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資料2-1

ドメイン名紛争解決の実体規定について

JPNIC:DRP検討委員会委員長
久保次三、2001年11月8日

(1) WIPO「周知商標の保護に関する共同勧告」(1999年9月)

第6条 抵触するドメイン名(Conflicting Domain Names)

  1. 〔抵触するドメイン名〕
    ドメイン名またはそのドメイン名の要部が少なくとも、周知商標(well-known mark)の複製、模倣、翻訳 または音訳であって、そのドメイン名が不正の目的(in bad faith)で登録または使用(registered or used) されたときには、当該周知商標に抵触するものとみなされる。
  2. 〔取消(Cancellation)、移転(Transfer)〕
    当該周知商標の所有者(owner)には、権限を有する当局の決定により、抵触するそのドメイン名の登 録者がその登録を取り消し、または当該周知商標の権利者に移転するよう請求する権利が与えられ なければならない(entitled to request)。

ICANNの統一ドメイン名紛争処理方針(Uniform Domain Name Dispute Resolution Policy、略称UDRP、1999年12月)

UDRP第4条 義務的紛争処理手続(Mandatory Administrative Proceeding)

本条は、登録者が、この義務的紛争処理手続に応じなければならない紛争の形態を定めたものであ る。この紛争処理手続は、ウェブサイト「www.icann.org/udrp/approved-providers.htm」に列挙されて いる紛争処理機関のいずれか一つの紛争処理機関により実施される。

  1. 適用対象となる紛争
    第三者(complainant、申立人)から、手続規則に従って紛争処理機関に対し、次の申立(assert) があったときには、登録者はこの義務的紛争処理手続に応じなければならない:
    1. 登録者のドメイン名が、申立人が権利を有する商標(trademark or service mark)と、 同一(identical)または混同を引き起こすほどに類似(confusingly similar)しており; かつ
    2. 登録者が、そのドメイン名についての権利(rights)または正当な利益(legitimate interests) を有しておらず; かつ
    3. 登録者のドメイン名が、不正の目的で(in bad faith)、登録かつ使用されていること。この紛争 処理手続において、申立人はこれら三項目のすべてを立証(must prove)しなければならない。
  2. 不正の目的の登録かつ使用であることの証拠
    紛争処理パネルが、第4条(a)(iii)の事実の存在の有無を認定するに際しては、特に次のような事情 があるとき(ただし、これらに限定されない)には、それらは不正の目的(in bad faith)によるドメイン 名の登録かつ使用であるとの証拠とされなければならない:
    1. 登録者が、そのドメイン名登録を、商標権者である申立人またはその申立人の競業者に、その ドメイン名の取得に直接要した書面化されている支払金額(documented out-of-pocket costs) を超えた対価のために、販売、貸与または移転することを主たる目的として、そのドメイン名を 登録または取得しているとき; または
    2. 商標権者がドメイン名として使用できないよう妨害するために、登録者がそのドメイン名を登録 し、登録者によるそのような妨害行為がパターン化(engaged in a pattern of such conduct) しているとき; または
    3. 登録者が、競業者の事業を混乱させることを主たる目的として、そのドメイン名を登録しているとき ; または
    4. そのドメイン名の使用により、登録者が商業的利益(commercial gain)を得る目的のために、その ウェブサイト若しくはオンラインロケーションの、またはそれらに登場する製品・サービスの、出所 (source)・スポンサーシップ・取引提携関係(affiliation)・推奨(endorsement)について、申立人 の標章との混同の虞れを生じさせることにより、インターネットのユーザーを、そのウェブサイト またはその他のオンラインロケーションに意図的に引き寄せるために、使用しているとき。
  3. 申立書に対する反論に際し、登録者がそのドメイン名についての権利または正当な利益を有している ことの立証方法
    登録者が申立書を受領したならば、どのようにしてその応答の準備をしなければならないかという ことを判断するにあたり、手続規則第5条を参照しなければならない。紛争処理パネルが、提出さ れたすべての証拠を検討し、第4条(a)(ii)の事実の存在の有無を認定するに際しては、特に次の ような事情があるとき(ただし、これらに限定されない)には、登録者が、そのドメイン名について の権利(rights)または正当な利益(legitimate interests)を有していることを、立証したものと されなければならない:
    1. 登録者が、この紛争についての通知(any notice)を受ける前に、善意(bona fide)による商品 またはサービスの提供を行うために、そのドメイン名またはこれに対応する名称を使用していた とき、または明らかにその使用の準備をしていたとき; または
    2. 登録者(個人、会社または団体として)が、その商標権を保有していなくても、そのドメイン名の 名称で一般に知られていたとき(commonly known); または
    3. 登録者によるそのドメイン名の使用が、消費者の誤認に乗じて商業的利益(commercial gain)を 得るためにあるいは問題とされている商標を汚(けが)し貶(おとし)める(tarnish)ような意図で もって使用されているのではなく、正当な非商業的使用または公正な使用(legitimate noncommercial or fair use) であるとき。

