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【 1 】特集1 「第10回JPNICオープンポリシーミーティング報告」
                                     ポリシーワーキンググループ チェア
                                     NTT情報流通プラットフォーム研究所
                                                              藤崎智宏
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2006年7月7日に、日本教育会館にて第10回のJPNICオープンポリシーミーティ
ング(以下、JPOPM)を開催し、約60名の皆様にご参加いただきました。APNIC 
から参加したSonさんに、APNICでのポリシーの状況等についてご講演をいただ
いた他、来場出来なかった方からのメールでの質問にもお答えいただきました。
ミーティングご参加いただいた皆様、議論に参加いただいた皆様、どうもあり
がとうございました。また、お忙しいところご来日いただきましたSonさん、
講演/質問を逐次通訳いただきましたJPNICの奥谷さん、どうもありがとうご
ざいました。

さて、今回のミーティングも議題が非常に多く、議論や意見収集の時間を長く
とるために昼食をとっていただく時間の短縮、いくつかの情報提供プレゼンテー
ションのスキップ、といった時間調整をさせていただくことになってしまいま
した。参加いただいた皆様には、あわただしくなってしまいましたことを、ポ
リシーWG一同、お詫びを申し上げます。

今回実施いたしましたプログラムは以下のようになっております。


  1. JPOPM10開会挨拶

  2. APNIC Resource Services Manager Son Tran氏ご講演

  3. 前回までのフォローアップ  Action Item 確認

  4. [提案] ポリシーWG規約変更提案

  5. [提案] WHOIS登録ルールの変更提案

  6. 活動報告 IPv4アドレス枯渇に向けて

  7. [提案] lame delegationの改善に関する提案

  8. [提案] 歴史的経緯を持つPIアドレスに関する今後の取り組みについて

  9.APNIC 22 にむけて
     - IPv6 PIアドレスのAPNICへの提案状況

     - 現行 IPv6アドレス配布ポリシーの変更

     - IPv6割り当てポリシーの変更

 10. 日本・世界の動向
      -  第21回APNICオープンポリシーミーティングの報告

      -  JPNICアップデート

 11. コンセンサス確認/まとめ

JPNICより行われた提案については、別途紹介がありますので、それ以外を簡
単に紹介させていただきます。

今回、ポリシーWGから、現行のポリシー形成プロセス(*1)についての文書の改
訂提案を実施しました。この提案は、これまでポリシーWGがJPOPMを数回運営
してきた経験をもとに、ミーティングでのコンセンサスの形成をよりフレキシ
ブルにすることを目的としています。現在の規定では、参加者の過半数の賛成
をもってミーティングでのコンセンサスとすることなっていますが、重要な少
数意見があった場合や、意見が割れた場合などにおいては、賛成票の数のみで
コンセンサスを得られたと決定することに問題があるため、

・コンセンサス判断をミーティングでの議論、意見の質、量をもとにポリシー
  WG議長が実施すること

・ミーティング後に実施されるメーリングリストでの最終結論決定を従来の議
  長決定からポリシーWGでの決定とすること

に変更することでコンセンサスを得ました。このポリシー形成プロセスの議論
にも多くの皆様に積極的に参加いただき、参加者の皆様が意見提起、議論に高
い意識をもっていらっしゃることを改めて感じました。

その他、IPv4アドレス枯渇期におけるポリシー等に関する報告や、前回の
JPOPM9にてコンセンサスを得たIPv6プロバイダ非依存アドレスについての
APOPM での提案状況に関する紹介など、提案以外の情報提供を目的としたプレ
ゼンテーションについても、メーリングリストでも議論されています。

各プレゼンテーションの資料は第10回 JPNICオープンポリシーミーティングの
Webページ(*2)に掲載しております。また、議事録も近日中に同Webページ(*2)
に公開する予定です。

ポリシーWGでは、JPコミュニティの皆様のご意見をもとに、JPNIC・APNICへの
ポリシー提案、提言を実施していきます。皆様のご協力、ご意見をよろしくお
願いいたします。また、ポリシーWGや、ポリシー形成にご興味をお持ちの方が
いらっしゃいましたら、是非ご協力ください。jpopf@venus.gr.jpまでご質問・
ご提案等をお寄せいただけますよう、よろしくお願いいたします。

(*1)JPNICにおけるIPアドレスポリシー決定プロセス
    http://www.nic.ad.jp/doc/policy-process.html

(*2)第10回 JPNICオープンポリシーミーティングプログラム
    http://www.venus.gr.jp/opf-jp/opm10


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【 2 】特集2 「第10回JPNICオープンポリシーミーティング報告
                       ~JPNICからの提案について~  」
                                                 JPNIC IP事業部 奥谷泉
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ここでは7月7日(金)に開催されました第10回JPNICオープンポリシーミーティ
ングにおいて、JPNICから行った提案についてご紹介したいと思います。

まずミーティング全体については、APNICから出席してくれたサービスマネー
ジャのSonは「すごく議論が活発でいいミーティングだね」との感想を残して
帰っていきました。確かにここ数回のミーティングでは関係者以外の方も発言
してくださるようになってきており、個人的にもミーティングの目指している
ボトムアップの形に少しずつ近づいている印象はあります。もちろん、参加者
の幅が狭い、JPNICからの発表が多い等、まだまだ課題もつきませんが。

今回JPNICからは二つの提案と、三つの発表を行いました。また、その他にボ
ランティアベースでJPNICのWHOISにおける情報の登録/公開について検討を進
めているWHOIS検討WGを代表し、JPNIC の佐藤晋が発表を行った提案も1点あり
ました。

