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ニュースレターNo.73/2019年11月発行

「会員企業紹介」は、JPNIC会員の、 興味深い事業内容・サービス・人物などを紹介するコーナーです。

魅力ある街を作り、そこに暮らす人を幸せにしたい
~ネットワークは安心と安全を提供し、生活を豊かにするためのツール~
イメージ:タイトルバック

イッツ・コミュニケーションズ株式会社

住所 〒158-0097 東京都世田谷区用賀4-10-1 世田谷ビジネススクエアタワー22F
設立 1983年3月2日
資本金 52億9,400万円
代表者 代表取締役社長 嶋田 創
従業員数 672名(2019年4月1日時点)
URL https://www.itscom.co.jp/
事業内容 https://www.itscom.co.jp/corporate/service/
■放送事業 ■電気通信事業、他

今回は、放送事業を開始してから32年目、 通信事業に参入してから21年目を迎えた、 イッツ・コミュニケーションズ株式会社を訪問しました。 同社は「イッツコム」ブランドでのCATV /インターネット接続サービスでよく知られていますが、 東急グループの一員として、 沿線に張り巡らされた光ファイバーを利用してさまざまなサービスを幅広く展開されています。

当日は、 かつて同社で業務を担当されていたこともある東急株式会社の方にもご同席いただき、 渋谷周辺エリアの再開発事業の話なども絡めながら、 東急グループで一体となって取り組んでいることなど、 貴重なお話をたくさん伺うことができました。 地域密着のCATV事業者という立ち位置を超えて、 いかにして回線に付加価値を持たせて、それをより良い街作りに、 ひいてはそこに住む人々の豊かな暮らしに繋げていくのかという想いが、 大変強く感じられる取材となりました。

いかに回線に付加価値を持たせるかが、お客様に選ばれる秘訣

■まずは貴社の成り立ちについて教えてください。

管:1970年7月に、 弊社の親会社である東京急行電鉄株式会社(現:東急株式会社)が、 神奈川県川崎市で有線放送事業を開始したのがそもそもの始まりです。 その後、有線放送事業を行う事業会社として、 1983年3月に東急有線テレビ株式会社が設立され、 1986年9月には株式会社東急ケーブルテレビジョンへ社名を変更し、 1987年10月に放送事業を開始しました。 他のCATV会社も、多く立ち上がった頃です。 その後、 1998年4月にはケーブルインターネットサービスを開始して通信事業に参入し、 2001年8月に現在のイッツ・コミュニケーションズ株式会社へと社名を変更して、 現在に至ります。

社名の「イッツ(its)」は、 「Interactive Transcendent System(卓越した、 優れたコミュニケーションシステム)」という意味です。 これが公式な見解ですが、 「イッツコム」という響きも「“ いつも”そこにいる」ということを感じさせます。

弊社のロゴは、現在の社名になってからずっと使い続けているもので、 それぞれの要素が「電車」「家」「電柱」「道路」などを表しています。 これには、CATVの提供だけにとどまらず、 「街を作る」会社であり続けたいという想いが込められています。

■お客様は、どのような方が多いのでしょうか?

管:売上比率で見ると、法人のお客様が10%になります。 法人のお客様の中にはもちろん東急グループの会社が多いですが、 それ以外にも近隣やそれ以外のCATVへの回線提供に加え、 行政など幅広いお客様にご利用いただいています。

弊社事業の中心となる東急線沿線は、 首都圏人口の15%ほどが居住しているエリアで、 日本全国から見ても5%ほどの人口を抱えています。 しかも「住んでみたい街ランキング」などで有名な街も多くあり、 住人の方には情報感度が高い人が大勢いらっしゃいます。 ある意味情報が過多になっている地域とも言え、 その影響で個人市場として見た場合、潜在ユーザー数が非常に多い一方、 大変競争が激しいエリアです。 単純に「CATVだから」「地域密着だから」といった理由だけで、 選択される状況ではありません。 このことは個人も法人も同じで、 基本的にはお客様は我々と他社とを横並びで総合的に評価しています。 高いか安いか、品質が良いか悪いか、そういったところで常に他社と戦っていて、 明らかに他社より優れたところが無いと我々を選んで貰えない、 そういった認識でサービスを提供しています。

■現在はどのようなサービスに力を入れていらっしゃるのでしょうか?

