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ニュースレターNo.52/2012年11月発行

本当にインターネットは災害に強いか?

JPNIC理事 高田寛

東日本大震災の発生から、原稿執筆時点で1年半以上が経過しました。大きな余震は収まってきたようにも見えますが、地震、火山国である日本においては、次の災害がいつ、どこで起きるのかを予測することは困難です。

東日本大震災発生当日である2011年3月11日は、ちょうど秋葉原でJPNICの総会が開かれていました。揺れは大きかったのですが幸いにも怪我人もなく、理事長が延会の判断をした後は免震の別棟に移ることができ、そこで数々の対応をすることができました。

携帯電話は発信規制がかかったためほとんど使用することができず、またテレビのニュース等も混乱していましたが、携帯電話のパケット通信やデータ通信専用端末は(一部アクセスが集中してつながりにくいサイトはあったものの)ほぼ通常通りに利用できたため、インターネットを介した情報収集、私が管理しているデータセンター設備の稼働状況、某掲示板に次々に入ってくる被害状況などを知ることができました。

ご存知のように、インターネットは「何らかの回線を通じてIPデータグラムを宛先(=destination address)に伝送する」という基本的機能で成り立っています。中継をしている各々のルータでは、その時点で自分が持っている経路表に従って各データグラムを次の中継点に伝送するので、どこかで障害が発生しても自動的に経路表が書き換えられ、「宛先に対する経路が全くなくなってしまう」という状況にならなければ、通信は継続されます。大部分の接続事業者(=ISP)やデータセンター事業者(=DC)は障害時にも通信が継続されるように複数の経路を持って運用しているため、少々の障害では全断になることは防がれています。また、TCPの場合には、個々のエンドノードが輻輳を検知して通信速度を調整するため、障害によってある宛先に対しての通信容量が減ってしまっても、遅くはなりますが、通信は継続されます。このような仕組みが「災害に強い」という伝説のゆえんになっていますが、次の災害でも必ずインターネットが使えるかというと、そうでない可能性もあります。

  • 東京、大阪の大規模回線集約施設が甚大な被害を受けた場合
  • ネームサーバおよびネームサーバに至る経路に甚大な被害を受けた場合
  • ISPやDCが回線障害により孤立してしまった場合
  • 国際海底ケーブルが甚大な被害を受けた場合

等々、「ここはかんべんしてよ」と思う箇所が被害を受けた場合には、インターネットが使えない事態もあり得るのです。

もちろん、短期間のうちに何らかの対応をして「使えるようにする」ことを私も含めて皆が努力をすると思いますが、「使えないこともある」ことを十分に認識しておく必要があると考えています。また、災害時に素早く臨時のネットワークを展開する技術や設備、人員を準備しておくことも必要だと認識しています。


執筆者近影プロフィール●高田 寛(たかだ ひろし)
株式会社シーイーシー クラウドサービス事業部クラウド基盤サービス部 特別顧問。電気通信大学計算機科学科卒業後NEC関連会社、その後メディアエクスチェンジ株式会社を経て2010年9月の事業譲渡により現職。元々はハードウェア寄りのOS屋であったが、初期の頃からインターネットにも関わり、特にレイヤの低い部分(3層以下)を中心に設計、構築、運用を続けている。ここ数年はクラウド化という名の下に仮想サーバサービス基盤にも手を出してしまったため、多忙な毎日を過ごしている。


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