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ニュースレターNo.25/2003年11月発行

第1回JPIRR BoFレポート

JPIRR BoF 会場の様子

2003年7月24日に、札幌パークホテルにて第1回JPIRR BoF※1を開催しました。今回のBoFは、JANOG 12 Meeting(P36参照)と同じ会場で開催されたこともあって、ネットワークオペレーターの方々を中心に約60名の参加がありました。JPIRRの現状報告をはじめとして、IRR企画策定専門家チーム※2の研究調査活動の紹介、参加者と専門家チームメンバーとの意見交換などが行われました。今回は意見交換の模様を皆様にご紹介します。

当日行われたプレゼンテーションの資料
http://www.nic.ad.jp/ja/materials/irr/20030724/

JPIRRとは、日本におけるIRRの必要性の検証を目的として、IRR企画策定専門家チームが実験的に運営している、Internet Routing Registry(=IRR)のことです(IRRについて詳しく知りたい方は以下のURLをご覧ください)。

JPNIC News & Views vol.63
特集 「IRRとは何か」
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/vol063.html

IRRを利用して経路フィルタを作成する取り組みについて

IRRのデータベースの中には、AS※3間でやり取りされる経路情報を表すルートオブジェクトと呼ばれるものがあります。ネットワーク上のそれぞれのルータが、IRRのデータベースにあるこのオブジェクトを利用して、経路フィルタを作成することについて議論が行われました。

経路数が年々増加する状況の中で、経路の一つ一つをルータに登録するよりもIRRのデータベースを元にフィルタを作成して、より効率的でより正確に経路制御を行うことが期待されています。しかし、厳密にフィルタをかけると現実的な運用が難しくなってしまいます。逆に、フィルタを緩やかなものにしてしまうと、フィルタをかける意味が損なわれてしまう、といった経路フィルタの精度についての意見が多く集まりました。

その他には、ASマクロオブジェクトと呼ばれる、複数のASをまとめて表すオブジェクトを併用すると、より柔軟性の高い経路フィルタを作成することが可能ではないか、という意見がありました。この経路フィルタについては、JPIRRユーザーの協力を得て実証実験を行う予定になっています。

IPアドレス管理指定事業者に対してアドレスブロックの割り振りを行う際にアドレスブロックの情報をIRRへ自動的に登録をすることについて

JPNICがIPアドレス管理指定事業者に対して、アドレスブロックの割り振りを行う際に、ルートオブジェクトをIRRのデータベースに自動的に登録するのがIRRの有効利用の点から考えても効果的ではないか、という意見がありました。

ルーティングの運用情報を蓄積したIRRと、IPアドレスなどの番号資源の管理情報を蓄積したwhoisの2種類のデータベースがありますが、JPNICではこれらをそれぞれ別々に運用しています。RIPE NCC※4やAPNIC※5では、IRRとwhoisのデータベースを統合して運用を行っていますが、割り振りを行ったアドレスブロックのルートオブジェクトの登録を自動的には行っていない、という各レジストリにおけるIRRとwhoisについての現状報告がありました。

基本的な立場としては、レジストリのオペレーションはルーティングのオペレーションとは結びつかない運用をしており、ネットワークの運用に携わるオペレーターの方々の意見が反映されていないことが、問題として取り上げられました。JPIRRでは、ユーザーのオペレーションにIRRをどのようにバインドさせていくかについて、ユーザーの意見に耳を傾けながら、今後も検討を重ねていきたいと考えています。

古い情報や誤った情報を削減するための取り組みについて

登録されている情報が正しくないオブジェクト(いわゆる“ごみオブジェクト”)が増加する問題に対して、JPIRRに限らず、RADB※6などではどのように対応しているのか、という質問がありました。

IRRサービスを提供して長い歴史のあるRADBでは、実際に経路広告をしている情報と予備の情報として、複数個のルートオブジェクトを登録するケースがあるということです。JPIRRでは、サービスを開始してからの期間が短いためこのようなケースはまだ見受けられませんが、今後情報が蓄積されるにしたがって、実際に経路広告されている情報と整合性の取れなくなっている状態で登録されているオブジェクトが、多く発生するであろうと考えられています。

オブジェクトに有効期限を設定して、一定期間ごとに更新させるような仕組みを導入することも提案されましたが、正しい情報を登録しているユーザーに対してにも更新をさせるような仕組みにしてしまうと、情報は正確に保たれますが、オペレーターの仕事は逆に増えてしまうことが懸念されます。

そこで、定期的にルータの経路情報とIRRのデータベースとを比較をして、明らかに古い情報や誤った情報であることが確認できるオブジェクトに対して、そのオブジェクトの管理者にメールで通知する仕組みや実装が必要になるであろう、という結論になりました。

この他には、as-in/as-out情報の信頼性を向上させる点について、および他IRRとのミラーリングの際に結ぶ取り決めについて、意見交換が行われました。


予想を上回る大勢の皆様に参加していただき、事前に準備した資料と会場の椅子の残り具合を心配しながらも、最後まで滞りなく終えることができました。活発な意見交換の中から、ネットワークオペレーターの方々の考えている課題や、IRRに実装して欲しい機能の要望など、さまざまな意見を伺うことのできたよい機会となりました。今後も、ネットワークオペレーターの方々の声を、JPIRRの運営に反映させていきたいと考えておりますので、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

最後になりましたが、朝早くからの開催にもかかわらずご参加いただいた皆様に、この場を借りて感謝申し上げます。

(JPNIC IP事業部 川端宏生)


※1 BoF: Birds of a Feather
形式にとらわれずに、関心のあるテーマごとに集まって議論をするミーティングのこと
※2 IRR企画策定専門家チーム:
http://www.nic.ad.jp/ja/irr/
※3 AS:Autonomous System
統一された運用ポリシーによって管理されたネットワークの集まり
※4 RIPE NCC:Reseaux IP Europeens Network Information Centre
主にヨーロッパ地域を担当する、地域インターネットレジストリの一つ
※5 APNIC:Asia Pasific Network Information Centre
主にアジア太平洋地域を担当する、地域インターネットレジストリの一つ
※6 RADB:Routing Assets Database
Meritという米国の研究機関によって運営されているpublicなIRRの一つ
http://www.radb.net/

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