2004/04/22
第3回ドメイン名ポリシー研究会
遠藤淳(JPRS/JPNIC ng-tf)
「.cat」について
(1)申請の概要
1-1 文字列
第一:.CAT
第二:.CTL
第三:.CATALA
→Second Levelに登録を行う
1-2 目的
カタロニア(カタルーニャ)の言語・文化共同体(コミュニティ)用
1-3 申請組織
Associacio puntCAT
http://www.puntcat.org/
- .catの申請を行うために組織された非営利組織
- バルセロナに拠点を置く
- スペインやEU以外の地域からの会員を含む67会員で構成(申請時点)
- ICANNからdelegateを受けた場合には、Associacio puntCATの業務は、
新たに設立される「Fundacio puntCAT」に引き継がれ、Associacio
puntCATは解散する。
1-4 提案理由と想定問答
- 「言語コミュニティ」にTLDを与えることはICANNのsponserd TLDの
コンセプトに合致する
- 「なぜ○○語ではなく、カタロニア語」なのかと言えば、コミュニティが
欲しているかである
- .catはあまり恵まれていない言語に対して、利用と均等な機会を与える
方向性の推進につながる
- 新しい形態の支持組織付きTLDの先駆けとなるであろう
- 「すべての言語と文化がTLDを要求したらどうなるのか」という問いには、
答はないが、.aeroや.musueumがなぜあるのかという問いと同質
- 英語で「猫」だが、言語によって文字列の持つ意味はいろいろある
(2)Fundacio puntCATの組織運営と組織構成
- 実効的な公開性と透明性を担保することが、.cat TLDの始動と運営の鍵
- オンブズマンを設置する
- puntCATの活動の鍵となる情報や資料は皆が利用できるようWebサイトで広く
公開される
- puntCATの文書はカタロニア語で起草される
- 理事総会の年次会合はバルセロナで開催される
- 150,000~250,000ユーロ
- 提案期間中はEric Brunner-Williamsがパートタイムのコンサルタント(CTO)
として、Amadeu Abril i Abrilがパートタイムの政策アドバイザとして運営
委員会をアシストする
- 財団はスペイン法とカタロニア法に基づいて設置される
(3)登録の実際
- 国際化ドメイン名
- カタロニア語には11の非アスキー文字がある。
- 等価テーブルに沿ってIDNとASCIIの両方が登録される
- カタロニア語コミュニティ用であるので、puntCATはそれぞれの申請の
確認を行い要件が満たされた場合にのみ、ドメイン名を利用可能とする。
以下の3つの方法で行う。
1. 対応文書の要求
2. オンラインコミュニケーションにおけるカタロニア語の使用の証明
3. 照会による証明
- 3ヶ月の第1フェーズ(組織向け)と2ヶ月間の第2フェーズ(個人向け)の優先
登録期間を経たのちに一般の登録が開始となる
- 防御的登録の措置は原則として行わない
- 4つの紛争解決方法を採用する
1. CEDRP(Charter Eligibility Dispute Resolution Policy)
2. CRP(Compliance Reconsideration Policy)
3. UDRP
4. 調停
- ICANNの決定を順守する形でWHOISサービスを提供する
(4)コメント
+ .catは「カタロニア人」が.esドメイン名ではなく自身のドメイン名が持てる
良い機会だ。しかし「Politically correct」を議論したいとは思っていない。
+ カタロニアコミュニティ(1200万人、7万平方キロ)はスペイン、フランス、イ
タリア、アンドラの4つの国に分かれて存在している。.catによって、インター
ネット上にカタロニアコミュニティが初めて存在することになる
- .catを認めることは、カナダのケベックやスイスの3つの言語圏ごとにTLDを与
えることにつながっていく。