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資料3 日本におけるインターネットガバナンス関連活動の経験と課題

2021年5月20日(第1版)

1 インターネットガバナンス議論の場の要件

確立された要件定義はないと思われるが、 インターネットガバナンス議論の場は、 次の要件を満たす必要があると整理できると考える。

  1. インターネットの運用もしくはインターネット上の活動に関する領域
  2. 運用や活動に関する「ルール作りの仕組み」や「ルール内容」がテーマ
  3. マルチステークホルダー(当事者であるステークホルダー全体)が主体的に関与
  4. 活動が、Open、bottom-up、inclusive、transparent

2 これまでの国内のインターネットガバナンス関連議論の場

上記要件を満たしつつ(もしくは、満たすことをめざしつつ)、 インターネットガバナンス関連と銘打って情報交換や議論が行われている場としては、 次のものがある。 (他にも存在するかもしれないが、本資料作成に関わった者は感知できていない。)

(1) ICANN報告会

2001年~ 年3回

Web: https://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report (アジェンダ、資料、動画)

  • 主催:JPNIC(2017まではIAjapan共催)
  • 企画:JPNIC事務局

ICANNの所掌範囲であるインターネット資源(特にドメイン名)に関連するルールをICANNの場でグローバルに議論するにあたり、 議論状況を日本国内に伝え、 また逆に日本国内での意見をグローバル議論の場に持って行くことを趣旨とする。 ICANN報告会の企画は、JPNIC事務局が関係者の意見を聞きつつ行っている。

開始当初から、ICANNでの新gTLD創設議論が活発であった2011年頃までは、 ICANN参加者と聴衆の間での活発な質疑応答や意見交換が存在していた。 しかしそれ以降は、 ICANN参加者から聴衆に情報が共有されるだけの一方通行と言っていい状況になってきている。

(2) IGTF(インターネットガバナンスタスクフォース)

2004年~ 2006年頃まで活動

Web: 現存せず

  • 会員:IAjapan、JAIPA、JPNIC、JPRS、数名の有識者
  • 事務局:ハイパーネットワーク社会研究所が受託
  • 企画:マルチステークホルダーを意識した構成のチーム

2003年頃のWSIS、 WGIGでの世界的なインターネットガバナンス議論開始の高まりを受け、 日本国内での情報交換および国際的議論への参加の土台となることをめざし、 国内のインターネット関連組織と有識者が中心となり創設したタスクフォース。

2006年10-11月の第1回IGF(インターネットガバナンスフォーラム)の開催時期まで、 国際的インターネットガバナンスの場への意見提起をし、 また、WISIS、 WGIGを中心としたインターネットガバナンス関連国際状況に関する国内報告会を企画、 開催した。

(3) IGF-Japan

2010年~ 年1回(ほぼ) グローバルIGF報告会はIGF2019よりJapan IGFに統合

  • 主催:JAIPA
  • 企画:マルチステークホルダーを意識した構成のチーム
    固定的なものではないが、以下のメンバーが企画に参加してきた。
    Tadahisa Hamada JCAFE Civil Society
    Izumi Aizu Institute for InfoSocinomics Civil Society
    Adam Peake GLOCOM Civil Society
    Keisuke Kamimura Daito Bunka University Academia
    Masanobu Katoh Xinova Japan GK Business
    Takashi Kimura NIFTY Business
    Yoshihiro Obata BizMobile Inc. Tech/Business
    Toshiaki Tateishi JAIPA Tech/Business
    Taketsune Watanabe JAIPA Business

2006年から始まったグローバルIGFでの議論に呼応して日本国内の議論を喚起し、 グローバルな議論の状況を日本国内に伝え、 また日本国内での意見をグローバル議論の場に持って行くことを趣旨として2010年の事前会合を経て、 2011年にJAIPAが主体となって第1回全体会合を開催し発足。事務局はJAIPA。

2012年にAPrIGFを東京で主催し、 その後2018年まで毎年1回全体会合や報告会を開催してきた。 以降はJapan IGFの発足に伴い、JPNICと共催で会合や報告会を開催。 グローバルIGFにも代表が参加し、日本の主張を展開し議論に参加している。 JAIPAの活動は下記にまとめられている。
 https://www.jaipa.or.jp/topics/igf-japan/

(4) IGCJ (日本インターネットガバナンス会議)

2014年~ 年数回(ほぼ) グローバルIGF報告会はIGF2019よりJapan IGFに統合

Web: https://igcj.jp/ (アジェンダ、資料)

  • 主催:なし
  • 事務局:JPNIC
  • 企画:IGCJを考える会 (公募により構成。現在の構成は以下。)
    • 大橋 由美(個人)
    • 木下 剛(IAjapan)
    • 田畑 伸哉(総務省)
    • 堀田 博文(JPRS)

