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ニュースレターNo.30/2005年7月発行

ICANNマルデルプラタ会議報告
~初めてのICANN会議~

はじめに

ICANN理事長 Vinton Cerf氏とAfriNICスタッフたち
ICANN理事長 Vinton Cerf氏と
AfriNICスタッフたち

2005年4月4日から8日まで、アルゼンチンのマルデルプラタで開催されたICANN会議に出席しました。理事会の決議事項については、「ICANNマルデルプラタ会議」をご覧ください。本稿では会議の概要をお伝えしたいと思います。

今回のミーティングは、ICANN事務総長兼CEOであるPaul Twomey氏が病気療養による不在の中で行われました。会議の冒頭では、「会議の成功を祈る」というPaul Twomey氏からの手紙が読み上げられました。

ICANN Strategic Planを巡る議論

今回のICANN会議では、会期直前の3月28日にICANNから出された「Strategic Plan バージョン7」※1を議論するセッションが3つプログラムの中に組み入れられており、結果今回の会議の大きなトピックとなっていました。この他にも、GNSO※2配下の各部会(Constituency)でも、このペーパーについての議論がなされていたようです。

コメントの内容は、各々の立場によって実に様々で「会議直前に出されてもコメントが難しい」「70ページにも及ぶ文書を英語で出されて、英語でコメントすることを強いるのは、ネイティブでない人々にとって厳しい」等、手続きに関するものが比較的多い印象を受けました。
今回の会議ではStrategic Planの議論に終始し、この文書に関する決議や修正等が行われることはありませんでした。

WSIS※3 Workshop

今回のWSISに関するセッションは、パネルディスカッション形式となりました。前半は南米各地の技術者をパネリストにしての議論で、後半はWGIG※4事務局長のMarcus Kummer氏はじめ政府関係者を招待しての議論でした。

前半のパネルディスカッションはどちらかというと、それぞれの国におけるインターネット発展の歴史を紹介することに時間を費やしたのに対し、後半の部ではWGIGの中で行われている議論についての質疑が活発に行われました。

この中でICANN理事長のVinton Cerf氏が「WGIGの活動は『新しい組織を作る』ということが主眼ではないはず。仮に作ったとしても、その組織がインターネットに関する全ての問題を取り扱えるとは思えないし、決してそうするべきではない」と繰り返し主張していたことが印象的でした。

また、会場より「WGIGはもう何度も会合を持っているが、時間の無駄ではないか」とのコメントが出され、これにはMarcus Kummer氏が「途上国がこのような問題に関して議論の場を持つことこそが大切」と回答するなどのやりとりが行われました。

「.net」後継レジストリ選定について

これもStrategic Plan同様、会議直前の3月28日にVeriSignを1位とする選定報告書が提出されました。本件については、会期中ICANNからも状況報告がなされましたしたが、報告書中の評価内容の詳細には触れず「申請組織は全て.netを運用する能力があった」との選定報告書の一節を紹介したうえで、独立した評価組織が1位と評価したVeriSignとの交渉を開始したことを報告するにとどまっています。

最終日・理事会

最終日の理事会は本来8時スタートの予定でしたが、「ヨハネ・パウロ2世の葬儀に重なる」という理由で、1時間半遅れのスタートとなりました。

理事会の決議内容は既にご案内した通りですが、他の議案は理事の挙手によっての採決だったのに対し、AfriNICのRIR正式承認の決議に際しては、理事長であるVinton Cerf氏の決議の求めに対し、理事全員、そして会場がスタンディングオベーションで応え、承認セレモニーに移っていったことが印象的でした。

また、決議とは別に、現在審査中となっているsTLD※5のうち、「.asia」と「.xxx」については、30日以内に理事会として何らかの結論を出す旨報告がなされています。

最後に

私は今回が初めてのICANN会議出席でしたが、これまで出席していたRIRの会議とは進行も雰囲気もずいぶん違うなというのが率直な印象です。

RIRではある特定のポリシー提案に対して技術的な議論をし、賛成か反対かを比較的短時間(ひとつの提案に対し、せいぜい30分)に決めていくのに対し、ICANN会議ではあるトピックに関し、延々と議論が続きます。また、会議参加当事者の関与具合によって、実にいろんな視点からのコメントがなされます。議事録に残すためだと思うのですが、あらかじめノートPC上に用意してあるコメントを延々と読み上げる人もいました。

ICANNの予算案や事業計画、sTLDの決定等、ビジネス上の利害に直結する議題を扱う以上やむを得ない面があるかとは思いますが、そうした大会議場での議論でなされるコメントがどこまで反映されるのかは、今後の動きを注意深く見ていく必要があります。

JPNICはこれまでもICANN会議への出席を通じ、世界的なインターネット資源管理ルール策定作業への参画を果たしてきましたが、今後も引き続きICANNの様々なレベルでの議論に加わっていけるよう、努力していく所存です。

(JPNIC インターネット政策部 穂坂俊之)


※1 Strategic Plan バージョン7:
http://www.icann.org/strategic-plan/strategic-plan-v7.pdf
※2 GNSO:Generic Names Supporting Organization(分野別ドメイン名支持組織)
ICANNの基本構造となる三つの支持組織(Supporting Organization:SO)の一つであり、分野別トップレベルドメイン(generic Top Level Domain:gTLD)に関するポリシーを策定し、ICANN理事会への勧告を行う役割を負っている。
※3 WSIS:World Summit on the Information Society(世界情報社会サミット)
情報社会をテーマとした国連サミットであり、 第1回目は2003年12月にスイス・ジュネーブにて開催された。第2回目は2005年チュニジア・チュニスにて開催される予定。
※4 WGIG:Working Group on Internet Governance
2003年12月にスイス・ジュネーブで開催された第1回目の世界情報社会サミット(WSIS)を受けて、国連事務総長の下に設置されたワーキンググループ。WGIGでは、インターネットガバナンスの問題を、WSISとは別の枠組みで幅広い関係者が参加した上で検討することを目的としており、2005年のチュニスサミットに向けて、インターネットガバナンスに関する調査および(必要な場合には)行動提案を行うことになっている。
※5 sTLD:sponsored Top-Level Domain(スポンサー付きトップレベルドメイン)
特定の業界・分野内に運用が制限されたトップレベルドメインで、登録ポリシー等を決定するスポンサー組織がレジストリとは別に存在する。現在は、.museum(博物館、美術館等用)、.aero(航空運輸業界用)、.coop(協同組合用)の3つがある。

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