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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1732【臨時号】2019.12.12 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1732 です
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2019年11月2日(土)~8日(金)にかけて、カナダ・モントリオールにてICANN会
議が開催されました。本号では、この会議のレポートをお届けします。今回
の会議では、恒例の新gTLD関連の議論に加えて、DNS Abuseに関するセッショ
ンも関心を集めたようです。

なお、このモントリオール会議の報告会を、明日12月13日(金)に東京のJPNIC
会議室にて開催いたします。下記Webページからの申し込みは本日17時までで
すが、当日のご参加も可能です。その場合は、直接会場までお越しください。
多くの方のご参加をお待ちしております。

  第56回ICANN報告会開催のご案内
  https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2019/20191119-01.html

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◆ 第66回ICANNモントリオール会議報告
                                     JPNIC インターネット推進部 山崎信
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第66回ICANN会議(ICANN66)は、フランス語圏であるカナダ・ケベック州モン
トリオールで開催されました。フランス語圏とはいっても、多くの場所で問
題なく英語が通じるため、大昔に習ったフランス語を思い出すには至りませ
んでした。モントリオールは北緯約45度で、日本では北海道の宗谷地方北端
に相当します。

ICANN66の参加者数は1,700名以上、開催されたセッションは200以上と、大規
模なものになりました。


■ オープニングセレモニー

まず、ICANN理事会議長Cherine Chalaby氏からのスピーチがありました。2019
年10月10日に亡くなられたICANN職員(元エジプト政府情報通信大臣、直近の
ICANNでの役職はSr Advisor to President & SVP, Government and IGO
Engagement)であるTarek Kamel氏の追悼から始まり、2021~2025会計年度の
戦略計画が理事会で承認されたこと、同じく2021~2025会計年度の運営およ
び財政計画を2019年12月に公表し意見募集を行う予定であることが報告され
ました。また、ICANNのマルチステークホルダーモデルを改善する計画につい
ても、2019年12月に公表および意見募集を行うこと、ICANN66の会期終了を
もって理事および理事会議長を退任するに当たり、後任のMaarten Botterman
氏への引き継ぎをスムーズかつ確実に行えたこと、などについて話されまし
た。

次に、ICANN CEOのGoran Marby氏より、迷惑メール対策活動で有名で、2019
年9月28日に亡くなられたDon Blumenthal氏およびKamel氏への追悼の他、
Chalaby氏への謝辞を中心に話されました。

Marby氏に続いて登壇したのは、ケベック州経済・イノベーション省産業開発
局長Martin Aube氏で、同州における情報通信産業の発展状況について、360
億カナダドル(約2兆9,000億円)の収入、9億カナダドル(約733億円)にも上る
研究開発投資、8000社における15万件以上の高給を伴う雇用提供などの実績
が語られました。その後、同省がサポートしたさまざまなプロジェクト、ス
マートシティの民主的な特徴に応えるための州当局によるオープンデータへ
の支持、オープンガバメントの創出、データ保護、5G(第5世代移動通信シス
テム)、ICANNにおける国際化ドメイン名(IDN)に関する努力により、既存の
「.quebec」だけではなく、アクセント記号付きのTLDも今後可能となるであ
ろうこと、などについて話されました。

次いで、カナダ連邦政府のイノベーション・科学・経済開発省のLisa
Setlakwe氏より、英語とフランス語の両方で(しかも同じことを両言語で話す
のではなく、各言語で別のことを話されていたようです)講演されました。講
演内容は、おおむね次の通りです。

 - カナダ政府によるICANNのマルチステークホルダーモデルへの貢献
 - ICANNが直面している技術的な挑戦の共通の理解を得るためには、対面会
   合が不可欠
 - ICANNにおけるEPDPフェーズ2および2012年新gTLDの評価などの中心的課題
   が、モントリオール会議中に進捗するであろうこと
 - 政府諮問委員会(GAC)メンバーとして、ICANNコミュニティおよびICANNの
   2021年から2025年までの戦略計画への関与
 - DNSおよびそのセキュリティ、ICANNのマルチステークホルダーモデルの強
   化
 - インターネットの利用者の必要性に合致して、継続的にサービスを提供す
   るための識別子システムの進化
 - 地政学的課題への取り組み
 - ICANNの長期的かつ財政的な持続可能性