(3) アメリカの反サイバースクワッティング消費者保護法(略称ACPA、1999年11月)

アメリカ連邦商標法 第43条(d)(1)

(d)(1)(A) 当事者の商品または役務にかかわらず、以下に該当する行為を行った者は、本条により標 章として保護される個人名称を含む標章の所有者から民事訴訟を提起されたときには、その責任を 問われる--

  1. 本条で標章として保護される個人の名称を含む当該標章から利益を得ようとする不正の目的(bad faith intent) を持ち;かつ、
  2. 次の何れかに該当するようなドメイン名を登録し、取引を行い、または使用したとき?
    1. ドメイン名の登録時点において当該標章が識別力を有している場合には、当該標章と同一または誤認混同 を生ぜしめるほどに類似しているドメイン名;
    2. ドメイン名の登録時点において当該標章が著名(famous)なものである場合には、当該標章と同一または誤認 混同を生ぜしめるほどに類似しているか、あるいは当該標章を稀釈化させるようなドメイン名;または、
    3. 合衆国法典第18編第706条または同第36編第220506条に基づき保護される商標、言葉、または名称に該当 するドメイン名。

    (B)(i)  ある者が前項(A)にいう不正の目的(bad faith intent)を持っているか否かを判断するに当たっては、裁判所は 次の要因を考慮するものとする。ただし、これらに限定されない。
    1. そのドメイン名について、もし存在するのであれば、その者が有する商標またはその他の知的財産権;
    2. そのドメイン名が、そのものの法的名称、又はそのものを特定するために普通に用いられている名称 に起因している程度;
    3. 善意による商品または役務の提供において、その者がそのドメイン名を先行使用していた実績;
    4. そのドメイン名によりアクセスできるサイトにおける、その者による善意の当該標章の非商業的な使用または公正 な使用(bona fide noncommercial or fair use);
    5. そのドメイン名からアクセスできるサイトの出所(source)、スポンサーシップ、取引提携関係(affiliation)、 推奨(endorsement)について誤認混同の虞れを生じさせることにより、営業上の利益を得る目的、または当該 標章の価値を毀損し若しくは中傷する意図で、当該標章が有しているグッドウィルを害するようなサイトに、 当該標章のオンラインロケーションから消費者を誘引しようとするその者の意図;
    6. 善意による商品または役務の提供においてそのドメイン名を過去に使用したことも無く、又は使用の意図も なく、財産的利得を得る目的のために、当該標章の所有者又は第三者にそのドメイン名を移転、売却、また は譲渡しようとするその者の売り込み行為、あるいはそのような行為の繰り返しを示す従前の行為;
    7. そのドメイン名の登録申請にあたり、その者による重大かつ誤解を招くような虚偽の連絡先情報 (contact information)の提供、その者による正確な連絡先情報の更新維持に関する懈怠、またはそのような 行為の繰り返しを示す従前の行為;
    8. 当事者の商品または役務にかかわらず、それらドメイン名の登録時に識別力を有していた他人の標章と同一 または誤認混同を生ぜしめるほどに類似している、あるいは他人の有名標章を希釈化させるものであると 知りながら、その者がそれら複数のドメイン名を登録または取得していること;
    9. その者のドメイン名登録に係わる当該標章の、第43条(c)(1)の規定に照らした識別力および著名性の程度。
    (ii) その者がそのドメイン名の使用が公正な使用(fair use)またはその他の理由で合法的なものであると信じ、かつその    ように信ずることについて合理的な根拠があると、裁判所が判断したときには、いかなる場合であっても、前項(A)に規定    されている不正の目的(bad faith intent)が認定されてはならない。
    (C)  本項(1)に基づくドメイン名の登録、取引または使用に関わる民事訴訟においては、裁判所は、そのドメイン名を没収 し若しくは取消すこと、またはそのドメイン名を当該標章の所有者に移転することを命ずることができる。
    (D)  その者がそのドメイン名の登録者またはドメイン名登録者から許諾を受けたライセンシーである場合に限り、前項(A) で規定されたドメイン名の使用について責任を負うものとする。
    (E)  本項(1)で使用されている「取引を行う(traffics in)」という用語は、売買、購入、貸与、担保設定、使用許諾、 貨幣交換、および対価を得るためのその他の移転または対価との交換による受取(ただし、これらに限定されない)を含む 取引を意味する。   

(4)  JPNICのJPドメイン名紛争処理方針(略称JP-DRP、2000年10月)

JP-DRP 第2条 登録者による告知および告知義務違反

登録者は、ドメイン名の登録申請に際し、またはその維持・更新にあたり、当センターに対し以下のことを告知する。

  1. 登録申請書に記載した陳述内容が、完全かつ正確であること
  2. 登録者が知る限りにおいて、当該ドメイン名の登録が、第三者の権利または利益を侵害するものではないこと
  3. 不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)で、 当該ドメイン名を登録または使用していないこと (【註】 UDRPの原文では、「an unlawful purpose」 となっている。)
  4. 当該ドメイン名の使用が、関係法令・規則のいずれかに違反することを知りながら、それを使用するものでは ないこと