狭い意味でのインターネットコミュニティ(インターネット黎明期を作った人達+インターネット運用業界)よりもさらに広い人が集まり、 インターネットコミュニティ主導でないことを体現するために、主催団体を定義せず、 コミュニティ自身が主催する個人の集まりというコンセプトで、 会合+メーリングリストを構成した。 さらにテーマや議論モデレータは参加者から募り、 会合を頻度高く(当初は2か月に1回)開催し、 トータルでインターネットガバナンスに関与する人とテーマを増やすことを指向した。

当初は、募ったテーマ、グローバルに行われている議論を日本にも取り込むことにより、 集まる人とテーマが広がった。しかし、徐々に

  • 扱うべきテーマのバラエティが縮小
  • グローバルなテーマの重心が市民社会にとっての懸念事項に移行

という傾向が増すに伴い、集まる人数、発言する人数、開催頻度が減ってきた。 この傾向に鑑み、グローバルIGF報告会はIGF2019より(5)のJapan IGFに統合。

(5) Japan IGF

2016~ Japan IGFを冠とする正式会合は未開催であるが、 同概念の元で2019年2月より年1-2回の会合を開催

URL: https://japanigf.jp/ (アジェンダ、資料)

  • 主催:未定
  • 企画:当初の企画チームはIGF JapanとIGCJの企画チームの和集合+グローバルIGF参加者の中の有志。 具体的には、
    Tadahisa Hamada JCAFE Civil Society
    Hironobu Hayashi JPNIC Tech
    Hiro Hotta JPRS Tech
    Keisuke Kamimura Daito Bunka University Academia
    Masanobu Katoh Xinova Japan GK Business
    Tsuyoshi Kinoshita IAjapan Business
    Akinori Maemura JPNIC Tech
    Yoshihiro Obata BizMobile Inc. Tech/Business
    Yumi Ohashi ICANN Japan Liaison Tech
    Shinya Tahata MIC Government
    Toshiaki Tateishi JAIPA Tech/Business
    Taketsune Watanabe JAIPA Business

前述のIGF JapanとIGCJは、相互に独立した活動であり、 企画や運営にかかるリソースが大きく、またアイデア創造力が分散している、 という分割損もあり、双方とも活動が縮小してきていた。 そこで、日本の総和としての活動力を増強するために、 両活動を統合しさらに他団体等も巻き込むことをめざして、 NRIとして存在すべきJapan IGFの始動、将来形の検討を始めた。

2016年当初は、 グローバルIGFと情報交換において連携可能な体制をまず日本国内に作ることを判断し、 当時明示的に存在したIGF JapanとIGCJの企画チームの和集合を核に、 今後の日本でのNRIの在り方を検討することとした。

しかし、他団体等も巻き込んだJapan IGFの形態についての検討・推進が具体進行しておらず、 まだJapan IGFのチャーターも熟していない。 それに伴い、Japan IGFとしての正式な会合は開催できていない。 その代わり、暫定的に、IGF2018以降、 Japan IGFの企画チームとグローバルIGF参加者が原動力となり、 IGF年度報告会およびIGF事前会合を企画し、開催してきている。

特に2010年台半ばからグローバルIGFのテーマの重心がアクセシビリティや人権に移行してきており、 IGF参加者も市民社会系の人が増えてきている。 よって、テーマは活動は日本の状況を端的にとらえたものから離れてきたため、 国内組織から出張で参加するのが従来より難しくなってきている。 また、日本では市民社会があまり組織化されておらず、 さらに海外会議に参加することが少ないと考えられるため、 その人達へのリーチすら難しい状況と考えられる。

なお、グローバルIGF事務局との連絡、 日本国内のインターネットガバナンス活動状況紹介を行うcontact personとして奥谷泉さん、 後に上村圭介さんを指名したが、 このcontact personに多くの仕事(定期的な会合への参加、 アンケートへの回答など)を任せっきりになっている。 上村さんが2020年6月に辞意を表明して以降、Japan IGFのcontact personは不在。

3 これまでに判明した主な課題

  1. これまでの活動は、狭い意味でのインターネットコミュニティが中心となっており、 特に、市民社会、技術提供企業、インターネット利用企業、 政府を十分に巻き込みができていない。 この巻き込みは、狭い意味でのインターネットコミュニティ中心のボトムアップの企画、 アウトリーチ活動では困難である。
  2. 個人ボランティアを起動力とする活動は、当初こそスピード感はあるが、 能力および持続力に限界がある。 予算を持つ責任組織および責任者を核に据えないとサステイナブルな活動は困難であると考えられる。 しかし、その解決は、 これまでに民間でIGFに関わってきた者の個人レベルを中心とした活動が続くと仮定すると難しく、 政府の力や、 政府の声がけにより集まった方々の力(例えばIGF2023実行委員会の力)が必要と考える。
  3. グローバルIGF事務局とのcontact personを強力にサポートする継続力ある体制が人的、 資金的に必要である。
  4. 個人ボランティアレベルでの活動であるとすると、 グローバルIGFに日本人が一定数参加するのは、組織内の人であれ、市民社会の人であれ、 組織内説明的にも人のリソース的にも資金リソース的にも今後は継続が難しいと考える。

以上

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