していました。


■ Technical Plenary

21日の「Technical Plenary」では、IAB (Internet Architecture Board)
チェア、IRTF (Internet Research Task Force)チェア、RSE (RFC Series
Editor) and RSOC (RFC Series Oversight Committee)チェアの報告と、
「Technical Topic: Vehicular Communications」、国際電気通信連合(ITU;
International Telecommunication Union)事務局長からのメッセージ、
「Coordinating Attack Response at Internet Scale (CARIS) Workshop」ハ
イライトの発表がありました。以下に、これらの詳細を報告します。


○IABチェアレポート

はじめのIABチェアの報告では、IABの活動内容が紹介されました。IABでは、
以下のようなことを分掌しています。

・緊急事態サービス
・IANA評価
・IETF Protocol Registries Oversight Committee (IPROC)
・国際化
・IPスタック評価
・リエゾン
・名前とID
・プライバシーとセキュリティ
・RFCエディタ

今回、IANAの運営についての方針や、HTTPSを標準にしていこうといった活動
に、各種リエゾンを行ったそうです。

報告に続き、Ted Hardie氏より「IAB appeal response」の発表がありまし
た。IABの取り組みとして、特に名前とID、プライバシーとセキュリティ、IP
スタック評価の紹介がありました。


○IRTFチェアレポート

次に、IRTFチェアのレポートでは、IETF期間中に開催されるRG (Research
Group)のミーティングとして、

・Crypt Forum RG (CFRG)
・Global Access to the Internet for All (GAIA)
・Internet Congestion Control (ICCRG)
・Information-Centric Networking (ICNRG)
・Network Function Virtualization (NFVRG)
・Network Management (NMRG)
・Network Coding (NWCRG)
・Software-Defined Networking (SDNRG)

の、八つのRGがあると報告されました。また、

・Proposed How Ossified is the Protocol Stack (HOPSRG)
・Proposed Human Rights Protocol Considerations (HRPC)
・Update on the Internet Research Task Force at Proposed
  Thing-to-Thing (T2TRG)

の、三つのProposed RGのミーティングが予定されていると紹介がありまし
た。

IRTFとしては、第90回IETFミーティングから、四つのRGで5本のRFCが発行さ
れました。

・SDNRG
  RFC 7426 "Software-Defined Networking (SDN): Layers and Architecture
            Terminology"
・ICNRG
  RFC 7476 "Information-Centric Networking: Baseline Scenarios"

・CFRG
  RFC 7539 "ChaCha20 and Poly1305 for IETF Protocols"

・NMRG
  RFC 7575 "Autonomic Networking: Definitions and Design Goals
  RFC 7576 "General Gap Analysis for Autonomic Networking"

また、IRTFがISOCと共同で授賞している「Networking Research Prize」とい
う賞については33本の応募があり、2015年は5本を選び表彰を行うことになっ
ているそうです。今回はこのうちの2本が発表され、Haya Shulman氏とJoao
Luis Sobrinho氏の名前が紹介されました。Haya Shulman氏はDNSプライバシー
アプローチについての解析で、また、Sobrinho氏はルートアグリゲーション
テクニックの設計が評価され、受賞しました。

なお、今後のイベントとして、2015年11月に開催される次回横浜でのIETFの
時に、RAIM (Research and Applications of Internet Measurements)が、
ACM (Association for Computing Machinery)のSIG (Special Interest
Group)であるSIGCOMMと共催で開催されるそうです。


○ RSE and RSOCチェアレポート

RSE and RSOCチェアレポートでは、 RFCフォーマット、デジタル保存、RFC
エディタ、Webサイトのアップデートに取り組んでいると紹介がありました。

今回のテクニカルトピックは、「Vehicular Communications (自動車に関す
る通信)」でした。ここではC-ITS (Cooperative Intelligent Transport
Systems、インフラ協調型高度道路交通システム)、車-車間通信の紹介やISO
(International Organization for Standardization)、IEEE (The Institute
of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)での標準化の取り組みに
ついて紹介があり、IETFで扱っている標準化の分野も関係していると話があ
りました。質疑応答では、「特別なプロトコルなどがいるのか?」や「セキュ
リティはどうなっているのか?」また「スケーラビリティは?」という質問
が出ていました。


