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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1968【臨時号】2022.12.20 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1968 です
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第115回IETFミーティングが、2022年11月5日(土)から11日(金)にかけて、イ
ギリス・ロンドンの会場とオンラインでのハイブリッド形式で開催されまし
た。この会合の報告を、本号から連載にてお届けします。第1弾となる本号で
は、全体概要やIABの動向などをご紹介します。第2弾以降は、HotRFC 
(Request for Conversation)の話題や、セキュリティ関連の話題をご紹介す
る予定です。

なお、本号の内容は、JPNICブログでもお読みいただけます。グラフなどを用
いてよりわかりやすい内容となっておりますので、ぜひブログでもご覧くだ
さい。

  第115回IETF 参加報告 [第1弾] ~全体概要・IABの動向ほか~
  https://blog.nic.ad.jp/2022/8295/

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◆ 第115回IETF 参加報告 [第1弾]  ~全体概要・IABの動向ほか~
                           JPNIC 技術部/インターネット推進部 木村泰司
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2023年3月に横浜で開催されるIETFミーティングの直前回となる第115回IETF
ミーティング(IETF 115)が、イギリスのロンドンで開催されました。期間は
2022年11月5日(土)から11日(金)の1週間で、現地開催かつリモート参加が可
能なハイブリッドです。本稿では、IETF 115の全体概要・全体会合・IABの動
向と、筆者の観点でピックアップした話題をお届けします。第2弾では、
HotRFCを取り上げます。


■ 全体概要

IETF 115は、現地参加者数とリモート登録者数が合計で1,600名を超え、新型
コロナウイルス感染拡大の状況が始まる前の水準に戻ってきました。参加者
の属する国ごとの参加者数は、米国、イギリス、中国、ドイツ、日本の順に
多く、開催地の国が第2位になるなど、現地開催が行われていた頃の様子に近
付いています。日本からの参加は10年ほど前よりも低迷していますが、今回
は現地参加の人数が増えました。

IETFの1週間は毎回、下記のような構成になっています。WGの会合の前の土曜
日と日曜日には、ハッカソン、コード・スプリント、チュートリアルが行わ
れます。ハッカソンはグループで実装や相互運用実験などを行う登録制のイ
ベントです。各自が持ち寄った実装を動作させて相互に接続できるかどうか
を試すといった活動が行われています。コード・スプリントは、IETFで使わ
れているDatatracker等のツールのプログラミングや改善を行う会合です。
チュートリアルはIETFの考え方や参加の仕方などの簡単なセミナーです。

○11/5(土) ~ 11/6(日)
  ハッカソン(Hackathon)
  コード・スプリント(Code sprint)
  チュートリアル(Tutorial)
  IEPGミーティング
  ウェルカム・レセプション(Welcome reception)

○1/8(火)(プレナリーの前日)
  ソーシャル・イベント

○11/9(水) 日本時間では11/10(木)
  プレナリー(IETF Plenary/全体会合)

○11/7(月) ~ 11/11(金)
  WG会合
  BoF
  サイド・ミーティング(Side-meeting)

IEPGミーティングはIETFミーティングへの登録なしで参加できる会合で、運
用や研究といったさまざまな観点の発表が行われます。ウェルカム・レセプ
ションは立食形式のパーティで、WG会合が始まる前に現地入りした参加者同
士のあいさつや懇親のために行われます。HotRFCのRFCは、Request for
Conversationsの略です。一緒に相談をしてくれる人を募ったり、サイドミー
ティングへの参加を呼びかけたりするなどの講演が、ライトニング形式で行
われる会合です。


■ 全体会合(Plenary)より

全体会合ではまずIETFチェアから参加人数などの発表の後、今回や今後の
IETFミーティングについて話されます。続いてIABやIRTFのチェアから活動報
告や告知が行われます。

IETFミーティングでは毎回新型コロナウイルスの感染例が報告されていて、
IETFチェアのラース・エガート(Lars Eggert)氏によるとIETF 115では4例あ
り、2022年7月のIETF 114は17例、2022年3月のIETF 113は9例とのことでし
た。IETF 115では、抗原検査キットが無料で配布されており、参加者自身で
検査できるようになっていました。

エガート氏によると、2023年のIETFミーティングでは、お子様を連れてIETF
ミーティングに参加できるように託児サービスが用意されるとのことです。
横浜で開催されるIETF 116でも用意される模様です。

