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ニュースレターNo.63/2016年7月発行

APRICOT 2016/APNIC 41カンファレンス報告 APRICOT 2016 参加支援プログラム報告会

JPNICも参画する、APRICOT-APAN 2015を福岡で開催するために組成されたAPRICOT-APAN 2015日本実行委員会ですが、会合終了後も引き続き、日本の若手技術者・研究者に積極的に国際会議に参加して経験を積んでもらうべく、国際会議への参加支援プログラム(フェローシッププログラム)を提供しました。

今回のAPRICOT 2016/APNIC 41カンファレンスでも、この参加支援プログラムを利用して4名の方が会合に参加しており、この4名による報告会が2016年3月16日(水)にJPNIC会議室にて行われました。

当日はまずはじめに、この支援プログラムを運営しているAPRICOT-APAN 2015日本実行委員会 フェローシップ委員会委員長の石田慶樹氏からご挨拶と今回この支援プログラムを提供するに至った経緯についての説明があり、その後、4名から参加報告の発表が行われました。ここではそれぞれの方からの報告を簡単にご紹介します。

伊藤大史さん(国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学)による報告

3月に大学を卒業し、この記事が出る頃には東京で社会人生活をスタートさせている伊藤さん。APRICOT 2016で一足早くビジネスの世界を肌で感じたそうで、国内外問わず多くの社会人の方々と話ができたことや、会場内で商談が行われていたのを目の当たりにしたことが印象に残っていると話しました。聴講者の理解を促すべく、発表者がスライド構成やプレゼン中のジェスチャーを工夫していた点を、今後社会人になったときに取り入れたいポイントとして挙げました。

セッションでは、「Network Operations」でDDoS攻撃の最新動向について、世界の最先端で活躍している方々の発表が聴けてよかったとのことでした。

江川智啓さん(Coltテクノロジーサービス株式会社)による報告

「せっかく行かせてもらうのだから」と、会期中は自分の専門分野以外の情報も積極的に吸収するように務めて過ごしていた江川さん。特に印象に残っているのは、「IPv6 Address Planning」。Philip Smithさん(NSRC)がIPv6を基礎から分かりやすく解説してくださり、これをきっかけにIPv6に興味を持ったそうです。

自身も国際会議に積極的に参加している(なんと時には自腹でも)という会社の先輩の勧めで、このプログラムに応募した江川さん。「(会期前半に行われる) Philipさんのワークショップに参加するため、今度は自腹でもいいからAPRICOTに行ってみたい!」と話すなど、将来はその先輩のように(もしくはそれ以上に!?)積極的に世界に出ていくエンジニアになっているかもしれません。

武井裕美さん (株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー)

「次に行く方のために参考になる資料を」ということで、会期中の様子が分かる写真や自分が会期中に思ったことや気づいたことをたくさん報告書に残していた武井さん。印象に残ったセッションは現在の業務に参考になる点が多かったということで「Network State Awareness and Troubleshooting」。いざとなると忘れがちになる障害対応時の基本的な心構えや、自身が焦るとお客さまにも不安が伝わってしまうため焦らず対応することの大切さを再認識したそうです。

「ランチ女子会かな?」と思って参加した「Tech Girls Get Together」が、女性のキャリアや地位向上について熱く真剣に議論する場であったことも印象に残ったとのことでした。途中で参加者の1人がこのセッションの録画禁止を要求し、カメラを止めた場でこれまでの経験や現在の状況を交えて率直に語った場面に、日本ではなかなかこのようなことはないのではと感じ、国際会議に来ていることを意識させられたそうです。

写真: 武井さんによる発表の様子
● 武井さんによる発表の様子

ニコラス・タン・チー・チェンさん (GMOインターネット株式会社)

マレーシア出身のニコラスさんは、APRICOT 2016参加を機にもっと得意の英語を生かして仕事をしていきたいと感じるようになったそうです。また、実はそれまで「社外のセミナーなどに参加するのは時間のムダでは?」と思っていたそうですが、講演を聴くことで自身がスキルアップできたり、他の参加者と交流することで自身のモチベーションアップになったりというメリットに気づいたそうです。

セッションでは江川さん同様、Philipさんを印象に残った講演者として挙げました。特に「BGP Techniques for Network Operators」の資料は、自身の復習はもちろん後輩に教えるときにも参考になり素晴らしいと絶賛していました。

このニコラスさんの報告ですが、都合によりご本人が当日出席できなくなったということで、同社で前回この支援プログラムを使ってAPNIC 40に参加した筒井瞬さんが急遽代理で発表しました。ニコラスさんから事前にレクチャーを受け、さらに自身が前回行った経験があるとは言え、まるで今回自らが行ってきたかのように滑らかな口調で語る筒井さんに、参加者一同感心しました。

昨年9月のAPNIC 40、そして今回のAPRICOT 2016と、APRICOT-APAN 2015日本実行委員会は日本の若者の国際会議参加を支援してきました。その実行委員会ですが、APRICOT-APAN 2015の閉幕から約1年ということで、もうすぐ解散予定となっています。それに伴い、非常に残念ではありますが、この支援プログラムも今回をもって終了となります。

今回のAPRICOT 2016、そして前回のAPNIC 40、意欲のある計8名の方々に出会い、そのお手伝いをすることができ、関係者一同、本当にやって良かったと感じています。ご応募いただいた方々はもちろん、知人に応募を勧めていただいたみなさま、そして周囲にこの支援プログラムの情報をお知らせいただいたみなさまに、この場を借りて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

(JPNIC インターネット推進部 坂口康子)

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