写真:コムゾー

管:東急グループの一員としての街づくり、 住んでいる方々や働いている方々に貢献するサービスに注力しています。 具体的には、沿線の通信インフラ作りや、サイネージの構築・運用などですね。 我々はグループの中でCATV事業や通信事業を行っている会社ですが、 回線や光ファイバーの付加価値をどこまで高めていけるか、 沿線から外へ向けてどこまで繋げていけるかという挑戦をしています。

まず、サイネージですが、 今日皆さんが来社時に利用された東急田園都市線の渋谷駅ホームドアに広告が流れていたと思います。 あのサイネージは我々が構築・運用しています。 そして、渋谷駅前にあるビルのQFRONTや渋谷ヒカリエ、 あとは渋谷スクランブルスクエアも弊社で構築・運用しています。 お客様と話をする時に「あれは我々が構築・運用しているんですよ」と言うと皆さん驚かれますし、 皆さん前のめりになりますね(笑)。 あとは電車の中で流れている、TOQビジョンも我々が構築・運用しています。

また最近では、モバイル閉域接続サービスに力を入れています。 これは専用SIMを使ってお客様のモバイル端末からお客様のネットワークまで閉域網を構築することで、 インターネットを経由せずにお客様の社内システムなどにアクセスできるサービスです。 VPNなどと違い、 ネットワーク自体がインターネットから分離されていますので大変安全です。 それをさらに推し進めて、 2019年11月には株式会社アット東京さんの「ATBeX」サービスと連携し、 「ATBeX ServiceLink for iTSCOM」というサービスを開始しました。 これはモバイル閉域接続サービスを利用するお客様が、 アット東京のDC内に置いたシステムにそのままアクセスできるようになるというものです。 それだけではなく、アット東京のDCと繋がるAWS(Amazon Web Services)などの各種大手クラウドサービスにも閉域網経由で繋がるということで、 これまで以上に自由度の高いセキュアな通信環境をお客様に提供できます。 なおかつイッツコムのエリア外に事業所を持たれている方もアット東京経由でイッツコムのサービスを、 安心安全に利用していただけるようになりました。 こういったことも、 すべて回線の付加価値を上げてお客様からご指名いただくための取り組みですね。

我々の強みは総合力

■他社と比べての、貴社の強みはどこにあるとお考えですか? 東急グループであることや、鉄道敷設ファイバーはやはり強みでしょうか?

管:東急グループであることについては、 少なくとも法人のお客様には刺さるところがあるのかなと感じています。 お客様に「こういう商業施設や街の開発に取り組んできました。」とお話しすると、 大変評価していただけます。 実は、 我々自身がこういったアドバンテージを持っていることに全然気が付いておらず、 最近になってようやくWebページなどでもそういったことを発信するようになりました。

たしかに、沿線を中心に張り巡らした通信網をはじめ、 グループ全体で多くのファシリティを持っていることは確かに我々の強みだと言えます。 サイネージも、まずは我々の通信網があってのことで、 サイネージ設置場所まで通信線が来ているから提供できるものです。 各種事業設備を設置する際なども、 CATV会社である弊社はエリア内に自営柱を多数持っていますし、 東急グループの各種施設も活用可能なのも強みです。

朝倉:サイネージについては、構築・運用や伝送だけではなくて、 コンテンツもイッツコムが作っています。 CATV事業者なので、スタジオも機材も人材も自前で持っています。 映像制作から伝送まですべて自分達でやれるのは、これも我々の強みですね。

■8K 放送が語られる今、全部自分達で持っているのは強いですよね。

朝倉:自社の高品質なインフラをもっと活用できないかと常に考えております。 通信業界の会合でNHK放送技術研究所の方とお話しする機会があり、 2019年5月末のNHK技研公開2019では、 二子玉川ライズ・オフィスから8Kカメラを駅に向けて撮影し、 その映像(8K映像を1秒間に120フレーム伝送)を研究所まで光ファイバーで送るという伝送実験を行いました。 我々のインフラ上で、これだけのものが配信できるというアピールにもなりました。 4K/8K放送は、制作会社がコンテンツをアップロードする際にも、 それが放送される際にも、送出技術がネックになるとも言われていますので、 それを実現できるインフラを保有していることが我々の強みだと考えています。

これからのキーワードは他者との「協調」

■NHKとの共同実験の話が出ましたが、他にも何か他社と共同で取り組んでらっしゃるプロジェクトなどはあるのでしょうか?