IETF 115のPlenaryの様子は以下で見ることができます。

  IETF 115 Plenary
  https://youtu.be/UqwL7HBrBiU


■ インターネットの地球環境への影響に関するIABワークショップ

IABチェアのミラ・キューレビント(Mirja Kuhlewind)氏から、2022年12月
5日(月)から12日(月)にかけて行われるワークショップ「インターネットのア
プリケーションとシステムの環境への影響 ワークショップ(IAB workshop
on Environmental Impact of Internet Applications and Systems)」の紹介
がありました。ワークショップはポジションペーパーの投稿を受け付け、そ
の内容に応じてグループ分けをして議論が行われます。このワークショップ
の趣意やアジェンダ、採録されたポジションペーパーは下記のサイトで閲覧
できます。

  IAB workshop on Environmental Impact of Internet Applications and 
  Systems (eimpactws)
  https://datatracker.ietf.org/group/eimpactws/about/

  IAB workshop on Environmental Impact of Internet Applications and 
  Systems, 2022
  https://www.iab.org/activities/workshops/e-impact/


■ 話題 -いまのインターネットは何バイトまでのIPv6拡張ヘッダーであれ
   ばパケットは届くのか-

最後に、IETF 115期間中のミーティングの中から筆者が選んだ話題をお届け
します。

IETFミーティングの前に行われるIEPGミーティングで、IPv6拡張ヘッダーに
関する調査研究の発表が3件ありました。IPv6拡張ヘッダーは、IPのヘッダー
としてさまざまなものを加えていくことのできるもので、経由ノードを指定
するなどいろいろな機能を実現するために利用できる便利なものと言えます。
しかし、インターネットにつながるネットワーク機器は、必ずしもIPv6拡張
ヘッダーを期待通りに扱えるとは限りません。場合によっては宛先まで届か
ないことがありえます。果たしてどのような拡張ヘッダーを付与してもその
IPv6のパケットは届くのでしょうか。

一つ目の発表は「インターネットを通るIPv6拡張ヘッダーテストへのディー
プダイブ」(Deep Dive into IPv6 Extension Header Testing Across the 
Internet)で、ムンバイとトロントの間でファイル転送を試み、CDNの有無や
サーバからのIPv6パケットに拡張ヘッダーが付いているかどうかなどが調査
されました。IPv6かと思いきやIPv4で通信していた、といった拡張ヘッダー
以外の出来事も発表されていました。

  Deep Dive into IPv6 Extension Header Testing Across the Internet, 
  Nalini Elkins, Mike Ackermann, Dhruv Dhody, Praneet Kaur, Dr. Mohit 
  Tahiliani, Dr. Priyanka Sinha, Ameya Deshpande, Dr. Ana Custura
  https://www.iepg.org/2022-11-06-ietf115/slides-115-iepg-sessa-deep-dive-into-eh-on-the-internet-ana-custura-dhruv-dhody-michael-ackermann-nalini-elkins-00.pdf

二つ目の発表「IPv6拡張ヘッダーの伝送エッジの計測」(IPv6 EH Traversal
Edge measurements)と三つ目の発表「もう一つのIPv6拡張ヘッダー計測」
(Another IPv6 EH measurement )は、拡張ヘッダーが到達性にどのように影
響するかに関する調査結果です。

「IPv6拡張ヘッダーの伝送エッジの計測」では、拡張ヘッダーに付ける宛先
オプション(Destination Option)やホップバイホップオプション(Hop-by-Hop 
Options)を使って拡張ヘッダーのサイズを変化させてパケットを送信し、
RIPE Atlasのプローブを使ってドロップされたかどうかを観測しました。そ
の結果、TCPでは40バイト以下、UDPでは48バイト以下であれば届きやすかっ
たようです。

  IPv6 EH Traversal Edge measurements, Ana Custura
  https://www.iepg.org/2022-11-06-ietf115/slides-115-iepg-sessa-ipv6-eh-traversal-edge-measurements-ana-custura-00.pdf

「もう一つのIPv6拡張ヘッダー計測」はAPNIC Labsで行われたもので、Webブ
ラウザによる不可視のWebデータのダウンロード・コネクションを使って、フ
ラグメンテーションや拡張ヘッダーの付与など複数の要素を元にパケットが
ドロップする割合を国別に調査しています。ネットワークの形態や使われや
すい機器が異なるのか、国ごとに異なる様相が見られます。地図上に表した
ドロップ率などは、下記の発表資料をご覧いただければと思います。

  IPv6 Extension Headers Again!, Geoff Huston, Joao Damas, APNIC Labs
  https://www.iepg.org/2022-11-06-ietf115/slides-115-iepg-sessa-ipv6-extension-headers-again-geoff-huston-joao-damas-00.pdf

                  ◇              ◇              ◇

次回のIETF 115 参加報告 [第2弾]では、HotRFCの話題をお届けします。


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 JPNIC News & Views vol.1968 【臨時号】

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