最後に、ケベックの人々がデジタル技術を取り入れることを推進する団体
CEFRIOを代表して、Bruno Guglielminetti氏が、.quebec TLDの委任等に関す
るICANNへの謝辞、モントリオールのICTおよびAIコミュニティの代表的な組
織の例などについて話されていました。


■ gTLD登録データの暫定仕様に関する迅速ポリシー策定プロセス(EPDP)の検
   討状況

EPDPチームはICANN66において計4コマ、14時間を使って検討を行いました。
検討の主な内容は、主に初回報告書に記載するポリシー勧告を作成するため
に必要な、基礎的要素(Building Blocks)についてでした。2019年12月2日現
在、以下の項目について検討が完了していますが、引き続き13項目が検討中
です。

 - 基準およびアクセス/開示に関する標準システム(Standardized System
   for Access/Disclosure, SSAD)へのリクエストの内容
 - データの保持と破壊
 - 利用者の認定/認証
 - SSADリクエストへの受領確認
 - ログ記録

今後の予定は、12月から2020年1月末までの間に初回報告書を公開し、意見募
集を行うことになっていましたが、欧州データ保護委員会(European Data
Protection Board; EDPB)への質問の回答の遅れなどにより、意見募集の開始
が2ヶ月程度遅れる可能性が出てきました。これにより、最終報告書の完成が
当初計画の2020年4月から、夏以降にずれこむことも考えられます。


■ 次期新gTLD申請ラウンドに関する検討状況

次期新gTLD申請手続きポリシー策定プロセス作業部会(SubPro WG)は、既に初
回報告書と追加の報告書を公開しています。モントリオール会議では、計4回
セッションを開催し、トップレベルドメインにおける地理的名称の扱いにつ
いての検討が終了し、その検討チーム(作業トラック5)による報告が、最初の
セッションで行われました。他に、名前衝突、追加の意見募集の実施につい
て、gTLD募集開始後の変更をいかに回避するか、などについて、主に議論さ
れました。同WGは、2020年初頭には最終報告書案の公開およびそれに対する
意見募集を実施する予定です。


■ すべてのgTLDにおける知的財産権保護機構の評価

フェーズ1では、2012年のgTLD募集時に導入された、保護機構について評価す
ることになっています。2019年8月以降は、Trademark Clearinghouse (TMCH)
について評価が行われ、ICANN66直前に完了しました。モントリオール会議で
は、フェーズ1初回報告書に含める勧告について主に議論されました。初回報
告書は、2020年1月に公開および意見募集開始予定です。


■ 新gTLDオークション収入の使途検討

新gTLDオークション収入に関するコミュニティ横断WGは、初回報告書に関し
て提出された意見の評価を終えたところで、モントリオール会議では同WGか
らICANN理事会や事務局に対して行った質問への回答に関して、主に議論を行
いました。


■ DNS Abuse(悪用)

DNS Abuseとは、DNSの利用もしくはドメイン名の登録に使われる手続きが関
連した、迷惑メール、ファーミング(Pharming)、フィッシング、マルウェア、
ボットネットなどの、セキュリティ上の脅威となる悪用行為を指します。
「競争、消費者の選択肢、消費者からの信頼(Competition, Consumer Choice
and Consumer Trust, CCT)」評価チームの作業を助ける目的で、DNS Abuse評
価に関して、まずは2016年夏に提案募集が開始されました。評価報告書(*1)
は、2017年夏に公開されました。