朝倉:東急、小田急、京王、相鉄、東武、東京メトロ、 都営地下鉄の関東7社局で、共通ネットワークを構築して、 光ファイバーの芯線賃貸事業を行っています。 これからは5Gなどの展開により、 通信インフラに対する需要がますます増えていくと思いますが、 まだ芯線賃貸事業を実施されていない鉄道事業者も多いので、 今後はさらに連携を広げていきたいと考えており、 着実に賛同していただける事業者が増えてきています。

写真:朝倉氏、管氏

5G関連の最近の取り組みとしては、 共用アンテナ設備の実証実験を行っています。 これまでは、各携帯キャリアが個別にアンテナを建てていましたが、 スペース効率も悪いですし、施設菅理の手間もかかります。 今後さらにニーズが増える見込みですので、それらを一つにまとめられないか、 住友商事さんと商業施設や駅構内を対象に実験を進めています。 これが上手くいけば、まずは我々の持つ施設に展開し、 さらには横の展開として他の鉄道事業者や街中にも広げていきたいと考えています。 4Gと比べて5Gはカバーエリアが狭いですが、一般に携帯キャリアなどの展開では、 ニーズの無いところはなかなか整備されづらい傾向があります。 我々は設備を設置するための多数のスペースを持っていますので、 それらを活かして、幅広く5Gが使えるようにしていきたいですね。 このような我々の活動は、 携帯キャリアにもユーザーにもメリットがあるはずです。

■さらに、モノがインターネットに繋がるようになると、通信のあり方も変わっていきますよね。

菅:5GやIoTの進展で、社会全体の通信パケット増大が予想されています。 通信網を持っている我々としては、 大手キャリア以外の通信網として社会に貢献したいと考えています。 それは大手キャリアと対立するものではなく、 冗長化を含めて相互協力にもなるはずです。 必ずそういう時代が来る、いやもう来ていると思いますし、 それを先取りしつつ社会の要求を満たしていきたいと考えています。

朝倉:まだ構想のさらに前の段階ですが、 ローカル5Gみたいな制度も使いつつ、鉄道の安全輸送に対して5Gを活用した、 何らかの仕組みができないかといったことも、今後は考えていきたいですね。

我々は「街を作る」会社

■貴社も参加されている渋谷再開発の「SHIBUYA +FUN PROJECT」の掲げるコンセプトが、インターネットそっくりでとても興味深いです。

朝倉:「Open」「Connect」「Flexible」「Respect」「Improve」というものですね。 プロジェクトを推進する渋谷駅前エリアマネジメント協議会に、 東急は事務局として参加しています。 この再開発では叱咤激励のお声も多数いただいております。 東横線の地下化に伴い、 渋谷駅の乗り換えが一時的に不便になるなどご迷惑をおかけしながらも、 行き来しやすい新しい街を作り上げるためには、 変えないといけないことが多数あります。 いただいたご意見は真摯に受け止め、都度工夫してまいりました。 その結果、街ができあがるにつれて、 少しずつ「便利になった」という声もいただいていますので、 今後はお客様にとって、 再開発による便益をどんどん感じられるようになるのではと期待しています。

渋谷に限らず、「二子玉川ライズ」などもそうですが、東急だけではなく、 その街に関わる他社とも協力して、 お客様目線から全体で賑わいを作っていっています。 昔は同じ駅で鉄道会社同士が争ったりもしましたが、 今はそういう時代ではありません。 各社が手を携えて、街の魅力を上げるために取り組んでいます。

菅:各社の連携には、協議会の力が大きいですね。 おかげで他社同士の協力が進みました。 その一つの表れが、弊社も参加する「SHIBUYA Wi-Wi-Fi」です。 渋谷地下鉄駅や商業施設で、 共通のSSIDを使って接続できるフリーWi-Fiサービスですが、 行政も含めて各商業施設との調整に協議会が奔走してくれました。 協議会の期限はひとまず2027年までですが、 今めざしている姿が最終形でもないので、 きっとその後も続くのだと思います。

お客様にも、そこで働く社員にも優しくありたい

■お話を伺っているととても面白そうですし、貴社で働きたいという学生さんもたくさんいるんじゃないでしょうか?

菅:ぜひ来ていただきたいですね。 ただ、実は採用案内では、 そういった再開発やサイネージに関することはほとんど書いていないんですよ。

朝倉:実際には、 再開発プロジェクトの中には泥臭い仕事がたくさんありますしね。 街づくりに対する情報インフラの整備などの取り組み自体は、 もう40年以上前からやっていることなんですよ。 1970年代から、都市計画の中にCATVをはじめとした情報インフラを組み込んで、 街をより良いものにするために何をやるべきか、 ずっとそういう考えのもとに事業に取り組んでいます。 そうした目的をもって事業に携われる環境は、 なかなか無いのではないかと思います。

■社内の雰囲気はどのような感じなんでしょうか?

