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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.2247【臨時号】2026.7.14 ◆
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◆ News & Views vol.2247 です
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2026年3月に中国・深センで開催されたIETF 125の話題を振り返りつつ、2026
年7月にオーストリア・ウィーンで開催されるIETF 126に向けて、注目される
テーマについて議論を行う、「IETF情報交換会 - IETF126に向けて -」を2026
年6月3日(水)に開催しました。本号では、この情報交換会の模様をご紹介し
ます。
本号の内容は、JPNICブログでもお読みいただけます。
JPNICブログ:IETFでホットな話題と様子
"IETF情報交換会 - IETF126に向けて -"を開催
https://blog.nic.ad.jp/2026/11904/
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◆ IETFでホットな話題と様子
「IETF情報交換会 - IETF126に向けて -」を開催
JPNIC 技術部/インターネット推進部 木村泰司
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■ はじめに
2026年6月3日(水)、JPNICはInternet Society日本支部(ISOC-JP)との共催、
WIDEプロジェクトの後援により「IETF情報交換会 - IETF126に向けて -」を
開催しました。IETF情報交換会は、過去に開催されてきた「IETF報告会」に
代わって、複数回のIETF会合をまたいで見える技術動向やホットトピックの
背景部分に注目した情報交換の会合です。
今回のIETF情報交換会は、JPNIC会議室とオンラインのハイブリッド開催を予
定していましたが、台風の影響によりオンラインのみの開催へ変更しました。
結果的に、多くの方がご参加されました。今回もIETF参加者を中心に、最新
の技術動向や今後注目されるテーマについて情報共有・意見交換が行われま
した。
IETF (Internet Engineering Task Force)は、インターネットで利用される
プロトコルや技術仕様を議論・標準化する国際的なコミュニティです。JPNIC
では、国際的な技術動向を国内における事業や研究・開発・運用にお役立て
いただくべく、IETF会合への参加についてだけでなく、国内で国際動向を共
有する場づくりに取り組んでいます。今回は、IETF 125(中国・深セン)で議
論された話題を振り返るとともに、7月開催のIETF 126(オーストリア・ウィー
ン)に向けて注目されるテーマについて情報交換を行いました。
■ IETFへの関わり方のステップを考える
はじめに、司会進行を担当した筆者から、今回のIETF情報交換会で登壇者に、
ご発表後のに伺うテーマを紹介しました。テーマは「IETFへの関わり方のス
テップを考える」です。昨今、インターネット分野において人材確保や育成
の話題がある中、IETFへの関わり方についてどう捉えるのか、これから関わ
る人はどのような"ステップ"を想定していけばいいのかについて、筆者なり
に整理してみたものです。
○技能という見方
- 技術的な基盤:RFC読解、プロトコル把握、実装能力(Running Code)
- 議論・調整力:レビュー、説明、合意形成、ネゴシエーション
- 実践力 :運用の分析、実装フィードバック、OSS・相互接続/検証
- マインド :オープン志向・共有文化・国際協働
○分類できないが……
- 正解を出すよりも議論に耐える説明力・合意形成力
- 異分野間の橋渡し(専門知識の翻訳・再構成)
- 英語は前提・完璧さよりも継続的な参加と意思疎通
- 技術・運用・国際性を横断する複合的な能力
ご参加の方の多くは、ご自身の活動がありながら、IETFにおける関与の仕方
について道なき道を切り開くようなご経験をされている中、IETFにおける活
動の全体像や区分を捉えたり、立ち位置のヒントが得られたりすることがね
らいです。当日は、これらの背景となる課題意識を共有した上でお考えを伺
うことができました。
■ 技術動向
登壇者の方々の注目されている最新動向について紹介されました。
