メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 第7回AfriNICミーティング報告
                                               JPNIC IP事業部 穂坂俊之
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

第7回AfriNICミーティングが、2007年9月23日から28日まで、南アフリカ共和
国のダーバンで開催されました。AfriNICは世界に五つあるRIRのうち、最も新
しく(2005年4月)に承認を受けたRIRで、アフリカ地域を管轄しています。

AfriNICのミーティングにJPNICの職員が出席するのは今回が初めてであり、日
本人の参加も今回は私1名でした。会議で使われる言語はほとんどが英語です
が、中にはフランス語を使う方もいました。しかし、ミーティング全体にわた
り英語・フランス語の同時通訳が提供されていましたので、議論に際して特に
支障は無かったように思います。

今回の会議は、23日(日)~26日(水)の4日間でルーティング、IPv6関連のト
レーニング、インターネットガバナンス関連セッション、IPv6関連の情報提
供カンファレンスが組まれており、ポリシー議論は後半の2日間で行われまし
た。ミーティングの参加者は100名程度でした。

以下に、今回の会議で議論された内容を簡単に報告いたします。


■インターネットガバナンスに関するセッション

2007年11月に、ブラジル・リオデジャネイロで開催される予定の、第2回イン
ターネットガバナンスフォーラム(IGF)に向け、過去の経緯や現在の準備状況
などの説明がありました。次回のIGFでは、議論のテーマとして「Access(アク
セス)」、「Security(セキュリティ)」、「Diversity(多様性)」、「Openness
(開放性)」、「Critical Internet Resources(重要なインターネット資源)」
の五つが設定されていますが、会場からは「途上国がどのようにインターネッ
トへのアクセスを確保すれば良いのかについて議論すべき」という意見が大多
数を占め、アフリカ地域における第一の関心がアクセスの確保にあることが再
確認されました。


■IPv6関連セッション

機器ベンダーからのIPv6対応状況の紹介や、機器更新時にはIPv6対応製品へ順
次リプレースしていく必要性を強調するプレゼンテーション、RIRにおける
IPv6プロモーション活動の紹介などが行われました。当方から日本における
IPv6採用サービスの現状等を紹介したところ、商用サービスの有無やIPv6に対
する政府の関わり方など参加者から多くの質問を受け、日本の状況への注目度
の高さを強く感じました。


■IPアドレスポリシー関連セッション

今回のミーティングで議論された、IPアドレスポリシー提案の概要と結果を、
以下にご紹介いたします。

(1) IANAからRIRへのIPv4アドレスの最終割り振りに関するポリシー

IANAにおける/8の在庫がある個数(n×5個)まで減った時点で、在庫残のIPv4ア
ドレスを各RIRに同じ量(n)ずつ、全て割り振りきってしまい、IANAからRIRへ
のIPv4アドレスの割り振りを終了するという提案です。今回のミーティングに
はこの個数として、下記2通りの案が提示されました。

a) IANAの/8の在庫が25になった時点で、5RIRに五つずつ/8を割り振る。(n=5)
b) IANAの/8の在庫が5になった時点で、5RIRに一つずつ/8を割り振る。(n=1)

議論では、IANAからRIRへの最終割り振りに関するポリシーが必要なこと、お
よび、最後は各RIRに同じ量のアドレスを割り振ることについては、概ね妥当
との結論となりました。そして、最後にRIRが受け取るべき/8の個数をどうす
るかが次の議論の焦点となり、挙手を求めた結果、1が妥当(n=1)とする意見
と、2が妥当(n=2)とする意見が拮抗し、その場の結論として、「n=1もしくは
n=2をミーティングでのコンセンサスとし、nの値を最終的にどちらにするかは
メーリングリスト上の議論で決定する」ということに落ち着きました。

このポリシーは、全RIRでのコンセンサスを必要とする「グローバルポリ
シー」として提案されています。この提案が、メーリングリスト上での議論を
経て最終的にコンセンサスを得ると、この提案を承認する二番目のRIRとなり
ます。(一番目はLACNICです)


(2) IANAからRIRへのAS番号割り振りポリシー

IANAからRIRへ、1,024個単位でAS番号を割り振ることを定めるポリシーで、
「グローバルポリシー」として提案されています。提案者からは、現在取られ
ている割り振り方法を明文化するものだという説明があり、IANAの担当者から
もそれを確認するコメントがありました。

この提案に関してはその他のコメントは無く、コンセンサスとしてLast Call
に付されることとなりました。


(3) AfriNICにおけるIPアドレスポリシー策定プロセス修正提案

既存のAfriNICにおけるIPアドレスポリシー策定プロセスを一部変更する提案
です。主な変更点は以下の2点です。

a) 2人からなるモデレータグループを作り、提案のドラフトや議論の方向付け
   などのサポートを、提案者に対して提供する。
b) コンセンサスの最終判断から30日以内に理事会を招集し、60日以内にポリ
   シーを実装する。

提案者はモデレータグループを「AfriNICのスタッフから1人、(AfriNICメン
バー、非メンバー双方を含めた)コミュニティから1人の合計2人」と想定して
いたようですが、会場からは「AfriNICメンバー枠を設けた方がいいのではな
いか」という意見や「AfriNICスタッフと1対1の議論になると、どうしてもス
タッフの意向が優先されてしまうのではないか。もう1人スタッフ以外の枠を
設けるべきだ」という意見が出され、モデレータグループは3人で組織するこ
とで合意となりました。

また、ポリシーの実装に時間的制限を設けることについては、ポリシーの内容
によってはシステム改修等が必要となり、設定された日時までに実装ができな
いという場合も考え得るという意見が強く、この制限は設けないことで合意さ
れました。結論として、この2点の修正を反映してコンセンサスとし、Last
Callに付されることとなっています。


次回のAfriNICミーティングは、2008年5月31日から6月6日まで、モロッコの首
都ラバトで開催されます。

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
よろしければ回答の理由をご記入ください

それ以外にも、ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2024 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.