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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1678【臨時号】2019.5.9 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1678 です
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2019年3月下旬に、チェコ・プラハにて第104回IETFミーティングが開催され
ました。この会合のレポートを、本号より連載にてお届けします。

連載第1弾となる本号では、プラハ会合における全体会議の様子をご紹介しま
す。次号以降では、セキュリティなど各分野の動向を取り上げる予定です。

なお、本プラハ会合のオンサイトでの報告会を、来週5月17日(金)に東京・神
田のエッサム神田ホールにて、ISOC-JPとJPNICの共催で開催します。本連載
で取り上げるもの以外にも幅広い議論の模様をご紹介しますので、ご興味を
持たれた方はこちらもぜひご参加ください。

    IETF報告会(104thプラハ)開催のご案内
    https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2019/20190509-01.html

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◆ 第104回IETF報告 [第1弾]  全体会議報告
                                NTTコミュニケーションズ株式会社 西塚要
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第104回IETFミーティング(以下、IETF 104)は、2019年3月23日(土)~29日(金)
に、チェコのプラハにて開催されました。プラハでの開催は2017年7月の第99
回IETFミーティング以来で、会場も同じヒルトンホテルでした。IETFにとっ
ては定番の会場のため、設備上の問題もほとんどなく、参加者は議論に集中
できたことでしょう。関係者とのサイドミーティングの開催も容易で、筆者
個人としても非常に有益な時間を過ごすことができました。

今回は、IETF 104の全体概要について知っていただくために、以下を報告し
ます。

・ハッカソン
・HotRFC
・BoF/サイドミーティング
・注目WG

■ ハッカソン

IETFミーティングは、土日開催のハッカソンから始まります。今回は370人が
現地参加し、リモート参加者も合わせると400人を超えていたとのことです。
本会議自体が、1,213人の現地参加、864人のリモート参加ですので、現地参
加の人数でカウントしたとして、約3割がハッカソンに参加していたというの
は驚くべきことです。

「Netdev Conference (https://netdevconf.org/0x13/)」が、直前の2日間で
開催されていましたので、続けて参加していたという人も多かったようです。
44ものプロジェクトがエントリーしていましたが、部屋に入りきれず、外の
ラウンジでハックを行っていたチームもありました。

日本からは、リモート参加も含めて25人が参加していました(私自身もDOTSプ
ロトコルの実装のために参加していました)。初ハッカソンというメンバーも
いましたが、集中して実装と議論ができる機会をそれぞれ楽しんでいるよう
でした。

ハッカソンの参加人数は、ずっと右肩上がりで増えていて、IETFの"running 
code"を重視する姿勢を特徴付けるものとして、定着しました。多くのWGが、
本会議に先駆けて実装と相互接続試験を実施し、その結果を集中的に議論す
るというサイクルが、うまく回っていると感じました。

モーリシャス島の「cyberstorm (https://cyberstorm.mu/)」という団体か
ら、TLS 1.3を含むいくつかのプロジェクトに、まとまってリモート参加して
いたのも印象的でした。リモートでもよいので、日本からも参加者がもっと
増えることを願っています。

・ハッカソンの活動テーマが掲載されたWiki (104hackathon - Meeting Wiki)
  https://trac.ietf.org/trac/ietf/meeting/wiki/104hackathon

・ハッカソンの発表資料
  https://github.com/IETF-Hackathon/ietf104-project-presentations


■ HotRFC

3月24日(日)には、本会議の参加者が続々と集まってきます。夕方のウェルカ
ムレセプションから続いて行われるイベントとして定着しつつあるのが、Hot 
RFC Lightning Talksです。

Hot RFCと言っても、RFCを紹介するものではありません。ここでは「Request 
for Conversation」の略であり、会期中に行われるBoFやサイドミーティング
の時間と内容を紹介する場となっています。行きたいBoFをここで見つけるこ
ともできますし、IETFで今後出てくるかもしれない議論領域を把握すること
もできます。

紙幅の都合で一つ一つを紹介することはできないので、興味のある方はこち
らのアジェンダと発表資料をご覧ください。

  IETF-104 : hotrfc
  https://datatracker.ietf.org/meeting/104/session/hotrfc


■ BoF/サイドミーティング

前回のIETF 103ミーティングでは、金曜午前の時間帯が"Unstructured time"
と銘打たれ、WGミーティングとの重複を避けて、サイドミーティングのため
に充てる実験がありました。前回は最終日ということもあり、木曜日で帰っ
てしまう参加者が多かったので、失敗を踏まえ今回は水曜日の午後に、WGミー
ティングがない時間帯が作られました。この試みはうまくいったように思い
ます。