(*1) https://www.icann.org/en/system/files/files/sadag-final-09aug17-en.pdf

その後、CCT評価チームの最終報告書が2018年9月8日に発行された際に、報告
書中にDNS Abuseに関する勧告が含まれました。これら背景知識については、
2019年10月17日に開催された、本件に関するオンラインセミナーにて説明さ
れました。(*2)

(*2) https://meetings.icann.org/sites/default/files/dns_abuse_webinar_slide_deck.pdf

モントリオール会議では、DNS Abuseを取り上げるセッションが、プレナリー
セッションとして開催されました。他に、GACとGNSOレジストリステークホル
ダーグループ(SG)の合同セッション、GACと理事会との合同セッション、ALAC
(At-Large Advisory Committee)のセッションなども開催されました。モデ
レーターとしてBruce Tonkin氏(.au Domain Administration Ltd. (auDA)、
元ICANN理事)、パネリストとしてGAC公共安全作業部会(PSWG)、GNSO非商用
SG、レジストリSG、レジストラSG、ビジネス部会、セキュリティと安定性に
関する諮問委員会(SSAC)から、各1名が参加して議論が進められました。

レジストリ・レジストラからは、CCT報告書に記載された勧告、新gTLDレジス
トリ契約中の条項が定期的な技術分析を行うための基礎となること、ICANN事
務局は少なくとも技術分析は毎月行うべきであること、.orgのレジストリで
あるPIRは毎日技術分析の更新を行い、四半期ごとに停止されたドメイン名の
数を公開していること、などが話されました。

法執行機関(FBIやユーロポール等)に属するPSWGメンバーからは、WHOISデー
タの入手可能性がGDPRの影響に直面していることを訴え、.eu、.nl、.dkなど
のccTLDで先行している、以下の対策をgTLDにも広げるべきだとの意見があり
ました。

 - AIにより悪用される可能性のあるドメイン名の予測または事前の食い止
   め
 - 電子証明書などを使った"強い"認証の導入
 - 本人確認などのKnow Your Customer (KYC)手段の導入

また、執拗な悪用行為に対処するために、悪用行為が3回累積した場合にペナ
ルティを課す、いわゆる「三振アウト制」の導入の必要性、リセラーも含め
たドメイン名登録に関わる全ステークホルダーを把握する必要性、レジスト
ラに対して悪用行為を減らした場合への金銭的インセンティブの付与の可能
性などが主張されました。


■ インターネットガバナンスに関するセッション

インターネットガバナンスに関するコミュニティ横断WG (CCWG-IG)によるセッ
ションが開催され、以下の事項に関する報告がなされました。

 - 国連デジタル協力に関するハイレベルパネル(High-level Panel on
   Digital Cooperation, HLPDC)(*3)
 - インターネットガバナンスに関する状況報告
   + 世界電気通信政策フォーラム(WTPF)が、ITUにより2021年に開催予定
   + 2019年10月に中国、烏鎮で開催された6th World Internet Conference/
     Wuzhen Summit(世界互聯網大會/烏鎮峰會)
   + サイバースペースの安定性に関するグローバル委員会(Global
     Commission on the Stability of Cyberspace, GCSC)が、2019年11月に
     最終報告書を公開予定(*4)

(*3) HLPDCの詳細については、IGF2019事前会合における望月健太氏(前IGF
     MAGメンバー)の発表資料をご参照ください。
     https://japanigf.jp/download_file/87/316/

(*4) 2019年11月12日に、パリ平和フォーラムの開催に合わせて公開されまし
     た。
     https://cyberstability.org/news/a-call-to-action-on-advancing-cyberstability-global-commission-launches-final-report/


■ 最後に

GNSO以外の支持組織、および各諮問委員会の状況につきましては、2019年12
月13日(金)に開催する第56回ICANN報告会にて、各分野の専門家より報告され
ますので、ぜひご参加ください。遠隔での参加も可能です。事前申し込みは
本日17時までですが、当日参加も可能です。その際は名刺をお持ちください。

  第56回ICANN報告会開催のご案内
  https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2019/20191119-01.html


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