2013/02/13 第94回理事会
資料 2-1
2013年度事業計画 (案)
本資料では、日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)の2013年度事
業計画案について説明を行う。
■ JPNIC全体に関わる事項
公益法人制度改革により、 2013年4月1日を以って一般社団法人に移行する。
事業はこれまでの実施内容、体制を継承し、二事業体制を継続しつつ、新たな制度に
即した、着実な事業展開、法人運営を図る。
■ 運営体制と財源
一般社団法人移行初年度となる2013年度もIPアドレス事業、インターネット基盤整
備事業の二事業体制を継続する。
事業を推進する事務局組織は4部(職員数25名)で構成する。財源についてはこれまでと
同様、IPアドレス事業はIPアドレスの維持料等の収入より賄われ、インターネット基
盤整備事業はインターネット基盤整備事業収入、会費収入、インターネット基盤整備
基金資産からの運用収入及びその他の収入を財源とするが、2013年度は二事業共に事
業収入等が減少し、事業費の一部が賄えなくなることから、その一部を繰越金より財
源に充当し補うこととする。
ただし、JPドメイン名紛争処理及びデータエスクローの二業務については、JPドメイ
ン名の登録料収入・更新料収入の一部をもって賄うこととする。
■各事業の内容
1.IPアドレス事業
IPアドレス事業は、インターネット番号資源の適切な分配・管理を通し、インター
ネットの円滑な運用を維持し、その発展に資することを目的とする。JPNICの法人格
が変わってもこの目的は変わらず、引き続き、資源管理業務、ルーティングレジスト
リ業務、方針策定・実装業務、国際調整業務、調査研業務、情報提供業務の6つの分
野に取り組むものとする。主な業務分野における注力ポイントは以下の通り。
・(資源管理業務)WHOIS登録情報の管理方式について、これまでの経緯を踏まえ
つつも、今後の情報管理のあり方を見据え、改善に向けた検討と取り組みを実
施する。
・(ルーティングレジストリ業務)2012年度からJPNICによる運用を開始した経路
奉行を、引き続き安定的に行っていくとともに、リソース証明書を用いたルー
ティングセキュリティの取り組みを、実験的に開始する。
・(方針策定・実装業務)移転制度の整備を継続して進めていくとともに、レジ
ストリに返却されたIPv4アドレスの有効活用に関する議論をJPNIC、APNICのそ
れぞれのコミュニティと連携しながら進めていく。
1.1 資源管理業務 (定款第4条第(5)号関係)
・ IPv4アドレス、IPv6アドレスの割り振り・割り当て
・ AS番号の割り当て
・ IPv4アドレス移転
・ JPNIC WHOIS情報の維持管理
・ 逆引きゾーン情報の維持管理
・ 逆引きネームサーバの設定適正化(lame delegation削減)に向けた取り組み
・ 電子証明書を用いた指定事業者認証の維持管理
・ 新料金体系の二年目経過措置実施
・ 各種申請等に関する問い合わせ、相談対応
・ 歴史的PIアドレス、AS番号の電子証明書を用いたユーザー認証の導入
・ WHOIS登録情報の管理方式の改善
1.2 ルーティングレジストリ業務 (同第(1)号及び第(2)号関係)
・ JPIRRの登録管理
・ JPNIC経路奉行運営と経路ハイジャック通知
・ IRR・RPKIに関する動向調査
・ リソース証明書の発行に関する実験と導入に向けた調査研究
1.3 方針策定・実装業務 (同第(4)号関係)
・ 国内におけるIPアドレス、AS番号に関するポリシー検討、調整
・ JPNICオープンポリシーフォーラムのサポートと連携
・ オープンポリシーフォーラムでコンセンサスとなったポリシーの実装検討
・ IPv4アドレス移転制度調整
・ 枯渇後のIPv4アドレス分配方式見直しに関する調整
1.4 国際調整業務 (同第(4)号関係)