今回は6件の公式BoFがありましたが、上記の時間帯を使って開催された、以
下のBoFについて簡単に紹介します。実質上のTechnical Plenaryと言ってよ
く、200人以上が参加していました。

○Technology Deep Dive - Modern Router Architecture

WGになることを目的とはしていない、今回だけのBoFです。WGTLGOと短い名前
が付けられていますが、"We Got The Last Good One"の略とのことです。発
表資料には、"Spherical Routers, Forwarding Plane Realities, and 
Implications for Protocol Designers"という副題も付いています。

さて、ここで出てきた"Spherical Routers"というのは何でしょうか?文字通
り、球体のルータ、という意味ではありません。複雑な実態を極端に単純化
してしまい、モデルが現実的でなくなってしまうことを表すジョーク、球体
の牛"Spherical cow"という言い回しを援用したものです。

つまり、現実(Forwarding Planeの実装など)を見て、プロトコルのデザイン
をしているのか?という投げかけであり、ルータベンダの立場で、ルータ設
計の難しさについて語った場、ととらえていただければ間違いないでしょう。

実際、ルータの設計は柔軟性とパフォーマンスのトレードオフの選択であり、
特定の用途に限るのであれば性能向上はできるが、汎化は難しいし、未来の
使われ方は予測できないということです。他にも「統計情報を取りたいとい
うニーズはよく言われるが、性能を犠牲にしてしまうこと」「プロトコル(特
にヘッダ)のデザインがハードウェアの設計に大きな影響を与えること」を理
解して欲しいというメッセージがありました。

私自身は非常に楽しんで参加しましたが、後でメーカー側の人間と話したと
ころ「面白かった?何も新しい話はなかったでしょう?」とのことでした。
メーカーの中では当たり前のことでも、このようにオープンな場所で議論し
たのは有意義だったと思いました。


■ 注目WG

特に、参加者の間で話題に上ったWGについて紹介します。

○DNS Over HTTPS (DoH)

立ち見が出るほど盛況で、関心の高さが伺えるWGです。DoHについては、賛否
両論あるという実情です。

- Resolving issues in draft-ietf-doh-resolver-associated-doh

  DoHに対応したリゾルバ(URI templates for DoH servers)の見つけ方を記
  述したドラフト[Associating a DoH Server with a Resolver]
  (https://datatracker.ietf.org/doc/draft-ietf-doh-resolver-associated-doh/)
  についての議論が最初に集中して行われました。

  ドラフトには例えば、「OSに設定されているDNSサーバにHTTPSで問い合わ
  せる」「TXT RRsetで問い合わせる」などの方法が記載されています。この
  ドラフトは、他のWGのメンバーにも多く読まれフィードバックを受けてき
  たが、ある種の"不快感"を示す反応もあったとのことです。マイクには多
  くの人が並び、懸念事項を述べていました。重要な問題なだけに、ブート
  ストラップの仕方だけを取り上げてDoHに反対する人がいるというのも、理
  解できる状況でした。

- DoH Implementation Risks and Operations Considerations

  続いて運用上の課題、特にプライバシーの問題について議論されました。
  オペレーション寄りの話であり、consolidation(*1)の話とも関わるため、
  WGで話すようなものではない、議論の場をIETFとするのも適切ではないの
  ではないか、との意見がありました。

  (*1) consolidation
       統合という意味ですが、少数のテック企業による市場独占による、イ
       ンターネット本来の分散型から中央集権型への移行と、それにより発
       生するかもしれない問題を示します。

○Quantum Internet Proposed Research Group(qirg)

IRTF (Internet Research Task Force)のWGですが、ハッカソンにも参加し、
IETF 104を通して活発に活動していました。WGでは、量子インターネットお
よび量子リピーターの仕組みについてのチュートリアルもあり、盛況だった
と聞きます。量子インターネットが使われる将来も、実はそう遠くないのか
もしれません。


■ 最後に

IETF公式のブログにも、IETF 104のハイライトについて紹介する投稿が掲載
されています。IETFチェアであるアリッサ氏の視点で、注目の活動が取り上
げられています。ハッカソンの雰囲気の伝わる写真も掲載されていますので、
ぜひご一読ください。

  IETF 104 Highlights
  https://www.ietf.org/blog/ietf104-highlights/

なお、次回のIETF 105は、2019年7月20日(土)から26日(金)にかけて、カナダ
のモントリオールにて開催される予定です。

  IETF 105 Montreal
  https://www.ietf.org/how/meetings/105/


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 JPNIC News & Views vol.1678 【臨時号】

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