菅:現在700名弱の社員がいます。 インターネットだけではなく他部門もあるからですが大手ISPに匹敵する大所帯で、 その中で大勢の女性が活躍していることが特徴です。 人生のイベントに対するケアに力を入れていて、 例えば出産・育児休暇からの復帰率は100%です。 男性の育休も取りやすい環境で、 私の所属する部門でも最近まで40名の内2名が育休を取得していました。 仕事と子育ての両立支援に取り組んでいる企業として、 厚生労働省から「くるみん」の認定も受けています。 ストック事業なので、みんなでカバーし合うという風土は昔からありますし、 細かい差異はありますがグループ全体でもおおよそ共通した社風だと思います。 親会社の東急株式会社は、女性人材の積極的活用を進めている上場企業として、 「なでしこ銘柄」に7年連続で選ばれています。

狩野:社内呼称は、「○○課長」のような役職では呼ばず、 「○○さん」と呼ぶ文化が根付いています。 社長に対しても、「さん」で呼びます。 この「○○さん」と呼ぶことによってお互いの距離が縮まり、 風通しが良い社風の要因かもしれませんね。 風通し、距離が近いので、業務も凄くやりやすいですし。

■本日は上山さんにご同席いただいていますが、若い方から見てこの業界はどういう印象でしょうか?

上山:入社後初めての配属が当部門で、 今は光ファイバー芯線賃貸などの直営通信事業を担当しています。 配属当初は専門的な領域で不安も多かったのですが、 社内外含め携わる方々に教えていただきながら、楽しめています。 この業界は、年長の方でも気軽にお話ししてくださいますし、 情報交換も盛んで、他業界から聞く話と比較してもこの業界はオープンで、 新規参入にとても優しいと感じます。 みんなで繋がっていこうという雰囲気が素晴らしいです。

菅:通信事業は昔から既得権というか、 既存の価値観をどう切り崩していくかの戦いで、 発展の歴史はその戦史と言えます。 なので、新しい価値観を提供する人に対して、 手を差し伸べる人がとても多いんです。 我々が何か新しいことをやろうと話を持って行った際も、 「何でイッツコムが!?」と言われたりもするものの、 「おっ、いいですね!」と話を聞いてくれます。 昔からの人には確かに先駆者としてのアドバンテージもありますが、 新規参入もまだまだしやすい業界だと思います。

インターネットは目的のためのツール。手段に固執してはいけない

■本日はいろいろと貴重なお話を伺いましたが、JPNICに対して何かご意見やご要望などはありますでしょうか?

朝倉:技術的にはとっくに確立しているのに、 日本ではIPv6はなかなか普及しないですよね。 その一方で、今時のユーザーはインターネットの仕組みとかは特に理解せず、 スマートフォンなどで単に楽しいもの、便利なものとして使われています。 一技術者として関わってきた立場としてはとても難解な問題ですね。 そもそも、みんなまだそこまで困ってないのでしょうね。

菅:特殊詐欺などの話題でも、 理解不足からIPアドレスが悪者にされてしまったりしていますが、 IPアドレスはみんなが使えるインフラであり、 既存の価値観を変えていける原動力です。 今後もっと自由に使えるようになると、 セグメントやヒエラルキーを壊していけるんじゃないでしょうか。 そういった中でJPNICには、 IPアドレスをどういう風に活用していくのか、 リーダーシップを取っていっていただきたいです。

■ありがとうございます。最後の質問になりますが、貴社にとってインターネットとはどのようなものでしょうか?

朝倉:一つの手段ですね。 東急ではこの度、鉄道事業の分社化を行いました。 分社化の目的は多々ありますが、 街づくりの観点ではMaaS (Mobility as a Service)に代表されるように、 これからは鉄道も移動手段の一つとして捉えて、 沿線のお客様のためにさまざまなサービスを提供していく必要があります。 インターネットも同様に、重要な社会インフラですが、 それがすべてではないと思います。 渋谷には今、多くのIT企業の方に集まっていただいており、 最新技術の交流も盛んです。 弊社としてもより良い街づくりのために、 上手く活用していく道を学び続けたいと思います。

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