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ニュースレターNo.60/2015年7月発行

第42回ICANN報告会開催報告

ICANNシンガポール会議の開催を受け、恒例となっているICANN報告会をIAjapanとの共催で開催しましたので、簡単にご報告します。

  • 日時:2015年4月14日(火) 13:30〜17:00
  • 会場:シスコシステムズ合同会社 東京本社会議室

プログラム: (話者 敬称略)

ICANNシンガポール会議概要報告

JPNIC 奥谷 泉

ICANN国コードドメイン名支持組織(ccNSO)関連報告

株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 高松百合

ICANN政府諮問委員会(GAC)報告

総務省総合通信基盤局電気通信事業部データ通信課 山口 修治

新gTLDプログラム/ICANN GNSOレジストリ部会に関する動向

JPRS 遠藤 淳

ブランドTLD・ICANN GNSO知的財産部会に関する動向

株式会社ブライツコンサルティング 村上 嘉隆

ICANNルートサーバー諮問委員会(RSSAC)関連報告
Root Zone LGRおよび日本語生成パネル(JGP)について

JPRS 堀田 博文

アジア太平洋におけるICANNの活動

ICANN Kelvin Wong

IANA監督権限移管およびICANNの説明責任に関する状況報告

JPNIC 奥谷 泉

ディスカッション〜IANA監督権限移管およびICANNの説明責任に関する各組織の動向〜

モデレーター:前村昌紀(JPNIC)
パネリスト:遠藤淳、奥谷泉、北村泰一(ISOC-JP ALS Japan)、 Kelvin Wong、高松百合、堀田博文、村上嘉隆、山口 修治

会議の全体概要

JPNICの奥谷より、会議の全体概要、新gTLD関連の動向およびgTLD WHOISの見直しについて主に報告しました。内容については、前半の「ICANNシンガポール会議報告」と重複しますので、ここでは省略します。

新gTLD関連

総務省の山口氏からGAC関連の動向について、JPRSの遠藤氏からは新gTLDプログラムの最新状況、日本から申請された新gTLDの状況、次回のgTLD募集に向けた動き、およびGNSOレジストリ部会の動向について、それぞれご報告いただきました。また、ブライツコンサルティングの村上氏からは、新gTLDの一種であるブランドTLD※1の動向について、ご紹介いただきました。

GACでは、GAC助言の検討状況と、セカンドレベルにおける2文字ラベルの解放についての、GACからICANN理事会への要望について報告されました。新gTLDプログラムの最新状況では、委任されたTLD数が500を超えたこと、新gTLDでセカンドレベル以下に登録されたドメイン名が4月12日時点で500万件を超えたこと、文字列競合の解決のためICANNにより行われたオークションなどについて報告されました。

GNSO知的財産部会(IPC)で注目されている件として、.sucksという新gTLDのレジストリが、「○○○」という商標名を含む「○○○.sucks」のようなドメイン名の登録を、高額(円換算で約30万円)で受け付けているという話題があります(「sucks」は「価値が無い」または「ひどい」といった意味です)。本件については、IPCは不当な行為であるとしてICANNにレターを送り、ICANNによる調査中となっています。IPCの他にも、GNSOビジネス部会においても対応を検討中とのことです。

写真: ICANN報告会の様子
● ICANN報告会の様子

各組織の動向

JPRSの高松氏よりccNSOの動向として、

  • DNSの構造とTLDの委任に関する既存ポリシーの解釈(ccTLDの委任・再委任に関する判断経緯とポリシーとのマッピングなど)を実施している、Framework of Interpretation(FoI) WGでの議論
  • IANA監督権限移管のうち、ドメイン名における提案についてのccTLDでの議論参画状況
  • ICANNアカウンタビリティにおけるccTLDレジストリの認識

などをご紹介いただきました。

山口氏にはGACの報告として、新gTLDの他に、GAC機能の強化・改善、IANA監督権限移管、およびICANNの説明責任の向上を含む、GACに関する動向についてご報告いただきました。GAC機能の強化・改善については、指名委員会の改善に向けた検討、GACに参加しない政府へのアウトリーチ効果や政府間コンセンサスの深化に資するハイレベル政府会合の実施手法、GAC作業拡大に伴う副議長職等のGAC運用原則の見直しについて議論が行われたとの報告がありました。

JPRSの遠藤氏からはGNSOレジストリ部会の動向、ブライツコンサルティングの村上氏からは、GNSO知的財産部会(IPC)の動向について、それぞれお話しいただきました。

RSSACの動向については、慶應義塾大学の村井純氏がRSSACへの貢献を認められ、シンガポール会議の公開理事会の場で表彰されたこと、RSSAC独自の活動としてルートサーバーのサービス仕様や品質・性能の測定方針を文書化していること、およびルートゾーンレコードのTTLについての見直しを開始したことなどを、JPRSの堀田氏よりご報告いただきました。

