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【 2 】News & Views Column
       「「We are ICANN」を再び」
                  株式会社日本レジストリサービス / APTLD 理事 大橋由美
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ICANNの設立から7年以上が経ちました。最近では時々新聞記事にも登場するよ
うになりましたが、そんな記事を見るにつけ、設立当初の小さなICANNを思い
出します。

ICANNの初会合が行われたのは1999年の春、シンガポールのとある会議室でし
た。私は同じ国際会議場で開かれていたAPRICOTの会合に参加していましたが、
通りがかりに騒がしい会議室があることに気づき、覗いてみたらそれがICANN
初会合でした。出席者たちは弾丸のように意見をまくしたて、論議は白熱して
いました。彼らの速い英語と議論の展開についていけなかったことを覚えてい
ます。

当時のICANNには、意思決定プロセスはほとんどなく、参加者はいつも互いに
主義主張をぶつけ合っていました。そんなICANNがなんとか立ち上がったのは、
ICANNを通じてインターネットをより良いものにしていこうという、ICANN理事
会、事務局と、参加者の熱意によるものにほかなりません。しばしば自然発生
的に参加者の口にのぼった「We are ICANN」というフレーズが、その様子を表
しています。参加者も含めた全員が主体的にICANNを運営していこうという、
善意と気概が見られました。

しかし、最近気づいたのですが、もう誰も真顔では「We are ICANN」と言わな
いのです。ICANNの活動は年々拡大し、事務局には新たなスタッフが次々に入っ
てきました。組織とともに意思決定プロセスも整備され、ICANNの透明性、コ
ミュニティに対する説明責任能力は大きく向上しました。しかしその一方で、
理事会及び事務局と、それ以外の参加者の距離が遠くなったように感じます。

設立当初、ICANNは関係するあらゆるステークホルダーを含むゆるい集合体と
してとらえられていたのかもしれません。しかし、ICANNは組織として大きく
なり、参加者のバックグラウンドや利害も多様になりました。この結果、最近
では、ICANNは理事会プラス事務局のことを指すようになり、多くの参加者に
とって今や交渉相手となりました。中には支配者だと不満を言う人もいます。

このICANNとの距離は是非縮めていかなければなりません。WSISの議論が一段
落した今、民間主導のインターネット資源調整を担う組織として、ICANNの重
要性は高まっています。今後はICANN理事会、事務局と私たち関係者が協働し、
共にこの枠組みを支えていくことが重要と思います。

そして、このような状況においては、日本のインターネットコミュニティを代
表してICANNに意見を届けるというJPNICの役割も今後ますます大きくなってい
くことでしょう。ICANNと日本のコミュニティを繋ぎ、世界に対して日本から
の貢献を届ける担い手として、これからのJPNICに期待しています。

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