第2回インターネット・ガバナンスに関する研究会 議事要旨
日時: 2000年3月24日(金) 13:00-15:20
場所: 総評会館
----------------
司会: 荒野高志(JPNIC企画・国際部会)
議事次第:
1. 開会挨拶
2. 講演「.COMビジネスの現状とICANN認定レジストラについて」
(ロバート・コネリー氏;株式会社 国際調達情報 代表取締役)
3. ICANNエジプト会議報告
- 理事会会議 決議ハイライト(大橋由美;JPNIC国際課)
- At-Large Membership(同上)
- 新gTLD(坪俊宏;JPNIC企画・国際部会/JPドメイン名検討部会)
4. 質疑応答
5. 閉会挨拶
----------------
1. 開会のご挨拶(丸山)
2. 講演「.COMビジネスの現状とICANN認定レジストラについて」(コネリー)
資料 "Current situation surrounding gTLDs" に基づき説明があった。
○これまでの経緯
- NSIの独占から競争の導入へ
- AOL, CORE, France Telecom, Melbourne IT, Register.com の5社が
テストベッドレジストラとして採用された
- NSIとの契約が強力、大企業ほど難しい
- テストベッド期間は1999/4/16~6/24の予定だったが、たびたび延長
→ 最終的には9/30まで延長
- 1999/11にはICANN/NSI/米国商務省間で契約を締結
o 1999/5 のベルリン会議では「NSIはICANNを認めない」
→ 契約締結は画期的
o 課題
- whoisデータの提供
- www.internic.net を情報提供サイトとして運用
Internic は米国商務省の配下となる
ICANN認定レジストラのリストを掲載
- ICANNはDNSO, ASO, PSO によって支援されている
o DNSO Constituency: Registrar, gTLD(NSI), ccTLD, Business,
ISPCP, Non-commercial, Intellectual Property
o NSIは当初gTLDとRegistrarの両Constituencyに参加
- 当初の契約案からの改正点7点をLA会議で提案し、理事会で採用された
- NSIがVeriSignに買収されたことを商務省が認めない可能性も
○レジストラの現状
- 既にレジストラ業務を行っているところ
- ICANNから認定はされたが、業務を開始していないところ
- 申請は出されているが、まだ認定にいたっていないところ
○レジストラとレジストリの関係
- NSI registrY との契約
- NSIのレジストリに関するドキュメントがIETFに対して提出
RRP (Registry Registrar Protocol)
○紛争処理方針
- 商標に関する法律は消費者を保護するためのもの
- ドメイン名登録については商標保有者を保護していた
→ これまで消費者保護を忘れていた
- 統一紛争処理方針がうまく動くのかという懸念
o 商標保有者がこの方針をボイコットするという表明も
- 現在200件以上の申し立て
o mikimoto.com, niftyserve.net などに対する申し立てが出ている
o NSIは独自の紛争処理方針を持っていたが、2000/1/3よりUDRP採用
o ある程度落ち着いてくれば、申し立ては減るのでは
o サイバースクワッティングではお金にならないとわかれば、
投機的なドメイン名登録は減るのでは
- サイバースクワッターはつかまらないようにレジストラを頻繁に変える
そういったことを防止する仕組みも必要
○ICANN認定レジストラになるには
- 登録申請書、登録料($1,000)
- 保険、登記簿謄本などを提出する必要(すべて英語)
- $70,000のworking capotal requirement
- 認定された後、年会費$5,000
- NSIとの契約
o NDA(ソフトウェアライセンス料)
o Shared Registry System のライセンス料 $10,000
o Performance bond $100,000
o 登録ドメイン数に応じた登録料
[質疑応答]
- "Sunrise Period" について
o 著名商標保有者に対して、5つまで事前登録を許可する制度がSunrise Period
特別な料金制度
o Sunrise Period に対して反対であるという意見を聞いたが?
Sunrise Period に関する説明も必要なのでは
→ 反対しているというわけではない
WG-B で著名商標の扱いについて検討中
フィルターでブロックすることはできるが、技術的な問題がある
Sunruse Priod の間に登録を行うのはレジストラ側
料金設定についてはレジストラ側で決められるようにするべき
「著名商標とは何か?」という議論
カテゴリーに関係なく有名なもの
商標登録がされてない国でも保護されるべき
著名商標リストの作成をICANNがWIPOに依頼
- レジストラになるときに必要な$70,000は毎年必要なのか?
→ $70,000 は運営資本という位置付け
すべての経費を支払った後で$70,000残っているという証明が必要
参入を制限しようとするつもりではない
3. ICANNエジプト会議報告
3-1. 理事会会議 決議ハイライト(大橋)
資料「ICANN最新情報 - カイロ会合報告 -」に基づき説明があった。
3-2. At-Large Membership(大橋)
資料「一般(At-Large)会員について」に基づき説明があった。
- 一般ユーザの意見を反映させるための仕組み
- ICANNのAt Large Membershipサイトで入会申し込み受付中
3-3. 新gTLD(坪)
資料「新gTLD関連の動き」に基づき説明があった。
- 新gTLDを作るためには紛争処理方針と著名商標の保護が必要という
暗黙の了解
o 紛争処理方針はすでに実施
o 著名商標の保護については平行して検討中
4. 質疑応答
- 横浜での理事会がどのようなものになるのか?
→ 大まかなスケジュールはICANNのウェブに掲載
細かい会議スケジュールは順次決まっていく予定
5. 閉会のご挨拶(荒野)
- 次回研究会は4/20前後に開催予定