さらに堀田氏からは、新gTLDとして申請されたIDN TLDをルートゾーンでどのように扱うかを規定するルールであるRoot Zone LGR(ルートゾーンラベル生成ルール)、およびこれに対応して各国で設立されている各言語のラベル生成ルール(LGR)を作成するチームである生成パネルのうち、日本語のLGRを作成する日本語生成パネル(JGP)について、ご報告いただきました。

ICANNのKelvin Wong氏より、ICANNグローバル化プログラム、アジア太平洋地域と日本におけるICANNのエンゲージメント、およびICANNの今後の活動についてお話しいただきました。グローバル化プログラムの一環として、グローバルカスタマーサービスおよび翻訳サービスを強化する予定であることなどが紹介されました。

IANA監督権限移管およびICANNの説明責任に関する状況報告

JPNICの奥谷より、IANA監督権限移管およびICANNの説明責任に関する詳細な状況を報告しました。内容の多くは、前半の「ICANNシンガポール会議報告」で既にご紹介しています。ここでは本報告会でさらに詳しくご紹介した、ICANNの説明責任について少し触れるとともに、ドメイン名関連IANA機能の監督権限移管提案策定に関する、その後のアップデートについても補足します。

ICANNの説明責任向上に関するコミュニティ間作業部会(CCWG-AccountabilityまたはCCWG-ICANN)は、IANA監督権限移管時までに対応が必要なWork Stream 1について、IANA監督権限と同様の期限があることから精力的に検討を進めています。検討事項のうち最重要と思われるものは、コミュニティの意向反映メカニズムの策定、つまり理事のリコール、定款変更の承認/棄却、予算・戦略・運用計画の承認などの、理事会決定を上書きする意思決定を行う仕組みです。

奥谷からは、ドメイン名関連機能に関する監督権限移管の検討結果である報告書案の公開と意見募集開始の時期が、CWG-Stewardship(またはCWG-IANA)が4月20日頃、CCWG-Accountabilityが4月21日頃になると紹介されました(実際には少し遅れ、前者は4月22日、後者は5月4日に、それぞれ公開および意見募集が開始されました)。

IANA監督権限移管およびICANNの説明責任に関するディスカッション

各発表者より、IANA監督権限移管およびICANNの説明責任向上について、各所属グループ(SO/AC/SO配下の部会など)での認識や議論などについて共有いただいた後、ドメイン名関連CWGからの提案第1版に含まれた外部モデルと、その後提案された内部モデルについて、およびICANNの説明責任における既存のメカニズムに加えて、理事会とコミュニティとの関係などについて、主に議論しました。

ccNSOにおけるICANNの説明責任向上についての議論では、ccTLDが再委任される際には、当該国で十分議論がなされたかということについてのレポートをIANAが作成しますが、その説明責任、異議申し立てプロセスについてccNSOは非常に注視している、ということです。

レジストリ部会では、各所属グループで情報の共有はなされているものの、参加組織間の温度差もあり、グループ内で意見統一を図っているわけではなく、意見のあるレジストリはCWGメンバーになっている、ということでした。ICANNの説明責任については、ICANNを運営する費用のうちかなりの部分をレジストリが支払っていることもあり、非常に意識しているということも紹介されました。

RSSAC、知的財産部会およびビジネス部会では、IANA監督権限移管について状況は追っているものの、現時点で各組織への影響はないため、特に意見表明などはしていないとのことでした。

At-Largeでは、IANA移管およびICANN説明責任に関するアドホックWG(At-Large Ad-hoc WG on IANA Transition & ICANN Accountability)を設立して活発に活動しているとの報告が、ISOC-JPの北村氏よりなされました。

GACにおいては、GACの会合に米国商務省情報通信局(NTIA)長官のStrickling氏が参加し、IANA移管提案に対する米国議会の承認は不要ではあるものの、議会の理解を得るための説明は必要、との発言があったそうです。議会の理解が得られないと、例えば、米国でIANA移管関連の予算執行が止められたこと等、間接的な影響が出る可能性があることに配慮しているのではないかと推察します。IANA監督権限移管に関しては、最重要課題と認識し、GACとしてインプットすべき包括的原則を、ICANN、CWGまたはCCWG会合間にアップデートしていくことで合意されたとのことです。

終わり

前回はICANNの説明責任に焦点を絞ったパネルディスカッションとしましたが、今回はIANA監督権限移管も含めたため、時間はより長く取ったものの、あっという間に終了した感がありました。まだ当分の間は、IANA監督権限移管およびICANNの説明責任についての議論が中心となると思われますので、引き続き注視していくことになりそうです。

写真: パネルディスカッションの様子
● 今回も恒例のパネルディスカッションを実施しました

(JPNIC インターネット推進部 山崎信)


※1 ブランドTLD
もっぱらレジストリオペレーター自身によって、自己利用目的でドメイン名を登録・利用することを想定しているTLDのことで、ICANNとレジストリとの契約に条件(仕様書13)を追加することで、通常のレジストリに要求される義務の一部が免除されるというものです。

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