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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.2258【臨時号】2026.9.1 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.2258 です
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第50回JPNICオープンポリシーミーティング(JPOPM50)が、2026年6月24日(水)
にオンサイト+リモートで開催されました。JPOPMは、JPNICとは独立したボラ
ンティアメンバーで構成される、JPOPF運営チーム(JPOPF-ST)が主催していま
す。

本号では、このJPOPM50についてご紹介します。今回の会合では、インター
ネットの番号資源管理教室、APRICOT2026/APNIC61フェローシップ体験談、
JPNIC/APNIC Update、インターネット番号資源ホットトピックス、今改めて
考えるIPアドレスポリシーの在り方、が報告されました。


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◆ 第50回JPNICオープンポリシーミーティング報告
                                                       JPOPF-ST 豊野剛
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2026年6月24日(水)に、第50回JPNICオープンポリシーミーティング(JPOPM50)
を開催いたしました。

JPOPMは、日本におけるインターネット資源のうちIPアドレス、AS番号といっ
た番号資源の管理ポリシーを検討・調整し、コミュニティにおけるコンセン
サスを形成するための議論の場です。年2回、JPNICとは独立した組織である、
JPOPF運営チーム(JPOPF-ST)の主催により開催しています。また、プログラ
ムは応募のあったポリシー提案や情報提供のプレゼンテーションを中心に構
成しており、今回は情報提供が5件ありました。今回も前回に引き続き、オ
ンサイトおよびリモートのハイブリッド開催となりました。


■ 開催概要

 日時 :2026年6月24日(水) 14:00~18:00
 場所 :エッサム神田ホール1号館およびZoomによるリモート開催
 主催 :JPOPF運営チーム
 出席者:現地出席者:15名
     リモート出席者:35名
 資料・議事録:https://jpopf.net/JPOPM50Program


■ 各発表の詳細

○JPOPM50オープニング

JPOPF-STメンバーの中川あきらから、節目となる第50回を迎えたJPOPMの歩
みが紹介されました。JPOPMは25年・50回を数え、この間に扱われたポリシー
提案は53件にのぼります。過去にはWGでの議論がIETFへの提案やJPNICの
WHOISへのAbuse欄追加につながった実績もあり、オープン・ボトムアップ・
透明性という3原則を今後も大切にしたい旨が述べられました。

○インターネット番号資源管理教室

引き続き中川あきらが、IPアドレスやAS番号の分配・管理について、初心者
の方にもわかりやすく説明するプレゼンテーションを行いました。質疑では、
ポリシー提案はAPNICでは毎回3~4件、ARINでは1会議あたり7~8件と、各
RIRでの提案状況も共有されました。同様の内容を解説した動画がJPNICの
YouTubeチャンネルで公開されていますので、ご興味のある方はぜひご覧く
ださい。

 インターネットの番号資源管理教室 ~ IPアドレス・AS番号の管理につ
 いて ~【Internet Week Basic オンデマンド】
  https://youtu.be/LA1h6ZF9ZnQ

○APRICOT2026/APNIC61フェローシップ体験談

JPNICでは、国際会議参加支援プログラムとして国際会議への参加を希望す
る国内の若手技術者・研究者に対して支援を行うプログラムを提供していま
す。今回はこの参加支援プログラムによって、2026年2月にインドネシア・
ジャカルタで開催されたAPRICOT2026/APNIC61に参加した、東京工科大学の
村田航志氏から現地での体験を報告していただきました。

印象に残ったセッションとして、英語でのプレゼンテーションや議論の進め
方を学ぶ「APRICOT Fellows Skills Workshop」、AFRINICが理事の選任によ
り3年ぶりに活動を再開したことが報告された「APNIC Global Reports」、
中国・雄安市におけるIPv6オンリーネットワークの実装が紹介された
「APNIC IPv6 Deployment」、ASPA (Autonomous System Provider
Authorization)の展開や悪意のある経路広報が取り上げられた「APNIC
Routing Security SIG」などが挙げられ、海外の参加者と各国の課題を議論
できたことが成果として語られました。

