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【 1 】特集 「2003年のインターネット展望」
                                                   JPNIC理事長  村井純
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2002年は、IP電話やブロードバンドなど、インターネットがより一層社会に浸
透した1年でしたが、2003年のインターネットはどのような方向に進んでいく
のでしょうか?JPNIC 村井純理事長にインタビューを行い、2002年を振り返っ
て、また2003年のインターネット展望について大いに語ってもらいました。で
はどうぞご覧ください。

                  ◇              ◇              ◇

◆2002年のインターネットを振り返って

2002年のインターネットの一番大きなポイントは、今年の7月にアジア地域で
は初の開催となった第54回IETF横浜会議において、IPv6はもはや未来のプロト
コルではなく「現在の」プロトコルであるということがアナウンスされたこと。
これは技術面で大変大きな意味を持ちます。IETFの標準化戦略がIPv6とすら言
わない方向にシフトしていった、つまり、今まではIPv6という特別なプロトコ
ルへの取り組みだったのが、全部のプロトコル標準化でIPv6を前提に進めてい
こうという流れに変わりました。それはIETFを日本で開催したことも大きく関
係しており、日本からそのような大きな動きをおこしたことは、インターネッ
トの歴史から言っても非常に意義深いですね。プロトコル開発の歴史的にも大
きな一つのステップを上がったのではないでしょうか。

もう一つ、モバイルインターネットがきちんと動き出したことも大きいですね。
ワイヤレスをベースにしたモビリティというのが普及し、皆にとってインター
ネットが基盤になりつつある中で、(ワイヤレスが)一つの空間として認識さ
れるようになったことが非常にインターネットの歴史の中では大きい。IETFや
ワールドカップの時に成田空港などでワイヤレス環境が整えられたりもしまし
た。

また、ある女性向けコミュニティサイトのアンケートで、「インターネットが
なければ窒息するか?」という質問で80%以上がYESと応えました。窒息すると
いうのは、インターネットが空気のように我々の生活や職場の中に浸透し、リ
アリズムとして認識されてきたということだと思います。そういう意味でJPNIC
が行っているような仕事の責任の重みが増したのではないでしょうか。

2001年当初は、日本はインターネットが世界一高い国でしたが、2002年が終わっ
てみると世界一安い国になりました。ダイヤルアップをベースにした、私の言
葉で言えば「仮」のインターネットから、いつでもつながっているというイン
ターネット本来の姿が力強く確立した年だったのではないかと思います。

JPNICに関していえば、ドメインに関するオペレーションが(株)日本レジスト
リサービス(JPRS)に移ったことは大きいリフォームの一つでした。インター
ネットは本質的に自律分散システムで、ボトムアップで皆が少しずつ作ってい
くもの。e-Japanのような国家戦略の中でインターネットを使いやすくするた
めの見直しなども行われますが、やはり民間が主導だと思います。「民」主導
ということは、「民」まかせということではなく、産学官が一緒になって、民
間からでてくるインターネットの力を結集していくということです。今年はそ
の産学官の連携がとても上手く動いた。その結果としてJPRSのスタートがあっ
たと思います。

歴史的にJPNICは、インターネットの技術的な面のリーダーシップをもった研
究グループ、政府、民間の産業との関係のコーディネーションの役割を果たし
てきました。まさに2002年は日本のインターネットの進み方に対して、これま
での努力の実りがあった年だと考えていいのではないでしょうか。


◆2003年のインターネット展望

2003年はインターネットにとって相当ダイナミックな年になると思います。
IPv6ベースのインフラが発展する中で、情報家電、新しいPDA、そして、ICカー
ドやICタグなどのノンPCのインターネット環境に注目度が上がると思います。
コンピュータをつないでいた情報空間から、全ての情報エレメントがつながる
ようになってきて、ますます社会や生活の中にインターネットの役割が広がっ
てくる年になると思います。

2001年9月のテロ以降、インターネットの世界でもサイバーテロリズムに対す
る警鐘が鳴らされました。安全なインターネットを考えなくてはならないとい
う流れの中で、JPNICもセキュリティ事業に取組み始めました。こうした取組
みを始めるにあたっては、人と社会にどういうふうに貢献していくのか、役割
や機能をきちんと作らなくてはならない。そういう大きな責任を担う必要があ
ると思います。

プライバシー、セキュリティを十分に考慮できる仕組みを作りつつ、新しい発
想やチャレンジをしていく産業が元気よく伸びるということを考える。またイ
ンターネットが質的に発展し、新しい創造的な分野が開けていくという中で、
1年後に2003年を振り返る時には、ここでは想像できないようなダイナミック
な動きがあると思いますね。

そういう意味では、人と社会にとってのインターネットの意味、あるいは情報
の空間がどのようにデザインされるかということを、できるだけ広い産学官共
同という体制で進めることが重要です。利用者、産業、社会の発展という視点
を広く考えながら、皆の力で作っていく、こうした動きの中でコアとしての役
割を果たしていくということがJPNICの使命です。2003年は新しい技術の登場
や、その応用や、国際的な責任や貢献に対する、ますます大きな役割がでてく
る年になるでしょう。

                  ◇              ◇              ◇

◆新年特別ミニコラム 「村井理事長のお正月」

日々多忙を極める村井理事長ですが、お正月くらいはゆっくり休めるのでしょ
うか?どのようなお正月を過ごしているのか聞いてみました。

※以下編集なしの生声(生文?)です。
┌──────────────────────────────────┐
│ 不思議なもので、「絶対休んでいる暇はない」というスケジュールの時は │
│ 元気なのですが、年末年始に休みがあるとなると、決まって熱を出し風邪 │
│ 引いて寝込んでしまいます。「今年こそはのんびりとした人生」という新 │
│ 年の誓いも守れたことはないし。                                     │
│                                                                    │
│ まぁ趣味としてはビデオクリップ1年分とか10年分とか50年分まとめてやっ│
│ てくれるとうれしいんだけど(世紀の変わり目には結構ありましたね)、 │
│ こんなのもだんだんブロードバンドコンテンツになってくるから、そんな │
│ メディアの変化の軌跡を1年に一度確認するのもいいかもしれないね。    │
│                                                                    │
│ ちなみに父の発明したあぶないお雑煮のレシピは、にんじんとゴボウを短 │
│ 冊に切り、うまそな鳥と一緒に酒と醤油と砂糖で煮て、おすましベースの │
│ めちゃくちゃ淡いだしの雑煮にしゃっきり茹でた小松菜といっしょに好み │
│ でのせるという奴ですが、のせる量で品格が調整できてカスタマイズでき │ 
│ るからいいよ。                                                     │
└──────────────────────────────────┘


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