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ニュースレターNo.77/2021年3月発行

INTERNET ♥ YOU No.12

グリー株式会社 開発本部インフラストラクチャ部 サービスインストレーショングループサービスインストレーション1チームアソシエイトマネージャー 後藤 浩行さん

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図:マイク グリー株式会社で、 ネットワークエンジニアとして活躍されている後藤浩行(ごとうひろゆき)さんにお話を伺いました。 Web関連技術に関心がありIETFに参加されている他、ISOC日本支部(ISOC-JP)では、 インターネット標準推進委員会の一員として活動されています。 ものごとの仕組みに興味を持つことが多いという後藤さんに、 インターネットの業界に進んだ理由や、これまでのキャリア、 さまざまな活動におけるご自身のモチベーションなど、語っていただきました。

後藤さんがインターネットに興味を持ったきっかけ

小学生の頃には、家にパソコンがあり、インターネットにもつながっていました。 当時はインターネットが何か分かっていませんでしたが、 無料のゲームをダウンロードして遊んでおり、 Flashやニコニコ動画といったWebコンテンツの盛り上がりもありました。 インターネットが当たり前の幼少期を過ごし、面白いと思ったものを触っている間に、 インターネットの魅力に引き込まれていきました。

大学時代の専攻や経験したことについて

コンテンツを消費する側でインターネットの面白さを知ったことをきっかけとして、 大学では情報科に進みました。 必修授業で学んだネットワークや、 学内でFlashやニコニコ動画のコンテンツを作っている人の影響を受け、 自分でもFlashのアプリを作ってみたことで、 サーバとクライアントが通信する仕組みを知りたくなりました。

研究室では、プロトコルを専門としている教授の下で、 セキュリティ系のプロトコルを専攻することになりました。 OAuthとHTTPSに関して深く研究した他、 TLSやOAuthに関連する改善提案なども行っていました。 その過程で、RFCを読むようになりました。

学生の頃から、外部の勉強会やイベントに顔を出すようにもなりました。 ニュースサイトでイベント案内を見つけ、 そこからTwitterで情報を追いかけるといった形で、情報収集をしていました。 特に、OpenIDファウンデーション・ジャパンでは、 ドラフトレベルの標準化活動の話を聞くことができ、強く印象に残っています。 学生の自分が外部イベントに参加するのは心理的ハードルが高かったのですが、 大学の授業で聞いた技術について、詳しい人の話や応用例を聞くことができ、楽しかったです。 JANOGもですが、インターネットのコミュニティは学生に優しく接してくれるし、 立場に関係なく同じ目線でディスカッションできるよさがあります。 実際に、同じ技術トピックに関心がある人たちと、盛り上がることができました。

大学卒業後の進路と、これまでのキャリアについて

大前提として、エンジニアとして就職をしようと考えました。 いろいろな企業を見る中で、SIer、外資系ベンダー、メーカー、 Webサービス事業者を中心に検討しました。 勉強会でエンジニア同士が楽しそうにしていたことから、 就職活動ではお会いしたエンジニアの方が技術について楽しく話しているかを、 進路を選択する上での軸にしました。 特にWebサービス事業者のエンジニアの方は、仕事にプライドを持ち、 さらに楽しそうに仕事をされているように感じました。 Webサービス事業者から複数の内定をいただき、グリー株式会社に入社しました。 グリー株式会社の会社説明会で、CTOが楽しそうに話していて、 エンジニアドリブンの組織なんだろうなと感じたことを覚えています。 実際に入社してからも、ものごとの判断において、エンジニアとしてのチャレンジや、 やる気を重視しているなと感じます。

業務における自身の役割としては、インフラエンジニアになります。 扱う領域は広く、データセンターのラッキングや、物理的なサーバの設定・保守、 オペレーションまで担当しています。 その中で、ゲーム等の自社サービスにおけるインフラ構築・運用作業を行います。 サーバの台数が多いので、自動運用の検討にも取り組んでいます。 入社して最初の1~2年は、サーバの自動構築および効率化作業も担当しました。 先輩後輩という隔たりはなく、率直に意見を出し合って進められる職場です。 研修やOJTはもちろんありますが、学生の頃に学んだ通信の知識や、 研究室のネットワークやサーバ運用経験は、社会人になっても役に立っています。