質疑では、円安の影響もあり学生が自費で国際会議に参加することは難しく
なっているという問題提起に対して、それでもAPNICやAPRICOTは日本のネッ
トワークについて海外に発信する場であり、日本のネットワークを議題とし
て各国の参加者と議論していくことが大事だと感じた、との回答がありまし
た。会場からは、アジアのコミュニティの中で日本を代表して意見を述べら
れる若手を育成することの重要性が語られるとともに、APNIC62(ムンバイ)
やAPRICOT2027(香港)についても派遣を予定していることが案内されました。

 JPNIC国際会議参加支援プログラム
  https://www.nic.ad.jp/ja/intl/fellowship-program/

○JPNIC/APNIC Update

JPNICの中川香基氏から情報共有がありました。

JPNIC Updateでは、「提案番号036-01 JPNICにおけるWHOIS正確性向上の検
証」について、登録された内容の検査を2026年度中の開始をめざして準備中
であることが報告されました。Abuse欄については、割り振り情報では登録
がほぼ行き渡っている一方、割り当て情報とAS番号では未登録が多い状況が
続いており、将来的には必須とする予定であることから、あらためて登録が
呼びかけられました。また、APNICで実装済みのprop-154およびprop-156を
踏まえ、JPNICの関連文書の改定を準備中であることも報告されました。

APNIC Updateでは、2026年2月にインドネシア・ジャカルタで開催された
APRICOT2026/APNIC61について、現地参加者数が1,044名と前回から100名以
上増加し、初めて1,000名を突破したことが紹介されました。アドレスポリ
シーに関する議論では以下の2件が扱われ、いずれもコンセンサスには至り
ませんでした。

 prop-164:「IPv6最小割り振りサイズの変更」(/32から/36へ)
  https://www.apnic.net/community/policy/proposals/prop-164/
 prop-168:「IPv4アドレスの最大割り振りサイズ拡張」(/23から/22へ)
  https://www.apnic.net/community/policy/proposals/prop-168/

prop-164は、正確なWHOIS登録を可能にすることを目的としたものですが、
アドレス維持料の議論ではないかとの指摘や、経路集成を意識したIPv6の分
配思想との整合を問う意見が出されたものの、提案者のリクエストによりコ
ンセンサス確認は行われませんでした。prop-168は、2035年頃と予測される
利用可能プールの枯渇時期を踏まえ、現在必要としている組織に配ることで
移転やリースを減らすことを狙ったものですが、IPv4の早期完全枯渇はIPv6
実装の枷になり得るといった意見が出され、中立・反対が多数となりました。

なお、次回のAPNICミーティングは、2026年9月にインド・ムンバイで開催さ
れるAPNIC62です。

○インターネット番号資源ホットトピックス

JPOPF-STメンバーの谷崎文義から、今回は「宇宙でのIPアドレスはどうな
る?~TIPTOPと地球外ネットワーク(ETN)の議論~」と題した発表が行われ
ました。

IETFではTIPTOP (Taking IP To Other Planets) WGが、超長遅延・頻繁な通
信断という深宇宙環境に既存のIPアーキテクチャをどう当てはめるかの検討
を進めています。そこで使うIPアドレスをどう分配するかについて、ARIN57
ではポリシー提案(ARIN-2026-1)が、RIPE92では宇宙用アドレス空間の必要
性を訴える発表が行われ、いずれも継続議論となっていることが紹介されま
した。

アドレスブロックが必要であることそのものには理解が得られたように見え
る一方、RIRで議論するよりIETFやIANA、NROで決めるのが先ではないか、確
保したブロックを五つのRIRで共同管理してはどうかといった反応があり、
グローバルポリシーがどのように形成されるかを観察できる機会である、と
まとめられました。会場からも、通信が途切れる環境でのDNSの名前解決や
中継ポイントの置き方など、活発な意見が寄せられました。