〇Web技術:AIエージェントと認証/認可
ISOC-JP インターネット標準化推進委員会で活動する後藤ひろゆき氏からは、
「猫も杓子もIETFもAI」という言葉の通り、IETFでもAI関連の提案が急増し
ている様子が共有されました。特に注目されるのは、AIエージェントによる
決済や予約を可能にするための認証や認可の枠組みや、Webサイト側がAIの学
習を制御するための仕組みです。Web Bot Authと呼ばれる、Webサービス等に
アクセスしてくるボットを識別・検証する仕組みの提案など、AI時代におけ
る"信頼性"を担保する技術の議論が活発です。
〇 ルーティング・セキュリティ
JPNICの大谷亘からは、IETF 125のセッション「Technology Deep Dive」で取
り上げられたルーティング・セキュリティが紹介されました。BGP (Border
Gateway Protocol)では、隣接ルータから伝わる情報 - 経路情報という、いわ
ば"噂"に基づいてインターネットの経路制御が成り立っています。現在は、
RPKIを用いた経路のオリジン検証(ROV)など、噂のような"完璧ではないもの
"に対する現時点で実現可能な不正への対策を、段階的に導入するというアプ
ローチが主流となっています。これは、30年前から始まって、新しい世代へ
と引き継がれる「多世代プロジェクト」と言えるという中長期的なお話が
Technology Deep Diveの講演にあったそうです。
〇暗号技術とIETF Hackathon
IETF Hackathonに継続的に参加されている酒見由美氏から、暗号分野の技術
動向と、Hackachonの様子が紹介されました。暗号分野では、耐量子暗号(PQC)
の導入が前提となりつつある中で、ゼロ知識証明(ZK: Zero-Knowledge
Proof)、完全準同型暗号(FHE: Fully Homomorphic Encryption)、AIとエンド
ツーエンド暗号化(E2EE: End-to-End Encryption)の関係など、新たなテー
マへ議論の中心が移っていることが紹介されました。また、Hackathonについ
ても、標準仕様を実装・検証する場として、多くの開発者が協力しながら実
装を進めるIETFならではの文化が紹介されました。
○PQCと移行
伊藤忠彦氏からは、耐量子暗号(PQC)の標準化状況と、実際の移行に向けた課
題について紹介がありました。暗号アルゴリズムそのものだけでなく、既存
システムとの共存や段階的な移行、実運用において考慮すべき点など、今後
多くの組織が向き合う課題について議論が行われています。
■ ディスカッション
今回のIETF情報交換会では、各講演者の方に、ご発表の後、あらかじめ候補
となるテーマから選んでお話を伺うという形式にしました。注目されている
分野の技術的なお話だけでなく、日頃感じられていることやお考えを伺って
いくことができました。
テーマの候補と選ばれた方:
・I-DやRFCの興味深いものを追いかけることの面白さ(後藤氏)
・現在のようにIETFに関わることになったきっかけ(大谷・酒見氏・伊藤氏)
・ハッカソンの良さ(酒見氏)
・人とのつながりの大事さ
・知っておきたいことやノウハウ、そのためにできること
新しいものが現れる最前線に触れられることのわくわく感や、国際的なトッ
プエンジニアの課題解決の様子が見られるという魅力の他、これまでのIETF
に関わるきっかけや実体験について話される中、オンラインながら和やかな
雰囲気であったのが印象的でした。
■ 本会合の資料
本会合の資料は、JPNIC Webでご覧いただけます。
IETF 情報交換会 - IETF126に向けて -
https://www.nic.ad.jp/ja/materials/ietf-report/20260603/
■ IETF 126に向けて
次回のIETF 126は、2026年7月18日(土)から24日(金)にかけて、オーストリ
ア・ウィーンで開催されます。JPNICでも現地参加を予定しており、インター
ネット技術の最新動向や標準化の議論を継続して調査し、お役立ていただけ
るように情報発信をしていきます。
また、IETF情報交換会も、IETF会合への参加に関わらず、異なる分野の技術
者が共通のテーマで議論できたり、IETF参加経験の共有が次の参加者へのきっ
かけになるような場として、今後も継続して開催していきます。皆様からの
ご意見やコメントをお待ちしております。
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