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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です
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【 1 】特集 「IRRとは何か」
                                               JPNIC IRR企画策定チーム
                                           NTTコミュニケーションズ(株)
                                                              吉田友哉
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IRR(Internet Routing Registry)とは、インターネット上でのデータの道筋
を示す経路情報やその優先性に関する情報を蓄積するデータベースです。もと
もと、実際にインターネット上を流れるBGP(*1)を経路台帳として管理すべく
生まれたデータベースで、その代表としてMeritという米国の研究機関が管理
するRADB(*2)が有名です。BGPの経路情報の信憑性確認やISP間の経路フィルタ、
障害時の連絡先取得に至るまで、IRRの情報は幅広く利用されています。

BGPの経路情報は、その情報自体がなんらかの裏付けを得られたものではあり
ません。そのため、意図されない経路情報が誤ってアナウンスされてしまうこ
とは往々にして起こりえます。これは、悪意による偽りの情報が流れる可能性
があるということも同時に意味しており、もしそのようなことが起きれば、通
信に支障をきたす恐れがあるわけです。このBGPの経路情報が正確なものであ
ることを裏付ける一つの方法としてIRRがあります。IRRを用いて実際に流れて
いる経路情報が正当か否か確認することができるというわけです。ここで重要
になるのは、「IRRの情報が正しい」ということが前提であるということです。

IRRを取り巻く環境は、MeritがRADBを有料化したことや、IRRD(Internet
Routing Registry Daemon)の無料配布などにより、1999年以来大きな変化を
遂げてきました。多くのISPが独自でIRRを立ち上げ、IRRの乱立状態を引き起
こしました。IRRに蓄積されている情報がより信頼性の低いものになったとも
いわれています。このような環境の変化は、少なからず我々インターネットを
運用する者に影響を与えるわけです。

JPNICでは、経路情報などのオペレーション情報を一元的に管理するIRRは、非
常に重要なデータベースであるという認識のもと、2000年には「IRR研究会」
を発足し、世界的にIRRに関する調査研究を行ってきました。そして現在では、
「IRR企画策定チーム」として、アジアをはじめ、世界規模でIRRを運用できる
よう積極的な提案活動を行っています。APNICも昨年正式にIRRをサポートし、
JPNICでは現在「JPIRR実験サービス」として、試験的に日本のコミュニティー
の中でIRRサービスを行っています。今月末、台湾で開催されるAPNICミーティ
ングにて、AP地域で各インターネットレジストリがIRRをサポートしてはどう
か、という提案を行ってくる予定で、今まさに今後のIRRについて議論をして
います。
 
IRRを“The Internet”にとってより有効なデータベースとなるようにするの
が、我々の使命であろうと考えています。それと同時に、まずは日本において、
BGPのオペレーションとIRRをバインドした形での成功例として確立し、それを
世界にアピールできればと考えています。


(*1) BGP:「Border Gateway Protocol」の略。AS同士で経路情報を交換する
          ための外部経路制御プロトコルの一種。

(*2) RADB:「Routing Assets Database」の略。Meritという米国の研究機関
           によって運営されているpublicなIRRの1つ。


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