・ APNICのポリシー議論への参加と国内コミュニティへのフィードバック
・ 各RIRのポリシー変更に関わる議論への参加と国内コミュニティへのフィー
ドバック
・ 番号資源管理に関する、海外諸団体との情報交換及び連携
1.5 調査研究業務 (同第(2)号及び第(3)号関係)
・ 逆引きネームサーバへのDNSSEC導入検討と準備
・ 番号資源の利用状況に関する調査分析
・ 番号資源管理に関わる技術動向の調査
1.6 情報提供業務 (同第(1)号関係)
・ IPアドレス、AS番号、JPIRRに関する統計データ等の提供
・ 国内外の関連諸団体との情報交換
・ 申請業務、アドレスポリシー動向に関する情報提供
2. インターネット基盤整備事業
インターネット基盤整備事業は、インターネットの基盤整備を促進することにより、
インターネットコミュニティの発展に貢献することを目的とする。これは、JPNICの
法人格が変わっても変わらず、引き続き、情報センター業務、普及啓発業務、調査研
究業務、JPドメイン名に関する業務等の分野に取り組むものとする。
注力ポイントは以下の通り。
・(情報センター業務)ドメイン名およびインターネットガバナンス等の、インター
ネット基盤運営に関連する政策についての情報提供を適切に行う。
・(普及啓発業務)インターネット基盤(DNS、ルーティング、セキュリティ、IPv6の
適切な普及に向けた情報等)への理解を深める定期的なセミナー等を開催する。
・(調査研究業務)インターネット基盤技術、特に不適切な経路広告の検知に役立つ
リソースPKIを利用したルーティングセキュリティの適切な強化に向けて、各種
調査および関連組織とのグローバルな調整を実施する。
また、インターネットの歩んできた歴史を記録し、編纂する活動にも引き続き取
り組む。
2.1 情報センター業務 (定款第4条第(1)号関係)
・ JPNIC Webサイトによる情報提供
・ メールマガジン、会報誌 Newsletterの発行
・ DNS、WHOIS、インターネット経路制御等の技術に関する基本情報、最新情
報の提供
・ 新gTLDやIDN ccTLD等および関連する政策、ドメイン名紛争処理(DRP)等に
関する情報提供
・ インターネット基盤運営に関連する政策および体制についての情報提供
・ 国内外のドメイン名に関する問い合わせ対応
2.2 普及啓発業務 (同第(6)号関係)
・ Internet Weekをはじめとした各種セミナーやシンポジウムの開催
・ 資源管理を中心としたインターネットの世界的な運営体制及び政策に関す
る普及啓発
・ インターネット基盤整備に係る関係組織、機関等との連携
・ 地域情報基盤整備におけるインターネット利活用促進への貢献と関係組織、
機関等との連携
・ IPv4アドレス在庫枯渇状況と対応策及びIPv6普及のための技術的課題に関
するセミナー等の実施
2.3 調査研究業務 (同第(1)号、第(2)号、第(3)号、第(4)号、第(6)号及び第(7)号
関係)
・ 各国ccTLD及びgTLDに関する調査研究
・ 資源管理を中心としたインターネットの世界的な運営体制及び政策に関す
る調査研究
・ ドメイン名紛争処理の事例等に関する調査研究
・ インターネット資源管理体制を中心としたインターネットの歴史に関する
調査研究
・ インターネットの基盤技術(DNS、ルーティング、セキュリティ等)に関する
調査研究
2.4 JPドメイン名に関する業務 (同第(4)号関係)
・ JPドメイン名紛争処理方針及び手続規則の運用並びに普及啓発
・ 紛争処理機関との協調作業
・ AD.JPドメイン名申請における審査業務
・ JPドメイン名レジストリのデータエスクロー関連業務
・ JPドメイン名の公共性の担保に関する業務
2.5 その他インターネット基盤に関する業務 (同第(4)号関係)
・ IDN ccTLDに関する業務
・ ICANN等における議論参加及び意見調整