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ニュースレターNo.43/2009年11月発行


インターネット 歴史の一幕:
第1回 日本インターネットミーティング(IP Meeting'90)

日本インターネットエクスチェンジ株式会社 代表取締役社長 石田 慶樹

Internet Weekの前身であるIP Meetingの第1回が開催されたのは、今から20年近くも昔の1990年6月22日(水)13:30からで、場所は開設間もない慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の本館4階大会議室においてでした。開催の呼びかけ人である幹事に連なっているのは、高田広章さん(当時東京大学、現名古屋大学)、平原正樹さん(当時九州大学、故人)、そして加藤朗さん(慶應義塾大学)の3名でした。参加者数は当時のメモによると58名、関東圏を中心に仙台、広島や福岡などからも、当時は現在ほど交通の便がよくなかったSFCに参集しました。

当時はWIDEやTISN(Todai International ScienceNetwork:東京大学理学部国際理学ネットワーク)の海外リンクが接続してしばらく経っており、日本が海外ともIPで接続されたインターネットの一員になり、さらに国内においても大学などの学術系を中心として、IPネットワークが全国に整備され始めた頃となります。また、同じ年の10月には、JNIC(JPNIC)の母体となったJCRN(Japan Committee for Research Networks:研究ネットワーク連合委員会)が設立されています。

そのような状況で開催されたミーティングでは、プログラム参加者全員の自己紹介で始まり、次に国内で主要なネットワークを構成していたWIDE、HEPNET-J(High Energy Physics NETwork:高エネルギー物理学研究用ネットワーク)、TISNの概要紹介が行われました。それからは休憩を入れつつ、技術的な課題について議論が交わされました。技術的な課題として話されていたのは、海外リンク、ネームサーバ(DNS)、ルーティングについてです。このルーティングとDNSはインターネットの根幹をなす技術であるだけに、中身にはずいぶん変化があったにせよ、トピックとしての重要性は昔も今も変わっていないということを表しているようです。最後にNetNewsの配送経路(NNTPリンク)の整理についてと、IGP(Interior Gateway Protocol)として新鮮味があったOSPF(Open Shortest Path First)の説明がなされています。また、会議の最後に翌年コペンハーゲンで開催のINET'91のアナウンスが行われたこと、さらにその次の年のINET'92が神戸で開催される予定であり、INET'92を成功させるためにもIP Meeting参加者の協力が不可欠であるとの期待が、村井純さんより語られたのではないかと記憶しています。そしてミーティング終了後は、できたてほやほやのSFCの計算機環境を紹介するツアーが行われた後、別の会議室でスナックと缶ビールでの簡単な懇親会が開催されました。懇親会が終わってからは、大多数の人が藤沢駅近くの居酒屋まで移動し、一部の人たちはそのまま藤沢のホテルに宿泊していました。

このIP Meetingの2回目は、翌1991年11月18日に上智大学の図書館にて134名と第1回の倍以上の参加者で開催されており、この場でJNICの発足についてのアナウンスが行われています。さらに、当初の計画通り翌1992年6月16日~18日に、INET'92が神戸国際会議場で開催されています。そして、IP Meetingが後にInternet Weekに発展していくことになりましたが、その歴史についてはP.2からの特集1「『Internet Week 2009 ~インターネットの進化論~』秋葉原でいよいよスタート!」など、既に書かれている別稿に譲ります。

IP Meeting'90の開催当事、筆者は学内ネットワークの建設構築運用に関わり始めたばかりで、そのネットワークがWIDEやTISNにとって重要な位置にあったことから誘いを受け、興味津々で参加することにしました。会議自体は熱気あふれる感じであったというよりも、むしろこれから起こる未来に関しての静かな知的好奇心に満ちたものであったとの印象を持っています。この第1回の開催後、いろいろな経緯から筆者自身がIP MeetingやInternet Weekといったイベントの運営に関わることとなったのは、やはりこれに参加した経験によることが大きいと考えます。また最近になっても、日本DNSオペレーターズグループ(DNSOPS.JP)のBoFや、IPv6オペレーションズフォーラムといったイベントを、割に手作りに近い形態で開催しているのも、当時のイベントの記憶があるからかもしれません。

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