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ニュースレターNo.36/2007年7月発行

巻頭言:社会インフラとしての重み

JPNIC理事/小林洋

「Everything over IP」というフレーズが盛んに言われ始め、実際にその流れが加速し始めたのは1998年から1999年の頃です。最初にこのフレーズが提起されたのは、1998年7月にジュネーブで開催されたINET'98でのVintonCerfのキーノートスピーチにおいてと言われています。データ、音声、映像等さまざまな通信アプリケーションを何でもIPネットワーク上に乗せることによって、効率的で経済的なネットワークを実現させようというものでした。

この言葉に乗せられたというわけではありませんが、その後のインターネットは貪欲にありとあらゆるアプリケーションを吸収してきました。Eメールや情報検索が中心だったものに、チケット予約、インターネットショッピング、インターネットトレーディング、インターネットバンキング等々が加わり、さらにはVoIPや映像ストリーミングが日常的に流れるようになり、徐々に「切れては困る」社会インフラとなってきました。

私自身1999年の時点で、いくつかの通信事業者の通信サービスが全てIPネットワーク上に乗って提供されるようになるが、それは早くとも2010年以降であろうと予測しました。実際はそれよりも速いペースで進んでいます。

昨今では、「トリプルプレイサービス」を提供するということで、公衆電話サービスやマルチキャストのTVサービスが、IPネットワークの上を流れるようになってきました。NGNの先駆けです。こうなるとインターネットで慣れ親しんだベストエフォートという免罪符は、全く意味をなさなくなります。利用者にとってはこれまでの電話、TVのサービス品質と同等もしくはそれ以上かどうか、また常に使えるのかどうかが関心事なのです。さらには「110番」、「119番」への緊急通報も扱っていかなくてはなりません。もはやネットワークは全く停められないのです。社会インフラを支えるようになったIPネットワークに課せられた要求条件は大変重いものになっています。

ルータ1台の障害や、たった1ヶ所のデータ設定誤りが、IPネットワークの長時間停止をもたらすという事故が国内でも続いています。社会インフラを支えるこれからのIPネットワークには、1台の障害が近接のルータに与える影響を最小にするための技術や、OSバージョンアップを瞬断レベルで実行する技術など各種のHA(High Availability)技術を導入して、「頑強な」ネットワークに生まれ変わることが求められているのです。

このような中で、JPNICはIPネットワークのIPアドレスを配布するという大事な役目を果たしています。アドレスの配布もルールを守らなければ、非常に細切れのルートを作ることになりかねず、IPネットワークの経路制御に負担を強いる結果になってしまいます。また、その配布ルールを策定するときにも、如何にしてIPネットワークを安定的に維持するかの熟慮が必要です。社会インフラとなってきたという重みを日々感じながら、事に当たっていきたいものです。


執筆者近影 プロフィール●小林洋 (こばやし ひろし)
1977年東京大学大学院修士課程(電気工学)修了。同年4月よりKDD株式会社に勤務。以来、主として同社のデータ通信分野に従事し、X.25網、フレームリレー網、ATM網、IP網等の構築を担当する。1997年の日本インターネットエクスチェンジ株式会社(JPIX)設立を企画し、2000年6月から2002年3月の間、同社社長を務める。現在はKDDI株式会社において設備運用本部長の職にあり、FTTHから携帯インターネットまでのIPネットワークの品質維持・向上に努めている。2006年6月JPNIC理事に就任。

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