○今改めて考えるIPアドレスポリシーの在り方:守るべきところ、変わるべ
 きところ

インターネットを黎明期から知る慶應義塾大学の加藤朗氏と、IPv4アドレス
の移転事業を積極的に展開するGMOブランドセキュリティ株式会社の寺地裕
樹氏をパネリストに迎え、JPNICの前村昌紀氏のコーディネートによるパネ
ルディスカッションを行いました。

前村氏からは、IPアドレス管理の5原則(登録、一意性、経路の集約、アドレ
スの節約、公平性)があるように、使いたい人すべてに行き渡らせるために
アドレスポリシーを作っているはずである一方、ポリシーをどれだけ頑張っ
ても行き渡らない部分がある、という問題提起がありました。

寺地氏からは、IPv4アドレスが当初から地域的に偏って割り当てられ、割り
当てが乏しかった国ほどIPv6を急いだものの、グローバルに事業を展開する
とIPv4依存の壁にぶつかり、結局は購入やリースに依存せざるを得ないとい
う、IPv4リース需要の構造的な背景が示されました。海外には所有者を移さ
ずに事実上使わせている例があり、それが悪用されるケースもあること、そ
もそもリースが定義されていないことが問題であり、何が駄目なのかが示さ
れるようになれば、そうした行為も止まっていくのではないか、との指摘が
ありました。悪用を制限する方向のポリシーを作るモチベーションはどこに
あるのかという質問に対しては、ビジネスという観点だけでなく「すべての
人にインターネットがつながるように」という観点から、ポリシーは整備さ
れるべきだと考えている、との回答がありました。

加藤氏からは、悪用する側も悪意というよりビジネスとして行っているので
あり、悪いことをしなければ返却するデポジットのような仕組みも一つのア
イデアではないか、アドレスのリースはトポロジーとは関係しないので、ルー
ティングテーブルへの貢献を考える必要がある、との意見が述べられました。
また、IPv4アドレスはいずれ無価値になるのではないかという問いに対して
は、学生にIPv6の環境を提供できていない教育の問題などを挙げつつ、IPv4
アドレスが無価値になる時代を見てみたい、との発言がありました。

会場からは、データベースを正しく管理するのであればリース自体は問題で
はなく、悪用する人だけに注目すると正しいリースを行おうとする側へのダ
メージが大きいこと、ポリシーは人に依存してしまうため、RPKI・ROAのよ
うに技術で制御を担保する方向も必要ではないか、といった意見も出されま
した。また、リースの履歴の提出などを求めるLACNICのポリシー提案が紹介
されたほか、中国のIPv6-only cityや2032年までのIPv6オンリー化を宣言し
たベトナムなど、IPv6オンリーの取り組みが活発になってきていることも共
有されました。

前村氏からは、アドレスポリシーの検討においても悪用対策が重要なポイン
トとなっており、データの正確性やRPKI等を考えていく必要があるとの指摘
があり、ポリシー提案に至る前段階の議論もJPOPMの場で行えるので、メー
リングリスト等で議論を続けたい、との呼びかけで締めくくられました。


■ 終わりに

第50回という節目のJPOPMでは、25年の歩みを振り返るとともに、宇宙空間
におけるIPアドレスという先を見据えた話題から、IPv4アドレスのリースと
いう現在進行形の課題まで、幅広いテーマを扱いました。ポリシー提案とし
て議論される前段階の問題提起や意見交換も、JPOPFが担う役割の一つです。

なお、ポリシー提案が議論される公式のツールはIP-USERSメーリングリスト
です。JPOPMのご案内も毎回お送りしていますので、ぜひご登録ください。

 IP-USERSメーリングリスト
  https://www.nic.ad.jp/ja/profile/ml.html#ipusers

JPOPMでは引き続きIPアドレスやAS番号のポリシー策定だけに留まらず、広
く情報提供を行っていきたいと考えておりますので、もし気になる話題や議
論したい内容などがあればぜひお気軽にお問い合わせください。


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      わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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