○ITU事務局長からのメッセージ

続いて、ITU事務局長からのメッセージとして、Houlin Zhao氏がスピーチを
しました。スーツ、ネクタイ姿で登場し、ネクタイを外すパフォーマンスを
してから、セキュリティに関してITUとIETFはこれまで協力して取り組んでき
たことを話しました。また、IETFおよびW3C (World Wide Web Consortium)、
ITU、ETSI (European Telecommunications Standards Institute)とも連携し
て、ICT分野を進めていこうとアピールしていました。


○CARISワークショップ

次に、「Coordinating Attack Response at Internet Scale (CARIS)(イン
ターネット規模での攻撃レスポンスの調整)」ワークショップの、ハイライト
の発表がありました。セキュリティ関係は、規則やいろいろな組織が関係し
ていることから、その整理をしたそうです。CSIRT (Computer Security
Incident Response Team)、オペレーター、研究者、ベンダーの連携が重要で
す。その時に誰がどのようなデータを共有するかや、そのプロセスについて
話し合われたそうです。


○IABオープンマイク

IABオープンマイクは、「時間が押したので、IABの人たちに直接話をしてく
ださい」で、終了しました。


■ IETF Operation and Administration Plenary

23日午前の「IETF Operation and Administration Plenary」では、最初に
IETFチェアのJari Arkko氏からいくつかの写真を見せながら、挨拶がありま
した。今回のホストは、ネットワーク機器ベンダーであるBrocade社と、チェ
コのccTLDレジストリであるCZ.NICと紹介があり、ホストプレゼンテーション
へと続きました。

CZ.NICからのホストプレゼンテーションでは、7月21日(火)夜のソーシャルイ
ベントを楽しんでもらえたかということで、ドボルザークの交響曲第9番「新
世界より」をバックにした花火を打ち上げた時の写真を見せて、「この音楽
にいろいろと歴史的に重要な意味がある」という掴みから始まりました。チェ
コの素晴らしいところとして、次の三つを挙げました。

 1. 森があっていろんなキノコが生えるなど、いろいろと美味しいものがある
 2. ハイキングができる山やお城と美しい場所がある
 3. 人々のスマイル、そしてエネルギー

特に、「スマイルは人のつながりとなり重要である」とIETFに引っ掛けて、
チェコは良いところだと強調していました。


○IETFチェアレポート

IETFチェアからのレポートでは7月19日(日)に、元米国国家安全保障局(NSA)
局員で、米国政府による情報収集を内部告発して有名となった、エドワード・
スノーデン氏のドキュメンタリー映画を見る会があったことが紹介されまし
た。また、今回の参加者は1,358人で、65の国と地域から参加があったそうで
す。参加者の多い国は米国、ドイツ、中国、フランス、イギリス、日本の順
でした。前回からの変化として、IESG (Internet Engineering Steering
Group)の再構築が行われました。APP (Applications)エリアとRAI
(Real-time Applications and Infrastructure)エリアを統合して、ART
(Applications and Real-Time)エリアとしました。ARTエリアでは、新しいRFC
フォーマットの検討を続けています。具体的には、非ASCII文字で入れた名前
などを、扱えるようにしようとしているそうです。それから、IETFミーティ
ング中におけるスケジュール問題について、いくつかの要望を聞きました。
多くのWGがあるので調整は大変です。今回はプレナリーを午前中にしてみた
ので、フィードバックが欲しいそうです。次回の横浜では、IESG、IABプレナ
リーは、2.5時間と短くしたいと考えているとのことです。