上記いずれかの事項が事実でなかった場合、登録者は本方針に従って当該ドメイン名の移転または取消を受ける場合があること に同意する。

JP-DRP 第4条 JPドメイン名紛争処理手続

本条は、登録者が、このJPドメイン名紛争処理手続に応じなければならない紛争を定めたものである。このJPドメイン名紛争 処理手続は、当センターのウェブサイトに列挙されている紛争処理機関のいずれか一つの紛争処理機関により実施される。

  1. 適用対象となる紛争
    第三者(以下「申立人」という)から、手続規則に従って紛争処理機関に対し、以下の申立があったときには、 登録者はこのJPドメイン名紛争処理手続に従うものとする。
    1. 登録者のドメイン名が、申立人が権利または正当な利益を有する商標その他表示と同一または混同を 引き起こすほど類似していること
    2. 登録者が、当該ドメイン名の登録についての権利または正当な利益を有していないこと
    3. 登録者の当該ドメイン名が、不正の目的で登録または使用されていること
    このJPドメイン名紛争処理手続において、申立人はこれら三項目のすべてを申立書において主張しなければならない。
  2. 不正の目的で登録または使用していることの証明
    紛争処理機関のパネルが、本条a項(iii)号の事実の存否を認定するに際し、特に以下のような事情がある場合 には、当該ドメイン名の登録または使用は、不正の目的であると認めることができる。ただし、これらの事情に 限定されない。
    1. 登録者が、申立人または申立人の競業者に対して、当該ドメイン名に直接かかった金額(書面で確認できる金額) を超える対価を得るために、当該ドメイン名を販売、貸与または移転することを主たる目的として、当該 ドメイン名を登録または取得しているとき
    2. 申立人が権利を有する商標その他表示をドメイン名として使用できないように妨害するために、登録者が 当該ドメイン名を登録し、当該登録者がそのような妨害行為を複数回行っているとき
    3. 登録者が、競業者の事業を混乱させることを主たる目的として、当該ドメイン名を登録しているとき
    4. 登録者が、商業上の利得を得る目的で、そのウェブサイトもしくはその他のオンラインロケーション、 またはそれらに登場する商品およびサービスの出所、スポンサーシップ、取引提携関係、推奨関係などに ついて誤認混同を生ぜしめることを意図して、インターネット上のユーザーを、そのウェブサイトまたは その他のオンラインロケーションに誘引するために、当該ドメイン名を使用しているとき
  3. 登録者がドメイン名に関する権利または正当な利益を有していることの証明
    申立書を受領した登録者は、手続規則第5条を参照し、答弁書を紛争処理機関に対して提出しなければならない。 パネルが、申立人および登録者の双方から提出されたすべての証拠を検討し、本条a項(ii)号の事実の存否を 認定するに際し、特に以下のような事情がある場合には、登録者は当該ドメイン名についての権利または正当 な利益を有していると認めることができる。ただし、これらの事情に限定されない。
    1. 登録者が、当該ドメイン名に係わる紛争に関し、第三者または紛争処理機関から通知を受ける前に、何ら 不正の目的を有することなく、商品またはサービスの提供を行うために、当該ドメイン名またはこれに対応 する名称を使用していたとき、または明らかにその使用の準備をしていたとき
    2. 登録者が、商標その他表示の登録等をしているか否かにかかわらず、当該ドメイン名の名称で一般に認識 されていたとき
    3. 登録者が、申立人の商標その他表示を利用して消費者の誤認を惹き起こすことにより商業上の利得を得る 意図、または、申立人の商標その他表示の価値を毀損する意図を有することなく、当該ドメイン名を非商 業的目的に使用し、または公正に使用しているとき

(5) 国内の不正競争防止法改正(2001年12月)

新設された不正競争防止法第2条第1項第12号

第12号
不正の利益を得る目的で、又は他人に損害を加える目的で、他人の特定商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、 標章その他の商品又は役務を表示するものをいう。)と同一若しくは類似のドメイン名を使用する権利を取得し、若し くは保有し、又はそのドメイン名を使用する行為

新設された不正競争防止法第2条7項

第7項
この法律において「ドメイン名」とは、インターネットにおいて、個々の電子計算機を識別するために割り当てられる 番号、記号又は文字の組合せに対応する文字、番号、記号その他の符号又はこれらの結合をいう。

(参考) アメリカ連邦商標法第45条のドメイン名の定義

「ドメイン名とは、インターネット上の電子アドレスとして、ドメイン名レジストラ、レジストリ、またはその他の登録機関 に登録された、またはそれら機関から割り当てられた英文字と数字からなる表示を意味する。」
(以上)

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