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ニュースレターNo.39/2008年7月発行

巻頭言:五月の連休に、徒然なるままに

JPNIC理事/高瀬 哲哉

この巻頭言を5月の連休中に執筆しています。4月の桜も良いですが、5月も本当に美しい季節です。若葉の色とはこんなに新鮮なものかと感動します。普段は、自然の美しさを感じる余裕もないのかもしれません。

連休中、私の住んでいる小田原ではお祭りが行われます。小田原は、その昔北条早雲の城下町で、現在でも北条家五代の栄華をしのぶ「北條五代祭り」や各神社のお祭りが催されます。私の町内もお祭りで、朝からずっと酒浸りです。普段とは違う、町内の人達とのふれあいであり、さまざまな年齢と職業の人達の集まりです。ここではよく職業を聞かれますが、「Internet関係」と答えると、みんなすぐに納得してくれます。Internetが生活に密着していることを感じます。

お祭りの合間を縫って、たまには読書でもと本も読んでみました。読んだ中には、人類の歴史・発展に関する本もあり、そこには人類を進歩させてきた重要な仕組みの一つに「知識の蓄積と流布」が挙げられていました。これがないと「改良」ということがなく、人類の進歩は「ない」か「甚だ遅い」ということです。この仕組みに貢献してきた媒体には、さまざまなものがあります。「紙」「印刷機」「本」「電信・電話」「ラジオ・TV」……、そして言うまでもなく、20世紀最後の大革命は、「The Internetの登場」でしょう。Internetは、まさしく「人類の叡智の宝庫」となっています。

しかし残念なことに、SpamやPhishing、情報流出、有害サイト、誹謗・中傷等の暗い面もつきまとい始めています。便利さには反面、不都合もつきものかもしれませんが、どうも実社会・実空間と違うのは、互いに自分の姿を見せていないために罪悪感が希薄であり、被害にも気付きにくいことのように思います。

人類を進歩させてきた他の大きな要素に、「あくなき欲望」というものがあります。これの悪い面としての「性悪性」が、Internetの世界では強く現れる傾向にあるように思います。また技術力の差によって得手不得手が大きく分かれる面もあり、例えば先の町内会で会う人達の中には、Internetの危険性等をあまり認識されてない方が多いように感じられます。 我々はこの種の負の面を乗り越えて、Internetの発展を継続する必要があります。「人類の叡智の宝庫」であるInternetは、安全なものであることがまず必要です。道路も一般道路で都合が悪くなれば専用道路や高速道路が造られるように、Internetでもさまざまな工夫があるでしょう。Internetへの参加者の可視化も必要かもしれません。技術的には、今後IPv6アドレスの利用も本格化して量的余裕も出てきますし、改善の可能性はおおいにあります。新たなInternet時代の幕開けは、これからかもしれません。

もう一つ。米国のTVドラマ『24-TWENTY FOUR-』が好きで、新しいシリーズを待ち望んでいますが、このドラマを見るたびに、自分のめざす通信のモデルがここにあるように思えてきます。内容としては、テロリストと特殊部隊の話なのですが、さまざまなデータベース、各種地図、ビル設計図、衛星映像まで自由自在に検索し、分析し、決断し、現場の突入チームに連絡し、突入する場面が何度となく出てきます。通信の要素を除いたら、このドラマは成立しないことをお分かりいただけると思います。

「素早く大量のデータを収集・分析し、実行すべきことを決定し、現場に通知して行動する」というドラマの展開は、通信を活用した社会活動の基本モデルであると思います。このドラマの世界も既に半分以上は現実化していますが、ぜひ完成させたいものだと考えています。

さて、徒然なるままに過ごしてきた連休も終わりのようです。この間に考えたことを少しでも実現すべく、また忙しいInternetの世界に戻り、頑張りたいと思います。


執筆者近影 プロフィール●高瀬 哲哉 (たかせ てつや)
1980年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。同年日本電信電話公社入社。現NTTコミュニケーションズ(株)理事・ブロードバンドIP事業部長。入社以来、一貫してデータ通信サービスの企画開発に従事。現在は、企業向けインターネット、IP-VPN、広域イーサネット、VoIPサービス等を担当。

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