JPNICからの提案に対する主なご意見と結果は以下の通りです。

◎Lame Delegationの改善に関する提案 (小山祐司/JPNIC)
 [提案内容]
  概要:
  http://venus.gr.jp/opf-jp/opm10/p010-02.html

   発表資料:
  http://venus.gr.jp/opf-jp/opm10/jpopm10-7.pdf

 [主な議論]
   逆引きネームサーバが不適切に設定されている状況(Lame Delegation)に対
   して、機能していないDNSへの逆引き委譲を停止する仕組みを入れる提案を
   いたしました。これに対し、機能していない逆引きDNS数がほぼ横ばいになっ
   ているのに、この仕組みを入れる理由や、実装するにあたり、到達性のな
   いことの判断基準、申請を拒否する場合の仕組み等について複数の質問が
   出ました。また、逆引き委譲の停止措置を受ける対象者が十分に参加して
   いるのか定かではないこの場で決議を進めて問題ないのか等について懸念
   する意見もありました。特にPIアドレスのユーザーについては連絡がとれ
   ず、ユーザーが認知しないまま逆引きの委譲が切られてしまう可能性が高
   いのも事実です。大筋として、機能していないDNSへの逆引き委譲を停止す
   る方針には賛成するものの、実装に入るまでにはまだ多くの検討が必要と
   の意見が多数を占めました。

 [結果]
   考え方についてはコンセンサスが得られましたが、具体的な実装方法につ
   いては再提案を行うことになりました。

◎歴史的経緯を持つPIアドレスに関する今後の取り組みについて 
                                                   (佐藤香奈枝/JPNIC)

 [提案内容]
  概要:
  http://venus.gr.jp/opf-jp/opm10/p010-03.html

   発表資料:
  http://venus.gr.jp/opf-jp/opm10/jpopm10-8.pdf

 [主な議論]
   歴史的経緯を持つPIアドレスの回収を進める方針については早く取り組む
   ことが望ましいなど、前向きなご意見をいただきました。一方、幅広いメ
   ディアを利用した告知の方法、JPNIC WHOISの登録情報以外の連絡先につい
   ての確認等、より積極的に状況の周知と、正しい連絡先情報の登録を進め
   るべき等のご指摘もいただきました。

 [結果]
   利用されていないPIアドレス回収の方針についてはコンセンサスが得られ
   ました。ただし、実際の回収手続きを行う前に、手続き方法について、今
   回提案の手続きで進めて問題ないか再度議論を行うこととなりました。


◎WHOIS登録ルールの変更提案 (佐藤晋/ JPNIC & WHOIS検討WG)

 [提案内容]
  概要:
  http://venus.gr.jp/opf-jp/opm10/p010-01.html

   発表資料:
    http://venus.gr.jp/opf-jp/opm10/jpopm10-5.pdf

 [主な議論]
 指定事業者の意見も十分に取り入れた上で実装を進めるべき、ISPへの影響
  も考慮し、できるだけ早く実装スケジュールを提示してほしい等のご指摘を
  いただきました。

 [結果]
 ・提案1と提案4についてはコンセンサスが得られました。

  提案1:個人ユーザーのプライバシー保護のため、個人ユーザーへの割り
           当ての場合、組織名の登録内容を指定事業者サービス名とする
  提案4:指定事業者間の連絡先電子メールを登録し、指定事業者申請ペー
           ジにて、指定事業者間で参照し、一般には公開しない

 ・提案2と提案3については継続議論となりました。

  提案2:担当グループ情報の登録を個人に対しても認め、組織名の登録は
           任意とする
  提案3:担当グループ情報の連絡先登録を[電子メール]、[電話番号]、
           [FAX 番号]のいずれか2つでOKとする

その他、提案事項以外では、現在アジア太平洋地域全体で議論が進められてい
る「現行IPv6アドレス配布ポリシーの変更」
(http://venus.gr.jp/opf-jp/opm10/jpopm10-9-2.pdf)に関して、議論が盛り
上がり、実際サービスに携わっている方から具体的なケースをご紹介いただい
た上で、ご意見をいただいたことは大変参考になりました。

残念ながらここで詳しく記すことはできませんが、議事録を近日公開予定とい
うことですので、興味のある方は以下のWebページで当日の議論をご確認くだ
さい。

□第10回 JPNIC オープンポリシーミーティング 
  http://venus.gr.jp/opf-jp/opm10/opm10-program.html

今後の進め方としては、ミーティングでコンセンサスが得られた提案について
は、メーリングリストでの最終確認のプロセスを経て、ポリシーWGチェアによ
る最終的なコンセンサスの判断が行われた後、JPNICにおける施行の検討に入
る予定です。

最後に余談です。今回は、開催後いつも関係者で集まっている飲み会の拡大版
として、ミーティング参加者の方も交えた非常に簡単な懇親会を九段会館のビ
アガーデンで行いました。ただ、発表が当日だったこともあり「事前にわかっ
ていれば参加していたのに……」というご意見もいただいており、今後、もう
少しきちんとした懇親会を開催することについてもポリシーワーキンググルー
プとも相談しながら検討していきたいと思います。こういう場で参加者同士が
リラックスした面を見せ合うことによりミーティングでも発言しやすくなって
いくよいな、と思ったりしています。

終日の長い議論にお付き合いいただいたみなさま、どうもありがとうございま
した。


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