注目してほしい活動としては、RTG (Routing)エリアでのYANG (Yet Another
Next Generation)モジュールでのプレゼンテーション、6TISCH WGでの非公式
の相互接続テストなどが紹介されました。それから長年、IETFで活動されて
いたJames M. Polk氏が亡くなったため、黙祷を捧げました。その後、7月18
日~19日に開催されたハッカソンの紹介がありました。140~150名が
Opendaylight、RIOT、OPNFCなどをテーマに活動しました。ビデオで活動の紹
介があり、次は横浜で10月31日と11月1日の2日間開催するそうです。ハッカ
ソンTシャツを着て、会社とか組織を超えて、一緒に作業するのはいいことだ
と宣伝していました。


○IAOCチェアレポート

次に、IAOC (IETF Administrative Oversight Committee)チェアの、Tobias
Bondro氏からの報告がありました。2015年4月28日にIAOCチェアが、Chris
Griffiths氏からTobias Bondro氏に変更になりました。第93回IETFミーティ
ングの収支は今のところ、参加費を支払った参加者は1,316名(予定よりプラ
ス91名)、参加費収入は88万ドルと、予定より上回っていると報告がありまし
た。前回のダラスの決算報告では、赤字にならずにすんだとのことです。そ
れから、今後のミーティングの開催日程と、決まっている場合は開催地の発
表があり、次回の横浜から2017年の第100回(アジア地域を予定)までが発表さ
れました。


○IETF Trustチェアレポート

IETF TrustチェアのBenson Schliesser氏の報告では、氏は「初めてだ」とネ
クタイをして出てきました。はじめに、Tobias Gondrom氏から4月28日に議長
を引き継いだことを報告しました。現在、IETFに召喚令状および権利関係の
請求はいくつもきているそうです。Trust Legal Provisions (TLP)が作成さ
れ、アップデートしています。現在のバージョンは5.0だそうです。


○NomComチェアレポート

NomComチェアの報告では、Harald Alvestrand氏から活動紹介がありました。
14人のNomComメンバーに起立してもらって紹介しました。現在、IESGおよび
IABの更新を、2016年4月に向けて行っているそうです。


○IETF Web改造プロジェクト

続いて、IETF Webサイト改造プロジェクトについて、プロジェクトマネー
ジャーのJoe Hildebrand氏から報告がありました。これはwww.ietf.orgを修
正するもので、2015年12月に完成をめざしているそうです。デザインを新し
くするだけでなく、data tracker APIを作り、便利にするそうです。


○Jon Postel Award

Postelアワードの紹介では、まずビデオでJ. Postel氏の生前の様子や業績の
紹介がありました。それから、Kathy Brown氏から今回の受賞者として、
Dr. Robert Blokzijl氏が発表されました。Blokzijl氏は、欧州でのインター
ネットに関わり、特にアムステルダムのIX構築やRIPEでの活動が評価されま
した。Blokzijl氏のスピーチでは、「35年前にコンピュータ同士を繋ぎたい
と言ったことを実現しようとコンピュータネットワークを作り始めた。IETF
のような団体はまだなく苦労した」などの話をされました。


○IETF 94横浜の紹介

最後に、次回開催地である横浜の紹介が、WIDEプロジェクト/慶應義塾大学の
加藤朗先生からありました。2002年に横浜で開催された時との違いとして、
成田空港だけでなく羽田空港も使えること、みなとみらい線ができて会場の
パシフィコ横浜の近くに駅ができていることを紹介しました。また、この時
期に関連するイベントがいくつか開催されるとして、

・W3C TPAC (10月26日~30日)
・The 2015 Internet Measurement Conference (IMC) (10月28日~30日)
・RAIM(10月31日)、
・OpenStack Summit Tokyo (10月27日~30日)
・IEEE Conference on Standards for Comm. & Networking(10月28日~30日)
・RAID 2015 (11/2日~4日)

の紹介がありました。

なお、最後のオープンマイクは昼食時間が迫っているためか、それとも午前
中はまだ疲れていないためか、夜に比べて不満を長々という人が少なく、数
件のやりとりで終了していました。

次回のIETFミーティングは、2015年11月1日(日)から11月6日(金)にかけて、
横浜にて開催されます。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
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