現在はマネージャーになり、 チームとして大きめのプロジェクトを担当するようになりました。 サーバ効率化やクラウド利用の検討、 インフラ環境を中期的にどうしていくかという課題に取り組んでいます。 この他には、プロダクトを作っているチームとコミュニケーションを取り、 インフラのチームとして貢献できることを考え、仕組みを作っていくことも行っています。 マネージャーに求められることについて言うと、 調整業務やお金に関するところは苦手意識があり、 経験を積んでいるところです。 エンジニアとして楽しく仕事ができるようにという一貫した思いがあり、 それがチームとしてできるような組織にしていきたいと取り組んでいます。

コミュニティでの活動について

IETFは、2015年に横浜で開催された第94回会合で、初めて現地参加をしました。 それまでは、メーリングリストを中心に、HTTPやOAuthに関する動向を追っていました。 IETFに参加することは、自分の関心という面もありますが、 会社もインターネットにおけるステークホルダーの一員として、 貢献していくという面もあります。 IETFの現地に行くと、情報交換できるくらい日本からの参加者はいるのですが、 まだまだ足りていないと感じます。 日本人が誰も参加していないWGがあると、詳しい情報を得られなくなってしまいます。 また、いろいろなコミュニティで言われますが、若者が少ないと思います。 自分や、自分より下の世代でもIETFに興味を持っている人はいますが、 実際にミーティングに参加しているのは、毎回同じ人です。 敷居が高そうに見えることや、 コントリビューションしないのであれば現地に行く必要はないという判断になってしまっているのではないでしょうか。 そんなことはなく、私は、現地に行ってみるだけでもいいのではないかと思います。 そうすれば国内に情報が伝わるきっかけができ、よい循環につながります。 JPNICが行っている国際会議参加支援プログラムは、よい取り組みだと思います。 国際会議に参加することで、インターネットは、 水道みたいに蛇口をひねれば出てくるようなものではなく、 関わる人みんなで作っていることを実感することができます。 その上で、得た情報が国内に供給されることが大事です。 引き続き取り組んでいくべきことです。

ISOC-JPには、IETFで知り合った方に勧められて、参加するようになりました。 ボランタリーベースでされているがゆえの難しさはありますが、 技術的な話題以外にも、ポリシーメイキングやマルチステークホルダーに関わる議論もあり、 学ぶところが多いです。 対人スキルも向上します。

今後の目標について

引き続きエンジニアとして楽しくやっていきたいです。 具体的に言うと、学生の時に一緒に技術を楽しんだ先人がいたので、 自分が年を取った時に、 同じように学生に対して「これ面白いね」と一緒にできたらいいなと思います。 若い人に刺激をもらいつつ、若い人には負けないぞという気概を持っています。 ただ、若い人は優秀なので、なかなか大変ではありますね。

もう一つ、インターネットをサステナブルに維持していくために、 一人一人がステークホルダーであることを伝えていきたいです。 インターネットが当たり前になりすぎて、ピンとこないかもしれませんが。

後藤さんが最近気になっていること

手に何か持っていないと落ち着かないところがあって、 最近はトランプでマジックの練習をしています。 ハイパーヨーヨーをやっていた時期もありますが、 オフィスでは邪魔になってしまうので……あとは、 せっかくゲームに力を入れている会社に属しているので、 PCでカジュアルゲームを作りたいという気持ちは持っています。

最後にインターネットに対する愛情のこもったメッセージをお願いします!

インターネットがあったからこそ、自分の人生が豊かになりました。 いろいろな人に出会えたし、海外にも行けました。 日々生きている中で、インターネットの利便性について思いを巡らせることがあります。 インターネットの健全な維持に向けて取り組むことが、 自分の人生で与えられたミッションだと思います。 自分でよければ、質問をもらったり、講演に呼んでもらったり、お応えしたいと思います。

写真:初参加記録
IETFミーティング初参加時の記録です。(2015年に横浜で行われた第94回IETF)
写真:現地のバー
IETFミーティングの際は、現地のバーに行くようにしています。 (写真は2019年の第106回IETFミーティング開催地であるシンガポールで訪れたバー)
写真:ハンバーガー
海外では、必ずご当地のマクドナルドを訪問します。

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