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ニュースレターNo.54/2013年7月発行

APRICOT 2013/APNIC 35 カンファレンス報告 全体報告

APRICOT 2013/APNIC 35カンファレンスは、2013年2月19日(火)~3月1日(金)にシンガポールで開催されました。お隣の国、マレーシアとはバスでも行き来が可能であるなど、周辺国から比較的アクセスしやすいためでしょうか、参加者は704名で、昨年同時期のカンファレンス(APRICOT 2012/APNIC 33カンファレンス、参加者573名)より多くの方が現地に足を運んだようでした。

人口密度が世界第2位のシンガポールは、どこを見ても高層ビルばかり。高層マンションと熱帯植物が並ぶ住宅街は、どことなく千葉県の舞浜に似ていましたし、海辺に商業施設や高層オフィスビル、高級ホテル、貨物船が見える風景も、東京湾岸部を思い出させ、外国にいることをあまり意識せず過ごすことができました。

APRICOT 2013/APNIC 35の構成・特徴

APRICOT 2013/APNIC 35カンファレンスのプログラム※1※2は、自身のPCを持参して実践的な演習を行うワークショップ4コマ、一つのテーマについて系統立てて知識を習得できるチュートリアル22コマ、各種最新動向や事例紹介を扱ったカンファレンス35コマなどからで構成されていました。ワークショップが満席となるなど、実践的に学べるセッションが人気である点は、JPNICが開催するイベント、Internet Weekと同じのようです。

プログラムの中から注目した点

IPv6とRPKI

今回のカンファレンスにおいて、テーマとして多く取り上げられていたのは、IPv6とリソースPKI(RPKI)※3でした。

IPv4アドレス在庫枯渇から約2年が経過し、各地域、各社ともIPv6対応が進んでいるようで、その状況を報告する発表がカンファレンス全体を通して多く見られました。香港は政府の協力を得て、中小企業や一般市民にも積極的にIPv6推進のための周知活動を行っているようで、ISOC HKのKa Ping Wong氏は「IPv6対応を始めたのは他の地域より遅かったが、今は追いついている」と胸を張っていました。

また、前回のAPNICカンファレンス34(APNIC 34)に引き続き、モバイルネットワークのIPv6対応への関心は高い傾向にありました。特に、IPv6ネットワーク上でIPv4による接続を提供するためのIPv4アドレス共有技術である464XLAT※4の検証状況については、会場はもちろんのこと、リモートの参加者からも多くの質問が寄せられました。T-Mobile社のCameron Byrne氏は、IPv6導入が必要な理由の第一に「IPv4アドレスの在庫が枯渇したから」ではなく、「今のビジネスのニーズにIPv4はフィットしないから」を挙げていた点は、端末の増加が著しいモバイルネットワークの担当者らしいと感じました。RPKI関連の詳細な報告はP.25からの「RPKI関連の動向」に譲りますが、IRRの基本を解説したチュートリアルでもRPKIを取り上げ、公開鍵・秘密鍵など電子証明書の基本的な働きから時間を割いて丁寧に説明しているところが、私が前回、2010年に参加したAPNIC 30カンファレンスとは異なった点で、本気度がうかがわれました。

APRICOT Opening Plenary

APRICOT 2013オープニングのセッションでは、基調講演にICANN事務総長兼CEOのFadi Chehadé氏が登場しました。「これまで我々はアジアに十分に関わって来たとは言えないが、これからはそれを変える必要があると思う」と述べた瞬間に会場から拍手が起こるなど、Chehadé氏の講演は、参加者の心をしっかりとつかんだようでした。また、シンガポールにICANNのアジアにおける拠点を設置することは、後日現地の新聞でもChehadé氏へのインタビュー付きで報じられていました。

写真:Fadi Chehadé氏
●基調講演を行うFadi Chehadé氏

Asia Internet History

各地域・各団体の歴史や歴史を記録しているプロジェクトを紹介したセッションで、慶應義塾大学の村井純氏、Korea Advanced Institute of Science and Technology (KAIST)のKilnam Chon氏などが講演を行いました。Asia Internet History ProjectやKorea Internet History Projectは、書籍の出版やWebサイトでの公開など、2013年中に何らかのアウトプットがなされるようです。また、インターネット界のリーダーと言われる人たち数百人にインタビューを行ったWiWiW Projectの紹介では、インタビュー対象はどのような基準で選定したのかなど、積極的な質問が寄せられていました。


一部講演については、当日の模様を収録したビデオやトランスクリプトが公開されています。冒頭でご紹介したAPRICOT 2013/APNIC 35カンファレンスのプログラムページからたどることができますので、興味を持たれた方は、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

APNIC20周年に向けて

2013年8月には、中国・西安でAPNIC 36カンファレンスが単独開催されます※5。APNIC 35カンファレンスが閉幕したばかりですので、まだ詳細は明らかになっていませんが、現在公開されている情報を見ると、20周年を祝う「何か」が行われると思われます。

会場で出会った中国からの参加者は皆、「次のAPNICカンファレンスは絶対に素晴らしいものになるから」と話していたことが印象的でした。2年後の2015年、APRICOT/APNICカンファレンスは日本で開催されます。私も同じことを言えるようになりたいなと思い、シンガポールを後にしました。


次回のAPNIC 36カンファレンスは、2013年8月20日(火)~30日(金)、中国・西安で開催されます。また、次回APROCOTとの共催となるAPROCOT 2014/APNIC 37カンファレンスは、2014年2月18日(火)~28日(金)にタイ・バンコクでの開催が予定されています。

(JPNIC IP事業部/インターネット推進部 坂口康子)


※1 Program - APRICOT2013
http://www.apricot2013.net/program
※2 Program - APNIC35
http://conference.apnic.net/35/program
※3 インターネット用語1分解説「リソースPKIとは」
https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/resource-pki.html
※4 464XLAT: Combination of Stateful and Stateless Translation
http://tools.ietf.org/html/rfc6877
※5 Home - APNIC 36
http://conference.apnic.net/36/

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